横浜市立大学に関する公開質問状:岡田政彦氏から回答、中西健治氏回答拒否、林文子氏回答せず(2009.8.27)

 

横浜市長選(8月30日)候補者あて『横浜市立大学に関する公開質問状』、「大学関係者・市民」有志が提出(2009.8.26)

「学問の自由と大学の自治」は、なぜ大切なのか?

一言でいえば、「横浜市大“改革”」とはなにか? 

不純な動機:横浜市大“改革”の「ルサンチマン説」

吉岡直人著 『さらば、公立大学法人 横浜市立大学――「改革」という名の大学破壊―― 下田出版 2009年3月発行 定価2100円 ISBN978-4-902811-82-7(2009.2.28)

横浜市立大学の統治システムは、徹頭徹尾、非民主主義的で、憲法違反である 永岑三千輝氏『大学改革日誌(8月20日付)』(2009.8.21)
ミニシンポジウム「市大改革とはなんだったのか?」 報告 永岑三千輝氏(2009.8.17)

 

 

 来る8月30日投開票の横浜市長選候補者のうち、岡田政彦氏(共産・新、党県委員会常任委員・元「しんぶん赤旗」記者)から回答があった。

岡田政彦氏は、横浜市大《「改革」がいかにまやかしであり、改革の名にまったく値しない愚挙であったということです》と総括し、《学問の自由を尊重し、大学自治の再建にむけ、リーダーシップを発揮します》と回答した。

中西健治氏(無所属・新、自民市連・公明県本部支援、元JPモルガン証券副社長)は、《現在、来る決戦に向けて活動を展開しており、事務所の物理的な対応上、個々のご回答は致しかねる状況でございます》と回答を拒否した。

 なお、中田宏前市長の“傀儡”と噂されている林文子氏(無所属・新、民主推薦、前東京日産自動車販売社長)からは、「必ず回答する」との約束にもかかわらず、一切、回答がなかったという。

 

 どうやら、中西・林の両氏には、横浜市大「改革(改悪)」に対し怒りの声をあげた人々の真摯な問いかけに、誠実に回答する意思が全くないらしい。「横浜市大問題」の重要性を認識し、忙しい選挙戦の最中に貴重な時間を割いて、真摯な回答を寄せてくれた岡田氏との落差の大きさに唖然とする。

 

「横浜市大問題」の本質、すなわち、何故「学問の自由と大学の自治」が大切なのか、憲法・教育基本法等の法体系によって、何故「学問の自由と大学の自治」が幾重にも保障されるようになったのかに関して、中西・林の両氏は、おそらく何の、興味も理解力も持ち合わせていないのだと思われる。中田前市長の置き土産とも言うべき横浜市の重要問題、しかも、民主主義の本質に関わる重要問題に、興味と理解力を欠いたこのような人物が、次期市長として有力視されているというが、このままでは依然として、横浜市大に明るい未来は期待できないことになる。岡田氏のご健闘を祈っている。

(文責 ホームページ管理人)

 

 

(1)岡田政彦氏回答

 

2009年8月25日

横浜市大に関心を寄せる「大学関係者・市民」有志様

岡田政彦選挙事務所

TEL 641-8578

公開質問に対する回答

1.

 市大の卒業生の一人として,「市大改革」には個人的にも関心を寄せ,「しんぶん赤旗」記者として取材も行い,「改革」過程を観察してきました.また,日本共産党神奈川党県委員会の学術・文化部長として,学生の進級問題に党横浜市議会議員団と共同で,取り組んできました.こうした体験を通じてわかったことは,この「改革」がいかにまやかしであり,改革の名にまったく値しない愚挙であったということです.

 市大の独法化にかかわって,中田前市長の本会議での「経営に対して漫然と問題意識を持たず,隠れ蓑にしながら今までの教育を荒廃させてきて,学生にとって魅力のない大学をつくってしまうようなそういう動きはストップさせなければならない」という答弁には,耳を疑いました.市大を「荒廃し,魅力のない大学と描き,改革の必要を訴えました.

市大の歴史と役割を全面否定し,大学人を総攻撃しているのです.市大が中田流改革の好餌とされたことが歴然としています.

 こうした間違った動機から出発した改革の行き着き先は,混乱と低迷だといわざるを得ません.教員の人事権と教学権の教授会からの切り離しは,教授会の役割を弱め,大学自治を侵害し,全大学人の手による健全で民主的な発展を阻害しています.また,任期制の導入は,教員の流出の契機ともなり,研究・教育体制の脆弱化を招来させていると聞いています.

 トイフル問題は,進級条件から卒業条件とするなど,改善が必要です.

 間違った改革の主導者・中田前市長は退陣しました.「中期目標」は見直し,市大に大学自治を復活させて,根本からあるべき市大の姿,理念,将来像を市民参加で論議・探求し,確立して,市大再生を図るチャンスが到来したともいえます.そのために私ができることに全力をあげるつもりです.

 

2.(ア)

 全員任期制は,明白な違法性も指摘されており,再検討します.

2.(イ)

 「大学の自治」の最高意思決定機関は,評議会・教授会であるべきです.その立場から学問の自由を尊重し,大学自治の再建にむけ,リーダーシップを発揮します.

2.(ウ)

 理事長は大学に精通した大学人から選ぶほうがよいと考えます.

 

 

(2)中西けんじ氏回答

平成21年8月26日

 

横浜市大に関心を寄せる「大学関係者・市民」有志 御中

 

横浜市中区弁天町2−21アトムビル2階

TEL:045−227−9611

FAX:045−227−9612

中西けんじ事務所

 

前略

この度は中西けんじに対し,貴重なご意見,並びにアンケートをご送付いただき誠にありがとうございました.

 

本来ですと,今回のアンケートに関する大切な問題等につきまして,中西けんじ本人が精査し,ご回答申し上げるべきでございますが,ご承知のように,現在,来る決戦に向けて活動を展開しており,事務所の物理的な対応上,個々のご回答は致しかねる状況でございます.

 

何卒,諸事情ご賢察賜わり,ご理解・ご了承の程よろしくお願い申し上げます.

 

尚,頂戴いたしましたご質問ご意見につきましては,ご関係者の皆様のご意見を十分に伺いながら,今後の中西けんじの政治活動,そして政策に反映させていただく所存です.

 

まずは,略儀ながら,書中にてご挨拶,失礼申し上げます.

草々