ALPINE juba 7620J


「通常」モード
 アルパインが開発したカセットデッキの中で,これを超えるユニットは存在しません。則ちアルパインのデッキでカセットを聴く場合これ以上の音は無いと言うことです。

 ただし,この7620Jは,アルパインが宣伝や啓蒙を含め,コストを度外視で制作されたと聞きます。定価の12万円はナカミチで中の下に位置しますが,その性能は20万円では造れないデッキだとか...。

 以前,7618JはTD-30に負けました...。果たして7620Jはナカミチの牙城を崩せるか!

「シグナル ストレート」モード
 このデッキには「Signal S」いって,イルミが消えるだけでなく,一切の操作を受け付けなくなるという面白い機能が付いています。余分な回路を介さず,ノイズを発生させる表示部を消す等,徹底的に高音質にこだわっています。

 その効果は絶大で,音の明瞭感が全然異なります。と言うよりも,

「通常モード」はJubaと言えない。

 「Signal S」を使う事で真価を発揮すると考える方が正しいでしょう。

名品?「ALPS」のヴォリューム
 7620Jと7618Jとの違いの1つが→です。クリックレスで操作性がナカナカ良い感触を持っています。このヴォリュームはご覧のようにモーターが付いており,ワイヤレスリモコンでも駆動可能です。初めてリモコンで操作したときは感動しました。(爆)

 有名な「ALPS」のパーツが使用されているのですが,残念ながらつまみがプラスチック製のために,どうしても安っぽく感じてしまいます。加えて,プラ製は大変破損しやすいためリモコンでの調整を推奨します。

 この辺りのできはNakanichi CD-700にはぜんぜん及びません。

“ juba ”恐るべし!
 さて。いよいよ“本物の”jubaの音色を試聴ことができたのですが,その実力は凄いの一言です。音の明瞭感がすばらしく,ざらつきの無い滑らかな音色は正しく「jubaの音色」です。この価格帯に位置するカセットデッキ(例えばMTD-1, TD-30など)では太刀打ちできないのではないでしょうか。確実にワンランク以上の差を感じました。ただし,ナカミチが得意とする「密度感のある中域再生」「原音に忠実な再生」というよりも,若干クセ(拡がり)のある素直で聴き疲れしない音色です。この辺りは好みの分かれる部分かもしれません。

 以上はテープの再生について,ナカミチとの比較をしました。次に,弟分である「7618J」との比較をしてみます。ここではスペックその他カタログに載っている件についてはムシします。あくまでも,使ってみての感想がメインですので,あしからず。

 まず,テープの再生力は7620Jの圧勝で,7618Jとは雲泥の差です。これはある程度予想された面であるため,驚きはそれ程大きくありませんでした。ただし!ここで特筆すべきはCDCの再生力です。

「7618Jにはjubaのプリアンプが使用されている」

 7618Jを購入したのは上記の理由があったからです。そのためCDCを接続した場合は両者の差はあまり感じないのではないか?と予想しておりました。一応『音声信号が必ず通るヴォリュームが違うので,少しは違うだろう。』その程度の認識でした。
 いやはや...その認識は甘く,フルスペックは別物です。5957sを使用した時の音色が全然違うんですから。しかも,音声信号は音質面で不利なはずの「8pin接続」を使っていてもです。7618Jの経験上,音声信号は同軸接続が有利です。「同軸接続」はたまた5959を使用した場合にどれ程の音色を奏でてくれるのか,楽しみです。

 7618J+5959の組み合わせは,決して悪くありません。juba Seriesの片鱗を十分に感じることができたのですが,残念ながら本来の実力からずいぶん離れていたようです。


おまけ

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