大  山 OOYAMA
大山 (雨降山,1252m)

本   坂

雷 ノ 峰 尾 根
     大山 1252m  (伊勢原市内より)
平成24年 7月19日(木), 日帰り
   ★ 総所要時間: 5時間 25分
   ★ ハイキング標高差: 924 m
   行程行程・ハイキング
   行程ルートマップ


 首都圏に近い一大山塊を成す「丹沢山」は、関東平野の南西から西部にかけて、東西40km,
南北20km にも及ぶ広大な山群の総称であり、「丹沢大山国定公園」にある。 最高峰は1673
m の「蛭ヶ岳」で、標高は低めながらも変化に富んだ山容と深い谷に恵まれ、森と動植物の豊
かさも相まって 多くの人々を魅了し続けている。
火山島をルーツとするらしく、衝突、隆起、浸食など を繰り返して現在の山容が形成されたと
の事だ。 特に水系は支沢が稜線近くまで浸食して滝を懸ける等、複雑を極めており "沢登り"
のメッカとしても大人気の山塊である。 1番人気は中央に位置する 「塔ノ岳」(1491m) で、他に
鍋割山」 (1273m), 「檜洞丸(ひのきぼらまる)」 (1600m), 「丹沢山」 (1567m), 「大室山」 (15
88m) などの人気山揃いであるが、今回はその中から "雨乞いの山" として信仰色の強い 「
」 (1252m) の登頂を目指した。
冬眠明けの今季初山行は、ケーブルカーを利用したお得意の "インチキ登法" で決まりだ!!
(笑)。  
しかし、いつもながら目覚めが遅い…、結局今季もスタートが真夏になってしまった (汗)。

              阿夫利神社・下社

 大山は別名「雨降山」 とも呼ばれ、「大山詣で」で親しまれてきた信仰の山で、丹沢山塊の
東端に聳える ピラミダルな山容が特徴的で、首都圏からも目を引く。 実際、東京・横浜から2時
間足らずの距離にあり、手軽なハイキングコースとしても親しまれている。
交通の便も、もちろん良好だ。 起点は、大山ケーブル駅バス停に隣接する伊勢原市営の大山
第2駐車場
(1日600円) とした。 そこから土産物屋や 大山名物の豆腐料理店などが軒を連ね
る「阿夫利神社」の参道石段「こま参道」を歩き、「大山ケーブルカー」の山麓駅を目指す。
15分ほどで山麓駅に到着し、始発 (9時) のケーブルカーに乗車した。 約6分で山上駅 (700
m地点) に着き下車する。 ケーブルカーの路線とほぼ並行して 2本の 登坂参道 「男坂」と 「
女坂」 もあるが、ここはモチロン!  ケーブルカー御利用である (笑)。

山上駅を出て参道を進むと、すぐに 阿夫利神社・下社 の境内に入る。 登山口は社殿の左
側「登拝門」 のところにあり、ここからが 山頂にある 阿夫利神社・奥社への表参道 「本坂
となる。 傍らには 「本坂・一丁目」 と記された石柱が立てられている。 この石柱は山頂の 「
二十八丁目」 まで続いて、参道 (本坂) の傍らに順番よく配置されており、登山進行の目安
にもなる。

     
          本坂8丁目、夫婦杉                 14丁目、ぼたん岩

いきなり急な石段から始まり、すぐに見事な杉林へと入る。 さすがに良く整備された広い登山
道で、石や材木を利用した階段状の道が大半を占め、全般的に傾斜は強いが、途中に 幾つ
かの見どころがあるので飽きることはない。  8丁目には 杉の大樹が対になって幹を伸ばす 「
夫婦杉」、14丁目では 露岩がぼたんの花のように見える (?) という 「ぼたん岩」、15丁目では
天狗が鼻をぶつけて穴が開いたという (??) 「天狗の鼻突き岩」 など、笑い…ではなく "話題"
にはなるかも?! (寒)。
16丁目の「追分」 で本坂の迂回路である 「かごや道」と合流するが、ここはベンチが置かれ
た広場となっているので、最初の休憩ポイントとした。 樹間越しに相模湾方面が見下ろせるが、
猛暑日の本日は雲が多く 展望はよろしくない (悲)。

      
         16丁目、本坂・追分の碑               25丁目、ヤビツ峠・分岐

 追分を過ぎると、やや傾斜が緩んだ 尾根通しの登山道となる。 ようやく体も慣れて、軽くなっ
てきた (喜)。 20丁目の「富士見台」では、視界が良ければ 西側の展望が開き、その名の通り
富士山」 (3776m) も見られるそうだ。 さらに15分ほど 登ると 「ヤビツ峠・分岐」 (25丁目) に
到達する。 分岐を直進して山頂へ向かう所だが、ここから 10m ほどヤビツ峠方面へ下ると、
大山で一番のビューポイントが現れる。 樹林に遮られていた西側の展望が大きく広がっている
のだ。 雲が多めでスッキリではなかったが、この日も正面に 塔ノ岳、その左に 鍋割山、右に丹
沢山と…、丹沢山塊の主脈が一望できた。 残念ながら富士山は雲の奥だったが、晴天時には
ここからも 秀麗な姿が望めるそうだ。 なお、山頂からはこの方面の展望は得られないという事
なので、是非立ち寄る事をオススメする。

                
               ヤビツ峠分岐付近からの展望,丹沢山の主脈を望む

分岐点に戻り、本坂をもう少し登ると 青銅の鳥居が現れ、じきに阿夫利神社・奥社の建つ広い
大山の山頂 (1252m) に到着した。

      
         大山・山頂,阿夫利神奥社              山頂の御神木 「雨降木」

 山頂の本社前には 別名「雨降山」の由来にもなっている 御神木のブナ「雨降りの木」が見事
な枝を広げていた。 山頂からは 南側の景観が優れるようで、相模湾相模平野が広がり、遠
くは大島房総半島、東側の広場からは 関東平野も一望できるそうだが、この日の展望はイ
マイチだ。 神社の建物が多く、やや興ざめな山頂ではあるが、広いので テーブルやベンチが
数ヶ所に設置してあり、売店とトイレも完備している。 気温が高いものの、さすがに 木陰の風は
心地良いので 適当な場所を選んで昼食・休憩を取ることにした。

               山頂より、相模湾方面の展望

人気の山らしく、平日にしては 数多くのグループが山頂に集っていたし、数名の大工職人もい
て、神社建物の修繕工事をしていた。 あの人たちは、神社に泊り込んで仕事をしているのだろ
うか…?
       見晴台(雷ノ峰尾根)方面へ下山 

 下山は南東の見晴台方面、「雷ノ峰尾根」を下る。 殆んどが階段状に整備されているが、特
不動尻分岐までは かなりの急勾配だ。 分岐を過ぎると やや傾斜は緩むが、つづら折りに
下り一辺倒の尾根道が続く。 ひたすら下り、モミの原生林を抜けた鞍部から わずかに登り返し
たあたりで、明るく開けた台地が 「見晴台」だ。
テーブルとベンチが幾つも並び、東屋も建てられている。 振り返ると、後方に 大山の山頂部が
間近にそびえていたが、半分ガスに覆われてきており 天候が変わりそうな雰囲気だ。 山頂で
は 霧か小雨が降っているかもしれない。 あと1時間遅かったら、真っ白ケ の中だったに違いな
い (汗)。
             見晴台 後方に離れた大山

 見晴台からは「日向薬師」方面への道と分岐して、一旦 北西に切り返してから 山腹を巻くよ
うに下社方面に進む。 随所で谷側が崖状に切れ落ちているが 危険なレベルではなく、ほぼ
平坦な道なので歩きやすい。 やがて水の音がして、二重社の建つ 「二重滝」に到達する。
小規模だが 中々見事な滝で、涼しげだ。 ほどなく 阿夫利神社・下社の境内に入り、ケーブル
カー山上駅 の真下に出る。

                二 重 滝 

階段が多かった割に、ここまでは 膝が元気で、腰の方も安定していたので、下りはインチキを
休止して (ケーブルカーを利用せずに) 「女坂」 を歩いて帰る事にした。 並行する 「男坂」 の
方が距離も短く早いが、女坂は途中の中間点で 「大山寺」 に立ち寄る事が出来るというので、
女坂の方にした。
ところが…である、ここでの ミエ と 欲張り が大きな過ちであった (情)。 この女坂なるもの、9割
以上が 階段で構成された参道だったのだ!  (男坂も同じ)  しかも結構な急坂である。 これだけ
"階段" があると、夜は怖くて 話せない!?  じゃなくて、歩けない! …それは "怪談" だろ!! (寒)。
考えてみれば、ケーブルカーの路線と並行した道なのだから、必然的に 急階段となるのは自
然の摂理だった (悲)。 案の定、膝に負担が掛かり 最後の方は ヘロヘロの亀歩き になってし
まった (笑)。 ここはやはり、インチキ屋らしく 素直にケーブルカーを利用すべきだったのだ !!
(汗)。 やっとの思いで、こま参道 の土産物店街の "勧誘の嵐" を抜け (ゆっくり歩いているの
で勘違いされたようだ!? …笑)、 ようやく出発地点の駐車場に帰還した。

 大山は 初級レベルの登山コースとされているが、ケーブルカーを利用しても 900mほどの標
高差を歩く 周回コースなので、それなりに 山登りの充実感は得られる。 ただ、あまりによく整
備されすぎており、全体的に 階段道が多い点と 周りの変化が少ない点で 好みが分かれるか
もしれない。
 お約束の温泉は、近くに適当な施設がなかったので、少し離れるが 秦野市・ 鶴巻温泉
弘法の里湯を利用して、帰路についた。
 
                                                                   (2012.7.24記)

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