スリランカの旅V



ポロンナルワの巨石像



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ポロンナルワへ出発


アヌダーラプラの最後の晩飯はゲストハウスのレストランで。

注文したのは、カレー類と麺、デザートに水牛ミルクのヨーグルト。

カレー類は5〜6種類くらいが小皿に小分けされて出てくる。
それを麺の上に乗せて食べる。
各カレーはそれぞれまずますの味だ。

するとそこへ従業員が口を出してくる。
「あー、そんな食べ方じゃ駄目だ。 貸してごらん。」

各皿のカレーを少量ずつ取り、麺の上でぐちゃぐちゃにかき回す。

- えー、そんなにかき回したら、見た目汚くなっちゃう。 −
確かにぐちゃぐちゃにした方が美味いかもしれない。だけど見た目が汚いのは苦手なのであった。

  例えば日本で生卵を食べるとき、
  醤油をかけて黄身を壊さずにツルっと飲むのは問題無い。
  だけど、ご飯の上でぐっちゃぐちゃにかき回してなんか
  食べられない。
  確かにかき回した方が美味いかもしれないが、
  気持ち悪いからそれはできないのである。

「さぁ、食べてごらん。」

まずそー。

  あ、美味い...。

本当に、美味くなってる。
想像以上に美味くなったことに驚いた。




翌朝、ゲストハウスをチェックアウト。

バスターミナル
バスターミナルからインターシティーバスに乗って、ポロンナルワに向かう。

バスに乗り込んでもなかなか発車しない。 ポロンナルワには1泊しかしないつもりなので、早く到着したいのだが。

バスが発車してもイライラしている。


バスが止まった。

運転手の助手(?)が容器を持って、外へ出た。
昨日の雨で溜まったと思われる道端の水溜りへ行く。

その助手は容器いっぱいに水溜りの水を汲んできた。
運転席の前のダッシュボードにある蓋を開ける。

助手は、水溜りで汲んできたその"泥水"をそこへ流し込んだ。

- 何てことを! -
泥水を車の冷却水にしてしまうとは、スリランカこの国やはり面白い。



バスがまた止まった。
今度は休憩タイムだった。
- ああ、イライラしているのに、休憩タイムなんて! -

ポロンナルワは遠い...。


ポロンナルワ


遺跡の町・ポロンナルワに着いたのはAM11:20。 もうすぐ昼だ。

ゲストハウスで昼飯を食べてから遺跡見物をすることにした。

ガイドブックによると、遺跡見物は自転車で周って丸1日とのこと。 車でさえ周るのに4〜5時間かかるらしい。

- もう午後になってしまったので、時間が無い。 -
- まったく〜、バスが遅かったから! -
自転車で周るのは諦めた。

遺跡地区を車で周りたいことをゲストハウスの人に伝えて相談した。
「じゃ、トゥクトゥクを手配しますね。」

- へ?ゲストハウスのおばちゃん、今『トゥクトゥク』って言った!? -

ガイドブックにはオート3輪タクシーのことを『スリーウィーラー』と記載されていたが、『トゥクトゥク』という呼び方でOKらしい。(タイやラオスと同じ!)



『トゥクトゥク』に乗って遺跡を見物。
ポロンナルワの遺跡群、流石に凄い!

遺跡ひとつひとつを見ると、アヌダーラプラより迫力がある感じだ。
遺跡地区の規模もアヌダーラプラより広そうだ。
それでもアヌダーラプラの方がちょっと好きだったりする。

歴史的にポロンナルワよりもアヌダーラプラの方が古いらしいし、そして何よりもアヌダーラプラには人々の生活風景がある。

ポロンナルワは遺跡地区と生活区域がはっきり分かれている。(トゥクトゥクで周ったからそう感じただけかも?) その遺跡地区では観光客、ガイド、監視員くらいしかいない。 だから、ちょっと寂しい。
とは言え、やはりポロンナルワの遺跡群はすばらしい。


太古のロマン...。

メキシコや中米のマヤ&アステカの遺跡
ペルーのインカの遺跡
ビルマのバガン朝の遺跡
韓国の百済の遺跡

など...今までいろんな遺跡を見てきたが、スリランカの遺跡だってなかなかである。
規模の割りに観光客が少なく穴場的なのが素晴らしい。(オフシーズンだから?)

写真を撮るのにちょっと天井が邪魔だ!
巨像が小さく見えてしまうではないか。

トゥクトゥクの運転手は「これで終わりだ」という。

遺跡地区は一通り見終えたようだ。


実はここに来る前にゲストハウスの宿主からある人の名刺を渡されていた。
歴史的価値のある伝統文化をその家で見せてくれるのだという。 帰りにそこを訪れることを勧められていた。

トゥクトゥクにそこに連れて行ってもらった。 そして到着。

そこは....。

小さな博物館? .....土産物店だった。

とりあえず中へ入ってみる。

「ドリンクは何がいいですか?」
   「はぁ?」
- 無料ドリンクを与えて、気の優しい旅人に断り難くさせる作戦だな! -

人の優しい心を利用しようとする商法に身構えることにした。
仕返しに(?)無料でドリンクもらって飲んで何も買わずに店を出るのもいいな。
と本気で考えた。
しかし、スリランカの商売のやり方に、よそ者の旅人がとやかく意見したり反撃するのは筋違いかもしれないと思った。 ここは大人になって、ドリンクを断った。

店の人は売る気満々。
確かに伝統芸術かもしれないが押し売りは...。

店の人に説明を聞かされれば聞かされるほど、かえって『意地でも買わない』という気になる。

宿主にもがっかりした。
ゲストハウスは旅人の味方だと思ってたのに。




ゲストハウスに戻った。

部屋の中でちょっと休憩。

ガイドブックをパラパラ見た。

- あ、まだここ行っていない。 -
- あのトゥクトゥク、どうしてそこへ連れてってくれなかったのだろう。 -


そこは遺跡地区から離れたところにあり、トゥクトゥクの運転手に連れて行ってもらってない所だった。

仕方ないから、自分の足で行ってみることにした。
ゲストハウスからそこまではだいたい2〜3キロ。
じゅうぶん歩いて行ける距離。

ゲストハウスから外へ出るときに宿主から注意があった。
「先週、湖畔でツーリストに自称ガイドがフレンドリーに話し掛けてきて、そのあと大きなトラブルが起きた。気をつけるんだぞ!」


私は、その遺跡を行くのに湖(本当は人工の巨大な池)沿いの道を通って行くつもりであった。
気を引き締めていくことにした。
遺跡へ向かう小道は歩いていて気持ちいい。

トゥクトゥクで来ないで大正解。
もしトゥクトゥクの運転手がその遺跡にも連れてきてくれていたら、かえってアンラッキーだった。

空は晴れ。
右手は湖、左手はジャングル&畑。
いい眺め!
(おそらく近所から来たと思われる)家族が石鹸を持って湖へやってくる。


通りがかった人に、遺跡はまだこの先ずっと向こうなのかどうかを確認する。
英語はそれほど通じないものの親切に答えてくれる。



遺跡のある広場へ到着。

まずは大きな石像へ。
次は遺跡ポトグル・ビラーハへ。


スリランカで(寺院などの神聖な)遺跡を見物するときには、靴などの履物を脱ぐのがマナーになっている。
ここでも脱いだ方がいいのかな?

とりあえずサンダルを脱ぐ。
そして奥へ入っていく。

ガイドブックを見る。
すると、ここは図書館の遺跡だとわかった。
寺院や神殿ではない。

− なんだサンダル脱ぐ必要なんてなかった。 −

そこへ続々とスリランカ人の団体がやってきた。

私のサンダルが脱いで置かれているのを見て、そこで彼らも脱ぎだした。
− ちょっとちょっと、ここは図書館の遺跡ですってば。 −

彼らは私の所為で、余計な行動(=サンダルを脱ぐこと)をとらなくてはならなくなったようだ。

サンダルを履きに戻ろうとしたが、履くのは気が退けてしまった。





同じ道を通ってゲストハウスへ戻った。
徐々に日が暮れていった。



実は遺跡を周る前に、ゲストハウスで宿主からツアーの誘いがあったのだった。 ここポロンナルワからタクシーチャーターで、シーギリヤ、ダンブッラを周ってキャンディーへ行く片道だけの1日ツアー。

人々は、みんなキャンディー行きを勧める。 キャンディーはそれ程に良いところなのだろうか。

− キャンディーも行ってみようかな。 −

もともとシーギリヤには行くつもりだった。

私    「でも...一日で? 駆け足過ぎない?」
宿主 「各遺跡はゆっくり周れる。問題ないよ。」

− 物凄く効率よく旅ができるみたいだ。 −

このときは回答は『保留』にしておいた。

そして今、夕食時に、その宿主からツアーはどうするか聞かれた。

答えは遺跡を周りながら考えを決めておいた。
私の回答は「ノー」だった。

別に金銭面の問題ではなかった。
やはり、タクシーやガイドに頼らず、自分自身で旅を組み立てた方が楽しいからだ。
ハプニングだって(少しだけなら)歓迎だ。
やはりこれはバックパッカーの性なんだ...。

私    「ごめんなさい。」
私     そのツアー、本当にグッド・アイデアなんだけど、
       一人で旅するよ。」
宿主 「いやいや、気にするな。 もし良かったらの話だから。」




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シーギリヤの色鮮やかな壁画



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