2.イル・ド・フランス

Bas Breau(M:赤4、1 G:赤3、14)
バルビゾン Barbizonにあるホテル・レストラン。目抜き通りからみるとさほど大きく見えないが、中にはかなり広く美しい庭がある。ホテルはかなり高級らしいが泊まった事はない。レストランはかなり高いが、これは割高と云う事ではなく、良い素材を沢山使った料理を食べさせると云う事で、一番安い定食でもかなり高級な素材を用い、量も日本人には多過ぎる程である。
かつて昭和天皇が食事されたことで有名な店である。

Saphir H.(M:黒3、0 G:0、0)
ブリー地方の入り口、ポントー・コンボー Pontault-Combaultの国道104号沿いにあるホテル・レストラン。此処迄来るとホテルの料金はパリの半額以下、つまり地方都市の値段である。レストランはビュッフェで安く上げる事も、本格的に2皿、チーズ、デザートと取る事も出来る。ブリー地方にあるせいか、本場のブリー・ド・モーが1枚置いてあって食べ放題である。ワインもそこそこあり、その時のお勧めワインとして古い年号の高級ワインも数種類用意していて、値段も決して高くない。

Novotel Porte de Bagnolet(M:黒3、0 G:0、0)
住所はバニョレ Bagnolet市になるが、ポルトを一歩出た所である。近年この辺りに近代的な大ホテルが次々と建てられており、主に外国からのツアー客に利用されている。地下鉄の駅に近く、パリ市中心部迄は20分程度で行ける。部屋は見たことがないが、普通のノヴォテルであろう。アメリカ料理のレストランがあるが、お勧め出来ない。恐らくアメリカ人の団体客を意識して作った店であろう。

Au Comte de Gascogne(M:黒4、1 G:−、15)
ブローニュ・ビヤンクールBoulogne-Billancourt市内で、或いは若しかするとオー・ド・セーヌ県で最高のレストラン。ガラスの屋根、岩、植物等、ボルドーのシャポン・ファンを思わせる内装であるが、ずっと狭く、細長い。その名の通りガスコーニュ料理を標榜しているが、フォア・グラが自慢な事とアルマニャックが並んでいる事を除けば些か怪しい。価格、料理共にパリのやや高級な1つ星レストランを想像すれば当らずとも遠からずであろう。

La Flottille(M:0、0 G:−、12)
ヴェルサイユ Versailles宮殿の敷地内、大運河の横にあるレストラン。料理も内装も特別上等ではないが、値段相応に楽しめるので、宮殿へアテンドした時の昼食には丁度良かろう。夏はテラスと云うよりも店の前の空き地にずらりとテーブルが並ぶらしい。

 
3.シャンパーニュ、アルザス

1)ランスReims市内

Boyer Les Crayeres(M:赤4、3 G:赤4、黒17)
ポムリーのすぐ隣であるが、お互い庭が広いので歩いて行くとかなり時間が掛かる。広大な敷地内では森の中の散策さえ楽しめるし、ヘリコプターで行く事も出来る。駐車場を見ると停まっている車の内、メルセデスとBMWとフェラーリで8割以上を占めていたりする。ホテルは最低でも千フラン弱であるが、週末はいつもかなり前から予約が一杯である。ここに泊まるヨーロッパの富豪達は日がな一日庭を散策したり寝そべったりして過ごす。
一方レストランはこのクラスとしては決して高くないし、シャンパーニュの値段はむしろ安い。料理は軽めで日本人には丁度良い量である。魚料理の責任者は在仏14年の日本人、馬田氏である。

Mercure Cormontreuil(M:黒3、0 G:0、0)
東の町外れにあるが、これはボワイエを通り過ぎて少し先であり、ボワイエに宿泊されるお客様のアテンドで泊り込む場合や、ボワイエに泊まるほどでもない場合に便利。パリなどのメルキュールに比べると快適で安上がりである。

Paix(M:黒3、0 G:黒2、0)
中心街の値段も手頃で快適なホテル。アルザス料理のブラッスリーあり。

Crystal(M:黒1、− G:0、−)
駅前の安いホテルとしてはなかなか快適。

Le Vigneron
街中の手頃な価格のレストランで、アテンドによく利用する。圧搾機などを内装に使っており、ワイン好きな人には喜ばれそう。

2)ランス周辺

Ibis Tinqueux(M:黒1、0 G:0、0)
アルザスへのアテンドの帰りに泊まったが、イビスとしては上出来。夕食をLa Garenneにする時には丁度良いが、接待なら隣にあるノヴォテルの方が適当であろう。

Le Grand Cerf(M:黒3、1 G:−、14)
エペルネ Epernayへ行く途中のモンシュノー Monchenot村にある。絵画を沢山飾ってあるサロンはかなり広く、庭でも食事出来る。安価な定食も色々あって、むしろVigneronなどよりも安上がりかも知れない。シャンパーニュの品揃えはかなりのもので、特に古い年号のコレクションに驚かされる。車でないと行けない場所なので観光客の姿は殆ど無く、地元の上流階級の人が殆ど。最初に行った時には隣のテーブルの客に日本人が来たと珍しがられた。

La Garenne(M:黒3、1 G:−、0)
ランスの西郊、シャンピニー Champigny村にあるもう1軒の1つ星レストラン。客席の配置はゆったりとしており、なかなか豪華な雰囲気。ここも価格は良心的。パリから車で来て先ず食事、あるいは食事を終えたらすぐパリへ戻ると云う場合には便利である。

L'Assiette Champenoise(M:黒3、0 G:黒2、15)
ランスの西隣のタンクー Tinqueuxにある。ソムリエ研修に付合って覗いただけであるが、このクラスの高級ホテル・レストランとしてはまずまず。

3)アルザス

Au Crocodile(M:黒4、3 G:−、黒17)
ストラスブールStrasbourg市内のレストラン。入り口にはワニがぶら下がっている。白で統一されたテーブルと明るい内装・照明は輝かしい。
魚料理で名高いらしいが、フォア・グラや肉料理も素晴らしい。例えば伝統的な調理法の鴨を美味しく食べたければ、トゥール・ダルジャンではなくここへ行くべきであろう。

 
4.ブルゴーニュ

1)ヨンヌ県(シャブリ及び周辺)

La Cote St-Jacques(M:赤4、3 G:赤3、黒17)
ジョワニー Joignyの川岸にあり、道を挟んで川側の方が高い部屋とバーやプール等、山側の方が安い部屋とレストランになっている。安い部屋は眺めが良くない(尤も川が見えないと云うだけで、古い町並みの景色は悪くない)が、十分に広くて快適である(高い部屋はもっと広いのであろうが)。ロビーは明るいと云うよりも輝かしい、或いは眩しい感じであるが、余り広くないレストランは落ち着いた雰囲気である。敷地は勿論ボワイエのように広くはないが美しく、また立体的で面白い。料理はそれほど重くない。
レストランの隣がやけに騒がしいと思ったら、翌日の朝食の時に日本人の団体旅行と出くわした。これで夕方急にお湯の出が悪くなった理由が分かった。
シェフのロラン氏は最近市内にブドウ畑を買い、自分のドメーヌのワインを売り始めた。フロントで申し込めば買える。

L'Esperance(M:赤3、3 G:赤3、赤19)
ヴェズレー Vezelayの隣村、サン・ペールSaint Pere村にある。レストランの上にある安い部屋はなかなか趣があって快適である(奥の高い部屋は知らない)。レストランは豪華な雰囲気で、中庭が美しい。料理は意外にも常識的でかなり重いが、勿論素晴らしいものである。アペリチフやコーヒーが高いので勘定を見ると少し驚くかも知れない。
ムノー氏はヴェズレーにシャルドネの畑を持っており、グラスワインでも飲めるし、入り口の売店でも買える。またこの売店では様々な小物やオスピス・ド・ボーヌで落札したワイン、その他お勧めワインなども買えて、価格は良心的である。

Host. des Clos(M:赤3、1 G:黒2、16)
シャブリChablisにある唯一の高級ホテル・レストラン。ピンクで統一されたレストランと、そして庭も美しい。宿泊も食事も安いので、筆者はプライベートでシャブリに泊まる時には他の選択肢は考えていない程である。料理はややヌーベル気味だが、肉料理も含め、シャブリのワインに合うように考えられている。ワインリストはシャブリが見事に並び、ハーフボトルのグランクリューでさえ迷う程あるが、コート・ドール県のワインも結構ある。客室のミニバーにシャブリ・グランクリューが冷えているホテルを筆者は他に知らない。

2)ボーヌBeaune

Poste、St Christophe(M:黒3、0 G:黒3、0)
ホテルは市内ではかなり高級な部類らしいが泊まった事はない。レストランは高級感はあるが、味は平凡である。

Novotel(M:黒3、0 G:0、0)
高速道路の出口の側にあり、市中心部からはかなり遠い。車で出張した際に何度か使用したホテルである。部屋も広く、快適である。

Mercure(M:黒3、0 G:0、0)
ノヴォテルとほぼ同格のチェーン・ホテルであるが、こちらは市中心部から近いので便利である。

Ibis(M:0、0 G:0、0)
高速の入り口から市中心部へ向かう途中にある。やや格下のチェーン・ホテルであるが、レストランも付いている。バーではブルゴーニュワインを色々グラスで飲めるし、フロントでワインや土産物の販売も行なっている。

Arcade(M:0、0 G:0、0)
同様のチェーン・ホテルであるが、市中心部からすぐである。レストランの安い定食でも、エスカルゴ、ブッフ・ブルギニョン、コック・オー・ヴァン等のブルゴーニュらしいものが食べられる。

Bernard Morillon(M:黒3、1 G−、14)
ボーヌ市内では最高のホテルという事になっているホテル・ル・セップの隣で、これも最高のレストランという事になっている。夏は中庭でも食事出来る。個性的なマダムがシンボルである。
ここのソムリエは頻繁に変わるので古い年号の在庫ワインをどれだけ把握しているか心配である。一時期は何とボルドーのSt Jamesにいたソムリエール迄いたとのことである。

Le Jardin des Remparts(M:黒3、1 G−、15)
その名の通り、城壁の側にある中庭の美しいレストラン。シェフは筆者よりも若く、実に謙虚な人であるが、素晴らしい料理を作る。ここの利点は何よりも安い事で、平日は130フランの定食さえある。ある程度の人数(6〜10)で余り予算を使いたくないお客様の時に、予めこの定食を予約しておけば感激される事請合いである。

Caveau des Arches(M:黒2、0 G−、0)
地下(カーヴ)にある比較的安価なレストラン。

3)コート・ドール県(ボーヌを除く)

La Cote d'Or(M:赤3、3 G:赤3、黒19)
国道6号線添いのソーリュー Saulieuにある。ボーヌからは峠越えを含めて45分は掛かるので、ここへ行くのを目的にする人以外には勧められない。
国道に面した方が旧館で、昔から街道沿いのホテルとして知られていたものである。前の所有者も高名な料理人であり、ロワゾー氏はその伝統を引き継いで発展させたと言えよう。数億円掛けて改装したと噂される中庭が美しく、これは旧館の安い部屋(400フラン程度)からも見えるが、レストランからの眺めが良い様に造られている。奥にある新館はルレ・シャトーに格付けされたもので、高い。
鶏の料理が有名らしいが、これは1羽をそのまま料理して数人前になるので食べたことがない。料理は基本的にヌーベルであるが、肉料理などしっかりしたソースで食べさせる事もある。
隣にブティックがあり、ワインや食卓用品、書籍その他のグッズを販売している。

Le Montrachet(M:黒2、1 G:黒2、14)
ピュリニー・モンラッシェ Puligny-Montrachet村にあるホテル・レストラン。ホテルは新しくはないが、奇麗に内装されており、部屋は広く快適である。料理は基本に忠実なブルゴーニュらしい料理で、比較的安価である。ワインはその名の通りル・モンラッシェだけでも迷う程あるが、かなり安い。うら若い美女のソムリエールがいるが、なかなかの腕のようである。

Les Millesimes(M:赤3、1 G:−、15)
ジュヴレー・シャンベルタンGevrey-Chambertin村の地下(カーヴ)にあるレストランであるが、ボーヌのカヴォー・デ・ザルシュとは全く違って、非常に高級な店である。料理はヌーベルだが、チーズ、デザート、ワインの品揃え、どれを取っても申し分ない。ニュイのドメーヌ回りのアテンドのついでに接待に使えば喜ばれる事請合いであるが、今の所そう云うお客様はない。

4)ソーヌ・エ・ロアール県

Lameloise(M:黒3、3 G:赤3、黒17)
コート・ドールとの県境に近いシャニー Chagnyにあるホテル・レストラン。ブルゴーニュの他の3つ星と異なり、町のほぼ中心部にあるために中庭などはないが、正面の広場には第1次世界大戦の戦没者追悼碑があって献花が絶える事はない。
レストランは地下ではないが、カーヴ風に造られており、細かく幾つかの部屋に分かれている(アルページュの地下室が幾つも並んでいる感じ)。ここで何よりも特筆すべきは料理の値段で、夜でも370フランの定食があるし、アラカルトでも500フランあれば大丈夫である。ここは3つ星レストランにしては珍しく、レストランの外での活動を殆ど聞かないし、庭などに金を掛けていないから、本来はどこでもこの値段であるべきなのかも知れない。料理は軽めであるが、アミューズ・ブーシュやアヴァン・デセール等も充実しており、安く上げてもかなり食べた気になる。ワインは特別安いとは思わないが、品揃えは勿論抜群である。
ホテルも素晴らしいらしいが、泊まった事はない。

Manoir de Sornat(M:黒3、1 G:赤2、16)
県の西の外れ、ロアール河畔のブルボン・ランシー Bourbon-Lancyの町外れにある、ノルマンディー風城館を改装したホテル・レストラン。建物は年代ものであるが、部屋の内装は新しく、実に快適である。レストランに絨毯が敷いてないので良く見たら、芸術的ともいえる程の見事な木組みの床であった。
料理はヌーベルで工夫を凝らしたものが出るが、ジビエ等は古典的にしっかりと作って来る。ワインの品揃えは多くはないが、価格は良心的である。

St Georges(M:黒3、1 G:黒2、13)
シャロンChalon-sur-Saoneの駅前のホテル。やや古い建物であるが、内装は奇麗で、300フランしないシャワー付きの部屋でも十分広く快適である。
レストランはブルゴーニュの普通の高級レストランという感じであるが、特筆すべきは110フランの定食である。「1人4千円以下の予算で星付きのレストランで接待せよ」と云う無茶苦茶な注文を受けても大丈夫である。ワインの種類はそれ程多くはないが、ロマネコンティからボジョレー迄幅広く揃っている。

Terminus(M:黒2、0 G:0、0)
マコンMaconの駅前のホテル。ありきたりの田舎のホテルであるが、普通の人を泊めるのなら恥ずかしくはないレベルには十分ある。


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