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保育の環境

職員の育成

職員の育成

子どもたちへ質の高い保育を提供するためには、保育の質を向上させる必要があり、保育の質を向上させるためには保育者の質を高めなければなりません。そこで、ちどり保育園では全国保育士会が編成した「保育士の研修体系」を基にした独自の研修体系を作り、初任者から施設長まで必要なスキル、研修内容を図式化しました。各職員はこの研修体系を基に今自分に必要な技術や知識は何か?を把握することが出来るようになり、更にキャリアを積み重ねる上ではどのようなスキルが必要となっていくのか?を認識できるようになりました。

更に施設内研修、施設外研修がちどり保育園キャリアアップ研修体系のどこへ位置しているのか?を事前に把握することで、その研修を受講する意識も変わってきます。

「職員の育成」では、保育者の質を高めるための施設内研修の企画・実践事例だけではなく、ちどり保育園キャリアアップ研修体系の解説を中心に、他の施設における施設内研修の参考として頂ければ幸いです。

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    電話&FAX/043-271-7828(平日13時~20時対応可能)担当:吉岡まで

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    ちどり保育園の研修実績、及び執筆実績等についてはこちらをご参考にしてください。

研修の企画と実践

「施設内研修って何をやればいいの?」

「企画のやり方がわからない!」

「講師は誰を呼べばいいの?有名な先生は高いから無理だよなぁ」

「園内研修をやれって言ってもなぁ」

 

日頃、様々な先生方とお話ししていると、必ずと言ってよいほど施設内(園内)研修の悩みを耳にします。このような悩みはつい最近のことではなく、昔から、どの施設においても共通の悩みです。しかし、ちどり保育園では上記のような悩みはなく、様々な施設内研修を実践しています。

では、施設内研修を実施するためには“何を”しなければならないのでしょうか?

1.自分たちのウィークポイント(弱点)を知る

研修の企画と実践

研修を企画するためには、まず自分たちには何の知識、技術が必要なのか?といった現状を把握して、ウィークポイント、弱点を知ること、把握することから始めます。例えば、右図は施設内研修を企画する際に各職員の得意な分野、苦手な分野、そして今後必要となってくる分野に関するアンケート用紙の一例です。

→ 施設内研修アンケート調査をダウンロードする

このアンケート用紙を職員に配布し、回答してもらうことで職員一人一人の得意不得意、そして今後学ばなくてはならない保育の分野を把握することが可能となります。

この調査結果において、例えば「I.保護者対応」が苦手と回答する職員が多ければ、保護者対応に関する施設内研修を企画すれば良いことになります。では、仮に「I.保護者対応」の施設内研修会を開催すると企画した際、講師などはどのように手配すれば良いのでしょうか?

2.自分たちが講師を担う

研修の企画と実践

施設内研修会を開催しようとすると、○○大学の教授とか、○○短大の元学長とか、○○研究所の主任とか、多額の費用を必要とする著名な先生方へ講師を依頼しようと思いがちですが、著名な先生方はジェネラル(一般的、総合的)な話は可能ですが、各施設で発生した個別の事例などスペシャル(特殊、特別)な内容に関する助言、指導は不可能(施設に在籍しているわけではないので)です。

施設内研修を開催するにあたって最も適切な講師は、先ほどのアンケート用紙で企画する研修内容に「得意」と回答した職員にお願いするのが一番だと思います。「得意」「他の職員より、この分野は負けない」と選択するには、何らかの要因があるはずです。もちろん、確固たる根拠がなく「なんとなく」でも十分に講師を担っていただけると思います。

場合によっては、企画した施設内研修の内容について「得意」と答える職員が一人もいない。ということもよくあると思います。そのような場合は、進行役だけをどなたかにお願いして、施設内研修が滞りなく進むようにしておきましょう。

3.施設内研修の題材を準備する

研修の企画と実践

おそらく多くの施設において職員自身が講師を担うことは難しいと思いますので、ここでは進行役だけが決まった状態で施設内研修をどのように進めていくか?について考えていきたいと思います。

施設内研修の何を行うか?については、既に決まっていると思います。おそらく「苦手」と答えた職員が最も多かった内容から取り組んでいくことが最善だと思います。では、なぜ「苦手」と答えるのか?と考えると、苦手と答えた職員には苦手となってしまった事例、経験があるから「苦手」と答えたのだと考えます。そこで、その「苦手」になってしまった事例、経験を題材として、職員によるケース検討会を開催します。

事例については予め文章としてまとめ、ケース検討会が開催される1週間前までに会に参加する、しないを問わず事前に配布し、事例を読んできてもらいます。ここで重要なのは事例の最後に質問を設けることです。質問内容は「この事例を読んで、あなただったら、どう行動、対応するか?」や「この事例内の対応について良かった点は?」などが良いと思います。注意しなければならないのは、決して事例を提供した職員が悪者扱いとならないようにしなければなりません。

「この対応は良くない」

「これは悪い」

「これは改善するべきだ」

といった意見ばかりとなってしまっては、事例を提供した職員のやる気は無くなり、他の職員も事例を提供することを拒んだり、嫌がったりしてしまいます。必ず事例を提供してくれた職員の対応を褒めつつ、自分だったら「こういう時にこうしてしまうかも」という雰囲気になるように心がけた方が良いと思います。

4.施設内研修を行う

研修の企画と実践

事例も事前に配布し、質問事項に対する回答も出席する職員は各自考えてきている状態が出来上がれば、施設内研修を行う土台が出来上がりました。

ここまで整えれば進行役は、事前に考えてきた答えを発表してもらうよう、順番に職員を指名していけば良いだけとなります。「指名するだけ?」と思われますが、機転を利かせて発表した内容にコメントしたり、他の出席者へ意見を述べるよう促したりすることも研修会が活性化になる要因です。

新人がなかなかしゃべろうとしなければ「この答えに対して○○先生はどう思う?」とか「○○先生ならば、どうする?」と発言を促してあげたり、緊張感を和らげるためにあえて別の話を振ったりして、様々な先生方の活発な意見が出せる状況を作り上げることも重要です。

また、発表してもらった意見に対して、絶対にその場で否定をしてはいけません。少し違うかな?と思っても、発表した職員の感性や、その時点での知識、技術の習熟度合いによって、自分たちと意見が違うことはよくあります。必ず発表者の立場を尊重した研修会とするようにしましょう。

5.実際に行った施設内研修

    (1)マニュアルの見直し

    研修の企画と実践

    ちどり保育園には右図のような「緊急時対応 役割分担・自己評価表」の他にも様々なマニュアルがあります。そして、このページを読んでいる保育園関係者の施設にも様々なマニュアルがあり、それらを日々活用されていると思います。

    しかし、一度作ったマニュアルを多くの保育園等では、何の疑問も持たず“そのまま”使い続けていませんか?

    保育の業界は保育所保育指針をはじめ、感染症ガイドラインや教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインなど、様々なガイドラインや省令などに基づき、子どもたちに対して適切な保育を提供しています。しかし、これらガイドラインや省令などは、その都度、時代や社会情勢とともに少しずつ変化しています。

    例えば、発熱時の登園基準について「お子様の体温が37.5℃以上ある場合は登園できません」と決まりを設けている多くの保育園がありますが、決して感染症ガイドライン(2018年版)には「37.5℃以上であれば登園を控える」とは書いてありません。

    感染症ガイドラインには「朝から 37.5℃を超えた熱があることに加えて、元気がなく機嫌が悪い、食欲がなく朝食・水分が摂れていないなど全身状態が不良である場合」は登園を控えた方が良いと記されており、「37.8℃の熱があるが、朝から食欲があり機嫌も良いなど全身状態が良好な場合、一律に登園を控える必要はないと考えられる」とも記されています。

    このようにガイドラインの内容が変わっても、元のままのマニュアルであったり、職員の対応であったりすると思わぬ問題が生じてしまうことにもつながります。

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キャリアアップ研修体系

内閣府子ども・子育て本部より「技能・経験に応じた保育士等の処遇改善について」として、新たに副主任保育士などの中堅の役職を各施設で創設し、その職務、職責に応じた処遇改善を行うために、各保育園等ではキャリアアップの仕組みの構築する必要がありました。

ちどり保育園ではこれまで全国保育士会がまとめた「保育士の研修体系」に基づいて、自分たちが受講してきた外部研修会、そして施設内研修が体系のどの部分に位置しているのかを把握しながら臨んできました。しかし、処遇改善に関連して、新たに副主任保育士に該当する職員がどのようなスキル、知識を持っていなければいけないか?と明確に示すため、保育士の研修体系に必要となる内容を追加し、当園独自の研修体系を図式化したものが下図となります。

ちどり保育園の職員は、全員この研修体系を所持し、自分が受講した研修会が何に該当しているのかを把握し、また何が不足しているのか?を常に確認することが出来ます。また、上部になればなるほど、必要とされる技術、知識の数は少なくなっていますが、これは今まで初任者や指導者のレベルに記されている内容を既に学んでいることを前提としているためです。

職員の育成

→ ちどり保育園キャリアアップ研修体系をダウンロードする

青色で記されている内容は専門職というよりも社会人としての基盤となる技術、知識を示しており、これは外部研修、施設内研修などで改めて学ぶ内容ではなく、日頃の生活や人とのかかわり、社会生活を通して身につく、身についているはずの内容です。

もちろん保育における倫理観やコミュニケーションなどについては、諸先輩方から学ぶことも多いと思いますが、それ以外の内容はこれまで育ってきた環境などによって大きく左右される内容でもあります。そのため、基盤でありながら研修体系を覆うようにデザインすることで、上級指導者、管理職になっても、これらの基盤はいつまでも必要となるものであることを示しています。

黄色で記されている内容は、その段階で必要となる基礎的な知識、技術を示しています。複数の段階にまたがっている内容は、それぞれの段階で学ぶべき内容であることを示しています。これの知識、技術を習得しなければ次の段階へ進むことはできないことを暗に示していますが、全てを習得したから次の段階に進めるというものではありません。

しかし、上司となるべく者は初任者、指導職などの知識、技術は習得していて当たり前ということになりますので、上司となるべく者の資質を問う内容でもあります。

赤色で記されている内容は、全ての段階で常に学び続けなければならない知識、技術を示しています。黄色の内容も常に学び続ける必要がありますが、特にこの赤色の内容については、その時の法制度によって内容が変わる部分があったり、ケースによっては管理職も含めた検討会議を行う必要があったりするなど、全職種、全段階が常に学び続ける知識、技術であることを示しています。

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