Furtwangler Archives 1953 by shin-p

Furtwangler Archives 1953 by shin-p


[1952年] [録音年選択] [1954年]

1953年


***<注意>***リンクされた音源はshin-pの管理下にはありません。取り扱いには十分お気をつけください。
15 Jan. 1953 BPO Humburg (Private Archive)
Furtwängler:Sym.No.2
not issued
●1月15日 フルトヴェングラー/交響曲第2 BPO ハンブルク 未発売
▼同日のベト1とされる日RVC RCL3337('84)も発売されたが、TAHRAから同じ録音の正規盤FURT1030('98)も出て、現在では54年9月19日RIAS録音と確定している。当時は、このツアーでの録音は存在しないとされていた。

★1月23日ニコライ演奏会初日で第九演奏中に3楽章途中でWFは失神し倒れ、ここで演奏会は中止され、このあと24日25日の演奏会とともに延期となった。原因は「過労によるもの」とされ、5月30日31日に代わりの演奏会が開かれた。
ただし、この1月の演奏会における独唱者はTAHRA本やウィーンジングアカデミーのアーカイブによれば、以前から録音の存在が知られている5月31日と同じだが、近接するVPO演奏会プログラムの予告によれば、バスがペルとなっており、23日はVorauffu"hrung、24日がゲネプロ、25日が本番とされる。

2月15,17日に行われたウィーンでの「神々」抜粋の演奏会が録音として残されているという情報がステ芸81年2月号の桧山氏の解説にある。52年フィデリオや54年ブル8とともに米進駐軍放送局ロトヴァイザーのアーカイヴとして発見されたとされるが、現在まで詳細は不明。

22 Feb. 1953 VPO Musikverein(RotweiserRadio=ORF & VPO)
Gluck:Ifgenia Ove.
Furtwängler:Sym.No.2
●2月22日 グルック/アウリスのイフィゲニア序曲 フルトヴェングラー/交響曲第2 VPO ムジークフェライン ORF収録
LP/PR(Ove): AT09-10('84?)
CD: DisqueRefrainDR920022('92)WFSG TMK10670('98)
CD/PR(sym): Theatre(JP)400 533-1('90?)Orfeo C375941B('94)WFJ75-6(09/12)

▼自作盤はORF録音を中心に正規発売を続けるオルフェオが正規テープから発売したが初出は日本製私家盤。巨匠はこの年1月23日ウィーンでのVPOとの「第9」3楽章演奏中失神して倒れたとされる。この日の録音は現在未確認。また晩年巨匠は聴覚障害に悩まされたが、52年ザルツブルクのリハーサル中の肺炎の際投与された「抗生物質」が原因ではないかとされている=この53年1月の「失神」の際も本人の意に反して「抗生物質」が投与されたという。
WFは、前年12月から精力的に自作2番の実演を行っている。日本協会では、この日の演奏会は2ch録音されたとし、WFJ75-6として2009年12月頒布した。古くから日本でテープで流通した音源を元にしたといわれるAT/DR盤とは違い、「真性ステレオ」というフレコミだが・・・

7/8 April 1953 PO London Kingsway Hall (EMI studio)
Beethoven:Vn.Con.(Menuin)
●4月7、8日 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 フィルハーモニアO メニューイン(Vn) ロンドンキングスウェイホール EMIスタジオ録音
LP/PR: HMV ALP1100(54/02)
CD: EMI7697992('84)ToshibaTOCE6055('89)

9 April 1953 PO London Kingsway Hall (EMI studio)
Beethoven:RomanceNo.1&2(Menuin)
●4月9日 ベートーヴェン/ロマンス1&2番 フィルハーモニアO メニューイン(Vn) ロンドンキングスウェイホール EMIスタジオ録音
LP/PR: Italy-EMI QALP10071(54/04)
CD: ToshibaTOCE6055('89)TESTAMENT SBT1109(97/06)

47年BPO実況やルツェルン盤にくらべると、やはり物足りなさを禁じ得ない。メニューインのヴァイオリンは年をとるごとに大人しくなり、さっぱりつまらないものになってしまっている。それでもシュナーダーハン/BPO実況盤に比べればマシか?

14 April 1953 BPO Titania (SFB)
Beethoven:Sym.No.8&7
R.shtrauss:Til
●4月14日 ベートーヴェン/交響曲第8 第7 R・シュトラウス/ティル BPO ティタニア SFB収録
LP/PR(No8): DiscocropRR413('74?)
CD: DG415666-2('86)POCG3789(97/08)
LP/PR(No7): WFSG F666624-5('75?)
CD: DG415666-2('86)POCG3789(97/08)
LP/PR(Til): WFSG F666624-5('75?)
CD: Evangel FRL1003('95)

>>Fontana Japan FCM53('73) and MRF50('69?=USA) is copy of Cryuitans's LP(EMI)
▼FontanaFCM53('73)の53年録音というLPの信憑性をめぐってさわがれたいわく付きの演奏も現在ではEMI盤(私はセラフィムのLPでこのクリュイタンス/BPO盤を愛聴している)とは別演奏(take)のクリュイタンス指揮というのが定説になっている。録音はいかにも53年らしく鈍重に仕上げてあるが、このフォンタナ盤(
CDはCrawnPalettePAL1026)が示していたと思われるこの4/14の演奏ではやはり問題となった1楽章提示部の反復はされていなかった。巨匠のベト8をめぐっては50年ACOとの共演の際の聴衆なしの放送録音もあると伝えられたこともあった。FCM53の解説では「占領地域で働いていた米人がホンモノだと言うには確証があるはず」とか「これだけの名演奏なのだから巨匠の記録に数えてもよいのではないか」という趣旨の意見が載っているが、そういう確証のない意見がディスコグラフィーの混乱の元となる。またこのニセ53年盤ベト8の初出盤となった米MRF50('69?)の制作者であるMaurice R.Fuggetteは同年RAI響とのリングの私家盤で有名だが、Columbia(JP)OZ7520(77/01)の小林利之氏の解説によれば「彼はマフィアの抗争で死亡した」という。なおメロディアでもWFの録音として33M10-37145-6として発売されている。1969年9月16日にアメリカでWFの録音として放送されたという。
なおこの日Dr.ErwinKrollとの対談のテープもある。(日フ協WFJ2-3)
7番の演奏は、43年にくらべれば当然物足りないが、他の指揮者とは比べ物にならないほど感動的なもの。なおこの演奏ではDG1楽章4分12秒付近に「金管の音はずし」の修復跡があり、52年2月ブラ1や51年ブル4とともにDGの「編集」について議論があった。
8番のこの演奏に関しては、偽WFとして使われたクリュイタンスの演奏ほうが、shin-pにはしっくりくる。巨匠には2番の方をもっと晩年まで演奏して、よい録音で残してもらいたかった。
[7番DG盤と他の盤は同じ物か?]
柴田長生氏の8番演奏評

15 Aplil 1953 BPO NWDRstudio
Ravel:Waltz(reh.)
●4月15日 ラヴェル/高雅にして感傷的なワルツ〜リハーサル風景 BPO NWDR(北西ドイツ放送)収録
LP/PR: GMV10S('85?=Japan)
CD: TAHRA FURT1014-5(97/04)

▼TAHRAから出たCD未発売録音。他に
39年運命44年K550などが収録されている。その解説書によると、この録音のテープはNDR放送(ハンブルク=旧NWDR)とRIAS放送(ベルリン)の両方に4月25日録音として保存されているという。(TAHRA盤はRIAS提供テープを使用)さらにこの25日という日付に巨匠はヘッセンで演奏会を開いており、本当は15日にベルリンにある北西ドイツ放送のスタジオで収録されたとすれば説明がつく−という。また同じような例としてTAHRA FURT1011の47年9月14日のミュンヘン・ドイツ博物館で収録とされるブラ2のリハを挙げている。全35分の録音中約18分以降は全曲通しリハであるものの本番ではないと思われる。[店頭情報]
Ravel Valses nobles Furtwangler on YouTube Search

14 May 1953 BPO Jesus Krist Church(DG studio version)
Schumann:Sym.No.4
●5月14日 シューマン/交響曲4番 BPO イエスキリスト教会 DGスタジオ録音
SP/PR: DG LVM72361-3('53)
LP/PR: DG LP16063(53/09)
CD: DG(JP)POCG3791(97/08)DG457722-2(98/01)

>>>This CD is my favorite CD.
▼スタジオ盤とは思えぬほど熱気あふれる演奏。私はこの演奏をCD時代になって初めて聞いたが、このうねるような終楽章には圧倒された。ベートーベンやブラームスの交響曲ばっかり聴いている私が唯一良く聞くイニシャルB以外の作曲家の作品。

18 May 1953 BPO Titania(SFB)
Strawinsky:le Baiser de la Fee
Beethoven:VnCon.(Schneiderhan)
Brahms:Sym.No.1
●5月18日 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ストラヴィンスキー/妖精のくちづけ ブラームス/交響曲第1 シュナイダーハン(Vn) BPO ティタニア SFB収録
LP/PR(VnCon): DG KL29('64)
CD: POCG2358('91)
LP/PR(Stra): BWS708('71)
CD: M&ACD713('92)TAHRA FURT1035(99/06)
LP/PR(Brahms): DiscocorpRR418('75?)
CD: ElaborationELA902('96)TAHRA FURT1035(99/06)

▼ブラ1は59/01/05にNHKで放送されDGの52年盤発売以前から日本では名演として知られているもの−と桧山氏は[参考資料@]で述べている。また「当時この演奏の発売が要望されたが、冒頭の録音ミスがあり出なかった」としている。確かにフェイドイン気味に始まってはいるが、52/02/08録音記載のVeneziaV1001の広告や日本協会によると59年1月にNHKで放送されたものは
52年録音だという。
TAHRAから出たCDはストラヴィンスキーの正規初出盤で、ブラ1とともに音質は良好。Vn協はかなり以前からDG系で出ており、巨匠のベトVn協唯一の名演という説もあるが、カデンツァが長すぎて私には馴染めない。宇野氏は[参考資料C]のなかでLPについて「当時としては悪い録音だが−」としているが、CDでは水準以上の録音。ストラヴィンスキーは戦前コンサートでよく演奏したとされるが、現在確認されているのはこれと50年ザルツブルク「3楽章の交響曲」のみ。[問題盤研究報告]
Furtwangler beethoven Schneiderhan on YouTube Search
Furtwangler Stravinsky Le Baiser de la fe'e on YouTube Search

30 May 1953 VPO Musikverein(ORF)
Beethoven:Sym.No.9
●5月30日 ベートーヴェン/合唱 VPO ムジークフェライン ORF収録 ORF所蔵
LP/PR: Dreamlife(JP)RILP0002(09/02)
CD/PR: Dreamlife(JP)RIPD0003(09/02)
31 May 1953 VPO Musikverein( Rot Weiss Rot=VPO)
Beethoven:Sym.No.9
●5月31日 ベートーヴェン/合唱 VPO ムジークフェライン RWR収録 VPO/ORF所蔵
LP/PR: DiscocropRR460('76?)Columbia(JP)OC7131-2('77)WFSG F669056/7('83?)
CD: WFSJ WFJ10/11('90?)DG4353252('91)DG(JP)POCG2624('92)Altus(JP)ALT076(04/02)

>>>DG is miss date(30 May). WFJ's CD sound quality is different from DG's.
▼31日はウィーン芸術週間でのLIVE、30日はその前夜祭で、WFが病気のため1月23日に演奏途中中止となったニコライ演奏会(shin-pの古いノートには、場所はソフィエンザールとある。日本協会の資料ではムジークフェライン)の延期公演でもある。91年DGからVPO創立150周年記念盤で30日として発売されたが、Discocropなどで既出の31日盤と同じ演奏で、演奏会場とソリストの関係から31日が正確なデータとされた。当時はなぜDGが単純な日付の間違いをしたのか−といろいろな憶測が流れたが、2004年発売のAltus盤では録音日をDGと同じ30日とし、VPO所蔵のテープにそういう記載があるということがわかり、従来31日とされた録音の収録日に再び疑念が生じた。ちなみに31日のソリストはゼーフリート(S)アンダイ(A)デルモータ(T)シェフラー(B)だが、日本協会の資料によれば30日のソプラノはザデックとなっている。またOC7131-2の小林利之氏の解説によれば29日にもゲネプロ(公開総練習)が行われたという。近接するVPO演奏会のプログラムには、30日の演奏会がゲネプロとの記載があるが、29日の演奏会は記載がない。6月1日リンツでの演奏は、アルト以外の独唱者が変更されているとの資料が多いが、
ウィーンジングアカデミーのアーカイブによれば、1月と6月1日のリンツでの演奏会を含めすべて31日と同じ独唱者で、ウィーンで行われた演奏はすべてムジークフェラインとなっている。
2009年2月Dreamlifeから5月30日録音とされるCDが発売された。shin-pは、既出の5月31日録音とされるものとはまったく別の演奏で、ソプラノはゼーフリートであると思う。戦後すべてのWFの録音とも違いがあり、「新発見」であることは確実。ただし、上記の疑問点から日付や会場、ソリストが正確かどうかは不明。DreamlifeがORFにオファーした31日のテープが現在31日とされる録音と別録音だったために30日の日付がDreamlifeによって付与された経過もあり、現在30日とされる録音と31日とされる録音の日付が逆である可能性もある。
演奏については、「すばらしい」「注目される」という賞賛の意見も多いが、shin-pは完成度の点で31日とされる録音に大きく劣り、決してWFの好調なときの演奏ではないと思う。
音楽評論家の間でも真偽について意見は分かれ、平林氏は「何回聴いても同じにしか思えない。」とし「大地の歌と同様、偽装音源である」としている。桧山氏は「31日録音が、一部挿入されている」疑念が残るものの「31日と同じもの、という見解には同意しがたい」としている。
[フルトヴェングラー新発見の「第9」−Musikfreund by 野田爺@クラシック]
(↑疑問点についての詳細なまとめとレポートがあります。)
桧山氏は[参考資料@]で75年頃に発見されたRot-Weiss-Rotのテープについて「一向に姿を見せない」としていたが、そのテープを使って91年に出たDG盤の録音は良好で、Rot-Weiss-Rotが返還したVPO所蔵のオリジナルテープは良質だったと思われる。ノンオーソライズ盤の方は、終楽章に他のポピュラー音楽やDJの声などが混入している。エアチェック音源かあるいは電信ケーブルを使って中継されたものを他の放送局が録音したものだろう。(ロトヴァイザー放送の録音については50年フィデリオ参照のこと。)42年BPO51年バイロイト54年ルツェルンにくらべれば平凡に聞こえてしまうのは仕方ないか。それでもコーダの締めは51年バイロイトよりさらに42年BPOに近いくらい高揚しており、演奏と録音のバランスを考えて、これをベストとする意見も多い。DG4353252にはEMIの協力による発売と明記され、94年没後40年記念の日本DGの全集盤には収録されていない。imat氏によると、独&日協会盤の音はDGよりオンマイク気味で、生々しい音だ−としている。DGと同じ製作者のリマスターとして出たAltus盤は、しもけん氏によれば「低域が豊かになり、音に厚みが出て、細部も明瞭になり・・・買い直す価値はある」という。shin-pはT店試聴器で聞いたのみだが「この演奏にそれほどの思い入れがなく、この程度の音質差では買い直すほどではない」と判断した。

27 July 1953 VPO Salzburg( Rot Weiss Rot=ORF)
Mozart:Don Giovanni
●7月27日 モーツアルト/ドン・ジョヴァンニ全曲 VPO ザルツブルク音楽祭 RWR収録 ORFザルツブルク所蔵
LP/PR: CetraFE23(4LP='82?)
CD: RodolpheRPC32527-30('90?)Orfeo624043(04/11)WFJ-27/29(04/03)M&A CD-1129('04)

[清水完全本 Mozart サンプル]
▼放送時のファンファーレと53年録音とのアナウンスが収録されている初出Morgan(US)MOR003(72/02)やそれと同系列と思われる日本初出盤OP-7509-12-BS('75)は収録日誤記で54年のもの。初出はステレオ表記のCetraFE23と思われる。真正ステレオかどうかは微妙。04/11やっとORFEOから正規盤が登場した。初の「蔵出し音源」というフレコミだが、音質は54年盤にかなり劣る。日本協会から頒布されたM&A盤も同様。日本協会はWFJ25-26としてMorganで初出された開演前ファンファーレ&アナウンスのみを収録。序曲など演奏的には54年よりも熱気を感じるが、肝心の音質はドロップアウト多発で聞きづらく大味。54年と53年の6重唱以降の録音は現時点ではすべての盤で同じ物が使用されており、その部分は53年盤という指摘がされている。04/12頒布予定の日本協会盤WFJ-30〜32はすべてが54年盤という。54年盤と異なる配役は騎士長のアリエのみ。Rodolphe盤については54年の魔弾参照のこと。

7(11) Aug. 1953 VPO Salzburg( Rot Weiss Rot=ORF)
Mozart:Figaro
●8月7日(11日) モーツアルト/フィガロの結婚全曲 VPO ザルツブルク音楽祭 RWR収録 ORFザルツブルク所蔵
LP/PR: GMR999('70?)
CD: EMI5660802('96)ToshibaTOCE9195-7(96/09)

▼巨匠唯一のフィガロ全曲。EMIの正規CDが96年発売された。LP時代は8月11日収録となっていたが、同じもの。4回の公演で7日は初日。さらにトレマン本では11日収録としている。ザルツブルク音楽祭の録音テープの出所については
50年フィデリオ参照のこと。録音状態は51年の魔笛などよりオンマイク気味。ザラつき、透明感にかけ大味な印象だが、全体的には持続ノイズが少なく鑑賞に大きな支障はない。序曲から巨匠は猛烈に燃えており、52年にキャンセルし唯一の録音となったこの曲に対する意気込みを感じさせる。

12 Aug. 1953 VPO Salzburg(W.Legg's Private Archive = EMI)
Wolf:Lieder(Schwarzkopf/Furtwängler=piano)
●8月12日 ヴォルフ/歌曲集 フルトヴェングラー(p)シュワルツコップ(s) ザルツブルク音楽祭 EMI(Heinz Wald, Kirchdorf)収録 ORFザルツブルク/EMI所蔵
LP/PR(Exc): ALP2114(69/10)
LP/PR(All): CetraFE30('82?)
CD: King(JP)KICC2300('92)ToshibaTOCE6064('91)

▼Cetra(CDC21)原盤のキングKICC2300はアンコール以外の全曲。EMI系はLP1枚に収録するための抜粋となっていたが、東芝TOCE3720('00)で43年ブル6とのカップリングで残りの曲も収録している。52/12/19トリノでの合唱(放送されたが録音はなし)をシュワルツコップと共演した際、巨匠自らの申し出により実現した唯一のピアノ伴奏録音。彼女の夫ワルター・レッグが、この演奏会に出席できないために部下に命じて録音させていたという。音が強奏でつぶれ気味だが、Cetra系では1曲ごとに拍手が収録されており世紀の顔合わせによる演奏会に聴衆が酔いしれている様子が伝わってくる。
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26 Aug. 1953 Lucerne Fes. Orc.(private arc.)
Beethoven:Sym.No.3
Schuman:Sym.No.4
●8月26日 ベートーヴェン/英雄 シューマン/交響曲第4 ルツェルンO ルツェルン音楽祭 private archive(W.Staempfli所蔵)
CD/PR: SWF961-2('96)ElaborationELA904-5('97)M&ACD1018(98/03)

▼1993年仏フ協会総会ではじめて公表された録音。Prof.J.Staempfliがバーゼル・スイス放送をエアチェックしていたという録音は、53年としては音質に不満が残りドロップアウトも多いものの、晩年は枯れた演奏が多い巨匠としては両曲共相当に燃えており、この録音の価値は高い。シューマンはともかく英雄の52年BPO盤で枯れた演奏を見せていたのは「本当の巨匠」ではなかったとすら思わせる貴重な録音。96年初出の仏フ協盤に続いてM&Aから98年市販盤が登場。これを「正規盤」とする意見もあるが実態は不明。M&Aは協会盤とは全く別のルートから入手したテープを使っている−としている。SWF盤は英雄の4楽章終結部にラジオ音が混入しているが、M&A盤は修復されている。
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30 Aug. 1953 VPO Salzburg(private arc.)
Hindemith:Harmony of the world
Schubert:Sym.No9
●8月30日 シューベルト/ザ・グレイト ヒンデミット/世界の調和 VPO ザルツブルク音楽祭 ロトヴァイザーラジオ収録 private archive
LP/PR(No9): RVCRCL3336(84/12)
LP/PR(Hindemith): CetraFE22('82?)
CD: EMICHS5653532(94/09)ToshibaTOCE8467-8('94)TahraFURT1095(05/03=only Sym.)

▼両曲とも94年EMIから正規盤が出たが放送局音源ではなく夫人所有のテープかららしい。音質はこの種のものとしては良好で、オリジナルに近いものと思われる。ただし不思議なことに正規盤以前に出た第9のRVC盤(伊Laudis原盤)やヒンデミットCetra盤LPの方がEMI盤よりも高音質。STEREO表記のヒンデミットFE22は、確かに2ch録音だが左右のバランスが悪く一般的なステレオ盤としては鑑賞できない。同じ原盤のキングLPはMONO表記ながらバランス的にCetraより聞き良い。RVC盤では楽章間の聴衆ノイズも収録された高音質盤。RVCのLPでは
51年NWDRブラ150年BPO英雄も高音質とされている。イタリアにはこのほかにも思いも寄らぬほど鮮明な巨匠の演奏したテープが残されているのだろうか。しかしこれらはテープの違いというよりもマスタリングの違いと思われ、EMIをはじめとするメジャーレーベルが雑音除去や均質な音質を考えるあまり、迫力のない平凡な音質になってしまったという意見もある。ザルツブルク音楽祭エディションでEMIから発売されたCDには、すでにオリジナルが紛失しているこの日の演目である「ドンファン」が54年スタジオ盤で収録されている。没後50年企画で出たOrfeo盤も同様。Tahraからstereo表記で出るグレイトは、1楽章のみ試聴した限りでは若干の広がりを感じる高音質盤。但し、RVC盤に比べるとテープの違いのせいかドロップアウトが多い気がする。
52年肺炎を患って以来の巨匠の演奏は出来不出来(というよりも燃え方の違い?)がはっきりしている。このグレイトは40年代の巨匠の演奏を思わせるものと世評は高いが、なぜか終演を急ぎすぎて悲しくなってしまう。しっくりいかないのはshin-pだけだろうか。
ヒンデミットOZ7593は52/12/08表記ながらこの日の演奏。

4 Sep. 1953 VPO MunichDutchMusium(Bavarian Radio)
Beethoven:Egmont Ove. , Sym.No.4 & Sym.No.3
●9月4日 ベートーヴェン/エグモント序曲・交響曲第4・英雄 VPO ミュンヘン・ドイツ博物館 バイエルン放送所蔵
LP/PR(Ove): CetraFE50('85?)AT07-08('85?)
CD: M&ACD792('89)
LP/PR(No4): RVCJapanRCL3333(84/12)
CD: SWF892('89)KingJapanKICC2354('94)
CD/PR(No3): EMI CZS5628752(04/06)

▼51年ロマンティックや52年ブラ2などミュンヘンで行われたすべての録音にいえることだが、マイクがオケから遠く、聴衆ノイズは鮮明だが楽器の音質が悪すぎる。これはホールの影響なのだろうか。
ベト4のSWF011-3に含まれる43年録音とされる演奏は、この53年盤と同じ演奏。
英雄についてはオルセン以降、没後50年までテープの存在を示す資料がなかった。ところがEMIのグレートコンダクターシリーズの一環として、バイエルン放送のクレジット付きの正規初出盤で2004年に出現。録音・演奏とも直前のルツェルン盤を上回る熱演。このCDが出るまで、録音の存在が確認できなかったのは、WF&VPOエロイカで版権を持つEMIが巨匠の死後、比較的早い時期からテープを確保していたとの推測が成り立つ。
[柴田長生さんの第4聞き比べ](52年、43年盤)
Furtwangler Egmont 1953 on YouTube Search

12/13 Sep. 1953 PO London Kingsway Hall(EMIstudio)
Bartok:VnCon.No.2
●9月12、13日 バルトーク/ヴァイオリン協奏曲第2 フィルハーモニアO メニューイン(Vn) キングスウェイホール EMIスタジオ録音
LP/PR: ALP1121(54/04)
CD: ToshibaTOCE6072(90/01)

▼9月エジンバラ音楽祭にVPOと出演のためイギリスに行った際のセッション。(エジンバラ音楽祭へは48年にもローマ聖チェチーリア管と訪れている)録音状態も良く、ベートーヴェンやブラームスの時のような指揮者と独奏者の音楽性の違いによる違和感は感じられない。巨匠唯一のバルトーク録音で貴重。

15 Sep. 1953 BPO Titania(RIAS)
Schubert:RosamundeOve. & Sym.No.8&9
●9月15日 シューベルト/ロザムンデ序曲 未完成 ザ・グレイト BPO ティタニア RIAS録音
LP/PR(Ove): DG2535804('77)
CD: DG(JP)POCG3790(97/08)KingKICC2297('93)
LP/PR(No8): ParagonDSV52101('80?)
CD: KingKICC2297('93)TAHRA FURT1017(97/07)
LP/PR(No9): CetraFE12('82?)K22C185(82/06)
CD: WFJ13-14('90?)TAHRA FURT1010('94)TAHRA FURT1017(97/07)

▼15-17日まで3日連続のシューベルト演奏会初日の実況録音。9番は「チェトラ・フルトヴェングラー・エディション」の国内第一弾(K22C185=82/06=LP)として発売された。TAHRAから97/08第8正規盤出現。TAHRAのCDはいつもの派手な音質加工がなく平凡な仕上がり。ティタニアパラストの音質的限界を感じさせる一枚。また韓国SKCが9月19日録音の9番CDを伊Laudis原盤で発売したと言う情報もある。SuitCDS1-6005('87=Laudis発売)は9月10日の表示。同じ原盤を使った日RVC RCL3306(84/03)は9月15日の表記だった。Laudis系のLP/CDは録音日が不確かなモノが多い。例えばRVC53年ベト1、Suite47年エグモントなど。
50年DR盤は、仙台S氏の調査でこの日の演奏と判明。演奏は同年ザルツブルクでの第9に比べて、不出来なときの巨匠という演奏評が多いが−

12 Oct. 1953 VPO an der Wien (RotweiserRadio=ORF&RIAS)
Beethoven:Fidelio
●10月12日 ベートーヴェン/フィデリオ全曲 VPO アン・ディア・ウィーン ロトヴァイザーラジオ収録 ORF&RIAS所蔵
LP/PR: ReplicaRPC2439-41('80?=Italy)King(JP)K20C417-9(86/03)
CD: CetraCDC12('86)CetraCDC12('86)

13-17 Oct. 1953 VPO Musikverein (EMIstudio)
Beethoven:Fidelio
●10月13-17日 ベートーヴェン/フィデリオ全曲 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音
LP/PR: ALP1130-2(54/05)
CD: EMI7644962('92)ToshibaTOCE9343('95)

▼12日の演奏はロトヴァイザーのアーカイヴから返還されたテープを使って79年にORFが没後25年記念として放送し、初めて存在が明らかになった録音。現在発売されているものはすべてそのエアチェックと思われる。この演奏会の次の日から同じメンバーでスタジオ録音された。序曲集などはこの全曲盤からとられている。なお戦災で焼失した国立歌劇場の再建は55年11月5日で当時は代わりにアンディアウィーンが使われていた。

26 Oct. - 27 Nov. 1953 RAIRomaO RAIRomaStudio(RAI)
Wagner:Ring
●10月26日-11月27日 ワーグナー/ニーベルンクの指環 RAIローマ響 RAIスタジオ放送録音(Auditorio del Foro Italico)
LP/PR: MRF14,23,34,41('70?)EMI-Italy 3C153-02275-92(72/07)
CD: Arkadia359.12('91?)EMI CZS767123('90)

[Q'ma氏HP神々の黄昏](ローマ盤発売に関する詳細レポート)
▼スタジオに聴衆を入れた放送録音。収録はテープで行われ、リハーサル&本番ともに収録されたが、編集後チェトラにディスク原盤の制作を依頼、マスターテープは消去されている。当時テープはまだ貴重で、さらに耐用年数などの問題もあったとされる。この演奏会の直前、WFはEMIにRAIとの「リング全曲録音」の提案をしたが拒否されたという。一方WFの死後EMIは54年に録音したワルキューレ録音以外の3曲のみのLP化を要望したが、今度はRAIが拒否。72年になってEMIが全曲のLP化を計画した際にはマスターテープの存在は既になく、ディスク原盤からの板おこしとなってしまったと伝えられている。
URHS氏によれば、ジークフリートのメロディアLP(D-035091-100 5枚組黄レーベル、ガストNo.68)は、ディスク原盤ではなくオリジナルテープからLP化したものと思われ、音質がEMI系より格段に上回るという。それ以前に発売された初出のMRF盤についても調査が必要だ。B氏によれば、MRF盤はエアチェックからのLP化と思われ、ラジオの音だとすぐに判別がつく音という。
[(MP3)ワルキューレ RAI 1953 on Public Domain Classic]

14/15 Dec. VPO Musikverein (Decca studio)
Franck:Sym.
●12月14,15日 フランク/交響曲 VPO ムジークフェライン 英デッカスタジオ録音
LP/PR: LXT2905(54/03) King(JP)LLA10018(54/10)MZ5011(70/1)
CD: King(JP)K35Y1014 (86/11) ArlecchinoARL140('96) London(JP)POCL4301(97/07)ArchipelARPCD0174(03/12)

▼英デッカへの正規録音はこれと、48年のブラ2のみ。帝国脱出直前のVPO演奏会と同じ曲目だが何かの因縁か。デッカからでた実況盤には51年ミュンヘンでのシューマン「春」、ブル4、コリオランがある。45年録音と同じジャケットを使ったメロディア盤(実はこの53年盤)をコピーして発売したレコードの間で演奏日が大混乱していた。今、そういう歴史的な経過を知った上で比べれば歴然たる違いがある。明瞭度の高いデッカ録音で細部のアンサンブルもよく聞き取れる。しかし、あの45年帝国脱出直前の異常な雰囲気の中、フランクを取り上げ、聴衆に送り続けたメッセージを感じる演奏にはかなわない。推測だが、この正規スタジオ盤を作ったのは、52年にVOXがWFに無断で45年演奏を発売したからと思われる。ArlecchinoとArchipelは45年53年の同曲をカップリング、同盤とも53年の方は初期盤からの板おこしと思われる。

☆全く確証の無いことをいうのは「ディスコグラフィーを混乱させる」要因だというshin-pの持論は変わらない。しかし誤解を恐れず言えば、このフランクのスタジオ録音が収録された前日にあたる12,13日にフランク/交響曲&ヒンデミット/世界の調和の演奏会があった。どうしても演奏日が特定されない巨匠指揮のものと思われるヒンデミット録音が私的テープとCetraCD、Discocrop盤で存在し、もしかするとこの日の録音ではないかとshin-pは想像している。あくまでも推測なので申しわけないが。桧山氏がステ芸誌上で戦後VPOとのフランク交響曲の実況録音の存在について示唆していたこと、また現在確認されている中で戦後のVPO定演実況録音が極端に少ないことも頭から離れない。

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