横浜市大 厳しすぎた?進級要件 2年生半数超 留年の危機 国際総合科学部「TOEFL 500点」届かず 『東京新聞』夕刊第一面(2006.11.8)

 

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061108/eve_____sya_____005.shtml

 

 

関連資料

横浜市立大学の英語教育について 伊豆利彦のホームページ(2006.11.2)
横浜市立大、ずるずる放置しておいていい問題ではない 「全国国公私立大学の事件情報」(2006.11.2)

《ずるずる放置しておいていい問題ではない》 “TOEFLとTOEICの区別もついていない役人がつくった制度”が破綻寸前 永岑三千輝氏大学改革日誌2006年10月30日付 (2006.10.31)
横浜市立大、これが学生本位か 「全国国公私立大学の事件情報」(2006.10.30)

 

 

横浜市大 厳しすぎた?進級要件 2年生半数超 留年の危機 国際総合科学部「TOEFL 500点」届かず 『東京新聞』夕刊第一面(2006.11.8)

 

横浜市大 厳しすぎた?進級要件

2年生半数超 留年の危機

 昨春、地方独立行政法人となった横浜市立大学(横浜市金沢区)の看板学部とされる国際総合科学部で、半数を超す二年生がこのままでは三年への進級が難しい状態に陥っていることが八日、分かった。進級の要件として「英語運用能力テスト『TOEFL』五百点以上」が新たに設けられたためで、大学側は「予想以上に厳しい状態」と頭を痛めている。 (横浜支局・木村留美)

 同学部は昨年、商・国際文化・理学部の三学部を統合して新設された。二年生は約七百四十人いるが、進級要件を満たしているのは三百五十七人と半数足らずだ。進級のためには十二月と来年二月に予定される二回のテストのいずれかで、五百点のハードルをクリアしなければならない。

 TOEFLは、米国などの大学に留学する外国人大学生が授業についていける英語力を有しているか評価するためのテスト。横浜市大は、公立大としての存在意義を高める改革の一環として、英語教育の重視を打ち出しており、「五百点は留学して授業についていくために必要な点数」として要件に設定した。

 しかし五百点の壁は意外に高く、在学生からは「このままだと留年してしまう。措置に期待したい」(一年女子)、「五百点は厳しい。もう少し下げてもいいのではないか」(二年女子)と、要件の緩和を訴える声が続出している。「自分は理学系だが、進路によっては、会話中心のTOEFLよりも、専門の英語が必要な人もいる。強制的にやらされるのはどうか」(二年男子)と、同大の英語教育そのものに疑問を投げかける声もあった。

 同大によると、昨年までは三年次への進級要件はなかった。例年、単位不足で卒業できない学生は一−二割程度だったという。大学側は、新たな要件を設けた今年の留年者も「二けたくらい」と予測していた。

 キャリア支援センター統括課は「精いっぱい頑張ってもらうしかない」と学生に努力を促す一方、「進級要件を適用するかどうかを含め、今後検討していかなくては」と予想を超える厳しい状況を憂慮している。