●平成17年7月18日(月), 現地日帰り ★ 総所要時間: 4 時間 15分 ★ ハイキング標高差: 304 m
前回 (2005年6月)の「篭ノ登山」(2227m) に続き、「浅間山」(2568m) 周辺の山行きを計画し
た。展望がいまひとつだった前回の中で、唯一印象的な景観が得られた「四阿山(あずまやさ ん)」(2354m) が今回のターゲットだ。あまり知名度が高くなく地味ながらも、日本百名山に選定 されおり、浅間山周辺では比較的人気の高い山である。 名前の由来は、日本庭園に見られる「あずまや(東屋)」にこの山の形が似ているからだとい
う。難しい読み方をする漢字だなあと思っていたが、どうやら「あずまや」の本来の表記は「四 阿」であるらしい。ちなみに、上州側では別綴りとして「吾妻山」、「吾嬬山」の表記も存在する ようだ。 実際にこの山が東屋の形に見えるのは、南山麓の鳥居峠付近からで、今回アプロ ーチした北側からは三角に尖った鋭鋒に見えた。 長野・群馬の県境に連なる浅間・白根火山系列の中間位に位置し、すぐ隣に寄り添うように
連なる「根子岳」(2207m) と共に、四方に大きな裾野を広げた穏やかな山容が特徴だ。雄大な 山麓は信州側に菅平高原、上州側には嬬恋村が広がっている。このため、登山コースも四 方から幾つものルートがあるが、我らインチキ山屋が選んだのは、勿論 ゴンドラを利用して の ”快適楽々コース” である。(笑) 四阿山の東山麓に広がる嬬恋村にある「パルコール嬬恋」は、スキーとゴルフの一大リゾー
ト地である。何本ものスキーリフトが架けられているが、夏季シーズン中はゴンドラリフトだけが 特定の日に限り運行しているので、これを利用する。 ゴンドラの発着駅は「パルコール嬬恋 リゾートホテル」と直結しているので、ホテルを利用すると極めて快適だし、非常に便利である (笑)。そこで、前日のうちにホテルに入り、翌朝そこから直接登山することにした。 浅間山 (2568m)
![]() 一日目はホテルに入るだけなので、ややゆっくりとしたペースで出発する。上信越自動車道
の「碓氷・軽井沢IC」から、まずは浅間山を目指して北上する。 相変わらず「妙義山」の景観が少々不気味だったが、梅雨明け寸前の天候で雲が多いため、
その他の山岳展望はいまいちだ。しかし、天気は確実に回復傾向にある。道路の方は、さす がに連休の軽井沢周辺とあって渋滞が発生。ある程度予測はしていたので、慌てずノンビリと 進むことにした。 ようやく中軽井沢へ抜けたところで、美味しい信州蕎麦屋に立ち寄り昼食をとる。浅間白根
火山ルートに入り、白糸ハイランドウェイと合流する「峰の茶屋」に出たあたりから、急速に 上空の雲が上がってきた。 「小浅間山」(1655m) を間近に見て鬼押ハイウェイに入ると周囲 が開け浅間山がその全貌を現した。途中のパーキングにて小休止する。こちら側からは外輪 山に遮られないため浅間山の本体が良く見え、噴煙が勢いよく出ている様子も確認できた。 広大な溶岩地帯の「鬼押し出し」を過ぎて嬬恋村に入り、バラギ高原を登ったところでパルコ
ール嬬恋リゾートホテルに到着した。 ![]() ![]() ホテル北側に、草津白根山と万座・志賀方面 東方面に 榛名山(中央)、浅間隠山(右側) パルコール嬬恋は、すぐ後ろ(西)が四阿山で、右手(南)に「浅間連峰」、 左手(北)に「草津白
根山」(2171m), 「横手山」(2305m)、 そして正面(東)には「榛名山」(1449m), 「浅間隠山」 (1757m) などを望むという、極めて良好なロケーションに恵まれた高原のリゾート地だ。到着し た午後3時頃には、殆どの雲がとれて四方の山々が見えていた。 早速、チェックインして高原のリゾートホテルでゆっくりとくつろぐ事にした。ホテルは建物もき
れいだし、チャペルや屋内プール、温泉にゲームセンターなど 設備も充実しており、好印象 だ。 時間的にも余裕があったので、明日の準備運動を兼ねて屋内プールを利用したあと、周 辺を散歩した。下界の蒸暑さから離れた快適な気候で、肌に感じる空気が心地よかった。 この日もチャペルで一組の挙式が行われ、披露宴会場は賑やかのまっ最中だった。 そんな
花吹雪の残骸が落ちた宴会場の脇を通過して、我らは のん気に大浴場の温泉「四阿山の 湯」に向かった(笑)。 ![]() ホテル南側に、浅間連峰 (左裾端が小浅間山)
翌朝、眩しいほどの朝日でスッキリと晴れ渡り、浅間・白根の展望と四阿山の稜線もクッキリ
と見えている。 身支度を整えて、いよいよ山登りの開始である。ホテルの奥がゴンドラリフトの 発着駅と直結しているので、チェックアウトして車に荷物を入れておけば、移動せずにそのまま 出発できるのが、とってもイイ!! このゴンドラ「パルキャビン」は6人乗り、全長3200m (関東では最長らしい) の距離を約15分
で、四阿山の北尾根に続く「浦倉山」(2091m) 山頂直下2050mの位置まで楽々と運んでくれる (笑)。ゴンドラの窓から四阿山の尖った山頂と、これから歩く稜線が青空に良く映えて見えた。 ![]() ![]() 浦倉山・ゴンドラ山頂駅 (2050m) 浅間山方面に向かって進む
ゴンドラ山頂駅を降りて、しばらく緩やかな登り勾配の歩きやすい道を進むと、広場状に開け
たところに出て、正面に浅間山を眺めながら歩く。ここから針葉樹林帯の山道に入るが、ほぼ 稜線に沿った道なので 明るく所々で展望も得られる。最初のピーク 2119m峰(特に名称は無 いようだ) に出ると、パルコール嬬恋のすぐ下にある「バラギ湖」を見下ろせた。 いったん下って、緩やかに進むとほぼ中間点にあたる 2183m峰への登りにかかる。展望
が広がり浅間山の眺めが良好だ。 振り返れば、本白根山と並び 万座や志賀の山々も見渡せ る。 ここも通過して、再び緩やかな道を進むと「茨木山分岐」に至る。 展望を楽しみながら小 休止して、いよいよ四阿山の山頂へと向かう。 ![]() ![]() 四阿山・北峰(2333m)から、草津白根山方面 最高地点の山頂(南峰)へ向かう
この四阿山も双耳峰で、ピークは北と南に2つある。 まずは最初のピーク 四阿山・北峰
(2333m) に立つ、二等三角点が設置されているが、山頂を示す標識はない。頂上は更に10分 ほど先の南峰(2354m) の方で、ここから鎖場のある急坂を昇りつめて、山頂の標識が立つ最 高地点に到達した。 ![]() ![]() 四阿山・山頂 (南峰2354m) 山頂から、浅間連峰・全景と田代湖を望む
山頂は狭いが、ここには神社の祠が信州側と上州側にそれぞれ2つ置かれていた。さすがに
山頂からの展望は格別だ。 浅間山は勿論の事、それに続く浅間連峰が横一列にすべて見渡 せるし、眼下に広がる嬬恋村と田代湖の眺めも素晴らしい。 そして、西側の視界も開けて、すぐ隣の根子岳がとても美しい姿を見せてくれた。ちなみに根
子岳は「花の百名山」に選定されており、高山植物の宝庫との事だ。 ここから根子岳まで 約 1時間半、縦走して菅平高原に至る人も多いようだが、我らは山頂で十分に休憩して展望を堪 能したところで、往路をそのまま引き返す。 ![]() 山頂からの急坂の下りは注意が必要だが、あとは緩やかな下り坂が中心なので、快適その
ものの山歩きである。特に危険な箇所はないし、一度歩いてきた道なので勝手もわかってお り、快調に下る(笑)。 実際、かなり速いペースで浦倉山のゴンドラ山頂駅まで戻ってきたよう だ。 朝、ホテルから持っていった昼食用のおにぎり弁当は、山の上で食べるつもりでいたのだ
が、朝食をしっかり食べ過ぎた(笑) のと、意外に早いペースで進行した為、下山後にホテルの テラスを借用して四阿山の稜線を眺めながら食べることとなった(笑)。 そのまま駐車場に戻り、素晴らしい山々の景観を見納めしてから、パルコール嬬恋を離れた。
下山、パルコール嬬恋へ戻る
![]() 帰路につく前に四阿山麓のバラギ湖畔にある、日帰り温泉施設「嬬恋バラギ温泉・湖畔の
湯」に立ち寄り汗を流した。 帰りは昨日とルートを変え、嬬恋村から吾妻川沿いに長野原町、 吾妻町へと直進して榛名山を望み、「渋川・伊香保IC」から直接、関越自動車道に乗って帰 路へとついた。 ( 2005.7.24 記 )
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