Nakamichi TD-1200
“なんちゃってバージョン”


装着例:Callora System ver.5.1

凛然と輝く銀色鶏冠(トサカ)こそ,初代の証。
CD-700同様,金属製プレートは雰囲気を一新させる。

 「ホームオーディオ並」を目指して,ナカミチ技術陣が全てを注ぎ込んで誕生したユニット。実に20年も前に誕生したことになります。デジタル全盛となった今では,テープデッキは表舞台から去ってしまいましたので,この1200系はアナログデッキの最高峰を守り続けるコトでしょう。

 今回手に入れたユニットは,本体だけでチューナーユニットが付いていませんでした。そのため,所有していたTD-1200IIのユニットに接続して動作確認を行いましたが,ヘッドは良い状態に保たれているようです。少なくとも,今まで所有していたTD-1200IIよりも摩耗が少ないため,バックアップとして最適ですが,基盤上のコンデンサが吹いていたので,機会を見てメンテに出す計画です。

心臓部のクリスタロイヘッド。摩耗は少ないですね。
NAACのため四分割されているのが判りますか?
≪購入経緯≫
 私が所有するモンスターマシン(TD-1200系)は,古びたTD-1200IIの1台のみで,万一のバックアップは常日頃より欲しいと思っていました。しかし,某ネットオークションでは,何故か異常な高値を示すため,バックアップ機に巡り会う機会はほとんどありませんでした。時折,ジャンク扱いのTD-1200IIもありましたが(メンテナンス費用を鑑みると,落札価格が\20,000を超えるために除外。また,そのほとんどが後期型だったため),チャンスは少なかったですね。

≪出会い...≫
 ある日,初代の冠を被ったTD-1200II(当然初期型)に出会いました。アルミパネルやステッカーシールでは,明らかに第二号機ながら何故か初代の銀色鶏冠(トサカ)が付いている...。初代にしろ第二号機にしろ,現在のTD-1200IIのバックアップとして運用することが可能でしたので入手することにしました。

≪さっそくバラされる...≫
 送られて来て直ぐに保管中のチューナーユニットと接続して安定化電源に接続すると,微かに『ウィーン』とモーターの廻る音が聞こえます。『これはひょっとすると問題ないかも知れない...』と,期待に胸を膨らませ暗証番号を入力。ロックが解除されるまで非常に短い時間なのですが,長く感じてしまいました(笑)。
 無事にロックが解けましたので,テープをかけてみたんですがNAACが作動しません...ラジオもダメ...。所有するTD-1200IIも,以前同じような症状に見舞われた事があります。

『これは未通電の期間が長かったために,壊れたのかも知れない...』

と心配しましたが,しばらくすると何とか動いてくれました(激嬉)。
 アンプに接続してテープを聴いてみると...若干のワウフラッターが発生しています。やはりオーバーホールが必要でしょう(暫く使うと安定しました)。残念なことにテープ走行が遅いので,何らかの不具合が生じていると容易に推察できます。天版をあけてみると...あららコンデンサが吹いていますし,その隣の抵抗も腐食しています。これはイカンですねぇ...。メーカー送り決定です(ちなみに,所有するTD-1200IIも,同じ場所が治療されていました)。

≪結論...≫
 まぁ...いろいろ書きましたが,ヘッドの状態は良好だと思います(目視レベル)。テープ走行に難のある状態でも,重心が低く力強いサウンドを垣間見ることができました。メンテの際に,特性も見て貰う予定です。
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