●平成15年11月23日(日), 夜行日帰り ★ 総所要時間: 4時間 10分 ★ ハイキング標高差: ??? m
我ら「インチキ山屋」は、冬山(雪山)は登らない。と、言うより登れない。雪用の装備もないし、
経験など勿論ないし、基本的に「インチキ」が通用しないからだ(笑)。それに第一、3人とも寒い のが大嫌いなのが最大の理由だ (特にママは、日本一の寒がりだ!!)。 てな訳で、今シーズンはこれを最後に「冬眠」に入る予定であった。とはいえ、もう11月の下
旬、当然高い山は積雪している。でも、有名所は行っておこうと欲を出して、今回選択したのが 上越国境の谷川岳だ。 昔から「魔の山」として恐れられていたが、意外に標高は低く2000mにも満たない。多少の冠
雪があり寒いかもしれないが、積雪して登山道が見えないほどではないだろう‥と思っていた のが大誤算だった。数日前までの汗ばむ陽気から一変して、カチカチの冬型気候となった。前 日の気象予報の天気図で縦縞の見事な等圧線を見て、まさに「寒気」が走った(笑)。 前夜のうちに麓の谷川温泉の宿に入る。赤城高原あたりまでは星空の見える良い天気だっ
たのに、この地に入るといきなり雨が降っており、天気がまるで異なっているではないか!! 雨は夜中のうちに上がり、当日の朝はとても良い天気に恵まれた。しかし、寒い!! そして、昨
夜は雨で見えなかった谷川岳の雄姿がくっきりと見えた。 「ガーン!」 真っ白だ。頭の中まで白くなった(大笑)。 標高だけで山を判断してはいけないのだ。完敗である。甘かった。山をナメてはいけない。 (山などナメた覚えはないが、甘かったのだ!?‥?) 一ノ倉沢の大岩壁
![]() 日本百名山の谷川岳 (1977m) は、上越国境に位置する谷川連峰の盟主で、 北側は「魔の
山」の由来となった、一ノ倉沢の大岩壁を擁する 一ノ倉岳(1974m)と隣接する。 人気と知名度の高い、上越地方屈指の山である。標高は 2000m以下であるにも拘らず、険し
い岩場を保有したアルペン的な山容と、この地域の特殊な地勢と気象が、日本アルプスの 3000m級の山々に匹敵するほどの特異性を呈している。 谷川岳もこの春に登った天狗岳(Vol.7)と同様、「双耳峰」といわれる、2つのピーク(猫等の耳
を連想させる)を持つ山で、手前の低い方から「トマの耳」(1963m)、「オキの耳」(1977m)なる愛 称で呼ばれている。 登山コースは幾つかあるが、ロープウェイを利用して天神平から往復する「天神尾根コース」
(インチキ山屋向け) であれば、関東地方からの日帰りも可能である。ただ、谷川岳からは有 名な一ノ倉沢の大岩壁を直接見ることはできない。 一ノ倉は、北アルプスの穂高岳、剱岳とならぶ日本三大岩場に数えられる、ロッククライミン
グのメッカだ。かつて、数多くの若者たちの命を奪った魔の絶壁で、一ノ倉沢出合には彼らの 名を刻んだ遭難碑が数多く建てられていた。 ![]() せっかく来たのだから、ロープウェイで天神平まで行ってみることにした。宿から国道291号線
を10分ほど走り、谷川岳ロープウェイの発着駅である土合口Pに車を停め、ロープウェイの 順番待ちの列に並ぶ。ナント、殆んどがスノーウェアに身を包み、ボードやスキーを持った若者 ばかりである。やっぱり、この地は既にそういう季節だったのである(苦笑)。 約10分で ”天神平スキー場” に着いた。良く晴れた天気で、日なたは少し暖かいが、風は冷
たい。谷川岳をはじめ周囲の雪化粧した山々が綺麗である。谷川岳の山頂部にはガスがかか っていたので、雪が降っているのかもしれない。 登山コースを行く完全装備の「本格山屋」さんの姿がチラホラ見えたが、我らはここまでであ
る。 来シーズン再トライする事にして、ここから引き返した。 ![]() ![]() マチガ沢出合より 一ノ倉沢出合より
ロープウェイで土合口駅まで戻った後、そこから一ノ倉沢の大岩壁を見に行くことにした。 車ですぐ近くまで入ることもできたが、ここは山登りがなかった分、健康の為に往復3.5km程を
ハイキングすることにした。 舗装された狭い車道が続いており、ブナを中心とした林の中の道を歩いてゆく。勾配は殆んど
感じなく、楽であるはずだが、やはり舗装路を2時間も歩くのは、山道の2時間よりも疲れる。 途中、谷川岳への本格登山口である 「西黒尾根登山口」、「厳剛新道入口」 を見送り、「マ チガ沢出合」 を経て 「一の倉沢出合」 に到着した。 すでに大岩壁は手前から見えていたが、やはりここからの眺めが一番すごい。雪がない岩肌
剥き出しの情景だったら、もっとすごい迫力だったに違いない。 ![]() (2003.11.24 記)
![]() ![]()
|