スリランカの旅X
ダンブッラの寺院&博物館の入場券販売員
ダンブッラの丘の上には有名な石窟寺院遺跡がある。
その丘の麓には大仏と博物館もある。
ダンブッラ石窟寺院 大通り沿いに大きな大仏がそびえ立っている。 大仏のすぐ前には博物館。 この博物館のビデオ視聴室では、たった一人(私)のために、石窟寺院のビデオ(日本語版)を見せてくれた。 |
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博物館を出て、いよいよ丘の上の石窟寺院を目指す。 − さて、入り口はどこかな。 − 駐車場の方から登った方がいいのかな。 20〜30人くらいの集団が坂を歩いて登っている。 − 坂の上に何かあるのかな。 − 或いはこの坂が石窟寺院に向かう道なのかな。 その坂のある方へ歩いてみる。 その集団は女子校生(おそらく高校生)グループ。 女の子たちは白一色の制服を着ている。 果たしてこの坂は石窟寺院へ続いて行く坂であろうか...。 考えていると、その集団の女の子が 「ハロー、カモン、カモン。」 と手招きする。 手招きされて、私も坂を登ってみることに。 ちょっぴりドキドキしながら彼女達の方へ登っていくが、彼女たちはさらに先に登って行き、私に近づいてこようとはしない。 それでも珍しい日本人の私の方をちらちら見る。 アヌダーラプラやポロンナルワを訪れてみて、私の持つスリランカ人についての印象は、彼らは好奇心とシャイさの相異なる二面性を持っていること。 外国人の私をみて(珍しがって)声をかけてくる人は多いが、挨拶程度以上の会話を続けようとする人は多くはない。(特に女性と子供) 集団のうちの数人の女の子が立ち止まる。 崖の上から遠くの景色を見ている。 そこへ近づいてみた。 やってきた私に、女の子たちは口を開いて教えてくれた。 「シーギリヤよ。」「シーギリヤよ。」 女の子の指差す方向には、シーギリヤ・ロックが見えた。 「本当だ。」 会話を続けようと思ったが、私の方から先に坂を再び登った。 |
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坂を降りてくる西洋人旅行者とすれ違う。 その西洋人旅行者は女の子達に写真を撮らせて欲しいとお願いした。 − その女の子たちに絶対に断られると思うのだが...。 − その西洋人は思ったとおり拒否された。 − やっぱりね。 甘いぜ、グリンゴ! − よし、今度は私の番。 私はこの女の子達とは麓から一緒に登ってきたので、ちょっとだけ親しみがある(はず)。 その集団のうち木の下で休んでいる10人くらいの女の子にお願いしてみた。 「写真とってもいい?」 女の子たちは逃げて行く。 (ああ、やっぱり駄目か。) でも逃げずにOKしてくれた子もいた。 さっきの西洋人が失敗している分、嬉しかった。 |
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石窟寺院に到着。 洞窟の中は多数の仏像と多数の壁画。 |
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丘を下る。 丘の麓の大仏の下。 そこでシーギリヤで出会った一人旅の韓国人と再会。 彼の名はジョンスン(仮名)。 大学院生。 ちなみに日本語は勉強したことがあったが単位を落としたらしい。 また色々な話をした。 「スリランカ、どう?」 「うん、いいところだね。遺跡とか見所が多いし。ジョンスンは?」 「俺もいいところだと思う。でも...スリランカのビーチ行ったことある?」 「いや、行ってない。」 「ビーチは本当、最悪!あそこは一人で行くと超寂しい。」 「そりゃ、そうだろ。男一人でビーチは。」 「確かに綺麗なビーチなんだけどね。」 「実は俺もね、以前キューバでビーチに一人で行ったことあるんだ。」 「そのとき俺も、すっごく寂しい思いをしたよ。」 「スリランカ人ってどう?」 「思ったよりいい人が多いみたい。」 「スリランカ人ってしょっちゅう話し掛けてくるから、大変なんだ。」 「大変?」 「話し掛けられるのって、凄いプレッシャーになってる。」 「でも、ジョンスン、それが旅行の楽しみじゃない?」 「いいや、俺にはプレッシャーだ。」 このときはまだ、ジョンスンの言う『話し掛けられることがプレッシャーになる』ということが理解できなかった。 「きょう夕飯、食べるとこ、決まってる?」 「あ、ゲストハウスの宿主にそこで食べるって約束しちゃったんだ。」 「ああ、そうか...残念だな。」 しばらくいろいろな話が続いた後、彼は言った。 「ここで5分くらい待ってて。」 「うん? いいよ。 でも、どうかしたの?」 「そこで料金を支払わなくっちゃならないんだ。インターネット使ったんで。」 「OK、OK。」 ...10分たっても彼は戻ってこない。 歩き出すとすぐ近くに彼がいた。 博物館の入り口前。 「ごめん、ごめん。 すぐ戻るつもりだった。」 と彼は言う。 彼は、そこで博物館の入場券販売をしている女性と話し込んでいたのであった。 まあ、そういうことなら仕方ないか。 彼女は、白いサリーが美しい人。 かなり話がはずんでいるようだ。 そしてジョンスンが彼女にとんでもないことを言った。 「Eメールのアドレス、教えてもらえないかなぁ。」 - ジョンスン、スリランカの女性は、そんなに甘くないぞ。 - 「ええ、いいわよ。」 - おお、何てことだ! - 二人はアドレスの交換をする。 「キミの写真撮らせてよ。 メールで送るから。」 「YES。」 ジョンスンは白サリー姉さんの写真を撮る。 「あのー...。 僕にも写真撮らせてください...。」 「はい。」 |
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私もついでに撮らせてもらった。 ジョンスンはこれに留まらなかった。 「きょう、仕事は何時に終わるの?」 「○○時よ。」 「じゃ、そのあと、一緒に食事でもどうですか?」 - ...ジョンスン。 いくらなんでも、それは無茶だよ。 - そして...。 「いいわよ。」 - うおおお! どうなってるんだ。 凄いぞジョンスン。 - 私は、ゲストハウスの宿主に夕食の約束したことを後悔した。 約束してなかったら、邪魔者の私も割り込んでいたのに。 それにしても、スリランカの女性、思ったより尻軽? スリランカ人のことがよくわからなくなってきた。 − とにかく、俺も勇気が湧いてきた。 この旅の間に俺もチャレンジしてみようか! - 私もちょっとナンパでもしてみようかと思った。 そのとき、ふと過去の旅の記憶が蘇ってきた。
...やっぱりナンパはやめておこう。 白サリー姉さんが職場に戻った。 そのあと、ジョンスンが白サリー姉さんとデート(?)する迄時間がかなりあったので、私とジョンスンとの二人でいろいろ話は続いた。 この日の夜は、同じゲストハウスのフレンドリーな英国人バックパッカー・イアンと。 ココナッツから作られたスリランカの酒(35度)を飲む。 イアンは飲めなかった。 翌朝、ちょっと寝坊。 朝食を食べようと、ゲストハウスのテーブルに着く。 「あら、イアンは貴方が来るの待ってたのよ。 でも、もうチェックアウトしちゃったわ。」 とゲストハウスのおばちゃん。 サヨナラが言えなくて残念。 私は朝食後チェックアウトをして、マータレーという町へ向かった。 |
(注) | 後でわかったことだが、サリーを着ることができるのは通常は既婚女性だけらしい。 ここに登場した白サリー姉さんは、チケット販売の制服としてサリーを着ていたのか(、それとも本当に既婚?)...。 ちなみに私の乗った飛行機(スリランカ航空)のスッチーも全員サリー(緑色)を着ていた。 |
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