●平成16年4月25日(日), 日帰り ★ 総所要時間: 5時間 00分 ★ ハイキング標高差: 256 m
冬眠明け・第一弾という事で、近場で初級コースの山を選択した。秩父三峰三山のひとつ妙
法ヶ岳(1322m)は、三峰神社の奥宮が鎮座する修験道の霊地である。実際に、登山道イコー ル奥宮参道であり、いたるところに鳥居が建つ。狭い山頂は奥宮の建造物で独占され、妙法ヶ 岳山頂を示す立札や標示は見当たらなかった。 三峰三山とは、この妙法ヶ岳と雲取山(2017m)、白岩山(1921m)の三山をさし、総称として三
峰山と呼ばれていたらしいが、現在では三峰ロープウェイ山頂駅と三峰神社周辺を三峰山と 呼ぶ。 妙法ヶ岳は、三峰神社から雲取山へ続く尾根線上からわずかに東側に張り出した岩 尾根上に位置する岩峰である。ロープウェイ山頂駅から、ラクダのコブ状の山頂部とその全貌 が見渡せる。 百名山の雲取山に比べてここを訪れる人は少なく、奥宮まで詣でる熱心な信仰者か三峰山周
辺を探索するハイカーに限られるようだ。すれ違う人も少なく、静かで良かった(笑)。 ![]() 車で三峰神社下のビジターセンターPまで登ることもできたが、麓の大滝村・大輪Pに車を停
め、三峰山ロープウェイを利用した。民間のP (事実上無料)から山麓駅まで歩いて登ること 10分、始発のロープウェイに乗り約8分で山頂駅に到着。標高はすでに1081m、目的とする妙
法ヶ岳が一望できる。かなり遠く離れている様に感じるが、ここから実質片道1時間位の道程 だ。標高差も256mほど、冬眠でふやけた「インチキ山屋」の足慣らしにはもってこいの条件で ある(笑)。 山頂駅から三峰神社まで続くほぼ平坦な車道を進むと、大きな鳥居が現れ神社の境内に入
る。杉の大木がそびえる本殿の前を過ぎ、表参道を横切って抜けると三峰山博物館に出る。 その先に大きな売店がいくつも並び、参拝客や観光客で賑わう一角に出る。下には、三峰ビ ジターセンターと大駐車場が整備されている。 さらに舗装された杉並木を歩いてゆくと、「奥宮分岐」の小さくても立派な鳥居が現れる。
奥宮分岐、これより山道
![]() これをくぐると舗装は終わり、いよいよ山道となる。ここで入山届けに記入し、杉並木の続く 道をゆるやかに登ってゆくと、今度は木の鳥居が建つ「妙法ヶ岳分岐」に出る。 鳥居をくぐった左側の道が妙法ヶ岳方面、つまりは奥宮への参道というわけだ。まっすぐの方
向が、雲取山へと続くメインルートである。 ここからが本格的な山登りとなるのだが、その前に鳥居の下で小休止。我が家で山用の定番
食料のひとつとなった、キュウリの浅漬けと串団子を補給(?)し、いざ出発。 ![]() このあたりは杉の植林地らしく一面がみごとな杉林だ。ほのかな杉の香りが心地良いが、山
道には尾根がたくさん張り出して歩きづらい。しだいに勾配も増し、今回のコース中で最も辛い 登りに差掛かる。冬眠明けの鈍った足腰にはちょっと辛かったが、これまでの山登りに比べた ら楽勝のはずである。 ひとしきり登り終えた所で、大きなイヌブナが立つ「ベンチ広場」に着いた。木陰の広い空間
で、小休止には最適の気持ち良い場所だ。 ![]() ![]() ベンチ広場の、大きなイヌブナ 急斜面の山腹をトラバースする
その先は道が細くなり、山腹をトラバースする。左の谷側は急斜面で滑りやすくなっているの
で、慎重に進む。やがて鞍部の少し開けたところに出ると、両神山方面の景観が得られる。 ここには「東屋」も設置され、地蔵峠方面との分岐点にもなっている。ふたたび鳥居のある方向
へと進むと、やや岩場が多くなり山頂が近いことを連想させる。 最後の小さな鳥居をぬけると、いよいよフィニッシュだ。かなり急勾配の階段をいったん下る
と、すぐに登り返しの急階段が現れた。 このあたりが、最初に下から見た全景の ” ラクダの コブ ” の部分であることは容易に想像できた。 階段は更に急な鎖場となり、登り切った所が明るく開けた山頂である。狭い山頂を三峰神社
の奥宮が占領している。 ![]() 北西から南面の展望が良好である。和名倉山や、特徴的な山影の両神山など西上州方面
の山々が見渡せる。両神山の奥には浅間山の姿もうっすらと見えていた。下の方を見れば、 今登ってきた経路と三峰山の山頂駅も見える。 ![]() ![]() 妙法ヶ岳・山頂 (1322m) 西上州方面の展望、手前は三峰山
奥宮よりやや下がった所に小さなスペースだが、縁側風の休憩場所が造られていたので、 ここで大休止した。 こちら側からは、霧藻ヶ峰から白岩山、雲取山へと続く主稜線の山が はっきりと見渡せた。 この日は風もなく穏やかに晴れ渡った気候で、とっても気持ちがいい。思わず昼寝をしたく なったが、さすがにそこまでは時間の余裕がない。
![]() ![]() 霧藻ヶ峰から白岩山、雲取山へと続く展望 山頂・三峰神社奥宮の縁側 ?!
下山は、往路をそのまま戻る。最初の鎖場と階段は注意が必要だが、あとは大した事はな
い。足腰も慣れてきたので、快調に跳ばして素早く下山した。 三峰神社周辺の店に立ち寄り、名物の「いもでんがく」と、「山女(やまめ)の塩焼き」を食 べたのだが、これがまたメチャメチャ旨い!! ”川魚の塩焼き大好き家族” なので(笑)、実は登
る前から “絶対食べて帰ろう‥‥” と、狙っていたのだ。三人とも頭の骨まで、一切残さずに たいらげた。これは絶品である。 山女(やまめ)を食べる山女 !?
![]() ロープウェイを降りて車に戻ってから、国道140号線沿いにある「道の駅・大滝温泉」 まで足を伸ばし、その中の日帰り温泉施設「遊湯館」にて、久々の山登りの疲れを癒し てから、帰路についた。 ( 2004.4.30記 )
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