ダメダメな一日

 昨日までとは全然気温が違う。少し肌寒さを感じて目が覚めた。窓を開けると昨日の雨はすっかりあがってはいたが、あまりすっきりしない天気だ。これでは展望台にあがっても絶景は期待できそうもないので、予定通り今日はサンモリッツの街中を散策することにして、まずは朝食をとるためにレストランに向かった。ハムやチーズ、パンの種類が豊富だが、調理されたものはない。なんとなく、ドイツでの朝食が懐かしくなった(笑)。食事をしていると、ホテルのマネージャーらしき男性が各テーブルをまわって、それぞれのお客さんの国の言葉で挨拶をしている。私のテーブルのところに来ると、マネージャーは「おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」と日本語で声をかけてくれた。まさか日本語が聞けるとは思っていなかったのでとても嬉しかった。

ハムとチーズの朝食 このパンはめちゃくちゃおいしい!

 食事を終え、さっそく街へ出てみることにした。まずは高級ブティックが立ち並ぶ街の中心部へ向かう。そのまま中心部を抜けて、 エンガディン地方の自然や人々を愛した画家、セガンティーニの作品が収蔵されているセガンティーニ美術館へ。石造りのドーム型の天井のこの美術館の建物も、セガンティーニのデザインをもとに造られているのだそうだ。チケットを買って荷物を預け、館内へ入ろうとすると、スタッフの一人が「お貸ししますので、これを見ながら絵をご覧になってください。」と日本語の解説の付いた画集を私に手渡してくれた。貸してもらった画集を手に、1枚1枚の絵を見てまわる。美しいエンガディン地方の風景と、生き生きとした人々の姿が描かれている作品に、時間を忘れて見入ってしまった。そして、2階にはセガンティーニの晩年の傑作である、「生成・存在・消滅」の3部作。中央部分にあるベンチに腰掛けるとちょうど全ての作品が見られるようになっているので、ベンチに腰掛けていつまでも作品を眺めていた。

ホテルの外観 ホテルの周辺を散歩しました
パレスホテル パレスホテル周辺には高級ブティックが並ん
でいます。
セガンティーニ美術館
館内はもちろん撮影禁止です。
美術館からサンモリッツ湖方面に降りる途中
に見つけた花
サンモリッツ湖

  美術館を出た後はサンモリッツ湖への坂を降りて行った。ところが、この辺りを歩いている頃から急激に体調が悪くなってきた。妙に息苦しく、頭痛がして、めまいや吐き気がする。まさか、高山病? …ここはたかだか標高1800メートル弱、いくらなんでもそんなことはないだろう…と思いつつも、無理は禁物だ。仕方ないので散歩はやめて、ホテルに戻り、昼食もとれずに午後はずっと部屋でごろごろしていた。いつの間にか外は雨。晴天率が高いと言われるサンモリッツだけど、昨日、今日と天気がさえないみたいだ。しかし、夕方には雨があがって、一段と空気が澄んだようだ。

夕方雨がやんで、急に晴れてきました 森から水蒸気が立ちのぼってます。

 ようやく体調が回復してきたので、夕食は外に食べに行くことにした。あまり遠くまで行くのも、と思ったので、すぐ近くにある「ラ・マーニャ」というホテルのダイニング「ストゥーヴェッタ」に行ってみることにした。ダイニングの場所がよくわからなかったのでホテルのフロントで尋ねると、わざわざ案内してくれた。正面玄関からだとエレベーターで地下に降りるのだが、ホテルの裏手にまわるとダイニングに直接出入りできるドアがあることがわかった。席に案内してもらい、まずは飲み物。昨日は白ワインだったので今日はスイス産の赤ワインにしてみた。そして食事はビュンドナー・ゲルシュテンズッペ(大豆や野菜を煮込んだスープ)とブラートヴルシュト(焼いたソーセージ)のレシュティ(ジャガイモを炒めたもの)添えにした。昨日はメニューがよくわからずに注文してしまったので、今日はあらかじめこの地方ならではの料理の名前を調べておいたのだ。メインはかなり脂っこくて病み上がり(?)の体には少々きつかった(と言っている割にはワインは残さなかった)けど、お店の雰囲気がよかったのでよしとしようかな…。

元気になったので、近くの「ラ・マーニャ」という
ホテルのダイニング「ストゥーヴェッタ」で夕食
スイス産の赤ワインにしてみました。
(CHF9/約830円)
ビュンドナー・ゲルシュテンズッペ
(CHF6.5/約600円)
大麦や野菜を煮込んだスープです。
ブラートヴルシュト(焼いたソーセージ)と
レシュテイ(ジャガイモを炒めたもの)
(CHF17.5/約1610円)
かな〜り脂っこかった…

 食事を終えて外に出るとびっくりするくらいの青空が広がっていた。この空の色なら明日の晴天は間違いない! 明日は頑張って早起きして、ベルニナ・ディアヴォレッツァの展望台まで行き、ハイキングをしてこよう!

空の色がきれい!
明日はいい天気になりそうです。
 明日に備えて今日は早めの就寝。明日が楽しみだ。




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