「おば様の赤ちゃん」八



バレエレッスン
「痛い、痛い。そんなに高く上がりません」
「何を言ってるの?こんな高さで。そんなことではお姉さんになれませんよ。いつまでも赤ちゃんのままよ。毎日しっかりお稽古しましょうね。もっともっと高く上がるようになるまで」
「そんな!毎日だなんて。もうやめて。それに足が痛くて。もう少し下げてください」
「明子ちゃんのお口はうるさいでしゅよ。里奈ちゃん、明子ちゃんが静かにレッスンできるようにオシャブリをあげてちょうだい」
「は〜い、美記お姉さま!明子ちゃん、お口をア〜ンして」
「あっ、やめて、アグッ、ムムッ」
里奈にあごを強く抑えられ、開いた口中にオシャブリが押し込まれた。
「ウグッ、ムム」
「やっと静かになったわね。練習を始めるわよ。足を下げて、はい上げて。アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ、はい、続けて」
「ウッグッ、ウックッ、ム〜ン」
後ろ手高手小手縛りにされた上、レオタードにピンヒール姿でグランドバットマンの練習をさせられているのである。通常は低い位置からのバットマンからであり、しかも前方向の練習からするのであるが、いきなり横に高く足を上げるグランドバットマンの練習を強制的にやらされているのである。転倒しないようにしっかり体は吊られている。横2枚、縦3枚のオシメをあてがわれているため、レオタードの小股の部分が妙に膨らんでいるのである。
「オシッコしたくなったら我慢しなくてもいいのよ。オシメをあててあるから。でもオシメをしたバレリーナだなんておもしろいわね、里奈ちゃん?」
「はい、とってもおもしろいです、美記お姉さま。世界中探してみても明子ちゃんくらいしかいないのではないでしょうか?」
「あらあら、明子ちゃんたら、涎をあんなに垂らして。汚いわね〜。里奈ちゃん、涎掛けをしてあげてちょうだい」
「はい、美記お姉さま」
「明子ちゃん、涎掛けですよ。可愛い涎掛けでしょ?」
縁にフリルの付いた大きな純白の涎掛けが里奈の手によって首に巻かれた。真っ赤なレオタードに純白の涎掛け。オシャブリを銜えさせられているのがまた実に奇妙な雰囲気を醸し出している。
「はい、今度は前に上げましょうね。アン ドゥ トロワ、アン ドゥ トロワ。しっかり足を上げて。手を抜くといつまでも終われないわよ。もっと足を上げて。」
秋夫が銜えさせられているオシャブリは外見上は、ツバとリングの付いた普通のオシャブリのように見えるが、秋夫は大きなゴムボールを銜えさせられているのである。そのため話すことはおろか、涎さえ飲み込めずに、赤ん坊のように涎をタラタラと流し続ける他はないのである。
(ううっ、オシッコがしたい。あっ、漏れる)
秋夫はバレエのレッスン、足を高く上げるレッスンをさせられながら、オシッコをもらし、なすすべもなく、オシメを濡らしていくのであった。バレエのレッスン中に、そしてまたお漏らしを教えなかったということで、厳しいお仕置きが待っているのであった。そんなこととはつゆ知らず、必死に練習する秋夫であった。



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