RCD

Wilhelm Furtwangler CD&LP Archives 1950


[1949年][F資料室について][shin-pのコラム][1951年]

1950年


***<注意>***リンクされた音源はshin-pの管理下にはありません。取り扱いには十分お気をつけください。
8-10 Jan. 1950 Munich Phil. Munich (private archive)
Hendel::Concerto grosso Op.6-5
not issued

●1月8-10日 ヘンデル/合奏協奏曲Op.6-5 ミュンヘンフィル ミュンヘン private archive 未発売

☆ステ芸81年12月号の桧山リポートではVPOとの1月14(15)日コルンゴールド/交響的セレナード、1月28(29)日ショスタコ9番&チャイコ4番がRot-weiss-Rotのアーカイヴから発見されたというが、現在まで確認されていない。オーストリア占領下の米進駐軍放送局だったRot-weis-Rotの録音については、契約によってほとんどがすでに消去済みという説と70年代後半に大量に発見されたという説があるが未確認。レコード会社との契約上の問題で陽の目を見ないのか本当にないのか−WFファンでなくとも知りたいところだ。50年9月VPO定演の録音

18/19 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
Beethonen:Sym.No.7
●1月18、19日 ベートーヴェン/交響曲第7 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音 Matrix:2VH7180-1A/81-1A/82-1A/83-1A/84-1A/85-1A/86-1A/87-1A/88-1A/89-1B
SP/PR: DB21106-10(51/09)
LP: RCA LHMV1008(52/08) ToshibaXLP5005('64)
CD: SinseidoSGR8002(94/03)ToshibaTOCE7530-4(91/12)TOCE3724(00/06)EMI(Italy)5.74173.2('00)EMIJapanTOGE11003(11/01)

>>>SGR 8002 is copy of Japanese collecter's SP.
50年初EMIへの一連の録音は、SP片面分ごとにテープで収録し製盤したと思われる。曲によって現在もオリジナルテープが残っているものとLP製作時一本のテープにマスタリングしたもの、さらにオリジナルテープが消去されSP原盤から板おこししたテープしか残ってないものがある−とshin-pは思っていた。しかし、2011年SACDが発売された際の→
[EMIアビイロード・スタジオ エンジニア インタビュー(フルヴェングラーSACD)]では、「EMIがテープ録音を始めたのが1949年9月で、このベト7のテープ録音(30インチ/秒)は実験的なもので、ディスクカッティング方式と並行して行われ、ひとつのテイクは4〜5分であった」ことがコメントされている。さらに「2つの方式で録音されたものを比較の上、未使用のテープを使用した」と言及しており、いままでのLP用マスターが金属原盤からのものである可能性も浮上した。
ベト7は、LP時代1月25、30、31日録音となっていたが、原盤番号から上記日付が正解のようだ。はじめからテープをマスターとして再録されたものに比べると音質的にかなり落ちる。'94年春、日本のコレクターが所有するSP盤から直接ダビングしたCDが新星堂(SGR8002=制作は東芝=余白には1月31日収録のジークフリートの葬送行進曲)から発売された。これにはLP初出RCA盤以降、テープに編集された際、第4楽章に混入したと思われる女性の声は入っていない。SP以外の確認されている全てのLP/CDで「女性の声」は収録されている。2000年の東芝新巨匠全集の特典盤にもSP復刻の終楽章が収録されている。(BCD-0052=00/06/21非売品)ただし、テープに編集され現在市販されているものは針音がまったく気にならないが、このSP復刻盤は音そのものはクリアなものの、針音に埋もれてしまうところもある。またブライトクランク化されたものは音像がぼやけてしまっている。EMI盤はCDも同様のもやついた音質(特に3楽章)で、1/31のワーグナーのようにTESTAMENTに何とかしてもらいたかったのだが−2011年、新しいテープマスターからSACDがEMIから発売された。
これらのEMIの録音は、まず金属盤作成用マスターをテープで収録した後、テープから金属盤を作成しSP盤を作った。さらにLPやCDは金属盤をスタジオで空間的に再生させて、その音をマイクで拾ってテープに録音し、マスターにしたとimamura氏は述べている。確かに、LP以降のディスクに「女性の声」が混入していることは、それだとつじつまが合う。この第7の「ゴボゴボ音」は初期のテープから来るノイズだという。shin-pは針音のないところから、すべてSP片面ごとにテープで収録し、LP用に1本のテープに編集した「女性の声」入りのテープが現在のCD用マスターとして使われていると思う。平林氏推薦の東芝TOCE7530-4(91/12)はSP片面用に収録したテープの継ぎ目と音質差がくっきりわかるほど明瞭。「古ぼけた録音」というイメージを一新した伊EMI5.74173.2('00)は、原テープのマイナス部分をイコライジングでカバーし発売当時(2000年)は最も音質がよいと思われていたCD。EMIJapanからSACD盤TOGE11003(11/01)が、これまでのテープとは別のテープを使ったとアナウンスされて発売されたが、3楽章の音像乱れの改善や若干の音質向上はあるものの「女性の声」はかすかに収録されており、以前のテープと同じ過程でバックアップとして作られたテープである可能性が高い。それでも現時点(2013年)でのファーストチョイスは、新しいマスターから製版されたこの高価なSACD盤となる。
[ベートーヴェン 交響曲第7番 on Blue Sky Label]

19-21 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
Schubert:Sym.No.8
●1月19-21日 シューベルト/未完成 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音 Matrix:2VH7190-1A/91-1A/92-1A/93-1A/94-1A/95-1A
SP/PR: DB21131-3(50/11)
CD: EMICDH7 63913 2(90?)CHS566770-2(98/03)

▽50年初頭のEMI録音はテープで収録されたといわれているが、この曲のモノラル盤に関しては針音が聞かれ、音質も暗めで、一連の50年録音の中では最も音質が悪かった。50年初頭の録音のマスター作りについての「SP原盤を空間的に再生した音を拾ってマスターにした」という説に合致するのは、この「未完成」と「名歌手」だったようだ。オリジナルテープは残っていないと推測されたが、ART盤CHS5 66770 2は今までのSPおこしの録音ではなくオリジナルテープからの復刻と思われるが、2楽章に若干周期ノイズが聞こえるため即断できない状況。1楽章冒頭から3分間にベト7のような女性の声が聞こえ、ゴーストが多いのが気になる。この現象はオベロンでも確認でき、いくつかの50-51年録音で針音入りとなしの2ヴァージョンが確認できるミステリーとなっている。またこのCDの初版は2楽章が約3分欠落している。2000年に再販されたCDは正常でブックレットでも以前は19:44と印刷されていたものが23:56となっている。長野S氏によればブライトクランク盤もこのテープを使ったらしく針音は聞こえない。それでも演奏では
54年パリ盤を推す。
[(MP3)未完成 1950 on Blue Sky Label]

21/23/24 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
R.Strauss:Death and Transfiguration
●1月21、3、4日 R・シュトラウス/死と変容 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音 Matrix:2VH7196-1A/97-1A/98-1A/99-1A/200-1A/201-1A
SP/PR: DB21169-71(51/04)
LP:
CD: CDH5651972('94)

24 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
J.Strauss:Emperor Walz
●1月24日 J・シュトラウス/皇帝円舞曲 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音 Matrix:2VH7202-1A/03-1C
SP/PR: DB21174(51/02)
LP:
CD: CHS566770-2(98/03)

▽テープからのLP/CD化と思われる明瞭な音質。桧山氏は[参考資料@]で1952年の同曲の断片が発見されたとしているが、97/11テルデック(輸入VHS)から映像で初発売された。
[(MP3)J・シュトラウス 2世 皇帝円舞曲 DB21174]
(↑音源は[レオ・スレザークの素敵な世界(盤 奇録氏HP)]の提供です。
25/30 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
Beethonen:Sym.No.4
●1月25、30日 ベートーヴェン/交響曲第4 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音
Matrix:2VH7207-1A/08-1A/09-1A/04-1A/05-1A/06-1A/10-1A/11-1A/12-1A/13-1A
SP/PR: DB21099-103('50?)
LP: ToshibaEAC47009-14('75)WF70045('76)
CD: ToshibaTOCE6180('91)

▽日本ではSPは出なかった。75年東芝から「世紀の9大指揮者によるベートーヴェン交響曲全集(EAC47009-14)」で日本初出LPが出た。SP片面ごとに収録したオリジナルテープをLP用に編集したと思われるテープが使われていると思われたが、若干周期ノイズと思われる部分もあり、即断できない。全集盤からの分売WF70045はつなぎ目の粗さはあるが、比較的聞きよい音質だが、同じような条件の7番よりも東芝TOCE37xx同士の比較では音質が悪い。
31 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
Wagner:Got - Funeral March
●1月31日 ワーグナー/神々〜葬送行進曲 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音
Matrix:2VH7133-4A/34-4A
SP/PR: DB6946(52/01)
CD: SinseidoSGR8002(94/03)TESTAMENT SBT1141(98/02)ToshibaTOCE3753('00)

>>>TESTAMENT CD is good sound.
▽TESTAMENTの復刻盤は巨匠の50年初、一連のEMI録音のイメージを変えるものだった。澄み渡る弦の音、力強い管の響き−リマスタリングでEMIと同じスタジオを使いながら音質はかなり異なる。おそらくこの曲に関しては、全曲一気に録音されたオリジナルテープは残っていて、TESTAMENTはそれを使ったようだ。EMIはSP面替わり部分にノイズがあり、SP片面ごとに編集したテープをさらにLP用に編集したコピーテープを使っていると思われる。マトリクス番号が近接日と連続しないのは49年録音と同じ番号のテイク違いとしているため。
最近(2003年)のshin-pの調査ではTESTAMENTと東芝TOCE3753とはノイズなどが異なり、別演奏。東芝盤でSP面替わりと思われる部分で比較的大きな会場ノイズがテスタメントでは確認できる。また冒頭部分もTESTAMENTは大きめのノイズが収録されている。WF氏によれば初出DB6946をはじめLHMV-1049、2C051-03855はTOCE3753と同じ演奏とされる。SP復刻系では終演直前にカットがあるが、テープと思われる別演奏のTESTAMENTはカット無し。ピッチカートポルカのチン入りを思い浮かべるミステリーだ。EP盤の調査が待たれる。2011年SACDが発売された際の→[EMIアビイロード・スタジオ エンジニア インタビュー(フルヴェングラーSACD)]によれば「テープ録音とディスクカッティング録音が並行して行われた」としており、同じ50年録音のテイク違いの可能性が高いが、東芝盤は50年EMI録音に共通する「ゴボゴボ」音が聞き取れず、東芝盤(EMI系)が49年盤復刻でTESTAMENTが50年録音ということもあり得る。
[Wilhelm Furtwangler Wagner Götterdämmerung - Siegfried's Funeral March by YouTubeSearch]
1 Feb. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
Wagner:Meistersinger Pre.Act3
Weber:Oberon Ove.
●2月1日 ワーグナー/名歌手3幕前奏曲 ウェーバー/オベロン序曲 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音
Matrix:0VH475-1A/476-1B(Wagner)2VH7216-1A/17-1A(Weber)
LP/PR(Wagner):Electrola1C147-01197(71/10)
CD: ToshibaTOCE6180('91)
SP/PR(Weber): DB211041(51/11)
LP/PR: RCA(US)LHMV1020(52/08)EMI(GB)ALP1536('55?)
CD: ToshibaTOCE6069(90/01)TOCE59013(01/12)

>>>Wagner SP(matrix:OVH475-1A/476-1B) is not issued. And LP(XLP30108) ,too.
▽ワーグナーのSP盤は未発売、その後XLP30108(LP)が50年代後半に作られたが、これも未発売。ワーグナーのCD化されたものは針音が聞こえ、オリジナルテープはすでに存在しないと思われる。他の曲と原盤番号が異なるのは25cmSP盤が原盤のため。
オベロンではディレクターらしき声+チャンチャンという音楽が前半部分で聞こえ、さらに後半では別の古典ではない音楽も聞こえる。この当時のテープは貴重品で何度も使いまわしされ、質も悪かったので消去も上手くいかないことがあったと想像される。この曲のLP/CDはSP用のテープをLP用に編集した音と思われる。CHS566770-2(98/03)は他の多くの49,50年録音を次元の違う良好音質に変えて発売されたが、このオベロンに関しては従前と大差ない音質。CHS盤5'59"付近の「エンピツが床に落ちたような音(WF氏)」はSP盤にはないという。TOCE59013(01/12)は54年3月5日録音と誤記。アントン氏によればEMI(GB)ALP1536が「次元の違う音質」という。

2 Feb. 1950 VPO Brahmssaal (EMI studio Version=SP)
Tchaikowsky:Serenade for Strings Walz & Finale
Schubert:Rosamunde BalletNo2 & Ent.No.3
●2月2日 チャイコフスキー/弦楽セレナーデ〜ワルツ&終曲 シューベルト/ロザムンデ〜バレー音楽2番&間奏曲3番 VPO ブラームスザール EMIスタジオ録音
Matrix:2VH7216-1A/17-1A(Walz)/18-1C/19-1A(Final)/20-1A(Ballet)/21-1C(EntNo3)
EP/PR(Tchick): 7R134(52/10) SP/PR(Tchick): DB21173(52/11=Walz)DB21172(52/12=Final)
LP
CD: ToshibaTOCE8444(94/08)
SP/PR(Rosamunde): DB21172(52/12)
LP:
CD: ToshibaTOCE8439(94/08)

>>>Legg Discography said at Musikvereinsaal.
▽これらは全てSP/EP片面に収録できる曲で、オリジナルテープが残されていると思われる音質だ。桧山氏の[参考資料@]ではレッグ・ディスコグラフィーを引用し、この2月2日のセッションがムジークフェラインで行われたとしている。shin-pはこれらの録音の状態から前日以前のセッションよりは小さなホールでの収録であると感じる。魔笛2曲の30年以上にわたるお蔵入り、ピッチカートポルカの2ヴァージョン、セッションの場所、さらにはベト7&オベロンの「声」混入などに関連したオリジナルテープの存在など50年セッションはミステリーでいっぱいだ。
[Furtwangler Tchaikovsky Serenade by YouTubeSearch]

2 Feb. 1950 VPO Brahmssaal (EMI studio Version)
J.Strauss:Pizzicato Polka with glockenspiel
●2月2日 J・シュトラウス/ピッチカートポルカ VPO ブラームスザール EMIスタジオ録音 グロッケン入り/WFらしくないという意見もあるが?
matrix: unknown(2VH7214?)
EP/PR: 7ER5001(54/04)EMI(Italy)7ERQ110(54/08)Pathe7ERF131(55/04)Electrola E50033('55=with)ToshibaHN1004(56/01)
LP: Electrola1C14903584-6M('80?) CD: ToshibaTOCE6068(90/01=with&out)EMI CHS5667702('98=with)
>>>2 version exist. with glockenspiel and not.
2-3 Feb. 1950 VPO Brahmssaal (EMI studio Version=SP)
J.Strauss:Pizzicato Polka without glockenspiel
●2月2-3日 J・シュトラウス/ピッチカートポルカ VPO ブラームスザール EMIスタジオ録音 グロッケン無し
matrix:2VH7222-1A
EP/PR: 7R134(52/10)Pathe7RF148(53/4)EMI(Italy)7RQ3032(54/4)Electrola7RW101('54)
SP: HMV DB21173(52/11)
LP: HMV(GB)XLP30106(69/09)ToshibaXLP5023-5(62/04)
CD: ToshibaTOCE6068(90/01=with&out)TOCE3797-8(00/12)
ピッチカートポルカには2つのテイクの存在があり、現在日本で一般に流通しているのは非WF?という意見もあるが、shin-pは日本で発売された入りと無しは明らかに別録音で両方とも真正WFと考えている。清水氏によれば東芝EMIは初出からWFシリーズまでグロッケンなしテイクを使っているという。同じ演奏にグロッケンをアフレコし、グロッケンなし録音の中に別録音であると思われるもの(HMV XLP30106)と酷似したもの(ToshibaXLP5023-5)とがあるという意見もある。
2000年の東芝新巨匠シリーズの特典盤(Mozart Serenade No.10& Furtwangler Mystery)ではグロッケン入り(HN1004で使用したテープ)と無し(XLP5023-5で使用したテープ)の両方を収録している(BCD-0052=00/06/21非売品)。またCD初出TOCE6068はこのグロッケン「入り」と「無し」が同番号で混在しているという。「無し」のほうはオリジナルテープが存在するらしく明瞭な録音。「入り」の方の日本盤LP/CDは、EP盤からの板おこしと思われる針音が聞こえ、一連の50年録音としては音質がかなり劣っていたが、ART盤CHS5 66770 2はオリジナルテープを使用したと見られ音質は「無し」版と同等となった。ピッチカートのハリの違いから同じ録音のアフレコではなく別録音と思われる。ただshin-pにはどちらもVPOが自発的に演奏していると聞こえるのだが。
2/2収録の演奏でグロッケン入りと無し、2/2-3収録のグロッケン無し演奏があり、現在3種のSP/EP/LP/CDが混在しているという意見もある。(shin-pはDB21173やXLP30106を未聴)レッグがプロデュースし当時発売されなかった48年10月録音のカラヤン〜VPOの同曲盤(EMI(GB)CDM5663962-1 Matrix:CHA958=英コロンビア原盤のため記号が違う)も調査比較の対象となったが、別録音と確認。
[Pizzicato Polka Furtwangler by YouTubeSearch]
3 Feb. 1950 VPO Brahmssaal (EMI studio Version=SP)
Mozart:Magic Flute - O zittre nicht - der Holle Rache(Lipp)
●2月3日 モーツアルト/魔笛〜2曲 リップ(S) VPO ブラームスザール EMIスタジオ録音
matrix:2VH7223/24
LP/PR: EMI(GB)RLS764(82/02)AT13-14(90?)
CD: EMICHS566770-2(98/03) TOCE3705('00)

>>>Mozart SP(matrix:2VH7223/4) is not issued. EMI LP "Stars of The Vienna Opera" is World Premiere publication.
▽リップによる魔笛の「私の運命は苦しみに満ちて」「復讐の心は地獄のように」の2曲はSPでは未発売。82年英EMI「Stars of The Vienna Opera」が初出盤となった。CDは98/03に初出。50年EMI録音に特徴的なゴボゴボ音と他音源の混入があるが、比較的明瞭な音質。2000年にCDで出た「永遠のフルトヴェングラー大全集」は主要通販サイトの試聴機でだいたいの音質が確認できる。
桧山氏は、これらの未発売録音及び別テイクについて、魔笛全曲録音に絡んだレッグ、カラヤン、フルトヴェングラーの三者の葛藤が関係しているのでは−としている。

4 March 1950 Scala Orc. Milan (RAI Roma)
Wagner:Rheingold
9 March 1950 Scala Orc. Milan (RAI Roma)
Wagner:Walkure

22 March 1950 Scala Orc. Milan (RAI Roma)
Wagner:Siegfried
4 April 1950 Scala Orc. Milan (RAI Roma)
Wagner:Got
●3月4日 ワーグナー/ラインの黄金 ミラノスカラ座o ミラノスカラ座 RAIローマ&トリノ所蔵
LP/PR(Rhein): UORC128('70?)
CD: CetraCDC26('90?)Arkadia364.4('92)M&A CD914(96/10)GebhardtJGCD0018-12('00=1st ver./'04=2nd ver.)

●3月9日 ワーグナー/ワルキューレ ミラノスカラ座o ミラノスカラ座 RAIローマ&トリノ所蔵
LP/PR(Wal): EJS534('70?)
CD: CetraCDC15('90?)Arkadia364.4('92)M&A CD914(96/10)GebhardtJGCD0018-12('00=1st ver./'04=2nd ver.)

●3月22日 ワーグナー/ジークフリート ミラノスカラ座o ミラノスカラ座 RAIローマ&トリノ所蔵
LP/PR(Seig): EJS390('70?)
CD: CetraCDC27('90?)Arkadia364.4('92)M&A CD914(96/10)GebhardtJGCD0018-12('00=1st ver./'04=2nd ver.)

●4月4(2)日 ワーグナー/神々のたそがれ ミラノスカラ座o ミラノスカラ座 RAIローマ&トリノ所蔵
LP/PR(Got): EJS538('70?)
CD: CertaCDC28('90?)Arkadia364.4('92)M&A CD914(96/10)GebhardtJGCD0018-12('00=1st ver./'04=2nd ver.)

LP(all): Columbia(JP)OB7101-16(76/07)
CD(all): CetraCFE101(83/06)M&A CD914(96/10)GebhardtJGCD0018-12('00)
>>>Walter Society Japan LPs(OB7101-16=76/07) are dull sound. They are airchecked from BBC Radio. Cetra CDs are best sound quality from RAI original tapes.
>>>>Arkadia CDs are different from others.(According to Mr.Q'ma)
[Q'ma氏HP神々の黄昏](スカラ盤発売に関する詳細レポート)
▼このスカラ座での「指環」は、初出のEJS盤、日本初出のワルター協会盤(OB7101-16=76/07)が劣悪な音で登場し、当時はアセテート盤からの復刻とされていたが、現在は、同年12/26から翌年1/2にかけて放送されたBBCからのエアチェック音源と認知されている。その後RAIトリノのオリジナルテープを使ったCetra輸入盤(CFE101=83/06)がキングから国内発売の際「ステレオ」録音というふれこみだったが、結局モノで発売された。トリノのテープはTelefunken製2chレコーダーとBASFテープにより76cm/2chで録音されているという。Cetra盤以降のLP/CDは詳細に聞けば、テープで収録した部分と欠落している部分を補ったディスク(バデローニ)録音部分が混在し、これがステレオにできなかった理由と思われる。池袋タワレコではM&A CD914(96/10)について「今までで一番音がいい」といっていた。
神々の黄昏のみはArkadia盤が4/2の録音であるといわれ、Q氏が別録音と確認。TAHRA本ではジークフリートもラストシーンのみArkadia盤は3/26収録の別録音としている。これらのディスクに別録音が含まれるという意見には異議を唱える向きもあるが、さまざまな資料から、RAIが全てのリングの公演をテープとパデローニを駆使して録音したことは確実だ。
チェトラ盤の録音状態については[AIXフォーラムLog]参照のこと。2000年に出たGebhardt盤は放送局マスターを24bitマスタリングしたCDといい、最も廉価で最良の音質という意見もあるが、M&A、Cetra(Arkadia)なども放送局マスターを使用していると見られ「マスタリング差による好みの問題」と思われる。Gebhardtは'04秋に最新リマスター盤を発売したが、販売代理店からサンプルとして配布されたジークフリートの一部を聞く限り、イコライジングで靄を取った感があり、好き嫌いの分かれるヒリついた音質。それでも最も安価に購入できる高音質盤であることに変わりはない。
[「Liber Liber」 Audioteca Beethoven (伊のオープンアクセスライブラリ、BeethovenのAudioPAGE)]
(↑Gnutemberg/Wikimediaとコラボプロジェクトを展開 ワルキューレ有)
[ワルキューレの騎行 ミラノ・スカラ座 1950年 on ニコニコ動画SEARCH]
(↑ログインが必要です)

14 April 1950 Teatro Colon Orc. Buenos Aires (private archive)
Haydn:London
●4月14日 ハイドン/ロンドン テアトロコロンo ブエノスアイレス・テアトロコロン
LP/PR: AT03('89?)
CD: DR920032('92)

▽DR盤1楽章冒頭部は他の演奏(おそらく44年録音とされているもの)で修復されている。AT盤は冒頭部は欠落したまま−とHS氏。
23 April 1950 Teatro Colon Orc. Buenos Aires (private archive)
Hendel:Concerto grosso Op.6No.10
●4月23日 ヘンデル/合奏協奏曲op6-10 テアトロコロンo ブエノスアイレス・テアトロコロン
LP/PR: AT03('80?)
CD: DR920032('92)
[テアトロ・コロン]
29 April 1950 Teatro Colon Orc. Buenos Aires (private archive)
Bach:Matthaus Passion
●4月29日(5月2、6、7日) バッハ/マタイ受難曲(第1,8-46曲) テアトロコロンo ブエノスアイレス・テアトロコロン
LP/PR: AT15-16('90?)
CD: WFCJ WFHC005-6(04/12)

▼独唱はドイツ語、合唱はスペイン語歌われているという。AT盤LPが唯一のものだったが、没後50年に日本センター(WFCJ)から正規盤が頒布された。
5 May 1950 Teatro Colon Orc. Buenos Aires (private archive)
J.M.Castro:Ove. Schubert:Rosamunde Exp.
●5月5日 JMカストロ/序曲 シューベルト/ロザムンデ(抜粋) テアトロコロンo ブエノスアイレス・テアトロコロン
LP/PR(JM): AT09-10('88?)
CD: DR920032('92)
LP/PR(Shu): AT03('88)
CD: DR920032('92)

>>AT's LP & DR's CD is dull sound, but there are rare.
▼ブエノスアイレスでの録音は紙ベースのテープからの復刻。日本製私家盤AT/DR盤の音質は極端に悪く通常の鑑賞には値せず、ただ持っているだけというのが本音。WFCJはセンター盤WFHC005-6(04/12)のマタイについて「まったく別カテゴリーの音質で、もちろん当時のスタジオ録音の水準ではありませんが、モノーラルとして普通に聴け」るという。たしかに丁寧に補修し、若干聴きやすくなっているもののATで聴いたマタイの印象を大きく変えるものには至っていない。戦中のもので偽物といわれているロンドン、JMカストロの序曲はこれでしか本物を聴くことができずレア度は高い。

22 May 1950 PO London Royal Arbert Hall(Recorded on Accetate Discs)
R.Strauss:4 last songs(Dress reh. of World Premiere)
Wagner:Tristan und Isolde Prelude & Mild und leise wie er lachelt
Götterdämmerung: Siegfried's Rhine Journey
& Starke Scheite schichtet mir dort
●5月22日 R・シュトラウス/4つの最後の歌 ワーグナー/トリスタン愛の死 神々〜ラインの旅&ブリュンヒルデの自己犠牲 フィルハーモニアO フラグスタート(S) ロンドンロイヤルアルバートホール BBC収録 ロンドンバービカンホール所蔵(ワーグナーのみ)
LP/PR(Strauss): GAO EJS432('70?)
CD: Crown(JP)PAL1075('89)
CD/PR(Wagner):TESTAMENT SBT1410(07/05)

>>These issues are copy of accetate discs. They are dull sound. The BBC broadcasted tape of the actual World premeire performance was lost.
▼Rシュトラウスは世界初演の際の最終リハーサル時の録音で、アセテート盤で収録されたという。本番はBBCが放送しテープで収録したが現在その存在は不明という。アセテート盤から復刻した市販盤は音質が悪くノイズも多いので常時の鑑賞には向かない。なおオケをロンドンフィルとしているディスクも存在するが誤り。
ワーグナー3曲はバービカンホールのアーカイヴに所蔵されているが、同じく本番のオリジナルテープは消去済みで、状態の悪いディスク盤しか存在しないという。Music Preservedによれば、11面のアセテート盤にこの3曲が収録されているが「非常によい音で収録されていると思われるものの盤面が大きな損傷を受けており、修復したが2,3個所は再生不能」という。
[Music Preserved](研究者のための公的な団体。英通産省認可の下、ソニーUKなどの寄附で運営。施設は1989年に開設のバービカン音楽図書館。=画面左のcatalogue searchをクリックしconductorでFurtwanglerを選んでサーチすると検索されます。)このワーグナーについて2007年にTESTAMENT SBT1410として発売。音質はTESTAMENTの技術によって針音 が抑えられ、鑑賞に値するものに修復されている。なおTESTAMENTは、同時に演奏された「ジークフリート牧歌」「名歌手前奏曲」の録音はmissing(紛失)としており、この日のStrauss録音は最終リハーサルではなく「本番」としている。 [48年Immolation]
[Strauss Furtwangler four Last Songs by YouTubeSearch]

◎6月4日パリオペラ座での英雄(BPO)の録音をあげているディスコグラフィーも存在するが放送されたものの録音の現存は不明。この日は他にベト1、レオノーレ2番、トリスタン1幕前奏曲が演奏された。

11 June 1950 BPO Bremen
Beethoven:Leonore No.2(reh.)
speech
●6月11日 ベートーヴェン/レオノーレ2番リハーサル&全曲通し演奏 BPO ブレーメン private archive
LP/PR: SWF8602('86)AT07-08('84?)
CD: DR920031('92)SWF921-2('92)

>>This is dull sound.
▼唯一のオーソライズ盤仏フ協会SWF921-2には当日の巨匠の「曲目を選ぶ際の哲学について」のスピーチも収録されている。DR盤協会盤ともプライヴェートなテープからのレコード化で音質は良くない。なお、AT07-08のみは全曲の通し演奏も含んだ完全盤。

18 June 1950 BPO Titania(private archive)
Schubert:Sym.No.9
●6月18日 シューベルト/ザ・グレート BPO ティタニア private archive
LP/PR: AT05-06('85?)
CD: DR920023('92)

>It is a doubtful recording. AT(LP) and DR(CD) are miss date. A true date is 15 Sept. 1953.
▼オルセン本によるとテープは仏フ協会に所蔵されているというが、現在のところAT/DRの日本製私家盤しか市販盤はない。同じくオルセンが編纂した演奏会放送記録にこの日の演奏の記載はない。但し演奏は53年VPOのヒステリックさや同年BPOのダルく不調なものに比べると端正ながら迫力満点で、素晴らしいと思われたが・・・下記の調査からこの日の演奏は残されていない公算が大きくなった。
2005年11月、仙台S氏の調査によれば53年9月15日録音とされるEMBLEM盤とDR盤は同じ演奏という。shin-pはDR2楽章全休止後のピチカートがテープ交換のために欠落し、他の演奏で補っていると感じる。DRはドロップアウトも頻発しており、さらにヒスノイズが多く声楽曲の混信ノイズもある、かなり状態の悪いエアチェックテープからの復刻と思われる。

20 June 1950 BPO Titania(RIAS)
Hendel:Concerto grosso Op.6-10
Brahms:Haydn variation
Hindemith:Concert for Orc.
Beethoven:Sym.No.3
●6月20日 ヘンデル/合奏協奏曲Op.6-10 ブラームス/ハイドン変奏曲 ヒンデミット/オーケストラのための協奏曲 ベートーヴェン/英雄 BPO ティタニア RIAS録音
LP/PR(Hendel): DG2535806('76?)
CD: POCG2352('91)
LP/PR(Brahms): DG2535164('76?)
CD: POCG3794(97/08)
LP/PR(Hindemith): CetraFE22('80?)
CD: WFSG MMS9010('94?)
LP/PR(Eroica): RVC RCL3334('84)GreenHill GHLP-FUR07-08HQ('95?)
CD: RVC R32C1091('88)WFSG MMS9010/TMK6949('94?)M&ACD711('94)EMBLEM E-F4001('95)TahraFURT1030(98/05)M&ACD1117(03/02)

>>>TAHRA said RVC RCL3334('84=LP) is the same as TahraFURT1008-11('94=CD). But I think RVC'sCD is the same as MMS9010(EmblemF4001). Almost all of Japanese LPs & CDs have the right date.
▼英雄の日付については、没後25年の記念としてラジオフランスが放送した50年英雄が、当時
52年12月8日録音として発売されていたLPと同じだという意見が提示され混乱していた。1994年独協会盤発売以降、現在では明らかな日付ミスを除いて日付は確定している。充氏によれば「348小節目のフェルマータのティンパニをトレモロに変えるのを常としていますが、1950年6月20日の演奏のみ楽譜通りで改変していません。」という。
EMBLEMから出たものはジャケットには12月8日とあるが、この50年6月20日のもの。ArkadiaCDWFE363は、ジャケットには52年12月3日とあるがTAHRA盤と同じもので、12月8日録音。この3つの英雄の中で日本初出のコロムビアのロココ、再発のワルター協会盤はやはり12月7日で正解。なお独協会盤LPの12月7日という記載を本当は8日だとしているものもあるが、明らかにロココ盤やDR盤などと同じ演奏。演奏でいえばやはり私はこの6月20日盤が好き。
RCL3334はこの演奏の最もオリジナルに近い録音に感じられ、没後30年企画として発売された当初その音質の良さから52年12月8日盤ではないかといわれたことがあった。低域に中心をおく音質だが、明瞭度も高い。RVCが発売したLPシリーズでは、この他53年VPOグレイト51年NWDRブラ1が高音質という評価が多い。独協会盤は若干ノイズ処理が多く明瞭度に欠けるが聞き良い音質。M&ACD1117はノイズが気にならない音質だが生々しさに大きく欠ける。

22 June 1950 Berlin Hochschule fur musik
Speech
◎6月22日 フルトヴェングラー音楽を語る(ベルリン音楽大学での講演より=DG KL32='64、POCG9476-9508='94)

13 July 1950 Concertgebow Orc. Amsterdam(VARA)
Beethoven:Sym.No.1
Beethoven:Leonore No.3
Brahms:Sym.No.1
●7月13日 ベートーヴェン/交響曲第1&レオノーレ序曲3番 ブラームス/交響曲第1 アムステルダム・コンセルトヘボウO アムステルダム・コンセルトヘボウ VARA収録
LP/PR(Bee.Sym): Olympic8120-7('74)Philips(JP)SETC7501-7(74/12)WFSJ JP1199-200('75?)
CD: TAHRA FURT1012-3('95)
LP/PR(Ove): WFSJ JP1199-200('75?)AT09-10('89?)CetraFE48('82?)K17C9532('86)
CD: WFSA2001('85?)DR920032('92)King(JP)KICC2292('93?)TAHRA FURT1012-3('95)

LP/PR(Brahms): WFSJ JP1199-200('75?)
CD: M&ACD289('88)DR920032('92)King(JP)KICC2349('93)TAHRA FURT1012-3('95)
▼1947年から開催されているオランダ音楽祭に巨匠が招かれた際の録音。ベト1は米オリンピック(日本フォノグラム)から出た世界初の全集(このうち2番が父クライバーのものとわかり世界初ではなくなった)が初出だった。戦後唯一のコンセルトヘボウとの演奏会録音。全曲は永らく日フ協盤が唯一だったが、95年TAHRAからこの日の全曲を入れた市販正規盤が出た。曲によって録音状態は多少異なるが、テープ収録の後ディスクに復刻されており全体的に聞きづらい音質。なお、このアムステルダム公演の際、放送録音でベト8が収録されたという情報がかつてあり、53年偽ベト8がその際の録音ではないかという見方もあったが、現在では完全否定されている。
[Mr.Hirasawa Kleiber HP]

27 July 1950 VPO Salzburg Fes.( Rot Weiss Rot = RIAS&ORF)
Mozart:Don Giovanni
●7月27日 モーツアルト/ドン・ジョヴァンニ全曲 VPO ザルツブルク音楽祭 Rot-Weiβ-Rot収録 RIAS所蔵
LP/PR: GAO EJS419('70?)DiscocropRR407('75?)MelodramMEL713(?)Olympic9109('74?)TurnaboutTHS65154-6(?)
CD: JVC R30C1014(86/08)EMI CDC566517-2(97/07)ToshibaTOCE9516-8(97/11)TOCE3710(00/06)

▼EMIから正規3枚組CDが97/07に発売された。最近のディスコグラフィーではトレマン、HUNTともに初日の7/27の演奏としている。しかし、初出のEJS419A-FのみはRIAS放送のテープではなく別の録音とトレマン氏は指摘している。またオルセンは50年のドンジョヴァンニは2つの異なる日の録音があるとし、番号を2つ付与している。
[Wilhelm Furtwangler conducts Don Giovanni Ouverture 1950 by YouTubeSearch]

5 Aug 1950 VPO Salzburg Fes.( Rot Weiss Rot = RIAS&ORF & SwedishRadio)
Beethoven:Fidelio
●8月5日 ベートーヴェン/フィデリオ全曲 VPO ザルツブルク音楽祭 Rot-Weiβ-Rot収録 RIAS所蔵
LP/PR: BJR112('70)MRF50('73?)MOR5001('70?)DiscocropIGI328('75?)Columbia(JP)OP7530-2(80/01)CetraFE44('81)
CD: EMI CHS7649012('93)ToshibaTOCE8296-7('93)HUNT/ArkadiaWFE354('91)OpuskuraOPK7004(04/10)

▼東芝CD解説では、オリジナルテープは占領軍が運営していたRot-Weiβ-Rotが収録したが音楽祭側との契約により消去済みとしている。この正規盤は電信ケーブルを通じてザルツブルクから直接RIAS放送に送られたライヴを収録したテープと、同様に収録したORFザルツブルクのテープの2つからマスターを作ったとされる。
ザルツブルク音楽祭はRot-Weiβ-Rotが独占的に収録権を所有していたとみられ、その存在がなくなった今、一部を除きプライヴェートなエアチェックテープや中継回線を通じて録音したコピーテープしか存在せず、録音が貧弱なものが多いのは悔やまれる。このフィデリオについてはトレマン本ではRIASのテープは1幕に欠落があるとし、スウェーデン放送にもコピーテープがあるとしている。
EMI盤の音質は53年スタジオ盤に大きく劣るが、演奏はものすごい熱気。EMIの正規盤が出るまでは8/22録音とされていた。この22日にも同じメンバーで演奏会があったが、現在では放送日とされている。
BJR盤は70年代半ば、良好音質の初出私家盤といわれたが、BWS盤やCetra盤との差は感じられない。EMI盤がノイズリダクション多用で生気のない音になっているのは事実だが、オリジナリティの違いではないと思われる。オーパス蔵盤は初出BJRを板おこししたCD。
[Furtwangler Fidelio 1950 by YouTubeSearch]

15 Aug.1950 VPO Salzburg Fes.(private archive)
Strawinsky:Sym. in 3 Mov.
Brahms:Sym.No.4
●8月15日 ストラヴィンスキー/3楽章の交響曲 ブラームス/交響曲第4 VPO ザルツブルク音楽祭 米レミントンレコード・ドイツ・スタッフ収録(Str) PrivateArchive(Bra)
LP/PR(Str): CetraFE14(80?)
CD: VaraseCD47259('86)JVC VDC1179(87/05)WFSG TMK102196('00)
CD/PR(Bra): M&A CD258('87)Orfeo C525-991(99/08)

>>>VaraseCD47259 is the best sound CD.
▼放送回線を通じて他局が収録した音源のコピーと思われる初出Cetra以降、状態の思わしくないものしか存在しなかった。しかし、1986年米バレーズサラバンド盤やそれを原盤とした日本ビクター盤の登場により優秀な音質で巨匠のストラヴィンスキーが満喫できるようになった。米レミントンレコードのドイツ在住スタッフによる30inch/秒テープでの収録と表記されている。ザルツブルク音楽祭の収録は西側占領軍が管轄していたRot-Weiβ-Rotの独占放送とされていることから、収録スタッフとして米レミントンレコードの技術者が参画していたとも考えられるが、shin-pは音源のバランスの違いからレコード収録用に別録りしていたと感じている。この年8月24日ワルターのマーラー4番もこの収録チームが収録し、同じく日本ビクターから出ている(VDC1158)。独協会でも01年このストラヴィンスキーを正規頒布。アメリカで保存されているという戦後Rot-weiss-Rot放送録音や戦前RRG録音の現在の所在が明らかになる日は来るのか?
Strawinsky初出Cetra盤とこの日のもう1曲ブラ4の全CDの録音は放送回線を通じて他局が収録した音源のコピーを個人が所有するものしか存在しないようだ。Orfeoが99年ブラ4を正規初出。オリジナルを1度コピーしたテープを原盤にしたというが、音質はビクター盤Strawinskyの水準を大きく下回る。さらに1楽章第2主題が出る前の40秒ほど音像に乱れがある部分がM&Aと一致していることから元は同じと思われる。確かにM&Aと比べれば聴きやすいが。
[Furtwangler Stravinsky Symphony by YouTubeSearch]

16 Aug.1950 VPO Salzburg Fes.(private archive)
Mozart:Magic Flote(excerpt)
>>>This performance were recorded only from Act.2(excerpt)
●8月16日 モーツアルト/魔笛(第2幕抜粋) VPO ザルツブルク音楽祭 private archive
CD/PR: DeltaDCCA0030(06/12)WFHC012(07/02)

▼多くの資料で私的所有録音の存在が記載されるのみだが、初出盤を出したデルタエンタテインメントによれば、第2幕のほぼ全曲が複数のテープに収録されていたという。オルセン2版には、ベルリンにある私的アーカイブに1幕全曲(?)と2幕の第9-20曲が収録されているとの記載がある。つまりフィナーレの第21曲以外は全曲残っているということだが、デルタ盤は2幕のみほぼ全曲の収録となっている。
同年8月5日フィデリオなどの電送ケーブルによる放送局のコピーテープと異なり、エアチェック収録によると思われる音はふらつきが多く聞きづらい。演奏を聞くというよりは、WFの演奏記録を辿るという価値を重視するディスク。直後にWFCJからも同じ音源と思われるものが頒布された。52年病気のためにキャンセルし、代役(ルドルフ・モラルト)を立てたときの演奏という意見もあり、この録音の真正WFとしての評価は49年、51年録音との比較作業の完了を待たねばならない。

26 Aug. 1950 Lucerne Orc. Lucerne Fes.(private archive)
Berlioz:La Damnation de Faust
●8月26日 ベルリオーズ/ファウストのごう罰 ルツェルンo ルツェルン音楽祭 private archive
LP/PR: CetraFE21-3('81?)King(JP)K20C337-9('83?)
CD: EklipseEKR60('97)ArhipelARPCD0008-2('00)WFJ41-42(06/03)

▼80年頃スイス協会の努力で発掘された貴重なベルリオーズの全曲盤。これ以外はやはりこの曲の一部であるハンガリー行進曲の録音しかない。トレマン本によるとオリジナルテープは存在せず、Rickmers Familyのプライヴェートなコピーテープから作成されたとされる。チェトラ盤は曲の最後10小節が欠落し他の演奏で修復されているという。協会盤としては日本協会盤が2006年に頒布された。音質はCetraと大差なし。WFが出演したルツェルン音楽祭の放送用テープは現在のところ54年合唱しか確認されておらず、あとは私的な録音テープか、EMIが収録したLP/SP用セッション録音のみ。
[Furtwangler Faust Lucerne by YouTubeSearch]

31 Aug. 1950 VPO Salzburg Fes.(private archive)
Bach:Brandenburg No.3&5
Beethoven:Sym.No.3
●8月31日 バッハ/ブランデンブルク協奏曲3番,5番 ベートーヴェン/英雄 VPO ザルツブルク音楽祭 private archive
LP/PR(Bach): 2259012-3('75?=only No5)DiscocorpRR515('78?)Columbia(JP)OW7825BS('79)
CD: DR920018('92)KICC2345(94/01)EMI5674222(00/08)TOCE3703(00/10)WFSG TMK102196('00)GrandSlamGS2014(06/10=only No5)
CD/PR(Sym): EMI5674222(00/08)TOCE3735(00/10)

▼バッハは巨匠がピアノを演奏した貴重な録音だが、中継放送のエアチェックと思われる録音は状態が極度に悪くドロップアウトで音像が乱れる部分が多発する。それでも重い響きの中にWFのバッハに対する解釈を感じることは容易で、ついつい回りの迷惑を考えずにスピーカーで鳴らしてしまう演奏。3番のほうが比較的聞きやすい印象。5番初出日本製私家盤は、曲のアナウンス、チューニングやビオラ飛び出しミスなどを収録したLP。GS盤CDが出るまで唯一の「完全盤」だった。2000年8月この日の公演全曲目が英EMIから発売、英雄の初出盤となった。半世紀を経てやっと聞くことができたが、バッハの録音状態は以前の音質に「漂白剤をかけた程度」とつぐ氏。バッハは独フ協会からも15日のStrawinskyとカップリングで正規盤が登場したが元のテープが悪くEMIとは好みの問題程度の差。英雄の音質ほうがバッハより若干明快な程度。なお、ブランデンブルク5番の1楽章の一部が映像で残されている。(ドリームライフDMLB23)。

☆ステ芸81年12月号の桧山リポートではVPOとの9月16(17)日ドビュッシー/海がRot-Weiβ-Rotのアーカイヴから発見されたというが、現在まで確認されていない。戦後のVPOとの実況は劣悪なプライヴェート録音を除いて一部しか存在が確認されていない。レコード会社との契約上の問題で陽の目を見ないのか本当にないのか−WFファンでなくとも知りたいところだ。50年1月VPO定演の録音

25 Sep. 1950 VPO Stockholm Koncerthuset Stora salen(SwedishRadio)
Swedish & Austrian national anthem
Haydn:Sym.No.94
Sibelius:En Saga
R.Strauss:Don Juan
Beethoven:Sym.No.5
●9月25日 スウェーデン国歌・オーストリア国歌 ハイドン/驚愕 シベリウス/伝説 R・シュトラウス/ドンファン ベートーベン/運命 VPO ストックホルムコンサートホール スウェーデン放送収録
LP/PR(Swedish): GC570234-5('70?) AT13-14('89?)
CD: Theatre400353-1('90?)
LP/PR(O): GC570234-5('70?) AT13-14('89?)Mullyhill92885X(?)
CD: Theatre400353-1('90?)
LP/PR(Hydon): GC570234-5('70?)DiscocropRR399('75?)Columbia(JP)OZ7511BS('76)AT13-14('89?)King(JP)KIJC2019-20('90?)
CD: M&A CD802('94)King(JP)KICC2119('91)History(G)20.3133('99)
LP/PR(Donfan): GC570234-5('70?)DiscocropRR460('75?)King(JP)KIJC2019-20('90?)AT13-14('89?)
CD: King(JP)KICC2353('92)M&A CD802('93?)
LP/PR(Sib): GC570234-5('70?)WFSJ NA117('70?)DiscocropRR403/507('75?)Columbia(JP)OZ7548BS('76)AT13-14('89?)
CD: Theatre400353-1(?)King(JP)KICC2119('91?)M&ACD799('94?)
LP/PR(No5): GC570234-5('70?)WFSJ JP1191('75?)Columbia(JP)OZ7548BS('76)AT13-14('89?)
CD: Crawn(JP)PAL1024('88)King(JP)KICC2119('91?)M&ACD802('95)

▼この北欧への演奏旅行、ストックホルムではあと1曲(おそらくアンコールで演奏されたもの)モーツアルトのアイネクライネから終曲が演奏されており録音も存在するという。ただし、全曲ともディスクからの復刻で録音状態は戦前43年のVPO公演を下回る。
運命において、WFはすでに晩年のスタイルを模索しているようだが、VPOとの呼吸が上手くいかず、アンサンブル面においてももどかしさが感じられる。録音も3楽章後半部でマイクのセッティングを移動するようなノイズが聞こえるなど、常時の鑑賞には堪えない。驚愕はスタジオ盤を大きく上回る出来で、録音状態も気にならない。初出私家盤のGCは両国国歌から次曲が始まるまでのインターバルを収録し雰囲気満点のコレクターズアイテム。Q氏は「海賊らしい海賊盤」と表現する。shin-pはQ氏のご協力でGC盤を聞かせていただいた。KICC2119はノイズリダクションを多用したせいか音が不明瞭だが、GCはノイズは盛大なものの明快に感じられる。音質的には運命驚愕ともにDiscocrop盤やその日本盤の日C盤LPの方がさらに明瞭。43年よりは若干落ちる程度。
[Stockholms konserthus sv.Wikipedia]

1 Oct. 1950 VPO Copenhagen Odd Fellow Palaet(Danish Radio)
Beethoven:Sym.No.5
Schubert:Sym.No.8
●10月1日 ベートーベン/運命 シューベルト/未完成 VPO コペンハーゲンオドフェローパレス デンマーク放送収録
LP/PR(No5): DanacordDACO114('85?)
CD: DanacordCD301('86)
未完成未発売 No8 not issued.

▼このデンマーク製のDanacord盤CDは輸入盤店で良く見かけた。カップリングは他のアーチストのブラームスの歌曲など。録音状態は直前のスウェーデン盤と同程度。
[Copenhagen Odd Fellow Palaet da.Wikipedia]

◎Daniel Gillis氏が10月29-30日 BPO バルトーク/管弦楽のための協奏曲の実況録音の存在を1965年に出版された著書の中で述べていたが、オルセン2版では存在が否定されている。
◎また、12月20-22日BPOティタニア実況「合唱」のprivate録音が存在するという資料もあるが、未確認。

***<注意>***リンクされた音源はshin-pの管理下にはありません。取り扱いには十分お気をつけください。
[1951年] [1949年][shin-pHP]Mail