●平成15年4月27日(日), 日帰り ★ 総所要時間: 7時間25分 ★ ハイキング標高差: 437 m
奥多摩三山と呼ばれる、三頭山(1531m),御前山(1405m), 大岳山(1267m) の中から大岳山
を中心としたコースを選んだ。 起点は、御岳山ケーブルカーの滝本駅である。例によって、ケーブルカーを使って標高を稼
ぐ。御岳山駅(標高831m)まで所要約10分で到着。御岳山周辺のハイキングコースは、設定さ れたものだけでも8通りあり、バラエティーに富んでいる。 まずは、駅を降りた御岳平から御岳山頂(929m)にある「武蔵御嶽神社」をめざす。舗装さ
れた門前町の集落を縫い、杉林を登っていく。周囲には「ミツバツツジ」や「ヤマザクラ」が咲い ており、恵まれた天候とあいまって気持ちがいい。途中に国の天然記念物「神代ケヤキ」を見 て、鳥居をくぐると長い石段の上に御嶽神社の本殿が現れた。ここが、御岳山の山頂(929m) にあたる。石段下の標識に従い、平坦な杉林の山道を歩き長尾平分岐点 についた。 ここから、そのまま登って大岳山に至る道と、いったん下って七代の滝から川沿いに登り返す
ルートに分かれたが、ここでは後者の『試練の道!?』の方を選んだ。 いきなり、階段状の長い下り坂が続く。せっかくケーブルカーで標高を稼いだのに、もったいな
い…(?)、と思うほどに一気に下る。「カタクリ」の花が、まだ道の脇に点々と残って咲いていた。 ![]() ![]() 水の音が聞こえる岩場の道を進む 七代の滝
大きな岩場に差掛かったあたりから水の音が聞こえてきた。下りきった所で「七代の滝」が
現れる。なかなか幻想的で美しい滝だ。しばし休んで、先へ進む。 滝の横側から続く長い鉄梯子を使って、川沿いに登り返して行くわけだが、梯子の切れ目から
滝の上部を覗く事ができた。 ![]() ![]() 滝は連続して幾段にも連なっていた なんと!! 滝は一つではなく、複雑に入り組んだ岩場の中を、小さな滝(七つ?) が互い違いに連
続して構成されていたのだ。 鉄梯子を15分ほど登り、ふたたび標高を稼いだところで「天狗岩」に出た。たいして高くはな
いが、鎖を辿って岩に登ってみた。展望はなかったが、確かに岩の頂に二体の天狗の像があ った。(笑) ![]() ここから、トイレと休憩所のある「ロックガーデン(岩石園)」を経て養沢川上流の「綾広の滝」
までの長い区間は、ずっと沢沿いに緩やかに登ってゆくのだが、新緑と苔の生えた川面に光 が差し込み、幻想的な風景だった。また、沢を渡る微風も清々しく、とても気持ち良く歩くことが できた。 遠回りしてこちらのルートを選んだのは正解だった。だが、気持ちよく歩けたのはここまで。
![]() ![]() 幻想的な養沢川沿いの清々しい登り道 綾広の滝
「綾広の滝」で川を離れ、先程の直通してくる道と合流してから、上り勾配が次第にきつくなって
きた。芥場峠分岐で、さらに他ルートからの道とも合流し、いよいよ大岳山山頂へと向かう。 多少の鎖場などもあり、やや本格的な登山道を進み、ようやく「大岳山荘」までたどり着いた。
ここは、少し広くなっており東京方面の町並みも展望できる。(トイレと休憩所もある。) ![]() ![]() 次第に勾配がきつくなる、芥場峠に向かう ちょっとした鎖場も通過する
山荘のすぐ裏手には、簡単な造りの「大岳神社」が建っており、それを過ぎれば山頂はすぐそ
この距離なのだが、ここから急坂の岩登りとなり、今回のクライマックスだ。 いよいよ山頂が近いことを感じさせる。休みながら慎重に進んで、やっと大岳山山頂(1267m)
に到着した。 ![]() ![]() 急坂の岩場、いよいよ山頂が近い 大岳山 山頂(1267m)
山頂は狭いが、南側が大きく開けており展望はよい。ここからの富士山の眺めはとても素晴
らしいとの事だったが、残念ながらこの日は雲が多めで、富士山の姿は見られなかった。 しかし、丹沢、御坂、大菩薩の山々を見わたす事ができた。 けっこう沢山のグループが山頂で昼食をとっていた。これに混じって、こちらもシートを広げて
昼食と長い休憩をとる事にした。いく種もの小鳥たちが鳴いていたが、その中の「ヤマガラ」が 一羽、すぐ近くまで飛んできた。 と、思ったら、なんと!! おにぎりを食べていたマユの手の上に留まったのだ。2〜3秒だったろう
か? 、あまりの事にびっくりして、みな一瞬 カタマッテしまった。 とても貴重な体験をしたマユは「来て良かった。」と、感動的だった。その後もしばらくの間、そ
の感触が手に残っていたそうだ。 ![]() 下山は、ここから尾根伝いに鋸山経由で3時間ほどの長い下り坂を奥多摩駅に抜けるコース
が人気らしいが、我ら『インチキ山屋』は車とケーブルカーの関係で、出発点に戻らなければな らない宿命がある(笑)。 登ってきた岩場を、芥場峠分岐の手前まで戻る。しかし、全く同じ道を戻っても面白くないの
で、ここから鍋割山経由で戻ることにした。 ![]() 小さなアップダウンを繰り返し、鍋割山山頂(1084m)に到着。さらに先に進んで、すぐ隣 の
「奥の院」(1077m)の頂へと岩場を登り返す。下のほうに「シロヤシロ」の小さな白い花が群生し ていた。 足早に下山して、「天狗の腰掛け杉」なる巨木を経て、長尾平分岐まで戻った。あとは、往
路をひたすら戻ればいいのだが、すでに三人とも足腰が限界に近い状態 (苦笑)。 特に、御嶽神社からの舗装路(下り)は歩きづらく、ケーブルカー駅のある御岳平までの距離が
異常に長く感じた。 『冬眠明け』の一発目という事と、なによりも日頃の運動不足が露呈した。(笑)
ケーブルカーで滝本駅に戻ったのは、すでに午後4時すぎ。体力的な課題が残ったものの、
充実した『山登り』だったと思う。 帰りは、車で奥多摩まで向かい、お約束の日帰り温泉「もえぎの湯」に立ち寄った。
2003.4.29 (記)
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