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僕は彼の顔をじっと見つめた。『凝視した』というのが正しい。 別に惚れた訳ではない。 とにかく、生れて初めて見るものに魂をすいとられたかの如く、視線は一点に集中した。 彼は何事もなくコーヒーを受け皿におき「そういえばさあ」とか言いかけて僕の視線と あったとき、彼はぎょっとしたようだった。 「な、なんちゅう顔してんだい」
僕はつい、言ってはいけないことを口走ってしまった。 「あ...あなた...」
「あん?」
「本当に人間ですか?」