米長邦雄(東京都教育委員・日本将棋連盟会長)のオカシナ主張:『朝日新聞社と教科書採択』《どのように判定しようと、それは裁判所の決定と同じです。氣に入らないと言って、法廷の内外での妨害運動はすべきでない。教育委員会は、政治的に中立だからこそ市長でも知事でも口出しできない絶大な権限を持っているのです》 米長邦雄氏ホームページ「まじめな私」(2005.8.6)

 

http://homepage1.nifty.com/yonenaga-kunio/sakusaku/3_1.htm 

 

 

【米長邦雄氏ホームページ】より

(1)「さわやか日記」 http://8154.teacup.com/yonenaga/bbs 

朝日新聞とNIE  投稿者: 米長邦雄  投稿日: 8 6()182021

・・・今日、HP更新しました。

「将棋の話」は理事会の途中報告です。

「まじめな私」がハイライトです。折角朝日新聞を1000万部にしようと計画していたのにね。是非お読み下さい。

全てに一方通行の押しつけの時代が終ったのが分らないのかなあ。

 

(2)「まじめな私」 http://homepage1.nifty.com/yonenaga-kunio/sakusaku/3_1.htm 

朝日新聞社と教科書採択

 若者の活字離れが進んでいますので、国会では文字・活字文化振興法が722日に成立。NIE(新聞を教育に活用する運動)も72829日の両日、鹿児島県で全国大会を開きました。私も東京都教育委員の立場から全面協力、支持をしております。

 新聞社には将棋界も大変お世話になっているからです。

 

 新聞は教育上良いものと信じていましたが、730日付の朝日新聞の社説は教育上極めて悪いものです。

 同日の社説は「こんなやり方でいいのか」と題して、教科書採択に関する都教委への言われなき中傷がありました。けしからん。

 最も問題になっているのは次の一節である。

「教育委員会が一方的に教科書を選び、現場に押し付けるようなやり方は良くない。何の議論もないまま「つくる会」の扶桑社版が採択された」

 

 困るんですね。朝日新聞社は。教科書は文部科学省が各社の教科書を一次検定します。合格したら、その中のどれかを教育委員会が採択することになっています。

 問題になっているのは中学校の社会科なんです。8社ある。これは全て検定に合格しているので、その中から教育委員会が責任と権限において採択する。いわば裁判所の決定と同じです。どのように判定しようと、それは裁判所の決定と同じです。

 氣に入らないと言って、法廷の内外での妨害運動はすべきでない。教育委員会は、政治的に中立だからこそ市長でも知事でも口出しできない絶大な権限を持っているのです。

 朝日新聞社は、販売局や広告局の人達が部数を伸ばしたり成績をあげたりと必死です。然るに編集局の政治部のみが社を支配して部数を減らす努力をしているとしか思えません。

 8月いっぱいの誌面を検討して、朝日新聞社のような一方的な論説が教育上良いものかどうかを皆で考えましょう。

 

(3)『朝日新聞社』社説2005730日付)

東京都教育委員会は、来春から東京都立の中高一貫校などで使う歴史教科書として「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版を採択した。

 「つくる会」の教科書は4年前の検定で合格し、採択の対象となった。今回は2度目である。

 私たちは4年前の検定時も今回も、この教科書について、教室で使うにはふさわしくないと主張した。光と影のある近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史観が強すぎると考えるからだ。

 そのことは別にしても、都教委の採択のやり方は、きわめて問題が多いと言わざるを得ない。

 まず、歴史教科書の選定にあたって、とくに着目する点として(1)北朝鮮による拉致問題の扱い(2)日本の神話や伝承(3)竹島や尖閣諸島の扱い、を挙げて一覧表をつくったことだ。

 いずれも「つくる会」が力を入れている項目であり、8社の教科書の中では神話などの記述が最も多かった。

 歴史教科書は、日本の長い歴史というものを教科として学ぶための教材である。この3点が大事でないというつもりはない。しかし、何よりも重要な項目だろうか。

 都教委は、中高一貫の各校ごとに、歴史上の人物や文化遺産などの観点を加えた資料を作成し、点数化している。

 検定を重ねるようで点数化には賛成できないが、合計点が最も高いのは4校とも扶桑社以外の教科書だった。

 着目する3点の結果と調査資料の合計点が食い違えば、教育委員会は慎重に検討するのが当然だろう。だが、何の議論もないまま「つくる会」の扶桑社版が採択された。

 これでは、都教委は初めから扶桑社版の採択を決めていたのではないかと言われても仕方あるまい。

 なかでも見過ごせないのは、都教委が学校の意見を排除していることだ。

 教科書を使うのは教師と生徒である。教育は学校全体の取り組みであり、各校とも子どもたちに何を、どのように学習させるかを真剣に考えている。どんな教科書を使うかは保護者にとっても大きな関心事だ。

 教育委員会が一方的に教科書を選び、現場に押しつけるようなやり方では、学校や教師の意欲が低下しかねない。

 東京都教委は卒業式でも教員の処分を振りかざして日の丸・君が代を強制してきた。教科書採択でも同じような押しつけを繰り返すつもりだろうか。

 法律の上では教科書は各地の教育委員会が決めることになっている。それでも多くの教育委員会が学校や教師の声も参考にして決めてきた。それが子どもたちにとって有益だと判断したからだろう。

 教科書採択は、8月末の期限を控えてこれからというところが多い。教育現場の声にも耳を傾け、選んだ経緯は公表して丁寧に説明する。そうした採択であってほしいものだ。

 

(4)関連記事 

■自由法曹団、東京都教育委員会による「つくる会」教科書の採択に抗議する(2005.8.5

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-08/050805katayama-tsukurukai.htm 

■「意見広告の会」ニュース295 「つくる会」教科書等緊急号(2005.8.3

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-08/050803ikenkoukoku295.htm 

■「つくる会」教科書不採択情報 教科書ネットML 「意見広告の会」ニュース294 より(2005.8.1

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-08/050801ikenkoukoku294-tsukurukai.htm 

■「つくる会」は日本の未来を「こわす会」 五十嵐仁の転成仁語(2005.7.30

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-07/050730igajin-tsukurukai.htm 

テレビ各社に私の顔も出たことでしょう 米長邦雄さわやか日記(2005.7.28

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-07/050728yonenaga-tsukurukai.htm 

■侵略賛美の教科書反対 各地で住民動く 大阪・京都・名古屋・仙台…次つぎ不採択 「しんぶん赤旗」(2005.7.28

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-07/050728akahata-tsukurukai.htm 

■都教委、「つくる会」教科書を採択 中高一貫校向け gooニュース asahi.com2005.7.28

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-07/050728asahi-tsukurukai.htm