TAKAHARAYAMA
釈迦ヶ岳 (1795m)

明神岳 (1627m)

鶏頂山 (1765m)
   高原山 ( 釈迦ヶ岳, 1795m )
平成19年10月23日(日), 日帰り
   ★ 総所要時間: 4時間 10分
   ★ ハイキング標高差: 185 m
   行程行程・ハイキング
   行程ルートマップ


 日光連山那須連峰の間に位置する独立山塊が 「高原山(たかはらやま)」 だ。山麓には、
鬼怒川、川治、塩原など栃木県を代表する温泉郷がひしめく。 高原山とは総称であり、主脈と
なる 「釈迦ヶ岳」(1795m), 「鶏頂山」(1765m) と、ロープウェイで登頂できる 「明神岳」(1627m)
や 「西平岳」(1712m), 「剣ヶ峰」(1540m) などの、一連の火山群から成る。
 主脈からの展望はいずれも抜群で、最高峰の釈迦ヶ岳・山頂には1等三角点が埋設されて
いる。 高原山への登山ルートは、四方から幾つかのルートがあるようだが、今季・最終となる
山登りは、久々にロープウェイを駆使した "インチキ山屋" の基本スタイル(!?) でのチャレンジ
とした (笑)。
                   釈迦ヶ岳 (1795m)

 東北自動車道・西那須野塩原ICを降りて、「日塩もみじライン」(有料道路) へと入る。スキー
場や観光名所となっている 「ハンターマウンテン塩原」 の駐車場に車を停め、センターハウ
スから明神岳・山頂までの2.4kmを約10分で運んでくれるロープウェイを利用する。
コースは、ロープウェイで明神岳・山頂へと上がり、そこから主脈である釈迦ヶ岳と鶏頂山を結
ぶ主稜線へと向かい、その両山頂を往復する。 つまり、三山のピークを踏む初級者向けの日
帰りコースだ。
まあ、楽勝なコースだと侮っていたのだが(笑)、実際には登山道の整備状態が悪く(ホッタラカ
シのようだ!!)、少々難儀した。

   
                 見ごろをむかえている、紅葉の樹林帯を歩く

 まず、初めに注意しなければならないのは、このロープウェイの運行期間だ。 本年の場合、
7月中旬から8月下旬の土・日・祝日と、10月6日から11月11日の毎日となっている。 すなわ
ち、紅葉狩りシーズンの営業が主で、あとは殆ど運行していないのだ(!)。
まあ、ここは元々スキー場がメインであるから仕方あるまい。 登山道が殆どホッタラカシ状態
なのも、そのあたりに原因がありそうだ(笑)。
 ロープウェイ山頂駅を降りると、そこは既に標高1625mの明神岳・東峰山頂直下となる。
明神岳は双耳峰で、ここから 西峰(1627m) にかけて一周50分程度の 「山頂遊歩道」 が整備
されている。 殆どの観光客はここで散策するのが目的で、日光連山や紅葉の展望を楽しんで
いるようだ。 ちなみに、この日の紅葉は最盛期の一歩手前といったところだろうか。

        ロープウェイ乗場から望む 明神岳 

 山頂駅から、観光客に混じって遊歩道に入り南方面へと向かう。 綺麗に整備された木道を
10分ほど歩くと、遊歩道が北側に折れる分岐点に突き当たる。 ここを下へ降りる道が登山道・
入口で、階段状の道を左に登ると一段上に設置された 「日光連山展望台」 がある。
ここでは登山道に入る前に、まずは展望台にあがってみることにした。 天候はまずまず良かっ
たのだが、残念ながら日光連山など遠方の景色は、靄が掛かっていて輪郭がボヤーっと見え
る程度だった。
すっきり見渡せれば、左側から横一列に 「男体山」(2484m), 「女峰山」(2483m), 「日光白根
」(2578m) をはじめ、尾瀬の 「燧ケ岳」(2356m)、福島県堺をなす 「帝釈山」(2060m) などが
一望できるはずだ。
さいわい、これから向かう高原山主脈の姿は東の方面にハッキリと姿を見せていた。この場所
は帰り (下山時) にも立寄るので、その時の展望を期待することにして、一段下の登山口へと
向かった。
                                                                             ( 日光連山方面 )  
       
     日光連山展望台から 高原山の主脈を望む ( 左から、釈迦ヶ岳, 御嶽, 鶏頂山 )

 遊歩道から分岐した登山道は、イキナリの急降下から始まる。 せっかくロープウェイで標高
を稼いだのに… と、内心思いつつ (笑)、最初の鞍部まで下ると壊れかけた古い避難小屋が
現れる。 そこからは、起伏の穏やかな山稜がしばらく続く。
まずまずの紅葉で、オレンジ色や赤色があざやかで美しい景観だ。 小さなアップダウンを繰り
返しながら進むが、ときおり前方左手方向の樹間に目指す釈迦ヶ岳と、それに続く剣ヶ峰の展
望が得られた。
やがて、傾斜が増してきて針葉樹林帯へと移り、辺りは笹の海と化す。 しばらく登山路の整備
がされていないのは明白で、覆い茂った深い笹のために登山路の認識ができなくなるほどだ。
樹林に付けられた赤いリボンや赤テープの標しを見落とさないように、笹をかき分けながら進
む。 わずかに登山者が通った跡が残っているので、それも目安となる。
笹林を抜け、通路の明瞭なふつうの (?!) 山道に戻りしばらく進むと、再び笹の覆い茂る不明瞭
な道となり、また戻る……、といったパターンを何度か繰り返しながら山腹を登ってゆくと、やが
て主稜線上へと出る最後の急坂が現れる。
これがまた、丈長の笹に覆われており難儀する。 笹は胸の辺りにまで達しており、足元が全く
見えないのだ。 木の根や岩があったりするので、ステッキで探りながら慎重に登る。
これだけ笹に覆われていると、熊さんに遭ったりしないかと不安にもなる (笑)。

           丈長の深い笹に覆われた 登山道?!

深い笹の海を乗り越えて、ようやく主稜線上の 「明神岳分岐」 に達した。ここは、主峰である
釈迦ヶ岳と鶏頂山を結ぶ稜線の、ほぼ中央に位置する小高いピークであり、「御嶽」の名でも
呼ばれているそうだ。 しばし休息して、まずは左 (東) 方向へと向かい、最高峰の釈迦ヶ岳を
目指すことにした。
稜線を一旦下った後、緩やかに登ってゆくと正面の樹林越しに釈迦ヶ岳が大きく迫って見えて
くる。 ふたたび急坂となり、断続的にロープが張られた箇所や、段差の高い尾根を乗り越えた
りしながらひとしきり登る。
最後に剣ヶ峰からの道を合わせたところで、釈迦ヶ岳の広々とした 山頂(1795m) に到着した。

                         
                             正面の樹林越しに、目指す 釈迦ヶ岳を望む

 山頂には1等三角点と小社が置かれ、少し下がった一角には大きな釈迦座像が安置され
ていた。 展望は360度で、周辺の高原山の各峰が一望の下だ。 特に、すぐ隣 (西側) に聳え
る鶏頂山の姿はなかなか勇ましい。 北側にはロープウェイで降り立った明神岳が…、つい先
程はあそこからこっちを見ていたのだと思うと、今更ながら妙に感心してしまった (笑)。
南側には中岳や西平岳、東には剣ヶ峰を望めたが、やはりここでも遠方の景観は視界が届か
ず、残念ながら日光や尾瀬、那須の山々は見る事が出来なかった。

                     釈迦ヶ岳・山頂 (1795m) 

     
      山頂より西方面、 鶏頂山 (1765m)           北方面、 明神岳 (1627m)

 昼食をとり、充分に休憩をとったところで下山する。 往路をそのまま引き返して明神岳分岐
まで戻り、それを直進して今度は目前に見えている鶏頂山へと向かうつもりでいた。(それが、
ここでの一般的な登山コースだ) …が、しかし、明神岳分岐まで戻ったところで、なんと! イヤ
になってしまったのだ!! (笑) 
ここからの往復所要時間 (距離) は、いま往復した釈迦ヶ岳の場合とほぼ同じで、約70分位。
時間的には充分可能だし、体力的にも (たぶん!?) 大丈夫だとは思ったのだが…、山頂からの
展望は (釈迦ヶ岳からと) 殆ど同じだし、日光連山の展望も期待できないこと等を考えたら、急
速に気力が失せてしまったのだ (笑)。 …と、いう訳で、突如予定を変更して明神岳にそのまま
引き返す事にした。 ヤレヤレ (汗)

                                 明神岳分岐 (御嶽)

 まずは、あの丈長の深い笹林に入り、急坂を降りなければならない。 足元が殆ど見えないの
で、登りの時以上に注意しながら慎重に下る。
幾つかの笹林を抜けると、あとは紅葉に染められた樹林帯を快適に歩き、最後に急坂を登り
詰めて明神岳・西峰の遊歩道 (木道) へと戻った。 もう一度 「日光連山展望台」 へと上がって
みるが、やはり本日の展望は叶わないようだ (涙)。 観念して木道を辿り、東峰のロープウェイ
山頂駅からゴンドラに揺られて、ハンターマウンテン塩原のセンターハウスへと帰還した。

 さて、続いてお約束の (!!) 温泉へと向かうが、今回は帰路の途中、国道400号線沿いにある
日帰り温泉施設を利用した。 なにしろ、この辺りは有名な 「塩原温泉」。 幾つもの施設の中
から立寄ったのは 「みかえりの郷・彩花(さいか)の湯」 だ。
御影石の大浴場と、高台にある露天風呂からは周囲の山々が見渡せ、眺めがよくて開放的な
雰囲気だ。 むろん温泉は、源泉掛け流しで、山登りの疲れを充分に癒してくれた。

   紅葉の樹林帯を快適に歩く 

 インチキ山屋は、冬山は登らない (ではなくて、登れない!!) ので、今季はこれにて終了。
これより六回目の冬眠に入るのであった……(笑)。
( 2007.11.17記 )

立寄り温泉情報


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