「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」――京急電鉄車内に響きわたった横浜市官僚・伊藤公一(横浜市立大学事務局企画課長、現・横浜市消防局危機管理担当理事、市民活力推進局副局長)の罵声

 

 

「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」――京急電鉄車内に響きわたった横浜市官僚・伊藤公一(横浜市立大学事務局企画課長、現・横浜市消防局危機管理担当理事、市民活力推進局副局長)の罵声

 

「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」 この言葉に、横浜市立大学“破壊”に邁進した行政権力の“暴力性”が凝縮されている。以下は、重本直利氏(龍谷大学教授)の評論:「大学破壊の構図と大学人の抵抗」(『市民の科学』第2号、2010年6月)からの引用である。

 

吉岡直人著『さらば、公立大学法人 横浜市立大学―「改革」という名の大学破壊―(下田出版 2009年)の中に)【以下、引用】 「設置権者」の中田宏市長〈当時〉の意向を受けた池田輝政・大学事務局総務部長〈現・横浜市交通局長;ホームページ管理人の注〉の発言が紹介されている。

 

「教授会がごちゃごちゃいわなければ、すんなり決まる。その辺をはっきりするということだ」、「教員は横浜市に雇われているという意識がない。設置者がつくった制度を知らないで議論している。権限の構造がどうなっているかを教員は知らなければいけない」、「教員は商品だ。商品が運営に口だして、商品の一部を運営のために時間を割くことは果たして教員のため、大学のためになるのか」。

 

・・・池田氏の言葉の延長に、彼の「側近中の側近と噂されていた伊藤公一・企画課長」〈現・横浜市消防局危機管理担当理事、市民活力推進局副局長;ホームページ管理人の注〉の公共交通機関の車内での本書筆者吉岡氏への次の暴言は、まさに横浜市立大学の改革の本質が吐露されていると言える。

 

「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」。

 

この言葉は日本のすべての大学の「改革」に通底する言葉である。トップダウン強化の現実においては、反対意見・批判的意見(これらは大学の存在の根幹を支えることだが)に対して「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」の声がリアルな響きで聞こえてくる。

 

横浜市長・中田宏以下、横浜市立大学の「改革」を推進した行政権力の「暴力性」は、21世紀のものとは信じがたい。だが、これは一横浜市立大学の「暴力性」ではなく、今の日本の大学改革の共通することであると思える、国立大学法人、学校法人、公立大学法人の、「設置権者」によるこの間の暴力性(特にトップダウンの強化からくる、理性の府にあるまじき一方性・暴力性、その端的な例は多発する懲戒事案である)は、程度の濃淡はあるものの日本の共通する大学病理と言える。