TATESHINAYAMA
蓼科山 (2530m)

将軍平 (2345m)

白樺湖 (1416m)
    蓼科山 ( 2530m ) 
平成16年7月18日(日), 現地泊・日帰り
   ★ 総所要時間: 5 時間 20分
   ★ ハイキング標高差: 630 m
    行程行程・ハイキング
  行程ルートマップ


 八ヶ岳連峰の最北端に位置する蓼科山は、連峰に連なる隣の北横岳(2480m)や大岳
(2382m)からは、やや距離をおいて聳える孤峰である。
      (八ヶ岳の概略については、No.7「天狗岳」の前文を参照)
 諏訪側から見た姿は特に美しい円錐形で、北に大きく伸びた裾野などから別名「諏訪富士
とも呼ばれる。周囲には特に高い山も存在しない為、群を抜いて目立ち、山頂からは360度の
大展望が得られる。まさに独立峰と言っても差し支えない、日本百名山にふさわしい人気の山
である。
元々コニーデ型火山にトロイデ型火山が噴出してせり上がってできた二重式火山で、外観か
ら見た穏やかな山容とはうって変わって、山頂付近は岩だらけの荒れ山であった。

 前日のうちに麓の白樺湖湖畔の宿に入り、翌朝の出発に備えた。昼前に茅野市内に入った
為、ビーナスラインを通りすぐ隣の北横岳(2480m)と縞枯山(2403m)の間に架かる「ピラタス
蓼科ロープウェイ
」を利用して標高2250mの「坪庭」に立ち寄った。
下界は猛暑だったが、坪庭の気温は9℃。”山屋” らしからず、うっかりと薄着で登ってしまった
ので寒かった (“インチキ” だから仕方ないか!! 笑)。広大な溶岩台地を一周約30分で巡ると、
幾つかの高山植物が咲いていた。
この辺りの山では全国的にもめずらしい「縞枯れ現象」が見られる。横岳の隣には目指す蓼
科山が堂々とした姿を見せていた。こうして見ると結構大きくて高い。「えーっ、アレに登るの?!
ムッリー!!」とは、マユの弁。
 宿の窓からは白樺湖と蓼科山が見える絶好のロケーション。ところが天気は良いのに、ちょ
うど蓼科山のところだけスッポリと灰色の雲に覆われ、引っ掛かった様に取れなくなってしまっ
たではないか!! いやーな予感がした。

         七合目登山口 ( 一ノ鳥居 )

 蓼科山への登山コースも幾つかあるが、無論我らが選択したのは最も手軽なコース(とは言
っても、急登が続くので結構キツイ)。
朝7時に白樺湖畔を出発、蓼科牧場へと向かう。昨日から掛かっていたイヤーな雲は、この時
点で取り払われた。蓼科牧場からゴンドラリフトを利用して「御泉水自然園」(1830m)まで上が
り、園内の散策を兼ねて歩き「七合目登山口」(1900m)に向かうつもりでいたが、リフトの始動
が9時からという事なので、とても待っていられない。やむなく車で「夢ノ平林道」を走り、直接
七合目登山口まで上がった。
結果的には ”もっとインチキ” となったが‥‥(笑)。ここには、大きな駐車場とトイレが整備され
ており、すでに何台もの車が駐車していた。ここから登山する人の数も、かなり多いようだ。

     
      しばらくは、緩やかな登りが続く        天狗ノ露地から、女神湖と霧ヶ峰方面

 七合目登山口は一ノ鳥居とも呼ばれ、蓼科神社の古い鳥居が立っている。しばらくは緩い
登りを歩き10分ほどで「馬返し」の分岐を通過する。次第に勾配がきつくなり、針葉樹林帯に
入ると、ほぼ直線的な急登が始まる。滑りやすい大石がゴロゴロしていたり、ガレ場も多く歩き
にくい。
ようやく中間地点の「天狗ノ露地」(2180m) と呼ばれる展望場所に到着。女神湖霧ヶ峰方面
がスッキリと見渡せる、気持ちの良い場所だ。山頂部も後ろ側に見えている。ここで岩場に腰
を下ろし休憩する。久々の本格的な山登りで、やや息のあがった我らであった(笑)。

      
         ガレ場の急登が更に続く          将軍平(2345m) 蓼科山荘前で休憩

 更に急登は続くが、さすがに体の方は慣れてきた。三人とも休憩前より調子が出てきた感じ
で着々と歩を進め、ようやく蓼科山荘が立つ「将軍平」(2345m) に出た。
ここは、少し開けた平坦地で、天祥寺原からの道や大河原峠からの道が合流する分岐点でも
ある。ここから山頂まで、岩塊の急斜面170mを一気に登る事になるが、ひとまず山荘でトイレ
を借りて休憩する。
 山頂部を見上げると岩場の辺りを一列に登る登山者の姿が見えた。と、思ったら‥‥、何や
ら山頂部がガスってきた。いやーな予感は的中してしまった。
ここまで来て、またもやガスとは‥‥、もうちょっと待てなかったのかい!!
と、言いたかったが日頃の行いが悪いのだから仕方あるまい。

     
       山頂部を見上げると、ガスが・・・          山頂を目指して、岩の道を登る

 とりあえず、山頂へと向かった。ここからは岩がゴロゴロした壁のような一直線の登りであ
る。森林限界を過ぎ、岩につかまりながらよじ登る感じで、ぐんぐん高度を上げていく。
時折吹く涼風は気持ちいいのだが‥‥、それにしても、ここはキツイ登りだ。前が詰まって、人
の渋滞も発生している。
 将軍平からひたすら登ること1時間弱で、ようやく山頂ヒュッテに出た。この山の山頂部はと
にかく広く (直径100m程もあるそうだ)、しかも一面に岩を敷き詰めたような凄い所である。
わずかに噴火口跡が円形にくぼんでおり、火山であった名残を感じる。ママは早速、本格山屋
のK子さんに、無事登頂したことを自慢の携帯電話にて通報していた(笑)。
 三角点には、360度の大展望を示す方位表示板があったが、今回はまたしても真っ白で展望
はできない。南北八ヶ岳は勿論、三大アルプスを始めとして、浅間山四阿山美ヶ原霧ヶ
や上信越の山々を一望とするほか、下の方には白樺湖から茅野市街、諏訪湖までもが見
下ろせたはずである。
山頂で食事を取りながら40分程待ってみたが、ガスは一向に晴れそうもなかったので諦めて
下山した。

     
        岩だらけの広大な山頂部              蓼科山・山頂 (2530m)

 往路をそのまま戻るのだが、これがまた登り以上にキツイ。将軍平までの岩場は特に慎重に
降りる。すでに筋肉痛も‥‥(苦) 将軍平で再び休息し、更に下るがここからはガレ場の多い
急坂で滑りやすく、かなり膝にくる。
天狗ノ露地あたりまで来ると、ガスは完全に切れ下界の展望も良い。しかし、見上げる山頂部
は相変わらずガスっていた(^_^); なんだかホッとしつつも(?) 、早いペースで下山し七合目に戻
った。
 いや〜、今回は久々に疲れた。だが、マユに限ってはさすがに中一、ブーブー疲れたとか言
いながらも余裕を感じた。

    ガレ場の急坂が連続  登り以上に神経を使う

 ところで、今回の山登りから我らインチキ山屋は、全員そろって登山靴を新調した。
それまでは、それなりの山用の靴(トレッキングシューズなど)を履いていたのだが、先月いろん
な事情で山行きが中止されたので、思い切って三人とも新調することにした。
先のK子さんオススメの専門店 ”Kスポーツ” にて、まず自分の気に入ったデザインと軽量タイ
プの靴を選び、それから一人ずつキチンと足に合ったサイズを店員の方に吟味して頂き、履き
方も含めて丁寧に指導して下さった。
これがサスガにイイ!!  今回は三人とも、膝や、腿、腰は痛くなっても、足は痛くならなかったの
だ。「やっぱりキチンとしたものは違う!! 」を実感した次第である。(今更、何を言ってるんでしょ
うねえ‥‥!?) 
 KスポーツのSさん、ありがとうございました。とっても、調子いいです(笑)。

 車に乗り込み、白樺湖まで戻る。湖畔にある日帰り温泉施設「白樺湖温泉・すずらんの湯」
に立ち寄り、疲れを癒した後、帰路へと向かった。
                                          ( 2004.7.21 記 )

立寄り温泉情報



トップへ

戻る