深刻、当直2人体制 医師激減の脳血管センター 「東京新聞」神奈川(2006.4.7)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20060407/lcl_____kgw_____001.shtml
資料
■脳卒中専門病院に異常事態 医師半減につき『急患お断り』も 「東京新聞」夕刊(2006.4.6)
■脳血管医療センター、医師不足で急患対応できず/横浜 カナロコ ローカルニュース(2006.3.23)
■強制捜査 『神奈川新聞』社説 2006年3月17日付 「カナロコ ローカルニュース」(2006.3.22)
■医療事故で横浜市立脳血管センター家宅捜索 カナロコローカルニュース(2006.3.9)
■《みんな失望して辞める》 脳血管センター常勤医、4人が退職へ 「カナロコ ローカルニュース」(2006.2.28)
■脳血管センターでの手術 夫の手術の真実を! 未亡人が訴え
tvk Web News(2006.2.3)
■「ひでーなあ、こんな事をやっているのか」 市長は全部知っていた!! ――“青戸病院と同じ”・“マズイ。何があっても削れ” 醜悪!!「横浜市立脳血管センター」医療ミス“市長ぐるみ”隠蔽工作の全貌(2006.2.2)
■横浜市立脳血管センター 夫の死亡の説明求め未亡人が来日
tvk Web News 2006年1月31日付(2006.2.2)
深刻、当直2人体制
医師激減の脳血管センター
脳卒中専門病院「横浜市立脳血管医療センター」で医師数が定数の半分にまで激減し、救急・急性期患者の受け入れを制限するなど診療に影響が出ている問題で、夜間当直も今月から三人体制を二人体制へと縮小せざるを得なくなり、専門家から、安全面や医師の負担を懸念する声が出ている。同センターは三百億円近い市税を投じて設立されたが、わずか六年半で“機能不全”に陥ったことで、市の経営責任を問う声も上がっている。
当直体制は本来、救急、病棟、集中治療室(ICU)のそれぞれを担当する三人体制だったが、医師不足が顕著になりはじめた昨年春からは、患者の多い午後五時から午後九時までは三人体制で、それ以降の深夜は二人体制としていた。しかし、さらに医師が減ったため、四月からは午後五時から完全に二人体制とし、一人が救急と病棟の両方を担当することになった。
センターは医師不足の影響で、三百床の機能をフルに使えなくなったほか、救急・急性期の患者の受け入れも制限せざるを得なくなった。医療の質の面でも、患者の負担が軽い血管内治療の指導医資格を持つ医師が、三月に都内の有名病院に転職するなど人材が流出している。
現在は、回復期の入院患者を、専門家でないリハビリ科などの医師にも担当させているが、日本脳卒中学会理事長で同センターの医療機能検討会議の委員も務めた篠原幸人・東海大教授は、「容体の変化があれば神経内科医に連絡するといっても、専門ではないリハビリ医などが回復期患者の担当となるのは、よほど安全面に気を付けなければならない。医師のオーバーワークも心配だ」と懸念している。
混乱の背景には、センターの機能の見直しをめぐる市側の迷走ぶりがあった。二〇〇四年度から〇五年度にかけての見直し議論のなかで、当時、市参与だった市病院経営局の岩崎栄局長(73)が、急性期医療をやめリハビリ病院化する考えを示唆。だが最終的に、有識者による検討会議で救急・急性期医療の必要性が指摘され、継続が決まった。
センターではこのときの影響をいまも引きずり、「急性期をやめるなら医師を派遣することはできないが、本気で急性期を続けることにしたのか見極めたい」と医師派遣に二の足を踏む大学や病院もあるという。
岩崎局長は「医師確保に全力を尽くす」と繰り返し発言してきたが、医師の減少を食い止めることができず、責任を問う声が患者団体や市議らから出ている。しかし、岩崎局長は本紙の取材に「大いに責任を感じている」としつつ、「医師確保に引き続き全力を挙げたい」と引き続き病院運営のかじ取りを行う考えを示した。
篠原教授は「これほどの医療設備が整っている病院はあまりなく、環境が整っていれば来たいという医師は少なくないはず。市が、急性期を含めセンターの立て直しに本腰を入れて取り組んでいる姿勢をきちんと示し、積極的にアピールするべきだ」と話している。 (金杉 貴雄)