SHIGAYAMA
横手山 (2305m)

裏志賀山 (2037m)

志賀山 (2036m)
    志賀山の二峰 (横手山山頂より)
平成16年9月19日(日), 現地日帰り
   ★ 総所要時間: 4 時間 30分
   ★ ハイキング標高差: 609 m
   行程行程・ハイキング
  行程ルートマップ


 北信濃を代表する、標高1300m〜2300m級の広大なリゾート地が志賀高原である。長野冬
季オリンピック
での競技会場としても利用され、むしろスキー場としての知名度の方が高いの
かもしれない。夏の志賀は、深い森林地帯に大小の湖沼や湿原をたくさんちりばめた、自然の
魅力あふれるさわやかな高原である。
万座草津野沢湯田中小布施‥といった有名所の温泉郷に囲まれ、浅間・白根
火山ルート
にも隣接している。自分はスキーをしないので夏場のみだが、ハイキングやドライ
ブ、観光目的などで幼少時代から、何度もこの地を訪れている。
今回は、その志賀高原のほぼ中央に位置する志賀山への初登頂をめざした。

     渋峠(2172m), 横手山登山口

 志賀山は「志賀山」(2036m)と「裏志賀山」(2037m) の二つの峰からなる双子山で、その差は
1mしかない。学術的には、渦を巻いて流れた溶岩流から形成された非常に珍しい山だといわ
れており、その跡に茂る針葉樹の原生林帯は見事である。
名前からして志賀高原を代表する山でありながら、最高峰の「横手山」(2305m)や「笠ケ岳
(2076m),「岩菅山」(2295m)などに比べると、あまり目立たない存在であるのが少し残念な気も
するが、周囲に数多くの沼池を抱いた山容は、最も志賀高原らしい山だと言えよう。
 今回は、横手山山頂を起点として、「鉢山」を経由し「四十八池」を抜けてから、志賀山の二
峰に登頂し、「渋池」と「硯川」に至る、全長約8kmの周回コースをとった。

             横手山・山頂ヒュッテ 

 上信越自動車道・信州中野ICをおりて、「志賀草津道路(国道292号線)」を走り、今回のゴー
ル地点である「硯川」の無料Pに駐車する。ここから、横手山登山口のある「渋峠」(2172m) ま
では、路線バスを利用して移動する事にした。(渋峠にも無料Pがあるので、直接ここまで来て
駐車しても良いのだが、山歩き後に車を回収しに戻るのは気分的にも疲れるので、先にバス
で移動する手段をとった。) ちなみに、渋峠は日本の国道では最高地点という事だ。
 ここから、2305mの横手山山頂までは「渋峠第一リフト」にて労せずして登頂できる。横手山
には、この他に横手山ドライブインのある「のぞき」(地名です!!) からも「スカイレーター」と「
手山リフト
」を乗り継いで、歩かずに登頂できる。
誰もが簡単に頂上の展望台に立てるので、観光客がウヨウヨしていたが、山頂からの展望は
文句なく素晴らしい。近くには笠ケ岳が美しく、目指す志賀山や「白根山」(2171m)も一望の下
だ。北アルプスも横一列に展望できるはずだが、残念ながら雲が絡んで見えなかった。
 大いなる展望を楽しんだ後は、同じく山頂内にある「横手山山頂ヒュッテ」に向かう。ここは、
日本一高所にある手作りパン屋さんとして有名で、パンを買うだけの目的でわざわざ訪れる人
もいるそうだ。実際にとっても美味しく、特に “きのこ雲セット“ は最高である。外のテラスで展
望を楽しみながら、遅い朝食と早い昼食を同時にとった !? 
殆んど歩いてもいないのに、いきなりの大休憩である(笑)。

     横手山ゲレンデから仰ぐ、笠ヶ岳

 ヒュッテの横から、横手山北面のシラビソ樹林帯を一気に急下降する。やがて林が開け、横
手山スキー場に出る。ゲレンデの先には、目指す志賀山と笠ケ岳の姿が良く見えている。
しばらくゲレンデ沿いに歩いて、再び樹林帯に入り「彦兵ェ尾根」を下る。途中、小さなピーク
を2回越えると「草津峠」と書かれた場所を通過し、登り勾配に変わる。その先の分岐を右に
向かうと、鉢山への急登となり15分ほどで、樹林に囲まれた鉢山の山頂(2041m)に至る。立札
がなければ山頂である事に気づかない様な所である。

     四十八池と志賀山 (右が裏志賀山) 

 山頂を過ぎるとしばらく急な下りが続き、樹林を抜けたところが標高1900mの高層湿原「四十
八池
」だ。”池めぐりハイキングコース“ のハイカー達とも合流し、少し賑やかになる。池の正面
には志賀山の二つの峰が、大きく立ちはだかっている。湿原の規模は大きくないが、小さな池
があちこちに散らばって清らかな水を湛えていた。花の季節ならば、一面に湿生植物が咲き乱
れ、もっと美しかったに違いない。
 湿原内を縦貫する木道を通り抜けてゆくと、いよいよ志賀山の登山口となる。「大沼池」との
分岐を左方向に向かい、志賀山神社の鳥居をくぐって進むといきなり急登が始まる。ここから
が今回のメインで、一番のガンバリどころだ。ぐんぐんと標高が上り、振り返ると四十八池の湿
原がまるで箱庭のように小さく見え、さらに右下には「黒姫池」が姿を現す。
ひとしきり登り切ったところで、志賀山と裏志賀山の分岐点に出た。横手山や鉢山、四十八池
と、過ぎてきた景色が一望の下である。

        志賀山・二峰の分岐点からの展望
                                     (奥から、横手山, 鉢山, 湿原, 黒姫池)

 まずは、裏志賀山へと向かう。分岐から10分ほどで裏志賀山山頂(2037m)に到着。
志賀山神社の祠がある山頂部は展望がきかないが、少し先に樹林の切れ間があり、ここから
マリンブルーの鮮やかな大沼池が見下ろせた。岩菅山や館山方面の山岳展望も見事だ。
 分岐点まで戻って、次は志賀山の山頂(2036m)へと向かう。いったん鞍部まで急下降すると、
今度は「志賀の小池」と名づけられた神秘的な小池が見え、志賀山山頂へと続く裸地の尾根
を登り返す。
三角点のある山頂の少し手前が丘状になっていて、そこからは横手山方面の展望が素晴らし
いが、山頂部は樹林が多く展望はイマイチだった。

      
         裏志賀山から望む、大沼池             志賀山山頂へと向かう

 志賀山からの下りは、岩場まじりの暗い樹林帯で、かなりの急勾配が続く。膝に負担がかか
ってきており、少し痛みを覚えたのでゆっくりと下る。
薄暗い森の中の「釜池」を過ぎると下り勾配も緩やかになり、やがて池めぐりコース遊歩道と
の合流点に出る。あとは快適なハイキング遊歩道を進む。途中の「渋池」は静かな雰囲気で、
心まで休まるような感じだ。池の後ろには横手山がクッキリと見えている。
 渋池を過ぎると、小じんまりとした「前山湿原」に出て、本コースもいよいよ終点が近い。ここ
からも横手山の眺めがきれいだが、かなり遠く離れて見える。あの山頂からここまで歩いてき
たことを考えたら、急に足腰に疲れが襲ってきた(笑)。

              渋池 と 横手山

 前山湿原から終点の硯川までは、「前山リフト」が架けられている。本来ならば歩いて帰るべ
き所だったが、迷わず! リフトを利用した(笑)。
リフトを降りた場所は、最初に車を停めた硯川Pのすぐそばである。コースの終点に車を停め
ておいたのは、やはり正解だった。硯川の近くには「熊の湯・ほたる温泉」の源泉があり、温
泉宿がたくさん集まっている。当日はここに宿をとっていたので、早速チェックインして、天然温
泉で疲れを癒す事にした。
 湯は掛け流しの緑がかった乳白色の硫黄泉で、まさに ”極楽” のひとときであった。(笑)

                                             (2004.9.27 記)

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