●平成18年9月21日(木), 日帰り ★ 総所要時間: 2 時間 05分 ★ ハイキング標高差: 231 m
今回は、久々にインチキ山屋お得意のプログラムである(笑)。 奥秩父の最高峰 「北奥千
丈岳」 (2601m) と、すぐ隣の名山 「国師ヶ岳」 (2592m) を、一度に短時間で巡る、超初心者 向けのお得な山登りに挑戦した(笑)。 登山口となる 「大弛峠」 は、標高が既に2370mもあり冬季シーズン以外ならば、車でここま
で登る事が出来る。 残りの標高差は200m程度で、かつ歩行距離も短く、わずか40分ほどで最 高峰の頂に立つことができるのだ。 大弛峠は、インチキ山屋としても二度目の来訪である。 ![]() かつて、国師ヶ岳と北奥千丈岳は、奥秩父で最も奥に位置する本格山屋さん達の憧れの山
だったらしい。 しかし、長野・山梨両県を結ぶ 「峰越林道」 が開通したおかげでマイカー登山 の対象となり、手軽に登れるようになったという。 大弛峠Pは、その最高地点の折返しにあた る場所のため、駐車スペースも狭く40台ほどしか停められない。 休日は早朝から満車となり、 狭い道路に延々と路肩駐車の列ができる状況である。 2370mの標高は、舗装された車道とし ては、日本でもトップクラスであることは言うまでもない。 それだけに、ここまでの道のりは決し て楽チンとは言えない。 勝沼ICからは約40km、国道を離れてからの距離にして、約30kmもあ る。その ほぼ全線が、狭い九十九折れの山岳路で、途中に部分的なダートがあったり、がけ 崩れ箇所、すれ違い不能な箇所も随所にあるので充分な注意が必要だ。 悪天候時は通行 止めになるし、冬季(12〜5月)は閉鎖されるそうだ。 国師ヶ岳 ・ 北奥千丈岳 登山口
![]() さて、車にとっては酷な経路であったが、大弛峠Pまで来てしまえば目指す二山の山頂は、す
ぐ目の前である(笑)。 殆どの人たちが金峰山に向かう中、駐車場のすぐ横にある 「大弛小 屋」 入口から小屋の前を横切って、国師ヶ岳・北奥千丈岳方面の登山道に入り、苔むした原 生林の中を進む。 整備の行き届いた登山道だと思っていたら、登り始めてすぐに立派な木製 の階段が現れた。 近年に作られたばかりと思われる、まだ新しそうな立派な階段は登山道の上に延々と設置さ
れており、なんと! それが九合目辺りまでのほぼ全線にわたり設置されていた(!!)。 これには、 ちょっと興ざめである。 観光公園の遊歩道ではないのだから、これは明らかに過剰整備だと 思った。 こんな事をしなくても、充分に安全で歩きやすい登山路なのに、こんなところで "階段 登り" をさせられるとは思わなかった(怒)。 階段は登山路の補助的に使われるべきであって、これでは迷惑だと思ったのは私だけであ
ろうか!? ![]() それはさておき、登山口から10分ほどで、「夢の庭園」 への分岐が現れるが、ここへは帰り
に寄る事にして左方向に直進する。 更に階段を登ると、先ほど見送った夢の庭園からの道が 合流してくる。 そして長い階段がようやく終了し、立ち枯れの木が並ぶ視界の開けた場所に出 る。 周辺の山が見渡せる中を進むと、間もなく 「前国師ヶ岳」 の山頂に到着した。 標高の表示がどこにも無いので正確な高さは判らないが2580m位であろうか、南西・北東方面
の展望が良好だ。 山頂部に 「五丈岩」 を突き立て、すぐにそれとわかる金峰山をはじめ、目 指す国師ヶ岳や北奥千丈岳も一望できる。 しばし休憩した後、いったん下って鞍部へと出る。 鞍部の 「三繋平(みつなぎだいら)」
(2570m) は文字通り、奥秩父主脈縦走路上の三叉路となっている重要なポイントだ。 ここから、まずは東側の国師ヶ岳へと向かうことにした。 ![]() ![]() 前国師ヶ岳より、金峰山(2599m) を望む 三繋平 (2570m)
ゆるやかに僅かな登りで、簡単に 国師ヶ岳・山頂(2592m) に到着した。 山頂を示す標識の
すぐ後ろに北奥千丈岳が見えている。 ここからの展望も前国師ヶ岳と同様の、見事な景観が 得られた。 この登山路を更に進むと 「甲武信ヶ岳」 (2475m) へと続く縦走路になるのだが、 ここからは鞍部の三繋平へと引き返して、次に奥秩父の最高峰・北奥千丈岳へと向かう。
先ほどよりは少々きつめの登りで、ここへきてようやく山登りらしくなったかと思ったのも束の
間、10分ほどの登りで簡単に 北奥千丈岳・山頂(2601m) に到達した。 山頂部には大きな岩が ゴロゴロとしており、ちょっぴりアルペン的なムードだ。 もちろん、先の二山に劣らず展望は良 好である。 この日は、やや雲が多めで遠方の景観が得られなかったので、富士山や南アル プス、八ヶ岳などは見えなかったが、金峰山をはじめとした秩父連山の眺めは素晴らしかっ た。 ![]() ![]() 国師ヶ岳・山頂 (2592m) 北奥千丈岳・山頂 (2601m)
山頂でノンビリと休憩しているうちに、にわかにガスが巻いてきて辺りが真っ白くなり出したの
で、三繋平へと戻り前国師ヶ岳を通って往路を下山する。 登りの時に見送った、夢の庭園へ の通路を辿って下りることにした。 花崗岩の斜面に大きな岩が積み重なり、シャクナゲや様々な高山植物が自生する自然庭園
で、花のシーズンには見事な景観を展開するとの事だ。 ここでも立派すぎる木製のらせん階 段が、どうも気になるのだが(汗)… 下を覗くと大弛峠の駐車場と、林道を走る車も見えた。 元の登山路(本線)の階段に合流して、
一気に下り大弛峠Pへと帰還した。 ![]() ![]() 夢の庭園 (2500m) 立派な階段にて下山 (下に大弛峠Pが見える)
車に戻り大弛峠を下る。 今回は、歩く時間よりも車での登下山の方がはるかに長い時間が
かかった(笑)。 この日は平日だったので車の数は少なかったのだが、休日などは相当混雑す るようだ。 狭い一本道では先頭に遅い車がいたり、すれ違いのたびに停滞してしまい、数珠繋 ぎ状態になることも予想される。 せっかく苦労して大弛峠まで(車で)登っても、国師ヶ岳・北奥 千丈岳への登山では余りにもあっけなくてモノ足りないであろう。
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