22,23 and 25 Mar. 1948 LondonPO Kingswayhall London (Decca studio version=SP)
Brahms:Sym.No.2
●3月22,23,25日 ブラームス/交響曲第2 ロンドンPO キングスウェイホール 英デッカ・スタジオ録音
Matrix:AR12079-2/80-2/81-1/82-3/83-2/84-1/85-1/86-1(86-3=AK1875-9)/87-1/88-1
SP/PR: DeccaK1875-9('50?)
LP: DeccaLXT2586(51/06)ACL50(59/07) London(US)LLP28('51) London(JP)MR5034('60)MZ5012(70/01)
CD: King(JP)KICC2307(93/08) DuttonCDEA 5024(99/06) VENEZIA CD V-1016(00/08)
sd8 other take PR: DeccaAK1875-9('50?) VENEZIA CD V-1016(00/08)
>>I like MZ5012('69=LP). This LP has many moise, but the sound is fresh.
▼デッカへの正式な録音はこれと53年のフランクのみ。
宇野功芳氏はレコ芸97/7月号の特集:再録音の理由のなかで「フルトヴェングラーなどはお金が入用になると自分の方からレコーディングを提案したそうだ。そのくせ、スタジオやホールではマイクが目ざわりだから、見えないところに立ててくれ」といっていたそうで、写真でも巨匠の後ろにマイクが立っているのをよく見るが、それが本当ならこの録音のように音そのものは良いものの(52年ミュンヘンでのBPO盤よりも弦や木管はこの48年盤のほうが生々しい)金管がマイクから遠く、聞こえてこない理由もわかる。演奏については、世間で言われるほど悪い演奏ではなく、終楽章など他の2盤が壮絶すぎてこちらの方が逆にしっくりいく日もある。デッカSPを復刻したDuttonCDEA 5024は、CEDERを使用。好悪の分かれる音質で弱音部は頼りない音質だが、強奏部では正規盤で不満だった金管の弱さが改善され、透明ですこぶる良好な音質になる。shin-pは現時点では最も聴きやすいCDだと思う。Dutton盤の解説には当時アシスタントのプロデューサーだったカルショーが「6本のうち5本のマイクが移動させられたもののremarkable(すぐれたもの)だった」と述べていたことを記載している。
なお、この演奏にはオートチェンジャー用に収録された3楽章33小節以降同楽章終わりまでの別テイクが存在する。復刻盤ではWCD23とVENEZIA CD V-1016(00/08)のみが別テイクを収録していたが、2021年Warnerからデッカ初出盤を使用した日本フルトヴェングラーセンター提供の音源によるこのテイクが発売された。
[Furtwangler: Brahms' 2nd Symphony (Decca, 1948) on YouTube]
[Kingsway Hall, Holborn, London on en.Wikipedia]
26 Mar. 1948 Philharmonia Orc. Abbey Road studio (EMI studio version=SP)
Wagner:Got 3Act.Immolation(Flagstad)
●3月26日 ワーグナー/神々〜ブリュンヒルデの自己犠牲 フィルハーモニアo フラグスタート(S) ロンドン EMIアビイロード・スタジオNo1 EMIスタジオ録音
Matrix: 2EA12850-2/51-1/52-1/53-1/54-1
SP/PR: DB6792-4(48/12)
LP: PatheFALP119(51/11) RCA LHMV1024(52/12) ToshibaWF70036-7(76/07)
CD: EMI7630302('84) ToshibaCE28-5590('89)TOCE33753(00/09)
>>> EMICD said this session was performed in Kingswayhall, London.
▼国内盤は76年までお蔵入りしており、74年の全集盤にも含まれなかった。上記Dutton盤の解説では、「ブラームスのセッションの翌日、キングスウェイホールにWFが帰ってきた」とあり、この演奏も同ホールで収録されたという表現がある。EMI系のCDではキングスウェイホールでの収録としているが、レッグディスコグラフィーではEMIスタジオでの収録となっている。[1950,London]でのR.シュトラウス「4つの最後の歌」初演のオケをロンドンフィルと誤記しているもの、東芝CE28盤が当録音を52年録音と誤記するなどのケースがあり、一連のフラグスタートとのセッションでデータに混乱が生じている。EMI系の録音場所とオケ表記が本当ならば、前日25日夜までロンドンフィルとベートーヴェン第9の公演があったキングスウェイホールに、SP5枚分のためだけに別のオーケストラを入れて録音したことになる。WFは48年にはフィルハーモニアと演奏会を行っていないが、この後フィルハーモニア以外のイギリスのオーケストラを振ることはなかった。
[Abbey Road Studios, London on en.Wikipedia]
3 Aug. 1948 VPO Salzburg Fes.(Rotwaiser Radio = RIAS)
Beethoven:Fidelio(Edelmann/Patzak/shluter etc.)
●8月3日 ベートーヴェン/フィデリオ(抜粋) VPO ザルツブルク音楽祭 RWR収録 RIAS所蔵
LP/PR: Rococo1012(74?)
CD: MelodramCDM 25009('90?)WFG TMK10670('97=Ove&Leo3)MYTO 2CD991H025(99/02) SWF992-3 TAHRAFURT1036-7(99/08)
>>The public performance on 31 July is exist on film partly.(Dreamlife DMLB27) 4 scenes of No.5 to 8 are missing.
▼第5曲から8曲までの計4曲がオリジナルテープの紛失のため欠落している。レオノーレ3番と序曲に97年独協会の正規盤出現。全曲正規盤も99/08TAHRAから出現し、当初は完全版との噂もあったが、欠落はそのままだった。7月31日公演のレオノーレ3番とされるOrfeoC525-991も99/08に出たが、HS氏の比較試聴ではTAHRAの全曲盤と同じ録音という。清水氏によればメロドラム盤はレオノーレ3番が3分ほど欠落しているといい、あるいはメロドラム盤のレオノーレのみ8/3で他は7/31で修復されているという可能性も残る。同じ7月31日とされる第2幕フィナーレの映像は残っており、ドリームライフDMLB27で発売されていたが、日付は確定していない。録音は悪いながらも、熱気は50年盤を大きく上回る。
[Furtwangler Fidelio 1948 on YouTube Search]
18 Aug. 1948 LUCERNE Fest o. Lucerne
24 Sep. 1948 VPO Musikverein
3 Oct. 1948 VPO RoyalAlbertHall London (BBC = EMI)
17/18 Oct 1948 Hambrug Phil. Hambrug Musikhalle
22 Oct. 1948 BPO Gemeindehaus Dahlem (SFB = without audience)
2 Nov. 1948 London
3 Nov. 1948 BPO EmpressHall London(Visnews)
12 Nov. 1948 Stockholm Phil. Stockholm konserthus(Swedish Radio)
19 Nov. 1948 Stockholm Phil. Stockholm(Swedish Radio)
7 Dec. 1948 VPO Musikverein(EMI studio Version=SP)
***<注意>***リンクされた先の音源はshin-pの管理下にはありません。取り扱いには十分お気をつけください。
[1949年] [HPフレーム版][1948 in English]
[shin-p HOMEPAGE] [1947年]
Wagner
Die Meistersinger von Nurnberg Prelude Act I(Extracts)
Siegfried Idyll(Extracts) Private Archive
●8月18日 ワーグナー/名歌手第一幕前奏曲(抜粋)、ジークフリート牧歌(抜粋)
ルツェルン祝祭o ルツェルン音楽祭
CD/PR: Delta(JP)DCCA0076(16/04)
▼2016年デルタから発売されたルツェルン音楽祭での録音。放送録音ではなく、主催者側によってアセテート盤にテスト収録されたものと思われる。
Beeethoven:Egmont Ove.
●9月24日 ベートーヴェン/エグモント序曲 VPO ムジークフェライン
LP/PR: AT04('84?)
>>>Olsen said this tape exists at SWF. Tahra said this LP is doubtful authenticity.
▼オルセン2版は仏フ協会にテープがある−としているが、このAT盤をTAHRAは「疑わしい」とし、HUNTは53年9月VPO盤と同じとしている。
Beethoven:Sym.No.2
●10月3日 ベートーヴェン/交響曲第2 VPO ロンドン・ロイヤルアルバートホール BBC収録
EMIMatrix:2XEA6732
LP/PR: Electrola1C14953542-9('79)ToshibaEMI EAC47240-6(79/11)
CD: EMI7636062('89) M&ACD942('95) ToshibaTOCE3720(00/08) [アルバートホール]
>>This concert was recorded by BBC on tape. This tape copied Disks after this.These CD&LP were made by copied Disks. This sound is dull.
▼没後25年を経てやっとそろったEMI「ベートーヴェン交響曲全集」最後の1枚。このロンドンでの演奏会ではベートーヴェン交響曲の全曲が演奏され、BBCが全曲のテープ録音をしたとされる。ただそれらの録音ではこの曲と同じ日に演奏された「英雄」しか残っていないといわれている。テープ録音は後にディスクに移されテープはすべて消去されたとされる。ディスクから復刻したCDはやはり音質が劣悪で、常時鑑賞するには苦痛が生じる。同じEMIがライセンスを持つ実況盤でも11/13のストックホルムでの第8の方が聴きやすい。このロンドン公演の他の録音が残っていたとしてもこの程度の録音では資料的価値しかないと思われる。現在まで巨匠唯一の2番だが、8番よりは巨匠には合っているように思われ、録音の貧弱さが悔やまれる。
京都在住のK氏によるとIron needleのCDが現在最もダイナミックレンジをとった復刻盤で、それをもとにノイズキャンセルしたCDを個人的に聞いていらっしゃるという。shin-pも聞いたが、楽器そのものの音質がかなり変化しているが、大変聞き易く巨匠のこの曲の解釈は充分伝わる。
[ベートーベン:交響曲第2番 on Blue Sky Label]
[1948 Furtwangler Beethoven 2 on YouTube]
[Royal Albert Hall on en.Wikipedia]
柴田長生氏フルトヴェングラープラザの演奏評
Furtwängler:Sym.No.2
●10月17、18日 フルトヴェングラー/交響曲2番 ハンブルク・フィル ハンブルクムジークハレ
CD/PR: SWF921-22('92)
>>I don't like this. This sound is dull. I like DG 1951 studio version.
▼HS氏から仏フ盤について以下のメールをいただきました。
>これまで各種ライヴ盤が出ていながら結局DGのスタジオ録音
>が最も白熱した名演だと感じていたのですが、初めてライヴらしい
>熱演が出たと言う印象です。音質は解説によると放送局のテープは
>存在しないらしくエリーザベト夫人の所に保存されていた
>コピーテープからCD化された様です。確かにちょっと
>こもってはいるものの低域の厚みはなかなかです。
shin-pは曲そのものの魅力として、同じ指揮者による別の演奏を許容するだけのものがあるかどうかがまず疑問−としたい。結局、この程度の録音では資料として以外の価値は乏しいと思われる。鑑賞ならDGスタジオで充分ではないか?
[Laeiszhalle(Weitergeleitet von Musikhalle Hamburg) on en.Wikipedia]
Bach:Suite No.3 Brahms:Sym.No.4
●10月22日 バッハ/管弦楽組曲3番 ブラームス/交響曲第4 BPO ダーレムゲマインデ SFB収録(放送録音)
LP/PR(Bach): DG KL27-31('64)
CD: POCG2352('91)
LP/PR(Brahms): GCL5004-5(89/12)
CD: DisqesRefrainDR910004('91) TAHRA FURT1025(98/05) WFHC003(03/12)
>>>DisqueRefrain DR910004(copy of Golden Concert LiveGCL5004-5) is authentic. I was disappointed at the sound of TAHRA CD. The original tape is damaged.
24 Oct. 1948 BPO Titania(RIAS)
Bach:Suite No.3 Schubert:Sym.No.8 Brahms:Sym.No.4
●10月24日 バッハ/管弦楽組曲3番 シューベルト/未完成 ブラームス/交響曲第4 BPO ティタニア RIAS収録
LP/PR(Bach): WFSG F668164-5('75?) WFSJ WFJ8-9('75?)
CD: PAL1073(88/07) King(JP)KICC2345('94) M&ACD708('92) TAHRA FURT1026(00/08)
LP/PR(No8): Columbia(JP)DXM157('72) VoxTV34478('73?)
CD: Crown-JapanPAL1073(88/07) PricelessD13272('90?) WFSG TMK12681('98)
LP/PR(Brahms): PateFALP544(59/05)
CD: CHS5655132(95/08)ToshibaTOCE3792(00/12)
▼22日と24日両日ブラームスの録音があるが、24日盤が早くも59年に正規市販され、22日盤は80年代後半のGCL盤の発売まで待たなくてはならなかった。トレマン、HUNT共24日と同一としていたDR(GCL)盤については[問題盤研究報告]で97年当時のshin-pHP上の論議を読むことができる。shin-pは、DR盤を聞いた当初から正真正銘の10/22盤という見解だったが、98/05TAHRAから正規盤が出て、DR本物説が証明された。DR盤はGCL盤LPと同じ音源をCD化したもの。22日盤は局出しテープが相当痛んでいるようで、全体にヒスノイズが多く、3楽章や4楽章冒頭部はテープの損傷で鑑賞に大きな支障がある。EMIが聴衆ノイズの多い24日盤の方を発売することになった最大の理由と推測される。03年秋、新たに設立された日本のWFセンターは22日のブラ4を頒布(WFHC003)。60年代にオリジナルからコピーしたテープからの復刻でTAHRAより音質が勝るとのフレコミだが感銘の度合いを左右するほどの差はない。24日盤は音質的に22日よりも透明度が高く、演奏的にも熱気と4楽章中半部の神経の細やかさで22日盤を凌駕する。
針音が聞き取れ、ディスクから復刻したと思われるM&A盤10/24バッハはなぜかEMIのブラームスより良好な音質。
[バッハ:管弦楽組曲第3番 on Blue Sky Label]
[(MP3)LP「ブラームス:交響曲第4番」AB8033 on matsumo's blog]
[Furtwangler Johannes Brahms conduct 4th Symphony 1948 24th on YouTubeSearch]
[フルトヴェングラー ブラームス 4番 1948年10月 on ニコニコ動画SEARCH]
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[49年ヴィースバーデン盤と48年盤比較]
超名演とされながら正規盤のなかった未完成は独フ協会から正規CD(98/12)が出た。ブラ4に比べて歪が多く音質が古ぼけているが、正規盤が登場した現在でもVOX原盤LP(TV/DXMなど)の音がベストと言える。
Talks about Beethoven.(AT07-08=LP)
◎11月2日にロンドンで「ベートーヴェンを語る」という題で英語で肉声が残されている。巨匠の肉声はこのほかにも54年ルツェルンの合唱について語ったものなど、かなり多くの録音が残されている。
[Dorfkirche Dahlem - Das Gemeindehaus on de.Wikipedia]
(ダーレムゲマインデは戦時中は病院、戦後はBPOのリハ会場として使用された)
Brahms:Sym.No.4 (reh. of 4th mov.)
●11月3日(2日) ブラームス/交響曲第4〜4楽章リハーサル BPO ロンドンエンプレスホール Visnews社所蔵 DreamLifeDMLB32(93/06=LD)
▼キリスト教活動の一環として英国に巨匠が招かれた際のオリール・カレッジ主催コンサートのリハーサル風景。この録音は映像で残されている。日本製LDのタイトルは「新版・世紀の指揮者21」で、古くから巨匠の実演映画の輸入に尽力された故韮沢正氏(元ニラサワフイルム社長/元ニホンモニター会長)の企画・構成による今世紀の巨匠21人の映像が収録されている。欧州から貴重なWFの映像を日本に輸入し紹介した先駆者・韮澤氏の活動はオールドWFファンの心に残っている。実演映画はかつては上映会なども行われ、その時頒布されたテープなども存在するという。また前日の2日にBBCのH.Brailsfordとのインタビュー録音が2つ残されている。(AT07-08=LP)
[Furtwangler rehearsal Brahms on YouTubeSearch]
Beethoven:LeonoreNo.3 Reh.
●11月12日 ベートーヴェン/レオノーレ3番リハーサル ストックホルムpo ストックホルム・コンサートホール スウェーデン放送収録
LP/PR: SWF7101('71) UniWFS5('72) ToshibaEAB80003('72)
CD: M&ACD793('92) ToshibaTOCE3722(00/08)
13 Nov. 1948 Stockholm Phil. Stockholm konserthus(Swedish Radio)
Beethoven:Sym.No.8&7 LeonoreNo.3
●11月13日 ベートーヴェン/レオノーレ3番 交響曲第7&8 ストックホルムpo ストックホルム・コンサートホール スウェーデン放送収録
LP/PR(No8&Ove.): UnicornWFS5('72)Fonogram(JP)SETC7501-7('75=miss data)
CD: EMI CDH7630342('89) ToshibaTOCE3720/22(00/08)
LP/PR(No7): DiscocorpRR505(75?)
CD: M&ACD793('89) KingJapanKICC2110(90/12)
>>EAB80003 is my unforgetable LP. I like No.8 of this LP. 2nd movement give me sweet memories.
▼私がきいたWFの最初の1枚がこのユニコーン原盤の東芝盤(EAB80003='72LP=このページの最初で私が持っているレコード=使用している原盤のマトリクス番号もWFS5と同じ)。中学1年のとき('73)、私がカラヤンの運命やアンチェルの新世界に平凡に感動していたとき、すでにWFに夢中になっている早熟なO君という同級生がいた。初の第8をO君は、私に見せびらかすように中学校に持ってきて見せてくれた。当時、WFなど名前しか知らなかった私が、この古いディスクからダビングしたLPを聞かされても全然感動なんてしなかった。O君は中学2年の終わりには親御さんの転勤で大阪に行ってしまった。私が、WFに夢中になるのは高校1年からだが(44年の英雄参照のこと)、そのきっかけを作ってくれたキーパーソン(人生の転機)としてのO君はいまどこで何をしているのだろう。
そういうこともあって演奏は昔を思い出させてくれる「か細さ(特に2楽章)」が好きで私にとっては忘れられないもの。
40年スウェーデン国立oと表記のフィリップス(日本フォノグラム)盤は、48年盤と同じ演奏ながらEMI系よりもなぜか音質良好。没後20年当時のステ芸特集では、48年盤とは別録音で演奏の方もフィリップス盤の方が優秀と書かれていた。
[ベートーベン:交響曲第8番 on Blue Sky Label]
[Furtwangler Rehearses Leonore on YouTube Search]
Brahms:German Requiem
●11月19日 ブラームス/ドイツレクイエム ストックホルムpo ストックホルム・コンサートホール
LP/PR: UnicornWFS17-8(72/04)ToshibaEAB80001-2('72)
CD: M&ACD289('88) ToshibaTOCE3797-8(00/12)
▼ドイツレクイエムは現在3種(47年8月ルツェルン、51年1月ウィーン)ある。当初、日本コロムビアDXM141-2(71/12)で発売が予定されテスト盤も出来ており、レコ芸72年1月号に月評が掲載されている。予定通り発売されればこれが初出盤となっていた。実際の市販盤は東芝から発売された。当時の英フ協会(現在活動中の英協会とは別団体)が持っていたユニコーンレーベルの発売権がEMIに移ったため。48年ストックホルム音楽祭の実況である11月13日の演奏会とともにテープで録音された後、ディスクに移されている。「ブーン・ブーン」という音が混入しているのは、当時の英マルコニー製の巨大なテープレコーダーのノイズと思われる。このノイズは43年5月のVPOとのストックホルムでの録音でも聞くことが出来る。客演ながら楽章を追うごとに熱気を帯びており、録音状態を考えれば、唯一まともに聞ける巨匠のドイツレクイエムといえる。
[Stockholms konserthus sv.Wikipedia]
Mendelssohn:The Hebrides
●12月7日 メンデルスゾーン/フィンガルの洞窟序曲 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音 未発売 not issued(matrix:HMV2VH7108-9)
▽このフィンガルが発売されず翌年録音された理由は? 2000年に出た新しい東芝WF全集TOCE3745(00/09)の平林氏の解説では、今回の全集で東芝側は48年盤の復刻を要望したが、EMIから承認が得られなかったとしている。
2021年ワーナー全集では、48年録音は存在せず、このテイクは49年の別テイクであると公表。
7/8 Dec. 1948 & 17 Feb. 1949 VPO Musikverein(EMI studio Version=SP)
Mozart:Sym.No.40
●12月7、8日及び49年2月17日 モーツアルト/交響曲40番 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音
Matrix: 2VH7110-2/11-2/12-3(12-4)/13-4(13-6)/14-1/15-1
SP/PR: DB6997-9(50/02)
LP: RCA LHMV1010(52/08) HMV(GB)XLP30104(69/02)
CD: CHS566770-2(98/03) ToshibaTOCE3705(00/07)TOCE59168('02)
>>>I don't like Furtwängler's interpretation on Mozart Symphony. ALL LPs and CDs, excerpt XLP30104, are marred by a tape defect in the beginning of the 3rd Mov. HMV XLP30104 is the best sound quality.
▼やっぱり40番はワルターだ。ステレオ盤もすごくいいが、VPOとの52年実況盤(ORF収録〜ソニー)は「永遠」を感じさせるモーツアルトだ。ただし、ジュピターとアイネクライネはステレオ盤がすき。
40番は全6面中(2VH7110/15)第3、4面が49年2月17日のテイクとされ、48年テイクは未発売とされる。HMV XLP30104とTOCE3705/TOCE59168以外のLP/CDはすべて3楽章冒頭部分に欠落がある。この49年に再録音されたテイクと何らかの関連があるのだろうか。このXLPの録音状態は良好だが、LPのため針音の有無は聞き取りにくい。長野S氏によれば東芝ART盤TOCE59168はテープ音源らしいとし、3楽章欠落もないという。英ART盤CHS566770-2は欠落のある旧音源を使っているようだ。ARTとはアビーロードテクノロジーなので英盤と同じでなければおかしいのだが。shin-pがTOCE59168を聞いた感触では、所々で盤面が荒れているための針音風のノイズはあり、CHS566770-2と同様、針音をヒスノイズ風に低減する新しいテクノロジーを使ってマスタリングしたと思う。
フィンガルの方も同じ翌年のセッションで再録されている。これについてはフィンガル49年2月再録をどうぞ。
[Wilhelm Furtwangler - Mozart - Symphony No.40 on YouTube]
WFのモーツアルト最高傑作ピアノ協奏曲第20番演奏評(WFこの1枚)