ステンドグラスのガラスメーカー

ステンドグラスと言えばガラスが命です
同じ作品でもガラスの選び方で、まったく別の作品になります
ここで製作者一人一人の個性が出てきます

ステンドグラスの歴史で生まれたのはヨーロッパで育ったのは
アメリカと言えるでしょう、ガラスメーカーもヨーロッパよりもアメリカの方に
有名メーカーが多いいと思いますので
アメリカのメーカーを中心に、触れて行く事にします

 Lamderts(ランバーツ)
70年以上の歴史を持つ、今では少なくなってしまった
アンティークガラスのメーカーで、その規模は世界最大級です
その歴史は均一で、発色のよい最高品質のガラスを製造し
建設業界などに高い信頼を受けています

 Uroboros(ウロボロス)
アメリカ、ポートランド市のモトルオパールセントガラスの
草分けメーカーで、フュージングにも力を入れており
そのラインナップは増加の一途で、発色はブルズアイ
とともに非常にビビットな物が多いです

 Youghiogheny(ヤカゲニー)
ペンシルバニアの山麓のガラス工業地帯にある同社では
パート・ド・ヴェール様の柔らかい発色に特徴の有る
スティップルを初めとする、ランプシェード向けのガラスを
製造しています、又ティファニーが使っていた
ガラスの再現にも力を入れいいます

 Bullseye(ブルズアイ)
元々ハンドロール製法によるガラスメーカーですが
今ではステンドグラスワーカーのみならず、キルンワーカー
御用達のメーカーになりました、板ガラスの他
フリット、パウダー、コンフェティ、ストリンガーなどを生産し
更にはバーナーワークにまで広がっています

 Oceana(オセアナ)
アートグラスの最高峰といわれるガラスで
同社は小さな工場で、一枚一枚ハンドロールされるため
生産には大変時間と手間がかかりますが、リングモトルの見事さと
その絶妙な配色は、ティファニーレプリカの
製作に無くてはならないガラスといわれます

 Chicago(シカゴアート)
 アメリカはイリノイ州にある、ランプシェードに最適な
柔らかい透過性を持つガラスです

 Wissmach(ウィスマーク)
ペンシルヴェニア州、ペイデンシティー町にあり、町の創立
1903年の翌年、1904年からオパールセントグラスなどの
製造を開始しています、アメリカではココモに続いて2番目に古い
歴史を持つ会社で、ここのガラスの質は安定しており、カットも
しやすく発色も良いため、初心者からベテランまで広く使えるガラスです

 English Muffle(イングリッシュマッフル)
イングリッシュマッフルは、ウィスマークが作るガラスで
古い時代に使われていたウィンドウパネルのガラスの雰囲気と
色を再現した物で、落ち着いた感じに特徴があります

 Armstrong(アームストロング)
アメリカ南部のメーカーで、普通のマシンロール、オパールセントよりも
若干薄いので、カットしやすく初心者向けのガラスです
ウィスピー調の半透明系のガラスに特徴がある以外は、これといって
発色のポイントは有りませんが、言い換えると、どのようなガラスを
使った時にも合わせて使う事が出来る
オールマイティーなガラスと言えるでしょう

 Spectrum(スペクトラム)
世界最大級の生産能力を持つメーカーで、連続リボン製法により
レアーラインから出てくるシートを機械的にカットし
箱詰めを行う事により、年間3万ケース以上の出荷能力を持ちます
発色が非常に安定しており、又そのナンバーから
色模様を容易に推測する事が出来ます

 Kokomo(ココモ)
アメリカ最古参のメーカーで、L.C.ティファニーなどとも直接関わった
歴史を持つメーカーで、その歴史のため、日本の古いステンドグラス
などにも見られますが、廃盤となっている色やロールが多く
修復家泣かせのガラスとも言えるでしょう
さすがに発色には老舗のノウハウが感じられ
自然を題材にした具象作品に適したガラスが多く見られます

 Optimum(オプティマム)
少し変わったテクスチャーを持つ板ガラスです、透明色のみで色数も
ほとんど有りませんが、パネルのアクセントやボーダーによく使います
   
ヨーロッパには、フランスのサンゴバンやイタリアの
エッフェトレ・モレッティが有ります
日本ではどうかと申しますと、唯一純国産のステンド用板ガラス
上越クリスタル硝子株式会社が、群馬県月夜野市にあり

花器やグラスなど様々な硝子製品を製造している
ハンドメイド硝子の専門会社です、やや硬い品質を持ち
カットやハンダ付けには多少技術を要しますが
その深みの有る発色とオリジナルカラーに定評があります

  [参考資料 がらすらんど(株)商品カタログ]

ステンドグラス用のガラス(以降ガラス)は少し変わった基準単価があります
一坪、二坪と坪で決めています、坪といっても、土地の坪とは違い
ガラスの場合、一坪は30cm×30cmとなっています

各メーカーによってガラスのランク付けがあり、Aからだんだん高価になり
F.G・・・となっていきます(メーカーによって最高ランクが違います)
このランクが基準単価となります、同じランクであってもメーカーによって
大きく価格が異なります

ステンドグラスの材料を扱っている問屋さんに、取引の有る製作者が
一坪、二坪注文しても、売ってくれません
各メーカーによって異なりますが、大判一枚100cm×80cm位で
1/2、 1/3、 1/4と販売します(大判含む)

製作者のほとんどの方は、まとめて購入していると思います
それは、ステンドグラスの材料は、ほとんど輸入しています、
船便なので在庫が無かったら、2、3ヶ月待たなければなりません

各メーカーの人気の有るものは、早くに無くなってしまいますので
入荷のときは、早い者勝ちの感があります。