な 話 (か)


03, 空 気
 ある年の夏真っ盛りの日、エンジンがなかなか掛かってくれ無いことがありました。

 銭のからむ業務の為と、他に使える車が無いので、仕方無くスポーツ800を出すことにして賃貸のガレージまで取りに行きました。

 この日も暑くなる事が予想されていた日でした。前の週に某写真週刊誌の撮影で日中の暑い中の移動に辟易していたので、ツーリングでも無い限りスポーツ800は使いたくはありません。

 予定の待ち合わせ時間より早く着いたA氏は、不具合で気になっていたホーンボタンを修理する事で時間を潰すことにしました。

 修理も済み約束の時間にはまだまだたっぷり時間があるので、「どれ、少し日陰にでも移動させるか」と軽い気持ちでイグニッションキーを捻った。

 あら?掛からな〜い!。(セルは廻るが・・・)

 更にイグニッションを捻ること数回。1,2度爆発はするがいっこうに継続して行く気配ナシ。

 これには少々焦りました。「セルモーターは廻る、ガソリンも少ないながらも残っているし」と掛からない原因をあれこれ考えている内にプラグが被ってしまい、「俺も、最近エンジンかけるのがヘタになったな〜」と思いつつ、トランクからツールボックスを出して「プラグお掃除」道具を整え、ボンネトを開けバッテリーコードを外しプラグコードを抜き、プラグのグロメットを外して手慣れた手順でプラグをラチェットを使って抜きました。

 ついでに燃料エレメントを確認してゴミではなさそうです。

 外したプラグをワイヤーブラシで磨きながらふと浮かんだ疑問、「あまりカスがついていないな〜」と言う気持ちを残し、逆の手順でプラグをセットし直し、最後に再びバッテリーコードをつけて、いざ運転席に。

 期待を込めてイグニッションキーを捻りました。が、掛からない。

 更に、更にイグニッションを捻ること数回。バッテリー残量が危ないところに来てようやく、被りながらもエンジンが目覚め出した時は「ホッと」しましたが未だ油断は出来ませんでした。

 アイドリングが安定せず、回転を落とさないようにアクセルを踏み込みつつスポーツ800を走らせ、被りを吹き飛ばすことにしました。

 近所を一回りした頃にはアイドリングが安定してヤレヤレでした。

 ようやくトラブルを脱して一息ついて独り言がでました。「やっぱりエンジンかけるのがヘタになったな〜」

 その日の打ち合わせを終えてスポーツ800は、無事自宅まで戻って来ることが出来ました。

 次の休日、パーツを引き取りにサムシングヘ。スポーツ800で向かうため、再びガレージヘ。

 朝、ガレージで順調にエンジンが掛かってガレージのゲートを締めに2,3歩と歩き出したとたん、エンジンがストールしました。

 冬場ならともかく、夏のこの時期にストールするのは「おかしい」と思いつつ、再びイグニッションを捻る。エンジンは再び掛かる。

 運転席に戻り座ってふと頭によぎった言葉エンジンの掛からない原因としていつも念仏ように唱えていた言葉、「燃料、電気、空気」。

 そうだ、こいつだ。燃料はある。電気も一応正常。残る原因は「空気!」。

 高回転では止まらない、低回転で止まる。「ひょっとしてエアクリーナーか?」そう思うまもなくボンネットを開け、エアクリーナーのカバーを外してビックリ!

 案の定、エアクリーナーの濾紙が真っ黒!「これじゃあ空気不足の窒息状態だ〜!」

 と、言う具合で今回のトラブルの原因はエアクリナーの目詰まり。

 つまり日常のメンテナンスの不足でした。

 ちゃん、ちゃん!

02, クラッチが貼り付いた!
 オーナーの方であれば、一度は経験したことでしょうが、そう言う経験が無い方は今のところは運がい、と言っておきましょう。

 さて、諸般の事情によってスポーツ800に乗れない時期がありますよね。お仕事の都合上とか、メカニカルトラブルによるものとか、お天気によるものに類別されると思いま す。

 特に初夏の梅雨時に一ヶ月以上動かさないと湿気によ りフライホイールが錆び、その錆がクラッチ板と癒着してしまうんですね〜。

 これが「貼り付いた」と言うことで す。

 A氏が経験したヤツはかなり強烈でした。トップギヤに入れて5〜6m前進してから「ガッキン!」と言う物凄 い金属音がして剥がれました。

 それも3回位試してからです。セルを廻す都度に車が家の木戸に当たるのでは?と思う勢いで2〜3m前進するので、ヒヤヒヤものでした。

01, クラッチが壊れた!
 秋のある日。その日は、私用で東京から千葉に向けてスポーツ800を走らせておりました。

 午前10:00頃、京葉道路を降りて一般道路を走っていると、ギヤチェンジで何だかギヤが噛む回数が多くなったことにハタと気付きました。

 そろそろミッションのシンクロが減ってきたのでしょうか、又は走り込みが最近少なくなって操作が下手になったか等と考えるようになりました。

 しかし、OHするには費用がかかるので、当分はこのまま乗り続けるしか無い為あまり気にしないようにしました。

 用事が済んで自宅への帰り道、都内に入ってからやたらとギヤが噛む回数が増え、ギャチ ェンジそのものにも支障が出てくるようになりました。

 症状の悪化が進む一方になり、とうとうクラッチが切れない状態になってしまいした。

 路肩に寄せてチェックしてする事にしました。クラッチワイヤーは切断しておらず、ワイヤーが伸びてクラッチ板のクリアランスが少なくなっていたようにA氏は判断しました。

 交通量の多い道路だったので、スポーツ800をハジに寄せて他の車に迷惑を掛けないようにして、クラッチワイヤーの調整を行いました。

 さて、これで一安心と思ってエンジンを始動し、シフトノブをローに入れようとしたら・・・・・・・・・入らない・・・・・・・・。

 腕力にものを言わせて入れようとするとギヤが鳴って拒否されてしまいました。再度クラッチワイヤーを調整して見ましたが何回やっても変化無し。

 どうやら、クラッチ板が破損したようです。これは困りました。

 自宅まであと数キロ、頼みとなる整備工場は市川にあり、そこまでには隅田川、荒川、江戸川と川を3本も渡らねばならいので頭を抱えてしまいました。

 しばし考えるこ と5分。今いるところから自分のガレージの方が近いので、このままで自走することにしました。

 そこからは幹線道路をはずれ、交通量の少ない裏道をローで全開状態で走り、信号ではギヤの破損も考慮しなが らもエンジンを切ってギヤを抜き、信号が変わればエンジンを掛けてローに無理矢理押し入れて派手なギヤ鳴りを起こし、ドッカン接続状態でセコンドにミートして、ガレージまで騒々しいエグゾーストをまき散らしながらも、なんとかたどり着く事ができました。

 その日のうちに、いつもお世話に鳴っているAB氏に連絡を入れて、クラッチ板の予備の有無を確認して頂き、場合によってはクラッチカバーもイカレた事を考慮して用意してもらいました。が、さてこのスポーツ800をどうしようか?

 引き取りに来て貰うにしても、回送料だけでもバカにならず、更に工場に入れて交換するにもエンジン脱着だけで もエラク金額がかかり、トータル\100,000は楽勝コースと言う事になりそうなので、AB氏と相談して出した結論は「道端でやろう!」 でした。

 日曜日、AB氏が到着するまでA氏は、ガレージの近くの道端にスポーツ800を横付けし、ボンネットを外しのの、インマニ外 しのの、とエンジン補機類を昔の記憶をたどりつつ、一つ一つ外して行きました。

 少々手こずりながらエンジンカバーも外して一息ついたところでAB氏の到着となりエグゾースト系を外して2人で エンジンを降ろしました。

 一人で始めたのが9:00頃、AB氏が到着したのが11:00頃。中腰作業は腰に負担が来て結構きつかったです。

 で、降ろしたエンジンからクラッチカバーを外してビックリ!バラバラのハズだったクラッチ板は摩耗しているだけで 何とも無し!良〜く見るとクラッチカバーに3本付いているクラッチレバーの内1本が異様な角度でエンジン側に突き 出ていました。

 つまりこのレバーを支えていたカバーの根元が金属疲労で破損してレバーが飛び出してクラッチ板を押していたの でした。

 AB氏がクラッチ板、カバーを外しているとき手持ちぶさたのA氏は、外してある部品を整理している途中エキパイ の1本に小さい穴が開いていることに気が付きました。

 購入以来、爆音に近いエグゾーストノートの原因がここだと言うことが判明しました。

 購入当時、反対側がひび割れし、北海道ツーリングでイッてしまったが、当時は片方だけの交換で済ましたけれ ど両方イッていたとは気付かなかったっす。

 さっそくここの部分を交換することにし、自宅にある予備部品からその部分を取ってきて装着しました。
静かになることに少々惜しい気もありましたが・・・・・・

 エンジンを元の場所に納めてまともにクラッチが切れるようにしてエンジンを廻すと確かに以前より静かにはなりま した。それでも他のスポーツ800に比べると結構騒々しい力強いエグゾーストノートです。

 このスポーツ800を手がけたショップが、何処までやったかはわかりませんが、このにエンジンには結構自信があります、 が一つだけ惜しいのは、フライホイールの軽量化だけはされていなかったようで、立ち上がりの反応がノーマルのスポーツ800より遅いのです。

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