02/10/30学長声明」(2002.10.30)

 

【ホームページ管理人による注釈.2005.7.27作成】

02/10/16評議会において,事務局(池田総務部長・高井事務局長ほか)が途中退席して職務放棄するという前代未聞の“不祥事”(“02/10/16「捨てゼリフ」退席事件”.[脚注]参照)が勃発したが,これに対して小川学長が毅然とした態度を示すことができず,浅はかにも,この「02/10/30学長声明」という“個人的見解”を表明することで決着を図った.これにより,学内の混乱・紛糾が深まっただけでなく,学長および評議会の権威が著しく低下した.以後,事務局の横暴がなかば公然化し,“事務局に屈服する学長と評議会”という構図への転落が加速された.ことの重大さと何がおこっているのかが認識できない学長の“ピンボケ”ぶりと事務局への“すり寄り”ぶりを見事に物語る文書.

 

[脚注]“02/10/16「捨てゼリフ」退席事件”:池田輝政総務部長が,《(事務機構改革に関する)各部局の意見は聞く必要がない》《将来構想委員会は無為な答申を繰り返すばかりで実効性がない》という趣旨の「捨てゼリフ」を吐いて部下を引き連れて退席したと伝えられる事件.

参照文書

(1)横浜市立大学教員有志[声明]:横浜市立大学の異常事態を訴える――市大事務局トップの職務放棄を糾弾する(2002.10.18)

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/02-10/021018ikeda.htm 

(2)第3回「市大あり方懇」傍聴記――池田理事・橋爪座長の議事引回しを許さず、民主的・公正な運営と討論を求める(2002.12.9)

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/02-12/021209taira.htm 

(3)教員組合声明:「機構改革」の進め方に対する「遺憾と抗議」の表明(2002.11.19)

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/02-11/021119seimei.htm 

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学長声明

 

平成141030

要旨

 平成141016日評議会で発生した異常事態の再発防止を事務局長に要請するとともに、その発生を余儀なくした原因を明らかにし、大学改革推進の礎とします。

 私は平成1417日に学長候補者に義務づけられている意見表明を提出しました(添付資料1参照)。その冒頭で、1)教員と事務局員とが英知を結集すれば大学運営の変革が可能であること、2)そのためには普段から両者で質の高い情報を共有し、議論の密度を高め、コンセンサスを得やすくしておかなければならないことを明確に表明しました。大学改革に当たってはこの2項目が誠意をもって満たされるよう評議員、事務局員の皆さんに強く要請いたします。

 

経過

 平成141016日の評議会において「議題3その他」を取り上げようとしました。議題は前回評議会で申し合わせた通り機構改革についてであります。すなわち平成14101日の臨時評議会で評議員と事務局側とで質疑応答を交わすことにより、その内容の理解が一段と深まりました。その段階で一旦各教授会での意見を聴取し、再度評議員と事務局との間で質疑応答を行うことで臨時評議会は終了しました。それを踏まえた上で、1016日の評議会で機構改革について最終判断を下すという段取りになっていました。

 ところが、「議題3その他」に入る直前に事務局員が評議会を一方的に中途退席する事態が発生しました。

 今後このような事態が二度と発生しないように以下に述べる背景要因をお互いに乗り越え、評議員と事務局とは一丸となって今後の大学改革に取り組まなければならないと学長として痛感しております。

 

背景要因

 この事態に至った過程には二つの原因が考えられます。一つは評議会側に、もう一つは事務局側にあると判断いたします。

 大学はいま制度改革の真只中にあり、この限られた時間内でそれをいかに実現するかが問われています。本学の将来構想委員会は残念ながら答申を繰り返すばかりで、ここ数年を送ってきました。市民の要望に応える大学へと変革するため、全学をあげて大学改革に取り組めるよう各評議員は一学部代表という立場を乗り越え大所高所から大学運営を担ってくださるよう改めて注意を促したく思います。私、学長は自ら先頭に立って大学改革を全うする決意であります。

 事務局員の皆さん、大学改革を迅速に進めるためには制度の細部にわたる高度な専門知識と市役所との連携プレーが不可欠です。しかし、大学の改革のコンテンツは教員を抜きにして進められません。どうか、教員と事務局員が相互にrespectできる関係を築こうではありませんか。

 

今回の機構改革について

 平成141016日の評議会は休憩をはさんで再開されました。書記は学生部長沢田先生にお願いしました。そして各部局から意見をお聞きしました。その中には重複する部分も数多くありました。そして各部局から意見をお聞きしました。その中には重複する部分も数多くありました。それらを整理した議事録がお手元の資料です(添付資料2)。中途退場された事務局員の方はあとでご覧いただき、その意のあるところを十分汲んでいただきたく思います。

 平成14101日と16日の両評議会で機構改革についての意見はほぼ出尽くしました。私の決意も込めて、今回の機構改革を以下の3項目に総轄します。

 第1に今回の機構改革は推進し、来るべき大学改革に結び付けます。

 第2に学生サービスの低下を招かないよう、残された時間を十全に活用し教学組織との調整を行うよう事務局長に要請します。

 第3に副学長2名の役割、選考方法などについて検討を進めます。

 今後は学長と事務局長が相連携することにより本件の機構改革に取り組む決意を表明いたします。

 

                     横浜市立大学長 小川 惠一