AKAGIYAMA
黒檜山 (1828m)

駒ヶ岳 (1685m)

地蔵岳 (1674m)
  黒檜山(左)と駒ヶ岳  (大沼の対岸より)
平成19年8月6日(月), 日帰り
   ★ 総所要時間: 4時間 00分
   ★ ハイキング標高差: 478 m
   行程行程・ハイキング
   行程ルートマップ


 関越自動車道を下って群馬県に入り、高崎を過ぎたあたりから右側に見えてくる山々が「
城山
」だ。 この辺り一帯は「上毛地方」とも呼ばれ、大きな山系としては他に 「榛名山」 と「
義山」 がある。 これら三山は、地元で「上毛三山」と呼ばれ親しまれている代表的な観光地で
もある。 我らはすでに、妙義山と榛名山へは “遊歩” しているので、今回で上毛三山を制覇し
たことになる・・・(!?)
と、まあそんな事はどうでもいいことだが(笑)、赤城山も他の二山と同様に総称であり、単独
の名前がついた山は存在しない。
噴火によって形成された外輪山が火山湖である 「大沼(おの)」 の周りを取り囲んでおり、最高
峰の 「黒檜山(くろびさん)」(1828m) をはじめ、「駒ヶ岳」(1685m), 「長七郎山」(1580m), 「地蔵
」(1674m), 「小地蔵岳」(1573m), 「荒山」(1572m), 「鈴ヶ岳」(1565m) などが赤城山と総称さ
れている。
どの登山コースでも難易度は高くないので、今季初の体慣らしとして、今回は主峰の黒檜山と
駒ヶ岳を縦走する周回ルートを選択した。

             大洞Pから眺める、駒ヶ岳と黒檜山 (左奥)

 関越自動車道の前橋ICで、国道17号線 に下り 「赤城山方面」 の案内標識に従って赤城道
路に入れば、あとは緩やかな斜度の山道となり30kmほどで赤城高原観光の拠点 「大沼」 の
南岸 「大洞(だいどう)」(1350m地点) に到着する。
観光地なので売店、駐車場、トイレなどは充実しており、登山口に近い 「おのこ駐車場」(無
料)に車を停め、さっそく身支度を整えた。 まるで “ひょっこりひょうたん島” のように連なった
黒檜山と駒ヶ岳を縦走するコースだが、どちら側の山から入るかをまず選択しなければならな
い (ルート図を参照)。  
黒檜山から入る場合は、大きめの岩交じりの雑木林の中を一直線に急登する。 一方、駒ヶ岳
から入る場合も急坂には変わりないが、こちら側では鉄製の長い階段などが整備されていて
登りやすい(?)反面、登りの区間が長くなる。 どちらから周っても所要時間に大差はないような
ので、黒檜山を展望しながら稜線歩きができる後者のコースを選ぶことにした。

長い鉄製の階段が連続する 

 おのこPから、わずかに車道を引き返した所に 「駒ヶ岳登山口」 がある。イキナリの急斜面
をジグザグに折り返しながら登る。 丸太で作った階段などが随所にあり、よく整備されている
のだが、”冬眠ボケ・インチキ山屋” の足腰にはチト応えた(笑)。 さらに、鉄梯子状の長い階段
が連続するも、終点が見えず一人通るのがやっとの幅しかないものもあり 『こりゃあ、すれ違
いできないぞ!』 と、思った。
そんなこんなで 急坂を登り詰めて尾根上に出ると、視界が開けて気持ちの良い稜線歩きとな
った。 ちょうど良いタイミングで、ベンチがあったので小休止する。 湿原のある 「覚満淵 (かく
まんぶち)」 方面が見下ろせ、振り返ると後方には 小地蔵岳 ・ 長七郎山 連山と「朝香嶺
(1528m) に囲まれた 「小沼(この)」 の水面も展望できる。

                             
                 後方に、小沼と長七郎山(1560m)らを展望

緩やかな起伏の稜線を軽快に歩き、ほどなく駒ヶ岳の山頂(1685m) に到着した。
樹林越しに黒檜山が姿を見せていたが、この山頂からは樹林が多いために、長七郎山から
「地蔵岳」(1674m)にかけての狭い範囲しか展望できない。 おまけにさっきまで晴天であったの
に、ここへきて急激に雲が厚くなってきて、わずかな展望ですらモヤがかかって 遠くのほうはス
ッキリしない有様だ。 イヤな予感が脳裏をよぎるも、ここは小休止だけして先へ進むことにした
(苦笑)。

         
            駒ヶ岳・山頂 (1685m)              樹林越しに黒檜山を望む

  駒ヶ岳山頂からいったん緩やかに下っていくと、”ひょうたん島” の最低鞍部にあたる 「大ダ
ルミ
」 (1610m) 地点に達する。 広々とした草原といった感じの心地よい所だ。 前方には目指
す最高峰の黒檜山が、そして後方には過ぎてきた駒ヶ岳が・・・、緑ゆたかに ”両山揃い踏み”
である(笑)。 しばらくは黒檜山を正面に見ながら距離を縮めていくと、やがてダケカンバの林
へと入り斜度がきつくなってくる。

                             
                  最低鞍部の大ダルミ(1610m)から黒檜山へ

丸太を組んだ階段状の急登を越え、ほどなくすると 「花見ヶ原分岐」 が現れ、これを左に折
れて登ると 「御黒檜大神」 が祭られたピークに出た。 辺りは次第にガスまいて白けてきたの
を気にしつつ、一旦下って鞍部の分岐から少し登り返したところで 黒檜山・山頂 (1828m) に到
達した。
案の定、イヤな予感は的中。 山頂に至って展望はゼロ! そこには、無情にも白けた雲海の如く
広がる景観があるのみであった(涙)。

               黒檜山・山頂 (1828m)

 関東平野に面して ひときわ大きく裾野を広げて聳える独立火山峰であるだけに、赤城山の
最高峰からの展望は素晴らしいものがある。 山頂広場から北へ100mほど進んだ頂稜の北端
部分の所に小さな祠の置かれている展望ポイントがあり、北側に 「谷川岳」 (1978m) をはじめ
とした上越国境の山々、日光方面の 「男体山」 (2484m), 「日光白根山」 (2578m), 「皇海山
(2144m) や尾瀬の 「燧ケ岳」 (2356m), 「至仏山」 (2228m) などが一望のもとだ。 南側に目
を向ければ、真下に見える大沼と同外輪山を挟んで手前に、お隣の 「榛名山」(1449m)、 その
奥に 「浅間山」(2568m)、 さらに遠方には北アルプス八ヶ岳奥秩父の山々も見渡せ、雄
大な展望が得られるはずだったのだ!! (涙・涙)。
 山頂広場に戻り、時間と共にガスの取れることを期待しつつ昼食をとることにした。だが、予
報では午後3時以降は雨になるそうだし、どうやら天候は崩れるほうに向かっているようで、到
着時よりも景観の白さが増してきていた。 しばし休憩をとったところで、早々に下山することに
した。 (この早すぎる決断が、のちにボケツを掘る事になるのだが・・・)

         
        山頂下に祭られた「御黒檜大神」       山頂から大沼方面への急坂を下る

下山は3分ほど往路を引き返して、鞍部の分岐に戻ったところで 大沼公園 (黒檜山登山口)
方面に下る。 大きめの石がゴロゴロした雑木林の中を進むが、岩交じりの急勾配が続いてい
るので慎重に下る。 かなり段差の大きい箇所もあったり、登山路のハッキリしない箇所も多く、
こちらからの登りはかなり苦しいかもしれないと思い、今回のルート選択は適切だったと自己
満足していたら・・・、なんと! 再び陽が差し込んできた。 山頂部よりも標高が下がり、ガス圏を
抜けたせいだと思い更に先へと進むと、上空に青空がみるみる広がっていくではないか!! 山
頂での判断が早計であったと後悔したところで、後の祭りである。
なにも急いでいた訳ではないのだから、1時間ぐらい様子をみれば良かったのだ。その地点か
ら、山頂へ戻ることもチラッと頭の隅をよぎったが、体は正直である(笑)。 諦めて、足はその
まま下山していた(悲)。

         猫岩からの眺望 (大沼と地蔵岳) 

長い急坂の下りが続き、ひと段落したあたりで 「猫岩」 と名づけられた展望の利く岩場 (小ピ
ーク)に出た。 相変わらず雲は多めではあったものの、日差しが眩しく青空もすっかり戻ってき
ていた(怒!!)。 大沼と地蔵岳、遠く離れてしまった駒ヶ岳も眺望できる。林の中の登山路に戻
り、急坂を一気に下ると車の走る音が聞こえはじめ、まもなく大沼の湖岸沿いを周回する車道
に面した 「黒檜山登山口」 に出た。
あとは、大沼と対岸に聳える地蔵岳を右手に眺めながら、周回道路上を歩いて大洞へと戻
る。 途中に、「赤城神社」 が建ち観光スポットとなっていたが、立ち寄らずにそのまま駐車場
所へと向かう。 天気はすっかり回復しており (天気予報は、またもやハズレだ!!)、振り返ると黒
檜山の稜線が青空にクッキリと見えていた(涙)。

 面白くないので(笑)、駐車場に着きサッサと帰り支度路をして温泉へと向かった。 ところが、
ここでまた後になって後悔する大チョンボをしてしまったのだ。 実は、駐車場所から6〜7分ほ
ど車で移動した所に「覚満淵」という周囲500m程の小さな湿原があり、時間があったら寄って
みようと思っていたのだ。 ここは、ミニ尾瀬とも呼ばれるほどの花の宝庫で、木道を一周30
分ほどで周回できる。
時間も充分あったし、時期的にも花の多い時だっただけに、ド忘れして立ち寄らずに帰ってし
まったことが悔やまれた。 どうもこの日は、自分の中の全ての歯車が噛み合っていなかったよ
うだ(汗)。
          大ダルミから眺めた、駒ヶ岳 

 温泉は車で往路を麓の富士見村まで戻り、村営の日帰り温泉施設 「富士見温泉、見晴ら
しの湯・ふれあい館」 を利用した。 10年前にオープンした施設ということだが、館内は非常
に綺麗で広く、一日ゆったり過ごすのに必要な設備は殆ど揃っていた。 3時間以内の利用制
限はあったが、施錠などの対策もキチンとされており 気持ちよく利用できた。 露天風呂の見
晴らしは、名前ほどたいした事は無かったが(笑)、良質で気持ちの良い温泉だったのでオスス
メである。 充分に疲れを癒したところで、帰路へとついた。
                                            ( 2007.8.20記 )

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