スリランカの旅U



牛の群れる湖畔の風景〜アヌダーラプラ



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文化三角地帯と呼ばれるアヌダーラプラ
乗り心地の悪い自転車で周った
天気は晴れたり雨が降ったり
オフシーズンの10月
外国人旅行者は殆どいない
スリランカ人旅行者はいっぱい




風景/人々〜アヌダーラプラ


アヌダーラプラの遺跡地区では入場券を持っていなければならない。

自転車で遺跡地区を周っていると、しばしば警官から呼び止められる。
入場券を持っているか否かの検問である。

日本人が珍しいから検問を口実として話し掛けて来たのでは?とも思えるのだが(果たして...)。



遺跡地区の北部を目指して自転車を漕ぐ。
ガイドブックの地図、大体の位置はほぼ正確なので合格点をあげられる。

それでも、複雑な田舎道。
人に道を尋ねながら進む。(しかし人通りは少ない。)


アヌダーラプラの人々、それほど英語が得意ではない感じだ。
(英語はスリランカでは、シンハラ語、タミール語とともに公用語のひとつなのだが。)
道を聞くときは、英語で尋ねるというよりは地名を連呼して尋ねるといった感じが多かった。
アヌダーラプラの人々は、基本的には親切なので、立ち止まってこちらの質問に答えてくれる。



ラトゥナプラサーダ遺跡に向かっていた。
- うーん、この道で間違っていないだろうか。 -

確認の為、道を尋ねてみることにした。

さて...どこかに人がいないかナ。


庭で水浴びをしているしているおばさんがいた。
- でも、英語できなそうな気がする。 -
そこへ、たまたまこちらの方へ歩いてる2人組みの人もいた。

- なんとなく、あの2人組みだったら英語できそう! -
2人組みに道を尋ねることにした。

「すみません。ラトゥナプラサーダはどの道を行ったらいいのでしょうか。」
「....?」
「ラトゥナプラサーダに行きたいんですけど。」
「....?」
- あ、駄目だ。 英語通じないみたい。 -

こういう場合、地名を連呼して教えてもらうしか....

そのときであった。
「ラトゥナプラサーダに行きたいの?」
水浴びをしているおばさんだった。

「YES!」
「ラトゥナプラサーダはね、この道を....」
その親切なおばさん、私なんかより100倍流暢な英語で道を教えてくれた。

感謝。人を外見で判断してしまった自分が恥ずかしくなった。




スリランカ人団体観光客が貸切バスに乗って遺跡を周る。
外国人観光客がガイドを連れてスリーウィーラーやタクシーで遺跡を周る。
一人で一生懸命自転車を漕いでるのは私だけ。
ちょっと肩身の狭さを感じた。

しかも、(自転車を含む)車両進入禁止の道がやたら多く、地図通りに目的地に着けない。 遠回りばかり。



好奇心旺盛な子供たちが寄ってきた。
「ハロー、ハロー。」
「ハロー。」
やはり日本人は珍しいのか。
人懐っこい子供たちは可愛い。



長閑な道を進むのは気分がいい。
景色が綺麗。
湖の対岸に仏塔ルワンウェリ・サーヤが見えた。

湖に沿って道を進む。

朝と夕方には人々が湖で水浴びをしている。
ヒゲを剃ったり、石鹸でからだや髪を洗ったり。
女性も長い髪を洗っている。
グアテマラのアティトラン湖みたいに。



牛たちが湖畔へ向かって歩いている。
こういった長閑な眺めが見える。



遺跡見物に疲れて一休み。
黒く怪しそうな飲みものが屋台で売られている。
飲んでみたい。
ちょうど雨が降ってきたので、雨宿りもかねて、屋台で飲んでみることにした。

その飲み物の名前、『ベリマ』というらしい。

温かい飲み物だった。(一種のお茶のようだ。) 味はまあまあ。 ちょっとドングリ臭さもあるが、悪くない。 砂糖菓子がサービスでもらえる。 1杯10ルピー。(別に値切らなかったので本当の相場はわからないのだが)




宮殿跡の前を通ってゲストハウスへ帰ることにした。

宮殿ってこっちの道でいいんだろうか?

またまた道を尋ねることに。
ん? 『宮殿』って何て言えばいいんだ?

もちろん『キューデン』なんて言っても通じる訳ない。

ガイドブックの地図には"Royal Palece"と表記はある...が、"Royal Palece"って英語じゃん。 通じるわけねーべ!


でもしょうがないから、英語でロイヤル・パレスと言って道を尋ねてみた。

やはり、パレスという英語は通じなかった。

でも何人か聞いてるうちにロイヤル・パレスの意味のわかる人に出会えた。
「ああ、『マ▲ж○☆※』(→正確な名前忘れた)のことだな。 それならばここを真っ直ぐ...」

なんていうことがあった。
それにしてもガイドブック、旅行者にもっと気を利かせて、現地語表記して欲しい。



遺跡地区から市街地へ戻った。

アヌダーラプラの繁華街

街で声をかけられた。

「俺のこと覚えてる?」
   「は?」

「きのうホテルまで連れてったろう。」
   「あっ、そうか。 YES。」
タクシーの運転手だった。

「明日どこへ行くんだ。俺が連れてってやるぞ。」
   「タクシーもガイドもいらないョ!」

「ポロンナルワに行こう。」
「で、そのあとシーギリヤへ行って、次にキャンディ...」
   「ノー。」

「タクシー代安くしておくぞ。」
   「俺はもっと安いバスで行くんだ。」

「タクシーは快適だぞ。」
「シーギリヤはなぁ、朝が綺麗なんだ。知ってるか?」
「おお、そうだ。今晩お前の宿に行くから、今後の旅のスケジュールの相談をしよう。」

無視して自転車を漕ぎ始めた。
タクシー・ガイドのビジネス・ネゴの為に貴重な時間を無駄に使うのはもったいない。




ゲストハウスに戻った。

自転車を返し、することないから今度は散歩に出かけた。
月がほぼ満月で綺麗だった。



明日の朝はバスでポロンナルワへ出発だ。





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ポロンナルワの巨石像



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