shin-p発表済コラム集

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このコーナーでは、このホームページをつくっているshin-pこと林 伸司が現在までにマス&ミニコミに発表したコラムをはじめとする文章を集大成する予定です。(初期のものはほとんど手書きですので完成には1年ほどかかりそうです)

日刊新愛媛「廃刊を惜しむ」投稿


1986/12/16付 健全なマスコミの登場を願う

日刊新愛媛廃刊のニュースを聞き、大変残念に思っている読者の一人です。貴紙の廃刊は県内だけでなく、日本の政治や教育にも影響を与えると思われます。
愛媛の政治そして教育が県民の期待にそむき、権力者の思うがままになっても何ら報道されないという不安があります。県内のマスコミは、テレビ、ラジオすべてがひとつの勢力下にあり、本来の目的である県政に対する「チェック機能」が果たされなくなる可能性が高いからです。
取材拒否(*2)の発端となった「県立高校新設問題」(*1)でも、他の全国紙が報道しているにもかかわらず、事実がねじ曲げられ、さらには日刊新愛媛追放キャンペーンが繰り広げられました。
県内に住む多くの人々は、このような「もの言えぬ」環境を批判したくても、県内で生活する限り様々な圧迫が加えられ、結局何も言えなくなってしまうのです。
全国でも「スパイ防止法」のような「もの言えぬ」密告社会を作る法律が制定されようとしています。マスコミに携わるもののひとりとしてこのような「もの言えぬ」環境を特殊な「愛媛県」だけの状態として考えないようにしたいのです。民主的な県政を行う政治家、そして一方の勢力に加担しない健全なマスコミの登場を願います。

*1 現在、松山中央高校となっている。
*2 取材拒否に関してはさまざまな著書がある。もっとも有名なのは藤岡氏編の「取材拒否」という書物。これは全国の図書館にもかなりの確率であるようだ。(豊島区では北池袋図書館で確認)また同年12月31日の廃刊についての経緯を書いた「輪転機止まる」(日刊新愛媛労働組合編)も翌年春に関係者に配られた。「また来た坊ちゃん」(横田俊文著&発行)も県内のみでの出版だったが比喩的な表現で有名。

◎ただ現在の私はマスコミひとつに「健全さ」を求めることは不可能と考えます。資本主義的民主主義社会におけるマスコミはひとつで十分なものではなく、多くのメディアの多様な報道姿勢が必要という立場です。
shin-pコラム〜メディアの独占の弊害について


南海日日新聞へのコラム

1987年「東京だより」として掲載されていた八幡浜のローカル紙(週3回発行)へのコラムなど(もう10年も前のこと・・今は、この時とは私の考え方は違っていますが・・)
1987/02/05付 一面左肩「どう思いますか<匿名報道O>」

私が南海日日を知ったのは今から二年前「犯罪報道の犯罪」(*1)という本を通してでした。学生時代から新聞に関心を持ち、学生新聞やミニコミに携わってきた私ですが、当時は免田事件をはじめとする「冤罪」の再審無罪判決が続いたころで、特に「犯罪報道のあり方」には興味がありました。
愛媛のマスコミといえば、県の広報紙「愛媛新聞」とオーナーの機関紙「日刊新愛媛」の対立のみがクローズアップされて、政争に利用されるという程度の低い「公器」しかありません。そのなかで、被疑者とその家族の人権を守る立場から、積極的に「匿名報道」に取りくむローカル紙が存在することは、愛媛の暗いマスコミ界にさす明るい光のような気がしました。
匿名報道は、その被疑者やその家族といった個人的な人権を守る以上に、公権力によって作られる犯罪を防止するという機能も果たすと思います。過去の冤罪をみても、犯人とされたのは反体制者や障害者、部落民であり、権力者にとって都合の悪い存在に人たちばかりです。八年前県内で起きた「愛大医学部汚職事件」も権力者が自分の批判者に対して行なった「制裁」であるという疑惑もありました。
新聞は、弱者の立場で報道するのが本来の姿なのですが、現状では、これら権力者によって作られた犯罪であっても警察発表のまま実名入りで報道します。読者はそれが「真実」であるかのように錯覚してしまいます。権力を持たない一個人を攻撃することによって、被疑者はスケープゴートとされて、問題の本質が追求されずじまいという、権力者に都合のよい結果に終わってしまうのです。
このような権力の乱用を許さないためにも、編集者が、弱者の側に立って「匿名報道」する姿勢が必要です。それには、新聞が公権力から独立していなければなりません。しかし公権力から独立した存在である「聖教新聞」「赤旗」でさえ、警察発表をそのままに実名報道しているのが日本のマスコミの現状です。
南海日日が全国初の英断を下したことを、愛媛県だけでなく日本全国のマスコミにも訴え、マスコミ報道でもっとも根本的な「人を傷つけない」という立場から、早急に「匿名報道」導入を検討してもらいたいと思います。新聞が、販売部数を稼ぐだけの興味半分の写真雑誌化しないよう、本当の意味で、弱者の側に立つ「公器」でありつづけてもらいたいと思います。

*1 元共同通信社記者の浅野健一さんの著書。その中でNTV系11PMで放送された南海日日新聞社が紹介されている。2月に浅野さんは「犯罪報道の再犯〜さらば共同通信社」を出版している。なお、南海日日新聞は奄美の名瀬に本社のある同名の新聞とは別の会社(本社:八幡浜)。

私の故郷(なぜWFか?=コラム)


今後の更新にご期待ください


人権・マスコミ関連リンク(収集中)

坊ちゃん文学賞受賞・敷村良子さんのHP
エッセイふだん冒険記47回は「問題意識」を持って愛媛をみつめています)

静田くんのHP
(人権感覚を重視した「法律」ページを作成中。)

新聞の街角
(新聞社リンクでは有名。昨年10月から更新がないようで心配・・)

先崎綜一氏の「ライター稼業の日常」
(フリーライターの実状をフリーライター自ら紹介!)

  shin-pコラム〜メディアの独占の弊害について
(メディアが金儲けに走れば、良識はなくなる。要はバランス感覚)


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