宮津湾と阿蘇海を隔てる細長い砂嘴(さし)。神が架けた橋ともいわれる天橋立です。白砂の美しいビーチは波も穏やかで海水浴場にもなっています。   与謝野寛・晶子夫妻の歌碑です。夫妻は昭和5年に天橋立を訪れ、寛45首、晶子60首の歌を遺しました。
     
 名水百選にも選ばれる磯清水。海に囲まれているにも拘わらず、真水なのだそうです。  美しい松並木ですね。全長3.6kmもあるそうですよ。松は約8000本とか。  元伊勢大神宮・籠之宮(このみや)。伊勢神宮へ移る前の天照大御神と豊受大神が祭られていたといわれ、丹後随一の格式を誇っています。 
     
 傘松公園へのリフト  昭和天皇行幸の御歌碑。「めずらしく 晴れわたりたる 朝なぎの 浦わにうかぶ 天の橋立」と詠まれたようです。戦後まもなくの26年御詠。  陸奥の松島、安芸の宮島と並んで日本三景に数えられる丹後の天橋立。日本三景の碑が立っています。 
     
 再び文殊エリアの智恩寺へ。「三人寄れば文殊の知恵」で知られる古刹。市指定文化財の山門があります。  文殊山山頂(ビューランド)から見る天橋立。ここから見える景色は、龍が空を飛ぶように見えるので「飛龍観」と呼ばれています。   股のぞきで撮った写真です。天橋立といえば「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立」という百人一首を思い出します。 
     
 次は城崎(きのさき)へ。 藤村の文学碑です。「山陰土産」の一節が書かれています。  古くから温泉町として栄えてきた城崎の町並み。吉田兼好、島崎藤村、与謝野夫妻、志賀直哉などの文人墨客に愛されたいで湯の町は、大谿川(おおたにがわ)を挟むように広がっています。 
     
 大師山の麓にある温泉寺(真言宗)の薬師堂。本堂は山腹にあるのだそうです。  城崎の町を一望できる大師山山頂からの眺め。ロープウェイで約7分。 山頂にある吉田兼好文学碑。 
     
 山頂にも温泉寺の奥の院などがありますが、この慈母観音像も温泉寺に属するようです。  こちらは 極楽禅寺。臨済宗大徳寺派の寺院で、枯山水式庭園が見事なお寺です。 境内にある水掛地蔵尊 
     
 志賀直哉の文学碑。「城崎にて」はあまりにも有名です。  城崎には「外湯めぐり」というのがあります。宿泊者に入浴券が配布されるので、外湯を自由に利用することができるのです。まずは奈良時代にできたといわれる「 まんだら湯」へ。  外湯は七つありますが、それぞれ守護神が違い、ご利益も違います。すべて入浴すると生涯の厄除けができるとか。ここは京都御所をイメージした「御所の湯」。日本情緒が楽しめます。 
     
 外湯の中で最も伝統のある 「鴻(こう)の湯」。コウノトリが傷を癒したという伝説があり、不老長寿のご利益があるとか。  歌舞伎座のような桃山風の建物は「 一の湯」。岩肌を削って造られた洞窟風呂が有名ですが、家族風呂もあるそうですよ。  源泉から地蔵尊がでてきたことから命名された「地蔵湯」。外湯は他に「柳湯」と「さとの湯」があります。 
     
 次はいよいよ鳥取砂丘へ  東西16q、南北2.4qにわたる日本海に面した日本最大の海岸砂丘。現在のような形になるまで10万年を要したといわれています。「馬の背」と呼ばれる巨大な砂山の高低差は92m。 
     
   風が描く「風紋」、砂粒が滑り落ちてできる「砂簾(されん)」が美しいのですが、人とラクダの足跡が…。  砂丘遊覧ラクダ。料金は二人で3000円。 
     
 こちらは2006年開館の「砂の美術館」。世界ではじめて「砂」を素材にした彫刻作品を展示しています。第一期のテーマは「イタリア・ルネッサンス」、第二期は「世界遺産・アジア」、第三期「砂で世界旅行オーストリア」…。この時はまだ屋外での展示だけでしたが、第五期には屋内での展示がはじまり、2012年には世界初となる砂像のための展示施設が整備されました。会期が終わればまたもとの砂に戻ります。永遠には残らない、はかない造形美。この写真(第三期)の像も今は見ることができません。  
     
 鳥取には久松山城とも呼ばれるお城があります。ここで最も有名なのは羽柴秀吉に攻められた折、吉川経家(きっかわつねいえ)が鳥取城主として籠城戦を展開、苦戦の上自害して果てた時のことで、「鳥取の飢え(かつえ)殺し」として語り継がれています。飢餓に苦しむ城兵は人肉まで食べたといいますから、その凄惨な状況は想像に難くないでしょう。現在は天守台、復元城門、石垣などが残されています。  
     
 二ノ丸三階櫓石垣 山上にある菱櫓跡 鳥取空港ですね。いよいよ帰途です。 

2013年12月記

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