ASAMAKAKUSHIYAMA
浅間隠山 (1757m)

(矢筈山)

二度上峠 (1390m)
   浅間隠山 (県道54号線より)
平成20年10月17日(金), 日帰り
   ★ 総所要時間: 3時間 30分
   ★ ハイキング標高差: 427 m
   行程行程・ハイキング
   行程ルートマップ


 上信越地域の数多い山岳の中で、ひときわ大きな存在感で鎮座しているランドマークが 「
間山」 (2568m) である。ところが、上州の吾妻町や中之条町あたりから見たときに、その大き
な浅間山を隠して見えなくしてしまう山があるという。 その山こそが 「浅間隠山」 (1757m) とい
う訳だ(笑)。
そのまんまの冗談みたいな名前だが…、それはともかく、その山容は見る方角によっては秀
麗な三角錐形であったり、長い裾野を持った台形状である事から 「川浦富士」と呼ばれること
もある。 また、山の南面にある肩の部分が、方角によってはもう一つのピークに見え双耳峰
の形態をとるため 「矢筈山(やはずやま)」 という別名もあるそうだ。
浅間山を隠してしまうほどの山であるがゆえに、山頂からの展望は雄大で素晴らしく、初級者
でも手軽に登れる (登山口から山頂まで約80分) 絶好の展望台(山) となっている。 ただ、登山
口までのアクセスが悪くマイカー登山向きではあるが、日本200名山にも数えられる人気の高
い山だ。
                 二度上峠より、浅間山 (2568m)

 関越自動車道を走り、高崎ICから一般道を榛名町方面へと進む。途中に国道354号から406
号を経て、最終的に主要地方道 (県道) 54号線へと入る。 次第に左右の展望が開けた山岳
道へと変わり、右手には 「榛名山」 (1449m) が見えてきた。 道はさらに高度を増し、見通しの
悪い急カーブの連続となったところが 「二度上峠」 だ。 登山口はその県道54号線沿いで、二
度上峠の最頂部・展望場所(1390m) の60mほど下にある。

はじめに展望場所まで上り、浅間山の展望を確認する(笑)。 若干モヤがかかっておりクッキ
リではないが、長い裾野を引いて煙をたなびかせた大きな浅間山が一望の下だ。 もうこれで
充分かな…とも思ったが(笑)、山頂からの展望は更に雄大であるに違いない!! 大いなる期待
をもって少し引き返し(下り)、登山口付近にある道路脇の駐車スペースに車を停めた。
登山口から最も近い (約200m位) このスペースには15台ほどしか停められないが、平日の11
時台で残り2〜3台分位しか空いていなかった。 シーズン中の休日には、この辺りの路肩が駐
車車輌で満杯になるということだ。
          山腹の斜面をジグザグに登ってゆく  

 さっそく身支度を整えて 「浅間隠山・登山口」 へと向かう。 この登山口は、かつて上州から
信州・信濃を結ぶ 「善光寺道」 で、荷継ぎ問屋が置かれていた場所だそうだ。 はじめは涸れ
た沢沿いの道を少し進んでから、カラマツ林の山腹を登ってゆく。 傾斜がやや緩んだ辺りで
安高山」と「岩淵山」(1528m) との鞍部に出て、樹林越しに浅間隠山が見えてくる。そこから
左の岩淵山を巻くように進むと、浅間隠山の肩から南に延びる尾根上に出て、しばらく広々と
した緩やかな道を歩く。

                           
            北軽井沢分岐を過ぎ、見上げる双耳峰の浅間隠山

前方に双耳峰の浅間隠山・山頂部が望めるビューポイントを経て、もう少し進むと 「北軽井
沢分岐
」 に至る。 ここから尾根を離れ、再び笹とミズナラ林の山腹を登ってゆく。
ジグザグに登ってゆくのが基本コースだが、経路をショートカットする急坂路コースが何ヶ所か
に設定されていたので積極的にそれを利用したのだが、一所懸命に登った割に時間の短縮に
はなっていなかったようだ。 ハッキリ言って、素直にジグザグのコースを登ったほうが良いと思
います(笑)。
やがて窪み状の地形を抜けて、再び尾根上に戻り 1538m地点に出た。 振り返ると後方に、
西上州や秩父の山々が見渡せた。 とりわけ、この山と山稜を結んで間近に聳える「鼻曲山
(1655m) の特異な山容が印象的だ。
その先は傾斜がきつくなるが、ひと登りで浅間隠山の肩にあたる 「わらび平分岐」 に辿り着
いた。 ここは、見る場所によってはもう一つのピークに見えることがあるため 「南峰」 とも呼ば
れる地点だ。 この山の別名 「矢筈山」 は、その双耳峰に見える山容から、家紋の矢筈(矢羽
根)に見立てて名付けられたものらしい。

   
       次第に傾斜がきつくなる樹林帯 草原状の稜線歩き、山頂まであとわずか

そこから僅かに下り、笹に覆われた草原状の稜線を緩やかに登り返すと、浅間隠山の山頂
(1757m) に到着した。
山頂には遮るものがなく360度の大展望が得られるハズなのだが、残念ながらスッキリ見渡せ
るには至らなかった。 晴れてはいるものの、遠方の景観はモヤがかかった状態で白けており
殆んど認識不能だ。
山頂からの眺めとしては、まず何と言っても南西方面に大きく広がった浅間連峰の全景が圧
巻である。 噴煙を上げてどっしりと構えた浅間山が、右側に 「黒斑山」, 「水ノ塔山」, 「篭ノ登
」, 「湯ノ丸山」 らを従えて聳え、さらに右奥の北アルプスを挟んで 「四阿山」, 「草津白根
」, 「苗場山」, 「榛名山」 へと続く。
さらに東面では 「谷川岳」, 「赤城山」 と日光の山々、そして南面では 「妙義山」 と西上州・
父連山
と、すぐ隣の 「鼻曲山」 から 「八ヶ岳」, 「蓼科山」 へと連なる。

                           浅間隠山・山頂 (1757m)

山頂には2等三角点と、山名が書かれた方位石板が設置されていたので、それぞれの山名
が示された方角を眺めて、" ○山はこっちの方か… " と思いを馳せることにした(笑)。
この日、かろうじて視認できたのは南西方面の浅間連峰と鼻曲山のみで、あとはボンヤリとし
た景観に留まり山座同定は出来なかった。
まあ、それでも遮るものがない山頂はとても気持ちがいい。あまり気持ちがいいのでしばらく昼
寝をしてしまった(笑)。

   
     山頂より南西方面、浅間連峰を望む         1538m地点から眺めた鼻曲山(1655m)

 充分な休息をとったところで、下山する。 単純に往路をそのまま引き返すルートだ。
今回は、殆んど休憩を取らずに登ってきたが、いつも下りで心配される膝や腰の痛みを気にす
ることもなく、一気に下山して登山口の駐車スペースへと戻った。 まあ、インチキの出番は全く
必要としないので、小さなお子さん連れのファミリー登山にも最適であろう。 手軽に登れて大展
望が得られる、初級者向けの良い山だ。

    下山、南峰(浅間隠山の肩)に向かう 

帰路、県道から国道406号線へと出たところの山あいにある 「亀沢温泉・美人の湯」 に立ち
寄り、山登りの汗と疲れを癒してから関越自動車道・高崎ICへと向かった。
( 2008.10.24 記 )

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