ミュンヘン市内観光&ヘレンキームゼー城へ
ミュンヘンに滞在するのは3日間。今日は午後からJALエクスプレスの半日観光の予約がしてあり、明日は同じくJALエクスプレスで1日観光。そして明後日の昼の電車でスイスへ移動、というスケジュールのため、市内を観光できるのは今日の午前中しかない。去年も3日間滞在して主なスポットは見てまわってはいるのだけど、見逃していたものがあるのだ。ひとつは明日行くことになっているノイシュバンシュタイン城なのだが、もうひとつはミュンヘン市内のフラウエン教会の中にある。どうしてもそれだけは見ておきたかったので、昨夜寝たのは2時過ぎだったと思うのだが、根性で7時には起床。普段なら辛いところだけど、旅行中ゆえのテンションの高さと時差ボケの影響でそれほど辛くは感じない。
朝食のとれるレストランは広々していて、内装もいかにもヨーロッパ、という雰囲気。スタッフの応対もとても丁寧で感じが良い。野菜は少ないけれど、フルーツがたっぷりあるので、これでビタミンC不足は補えるかな?という感じ。
朝食はホテルのレストランで やっぱり生野菜は少ない フルーツがたっぷりあるのが嬉しい!
朝食を済ませたら、さっそくホテルからマリエン広場までお散歩。最初の目的はヴィクトアーリエンマルクト。これも去年見逃したもののひとつで、要するに街の常設市場で、食料品を中心に扱うお店が集まっているのだ。どこの国へ行っても必ず訪れたいのが市場やスーパーマーケット。完全に溶けこむことはできないのだけれど、そこに暮らす人々の生活の一部を垣間見ることのできる場所だからだ。ソーセージを売っているお店、フルーツのお店、パン屋さんなどを覗いてまわっているうち、去年街中のあちらこちらで売っているのを横目で見つつ、結局買うことのできなかったベリーがどうしても欲しくなった。そうだ、今日の昼食後のデザートにしよう!と目の前にあったフルーツのお店の店員さんに声をかけた。ブルーベリー、ラズベリー、クランベリー…どれにしよう…とちょっと悩んだけれど、ラズベリーを1パック購入。2.9EUR(約420円)だった。いつもそうなんだけど、市場やスーパーで買い物をすると妙にウキウキしてしまう。手提げ袋をもらって軽い足取りでフラウエン教会へ向かった。
イザール川のほとりに建つこのフォルクス
バートは室内プールだそうですドイツ博物館 イザール門 ヴィクトアーリエンマルクトという市場 フルーツや野菜がいっぱい! なにやら音楽の演奏をしてました(あまり上手
ではなかったけど…)ドリアンが!!! ひまわりの花がきれい! このお店で買い物をしました 新市庁舎 新市庁舎のグロッケンシュピール
このフラウエン教会でどうしても見たかったものは「悪魔の足跡」。この教会が完成して奉納式が行われる前夜、どんな教会ができたのか見に来た悪魔が立った位置に残されているというものだ。当時は正面に巨大な祭壇があったため、悪魔が立った位置からは窓がひとつもないように見え、悪魔は「こんな変な教会に来る信者はいないだろう」と大笑いしたとか。ところが、少し前に進んでいくと、建物の横に窓があるのが見え、「だましたな」と怒った悪魔が教会を壊そうとしたが、教会は無事だったとの伝説が残っているのだ。教会の中に入ると、なぜ前回気付かなかったのか不思議なくらい、目立つ位置にそれはあった。私も足跡の上に立ち、悪魔の気分を味わってみた。
せっかくここまで来たことだし、時間もまだあるので塔の上に昇ってみることにした。一度外に出て、窓口でチケットを買おうと売り場の女性に声をかけると「学生ですか?」と聞かれた。去年も何度か経験してるので「いいえ、大人です」と答えると、女性は一瞬「え?」という顔をした後、「ああ〜ごめんなさい!」と言いながら高らかに笑った。なぜそんなに笑うんだ?と考えてみてはっとした。もしかして、「学生」というのは「大学生」ではなく、「中高生」を意味してる?! 私はてっきり「大学生」と解釈して「そうか〜20歳そこそこに見えるのか〜」などとちょっと喜んでいたのだけど…どうやら身長だけで判断されていたらしい…。
フラウエン(聖母)教会 前回も来たんだけど、見逃してたものがあった
んですそれがこれ!「悪魔の足跡」 そこから見た教会の内部 少し前に進むと窓が見えてきます 教会の塔に登ってみました
チケットは3EUR(約440円)
塔の上からミュンヘンの街を眺めた後は、「リシャルト」というパン屋さんで昼食のサンドイッチを買ってホテルに戻る。マリエンプラッツからSバーンに乗り、最寄り駅はローゼンハイマー駅。この区間だと1.1EUR(約160円)の短区間券で済む。ローゼンハイマー駅からホテルへのアクセスは、ガイドブックを見ても「ホテルと隣接」とは書いてあったし、地図で見てもそこそこ近いことはわかっていた。しかし、実際に行ってみると、「隣接」どころか、「直結」ではないか! 改札を出て「Hilton」の表示に従って歩いて行けばホテルの地下に到達できるのだ。つまり、ミュンヘン空港からも乗り換えなしで、しかも、一度も外に出ることなくホテルに着くことができる、ということがわかった。…なんだ、こんな便利な立地だったのか…。
お昼は「リシャルト」で買って帰りました マリエンプラッツからSバーンでホテルに戻り
ます市場で買ったラズベリーと「リシャルト」の
サンドイッチの昼食やっぱり日本のサンドイッチの方がおいしい
かも…(笑)EUR2.2(約320円)
JALエクスプレスの出発時刻は12時30分なので、15分前にロビーに下りてガイドさんの到着を待っていた。やがて現れたガイドさんは去年ザルツカンマーグートに行った時と同じ人だった。「実は今日の参加者はお一人なんですよ。これから行くヘレンキームゼー城は日本からのお客様にはまだあまり馴染みがなくて…」とのこと。確かに、ガイドブックなどでもヘレンキームゼー城についての記述は少ない。広々としたバスにたった一人で揺られること約1時間でプリーンの船着場に到着。ガイドさんと共に船に乗ってキーム湖(キーム・ゼー)に浮かぶ島、ヘレン島(ヘレン・インゼ/ヘレンは「紳士」の意味)へ渡る。この湖には、修道院が建つフラウエン島(フラウエン・インゼル/「婦人」を意味する)と現在は無人島となっているクラウト島呼ばれる島がある。プリーンからヘレン島までは5.7EUR(約830円)。船に乗っている時間は15分ほどだったと思う。まもなく島に着いた。
ヘレンキームゼー城はガイドツアーでしか見学できないので、時刻の指定されたチケットを買い(7EUR・約1020円)、集合時刻までの間にまずは「古い城」を見学。この城はルートヴィヒ2世がこの城の完成を待つ間に過ごしたものだそうだ。「古い城」から歩いて15〜20分ほどのところにヘレンキームゼー城はある。これはルートヴィヒ2世が3番目に建てた城で、ヴェルサイユ宮殿を模して造ったのだそうだ。しかし、王の突然の死により、未完成のまま現在に至っているという。場内に入るといきなりヴェルサイユ宮殿の階段を模した絢爛豪華な階段の間に圧倒される(もっともヴェルサイユ宮殿はまだ見たことがないんですが)。次々と案内される護衛の間、控えの間、執務室、鏡の間、そして寝室に至るまでどこもかしこもきらびやか。一番興味深かったのは「魔法の食卓」のある食堂とその真下にある魔法の食卓の仕掛けだった。 想像上の宮廷社会で過ごすという夢想を邪魔されないように、食事の時間も王は一切人を寄せ付けなかったそうだ。そのため食卓はクランク機構を利用して階下に下ろされ、そこでテーブルをセットする、という方法をとったとか。
JALエクスプレスのバスでプリーンの船着場
にやってきましたここから船に乗ってヘレンキームゼー城に向か
います木立の間から一瞬見えたお城 ルートヴィヒ2世がこの城の完成を待つ間
過ごした部屋ヘレンキームゼー城 城の内部は撮影禁止(ビデオはOK)です。
ガイドツアーでのみ内部を見学できます。フラウエン島の修道院
再び船に乗ってプリーンに戻り、そこからバスでミュンヘン市内に戻ってきた。明日のノイシュバンシュタイン城とリンダーホフ城を巡るツアーも同じガイドさんが案内してくれるそうだ。ガイドさんに「明日もよろしくお願いします」と挨拶して別れ、一度部屋に戻って休憩してからビアホールへ出かけることにした。初めに行ってみようと思ったのはホテルから歩いて行ける距離にあるお店だったのだが、行ってみたら満席。仕方ないので去年も行った「ホフブロイハウス」に行くことにした。好きな席に座っていい、とのことだったので、音楽の生演奏が聴こえている室内の席をキープ。まずはビールはなににしようかな、とメニューを見ると、一番上に載っていた「ホフブロイオリジナル」の文字。やっぱりオリジナルよね、とメニューを指差して、「これをください」と注文。そしてつまみはミュンヘン名物のヴァイスブルスト(白ソーセージ)にした。本来このヴァイスヴルストは朝しか販売してないそうなのだが、観光客の多い店では一日中出してくれるらしい。
しばらくして、先ほど注文をとってくれたスタッフが巨大なビアジョッキを手にこちらに歩いてくるのが見えた。あんなに大きなジョッキで飲むなんて、一体どんな人?なんて思っていると…まさに私の目の前にそのジョッキがドン!と置かれた。思わず「うわっ!」と声を上げて目を真ん丸くしている私に、スタッフは満面の笑顔で「Cheers!」と言って去って行った。…なんでこんなに大きいの? 試しに片手で持ち上げようとするが、重くて持てない。改めてメニューを開いてみると、さっき私が指差したものは「ホフブロイオリジナル 1リットル」の文字! …え? 1リットル(汗)?! …なんだか急に恥ずかしくなってきた。こんな子供みたいな日本人の女がひとりで、1リットルのビアジョッキを前にしている…とんでもないのんべえを宣伝してるかのようじゃないか…(事実であることは確かなのだが) とても片手では持ち上げられないので仕方なく両手で抱えるようにしてジョッキを持って飲んでる姿は、あまりにも滑稽だ…(涙) 続いてヴァイスヴルストが運ばれてきた。先ほどのスタッフは茶目っ気たっぷりの笑顔を浮かべて「頑張って飲んでくださいね」と言って去って行った。…うううう〜〜〜〜(号泣) さて、期待のヴァイスヴルストは…いける! まさにビールのつまみにはぴったりだ。お陰で見事、1リットルのビアジョッキは空になった(…結局は全部飲めるんじゃないか、って?)。先ほどのスタッフに勘定を頼み、空になったジョッキを指差すと、スタッフは拍手を贈ってくれた。店を出る前に、さっきからずっと気になっていた音楽の生演奏を近くで聴いていくことにした。流れている陽気な音楽は、ビールの酔いも手伝ってか、なんだかとても心地よくて、ずっとその場に立ったまま聴いていた。バンドのメンバーは目が合うとにっこりと微笑んでくれる。去年この街を訪れた時には、直前まで滞在していたザルツブルクの街があまりにも気に入ってしまったために、なんだか冷たく感じた。でも、今年2度めの滞在で、この街に対する印象ががらりと変わった。昨日のタクシーの運転手さんに始まり、今日出会った人たちの笑顔もとても友好的で、受け入れてもらえているような温かさを感じたからだ。やっぱりもう一度ここに来てよかった、と心から思った。
夕食は「ホフブロイハウス」で これ、実は1リットルのジョッキなんです…
比較するものがないのでわからないけれど、
巨大なんです… ホフブロイオリジナルビール
は6.2EUR(約900円)←安い…ミュンヘン名物のヴァイスヴルスト(白ソーセー
ジ)は3.5EUR(約510円)皮をとって中身だけを食べるんだそうです お店のスタッフも親切で、なんだかこの街が
大好きになっちゃいました帰りはSバーンで
こんなに気持ちよく酔ったのは久しぶりだった。どうもヨーロッパでは涙腺の緩む私、部屋に戻ってからもうるうるしっぱなしだった。この感動をすぐにでも誰かに伝えたいのに、残念ながらやっぱりネット接続はできない。仕方ないので一人で感動をかみしめつつ、ベッドに入った。明日はいよいよノイシュバンシュタイン城観光だ!!