KAGONOTOYAMA
東篭ノ登山 (2227m)

浅間連峰

水ノ塔山 (2202m)
   東篭ノ登山(左)と西篭ノ登山(右)
平成17年6月5日(日), 日帰り
   ★ 総所要時間: 3 時間 10分
   ★ ハイキング標高差: 166 m
    行程行程・ハイキング
   行程ルートマップ


 「浅間山」(2568m)を盟主とする浅間連峰のひとつ、「篭ノ登山」から「水ノ塔山」への縦走を
計画した。標高は2200mを超えるが、難度の低い初級向けのコースで、今季の体慣らしとして
はちょうどイイ選択だ。(笑)

          篭ノ登山 (2227m)

 浅間山は長野・群馬の県境、上信越高原国立公園の東南に位置する三重式成層活火山
で、活動度分類・ランクAの危険な山であるのだが、縦縞の雪を大きな山肌に刻み噴煙を頭上
にたなびかせる堂々とした山容は、美しくさえもある。
標高は特筆するほど高くはないが、周辺にそれ以上高い山がない為(独立峰と言っても良い)、
どこからでも多くの人々の目を引き、軽井沢周辺のシンボル的存在となっている。
軽井沢側に「小浅間山」(1655m) 、御代田町側に「石尊山」(1668m)を衛星峰として従え、内側
第2外輪山である「前掛山」(2524m) が、現在活動中の火口丘 (釜山) の西縁にある。昨年
(2004年9月) 発生した「小中規模噴火」の前までは、この山まで (火口から500m手前) の登山
が可能であったが、現在は4km以内の立ち入りが禁止されているそうだ。そして、更に西側に
ある「黒斑山」(2404m), 「剣ケ峰」, 「牙山」, 「蛇骨岳」(2366m)などが、最も古い第1外輪山
あたる。
外輪山から高峰高原を隔てて、「高峯山」(2092m), 「篭ノ登山」(2227m), 「水ノ塔山」(2202m),
湯ノ丸山」(2101m), 「烏帽子岳」(2066m) などと続く 2000m超級の山々が、浅間連山 (烏帽
子火山群
) といわれる山である。

 だいぶ前フリが長くなってしまったが、今回の山登りはその中の一角である篭ノ登山にチャレ
ンジした。 浅間山の西北 7kmほどの位置にあり、表記標高の「東篭ノ登山」と「西篭ノ登山
(2212m) の双峰をいう。 ルートは湯の丸 (地蔵峠経由) 側から登る経路と、反対側の高峰高
原から水ノ塔山を経由して縦走する経路とがあるが、今回は前者を選択し 池の平〜水ノ塔
山間 の往復コースとした。 最もラクチンなコースであることは言うまでもない(笑)。

              
               赤ゾレから見た、東篭ノ登山(左)と西篭ノ登山(右)

 上信越自動車道・小諸ICを降りて浅間サンラインを走る。湯の丸高原に向かう県道94号線
から山道に入り、登りきったあたりが地蔵峠(1732m)だ。 駐車場、トイレ、売店などが立ち並
ぶ観光スポットで、湯ノ丸山や烏帽子岳への登山口でもある。
残念ながら本日の天候はあまりよろしくない。下界の方から回復傾向にはあるのだが、上空に
は低気圧が残っているようで、この辺りはまだ灰色のガスに覆われている状態だ。 ただ、急
速に流れているので時折、陽が差したり周囲の山も見え隠れしているので、ほのかな期待を
胸に ここから「湯ノ丸高峰林道」へと入る。 
幅員1.5車線くらいの舗装された道路で、周囲の天然カラマツ林がとても美しく、気持ちの良い
山岳ドライブが楽しめた。 ただし、この道路は7〜8月の土・日祝日はマイカー規制されるた
め、その場合は先の地蔵峠からシャトルバスを利用することになる。 池の平駐車場(有料)に
車を止め、すぐ隣の登山口から、いよいよ出発だ。

 「東篭ノ塔山・水ノ塔山、登山口」と書かれた道標にしたがって歩き始める。
ところで、現地での ”篭ノ登山” の表記がみな “篭ノ山” となっているのに気がついた。国土
地理院の地図やガイド本での表記は殆どが前者なのだが、なぜだろう?  どっちでもいいのか
な…
            東篭ノ登山へ向かう 

 しばらくは遊歩道のような緩やかな道が続き歩きやすいのだが、どうも体のほうがまだ目覚
めていないようで、三人ともやや息が荒い(笑)。 やがて岩混じりの道に変わると、少しばかり
登りがきつくなるが、これも初級者レベルで難なく登れる山だ。
体が慣れてきたところで、意外とあっけなく岩がゴロゴロした東篭ノ登山の山頂(2227m) に到
着した。

    
        東篭ノ登山・山頂(2227m)             池の平湿原を見下ろす

 山頂は一等三角点で、360度の大パノラマが得られる絶好の展望台だ。 間近に見られる
浅間山(黒斑山) と「四阿山 (あずまやさん) 」 (2354m)、そして北アルプス富士山八ヶ岳
いった遠方の山々もスッキリと見渡せるはずだったのだが……、
上空のガスは依然として流れてはいるが簡単には取れそうもない。 荷を降ろして休憩しなが
ら、流れるガスの切れ間から覗く景観を楽しむことにした。 まあ、真っ白けで何も見えないより
は遥かにマシである(笑)。 大して苦労して登ったわけでもないのだから、贅沢は言うまい!!
そんな中で印象的に見れたのが嬬恋高原をはさんで対峙する四阿山の端正で雄大な姿と、
その麓に広がる高原や田代湖の景観だ。 四阿山の右奥には 「本白根山」や 「横手山」,
志賀山」へと続く山並みも見られた。

          
              嬬恋高原を挟んで対峙する、四阿山(2354m)

 すぐ隣には兄弟である西篭ノ登山が見えている。 ここから稜線を辿って往復50分くらいの
距離だが、今回は省略することにした。 後方 (登山口のあった池の平方面) の視界は特に悪
く、わずかに「池の平湿原」がガスの切れ間から覗けた程度で、湯ノ丸山や八ヶ岳方面は全く
見えなかった。
 さて、しばし休憩したところで東側に延びた稜線上に聳える水ノ塔山へと向かう。残念ながら
この方角も見えているのは水ノ塔山までで、その先にあるはずの浅間山周辺はガスが濃くて
見ることができない。
      水ノ塔山へ縦走する、 
               右奥は浅間山の方面だが・・・

 一旦下って針葉樹林帯に入る、シャクナゲが多く咲いていた。 再び登り返して、アップダウ
ンを繰り返していくと 「赤ゾレ」 と呼ばれるアルペン的風景の細い稜線歩きに変わる。
崩落の激しい箇所も通過するので、足元に注意が必要だが全体的に楽な道のりだ。 赤ゾレ
(地名らしい) の休憩ポイントで何組かの登山者たちが、見えそうで見えない浅間山方面を見
ながら休憩していた。
これを通過すると間もなく 岩峰の頂である水ノ塔山・山頂(2202m) に到着した。
高峰・車坂方面からも続々と人が登ってくる。 山頂は広くはないので混雑気味だし、待ってい
ても簡単に視界は晴れそうもないので、小休止だけして早々に引き返すことにした。

           赤ゾレより、水ノ塔山(2202m)

 往路をそのまま戻ると、赤ゾレから東西の篭ノ登山が並んで見えた。 最後に岩場の急斜面
を登って東篭ノ登山に戻った。
相変わらずの空模様だったが、嬬恋高原側の展望は先程よりも明るく広範囲となり、四阿山も
山頂まで見えるようになっていた。 勿論、これだけでも素晴らしい展望である。
池の平方面から新たに到着した登山者たちが口々に 「うわーっ、凄いー !!」 を連発してい
た。 浅間連峰にいながら浅間山の展望ができなかったことが、重ね重ね残念であったが、し
ばし休憩だけして下山することにした。

              東篭ノ登山を下りる 

 下りは更に早く、25分ほどで池の平P まで戻ってしまった。 これだけの標高の山に、ロープ
ウェイやケーブルカーなどに頼らなくても (つまり、インチキをしなくても) 簡単に登れて、なおか
つ 晴れていれば大展望が得られるのだから、こんなに ”お得” な山はメッタにないだろう。
亜高山帯の山であるので高山植物も豊富であり、周辺一帯の見どころも含めて、総合的オス
スメ度(?) の高い名山と言えよう。

 車に戻って地蔵峠を下り、湯の丸高原を後にした。
市街地に入ったところで、東御市内の「道の駅・みまき」に併設されている 日帰り温泉施設
布引温泉・御牧乃湯」に立ち寄った。 下界は日差しもあってまずまずの天候で、これから
明日にかけて徐々に回復傾向にあることを予感させた。 
 この辺りからも浅間連山が良く見え、露天風呂からの眺めも素晴らしかったが、浅間山は依
然として上半分が灰色の雲に包まれたままであった。

                                          ( 2005.6.12 記 )

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