浦戸心中拾遺



小説「浦戸心中」で悠一が由美子の携帯電話に送ったメールという想定で詠んだ歌のうち,小説に使用しなかったものを集めた。


楽しきは幻にして人の世は苦しきのみの定めなるべし


武蔵野にふる白雪は我が袖の涙の川のこほるなりけり


つれもなき人を恋ひつつ信濃路を行けば土佐にも白雪ぞ降る


永らへて我が苦しみはあしひきの山下水のたゆることなし



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