WF Archives1942-45 RCD
写真提供:新世界レコード社(RCD)
(c)Shinsekai Recordsha Co.,Ltd(Japan)

フルトヴェングラー資料室 WF Archives1942-5

マグネトフォンへの録音期(独帝国放送テープ録音期)
Magnetophon Time (RRG Taperecorder Time)
note(記載上の凡例): SP/PR= SP premiere release LP/PR= LP premiere release CD/SB= shin-p's Best CD

Pre WW2time[1937-41] [frame edition] [Melodiya]
[1947] [長野S氏他戦中盤研究] [Magnetophon by de.Wikipedia]


1942年

ソ連が47年DG運命の収録場所である旧RRG放送会館などから持ち去ったRRG(ドイツ帝国放送ベルリン放送局)の録音は、DG盤やMelodiya盤及びRussianCDでほぼ完全に聴ける。
SFBが所蔵するWF関連の資料番号はTAHRA本や
[山岸氏作成のマグネトフォン録音一覧表]に掲載されています。
この項では「初出盤」とその発売年月を中心に記載しています。なお旧ソ連からSFBに返還されたもの以外の旧DDRが所有していた録音テープについては、東西ドイツ統合後放送局の統廃合が行われ、DRA(1952年設立のドイツ放送連盟(ARD)の録音保管所)などに所有が移行しています。なおテープの所蔵先については、オリジナルテープの保管先を基準に記載しています。2018年末にベルリン・フィルがプロデュースした22枚組のSACDが発売された未完成第2楽章とダフニス第一組曲より2曲が初出。これにより現在テープとして残されているBPOとの戦中録音が完全に聞けることとなった。
[Reichs-Rundfunk-Gesellschaft by de.Wikipedia]

***<注意>***リンクされた先の音源はshin-pの管理下にはありません。取り扱いには十分お気をつけください。


●1月7日 7 Jan. 1942 VSOO Vienna State Opera (Private Archive)
Beethoven:Fidelio(excerpts)
ベートーヴェン/フィデリオ第1幕断片 (o-なし)
ウィーン国立o 国立歌劇場 Private Archive(DRA 1860472)
LP/PR(only Pizarro aria): UORC242('75?)

▼桧山氏によると録音は第7曲の約3分としている。UOR盤は1940年演奏と誤記。未発売の11月4日と同じ部分(ホッターによるピッツアロのアリア)+未発売の第2幕ローレンツによるフロレスタンのアリアまでの収録とされているが本当にこの日の演奏か詳細は不明。

●2月15-17日 15-17 Feb. 1942 BPO Philharmony(RRG=Melodiya)
R.Strauss:Don Juan & 4 Lieder
R.シュトラウス/ドン・ファン (o-なし)&歌曲集 (o-なし)
BPO アンデルス(T) フィルハーモニー RRG録音 SFB所蔵(1987)
LP/PR: MelodiyaM10 41233-4(80?)
CD: M&ACD829('95) TAH201-2(98/08=Lieder) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)

▼現在確認されている最も古いRRGマグネットフォン録音。
[Magnetophon by de.Wikipedia]
ざらつきはあるものの半世紀以上前のものとは到底信じがたい音質を持っている。以降RRGの実況録音テープでは、現在からは想像つかないほどハイテンションな演奏が多い。TAHRA盤は44年録音のアンデルスの冬の旅などとのカップリング。
[Strauss - Don Juan, Sinfonia Domestica on RussianDVD.com]
[Schubert - Symphony No. 9 "Great" / Strauss - Four Songs on RussianDVD.com][Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.1 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.2 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)

●2月26日 26 Feb. 1942 BPO AEG Factory(BerlinFilmarchiv)
Wagner:Meistersinger Pre.Act1
ワーグナー/名歌手1幕前奏曲 (o-なし)
BPO ベルリンAEG工場 BerlinFilmarchiv所蔵
LP/PR: SWF8803('88) AT09-10('89?)
CD: TahraFURT1034-9(98/11) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)

▼この演奏会ではティル&未完成が演奏されたが、その時の演奏と思われる録音がFunkhausに存在するとトレマン本にある。但し、この名歌手のTAHRA盤は映画からのサントラ。戦時中のFilmnewsからの映画。画質はモノクロながら最良の状態。全曲が映像で残っているのはティルとドンジョウァンニとこれの3点のみ。工場労働者が真剣に巨匠の演奏を聞いている姿が映し出されている。しかし大きな部品の上で演奏を見つめている労働者はおそらく演出であろう。AEGはマグネトフォンを開発した独のメーカー。
[Furtwangler Die Meistersinger 1942 on YouTube Search]

●3月1-3日 1-3 Mar. 1942 BPO Philharmony(RRG=Melodiya=SFB)
Schumann:Pcon(Gieseking)
シューマン/ピアノ協奏曲 (o-67)
BPO ギーゼキング(p) フィルハーモニー RRG録音 SFB所蔵(1987/91)
LP/PR: MelodiyaM10 36605-6(75?)
CD: DG427779-2('89) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)

▼終楽章の演奏など、この時期でなければ望めない迫力のあるものとなっている。ただ1楽章冒頭部は音質がくすんでおり、後になるほどよくなっている。巨匠のシューマン演奏の大半を網羅したArlecchino盤についてはレコ芸97年1月号で仏Diapason誌のMichel Parouty編集長が「LPのコピーでしかないCDを頻繁に発売している。当然こうした会社は処罰されるべきだ」と述べている。(shin-pの海賊版に関する考察へ)
この日はベートーヴェンの7番も演奏されており、音質的に第2楽章はこの日の録音ではないかとshin-pは考えている。BPOのRRG録音集(BPO KKC5952=18/12)では、これまでの収録日43年11月と併記している。[Schumann - Concerto for Piano and Orchestra on RussianDVD.com]

●3月22-24日 22-24 March 1942 BPO Philharmony(RRG=Melodiya)
Beethoven:Sym.No.9
ベートーヴェン/第九 (o-68)
BPO フィルハーモニー RRG録音 SFB所蔵(1987=all/91=only 2nd Mov.)
LP/PR: MelodiyaD010851-3('61?) UNI100-1(68/06) Turnabout(VOX)TV4346-7(69/12)TV4353-4('70) JapanFontanaPL1101('76)
CD: TahraFURT1004-7('95) M&ACD653('90) TahraFURT1034-9(98/11) TOCE3734(00/08) ARPCD0001('00) VENEZIA V-1019(02/06) OpusKuraOPK7003(03/11) DeltaDCCA0004-5(04/12) DreamLifeDLCA7006(04/12=SACD) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)

▼収録日が正確だとすれば、キッテル合唱団40周年記念演奏会ライヴ。西側では68年Unicorn盤発売以降「板おこし」といわれる音質の芳しくないLPしか流通していないとされていた。87年にモスクワ放送から西独SFBにコピーテープが返還され、SWF盤TAHRA盤などそのテープによると思われるものも出現した。89年に日WF協会などの協力で日本に輸入され
新世界レコードが発売したM10規格黒盤メロディア盤LPはこの戦時下の状況をよく伝えている。ただしブルーたいまつ61年規格が最初といわれる最初期のメロディアLPにはかなわない。61年規格でも60年代後半発売のピンク・ダブルレターになると音質は若干落ちるという。おそらく現在ではRRGの原テープは再生不能で、コピーテープしか使えないと思われる。91年の原テープ返還でも2楽章の一部しか返還されなかった。91年返還テープがRRGオリジナルではなかった(当時のテープを使用しているもののオリジナルからのコピー)という意見もある。
メロディア盤のブルー&ピンク、灯台&たいまつなど、レーベルの識別については浅岡弘和氏HPを参照のこと。
この録音は4月19日ヒトラー誕生祝賀前夜祭の録音であるという桧山説が日本では広く信じられていた。shin-pは、4楽章第2部の中半部にテープの継ぎ目があり、その前後の独唱者の声に違いがあり別録音の2種のテープを編集していると感じていた。桧山氏はステレオ芸術誌上で68年頃聞いたメロディア初期盤は「1楽章のレベル変動が多く、別物のように思える」とするが、初出と思われる61年規格以降、音質に差があるものの同じ録音を使っている可能性大。没後50年、ARPCD0270(04/10)4月録音盤が発売され、上記演奏の「3月録音」はほぼ確定した。
00/06レコ芸相談室によると、2000年発売の東芝全集盤について「ユニコーン原盤は以前と同じマスター・テープからリマスタリング」しているというが、実際は以前の録音よりも限りなくメロディアCD並に改善されている。この演奏のテープは旧ソ連以外には存在せず、桧山氏によると以前のユニコーン盤は68年頃ソ連のコレクターからスポーツシャツと交換で当時の米フ協会長が入手したメロディア盤を当時の英フ協会長ミンチン氏に送り、板おこしとされたテープを使用しているという。浅岡氏によれば第九の初出は59年頃といい、ユニコーン盤が使ったというメロディアLPは再発盤という可能性が高い。ユニコーン盤の音源入手の経路はこの桧山氏の記述の通りではなく「関係者がソ連に打診し、夫人の元に送られたコピーテープによる」という説もある。さらに当時の英WF協会であるUnicornの認証があるTurnabout(VOX)TV4346-7(69/12)は、当時の他のLPよりも音質がよく板おこしではないと思われ、RRGが作った数種のコピーのうちアメリカに渡ったものを使用したのではないかという推測もある。ただし、私がこの曲を初めて聴いたUnicorn経由Turnabout原盤(と出谷氏がジャケ解説でいう)の日FontanaPL1101('76)は使用したメロディア盤の状態が悪いのか、レベル変動がひどくハッキリ聞こえない部分が多い。桧山氏によれば同じく1枚に詰め込んだ米Evelest疑似ステ盤は2楽章に欠落とピッチの問題があり音質は「最悪」という。
音楽評論家・浅岡氏プロデュースで発売されたVENEZIA V-1019(02/06)は、メロディア初出前に厚紙アルバムに封入された全ソ連芸術家養成所刊のVSG盤を復刻したもの。当時のソ連製LP盤の盤質は平均的な西側のものにはかなわないが、ストレートに製盤し現在発売中の中では最も明瞭感のある貴重な音源。平林氏のSerenadeからもピンクレーベル復刻CD-Rが02/04発売された。その後、平林氏はDreamLifeからもSACDでDLCA7006(04/12=SACD)を発売。この2人の有名評論家プロデュース板起こしCDに触発された形で更なる原音再生を目指したOpusKuraOPK7003(03/11)DeltaEntertainmentDCCA0004-5(04/12)の2種も発売され、没後50年以降実質新譜が発売されない現状にあって板起こし盤がマニアの話題をさらっている。[shin-pHPのポリシー]
Archipel盤はどういう経路の「オリジナルテープ」を謳っているのか不明だが、明瞭で聞き易い廉価盤。
[(MP3)Beethoven: Symphony No.9 Turnabaut TV4346/47 on matsumo's Sound Library]
[Beethoven - Symphony No. 9 Choral on RussianDVD.com]
[問題盤研究〜戦中のRRG録音][放送用編集マスターについて]
[ナチスへの協力疑惑]

●4月7日 7 April 1942 BPO Berlin Philharmony(Telefunken=Teldec Studio Recording)
Bruckner:Sym.No.7 2ndMov.
ブルックナー/交響曲第7番第2楽章アダージョ (o-69)
BPO テレフンケン・スタジオ録音
Matrix:026378-1/79-1/80-1/81-1/82-1/83-1
SP/PR: TelefunkenSK3230-32(43?) Warner(JP)WPCC5361('93)

▼テルデックでは4月1日録音としている。ヒトラー死去(1945/4/30)の際に帝国放送がかけた2つの録音の1つとされる。
(もう1曲はジークフリートの葬送行進曲)
[Bruckner 7 Adagio (Furtwa"ngler BPO) on YouTube]

●4月19日 19 April 1942 BPO Philharmony(RRG)
Beethoven:Sym.No.9
ベートーヴェン/第九 (o-なし)
BPO フィルハーモニー RRG録音 Private Archive(Decelith disc)
CD-R/PR: Truesound Transfers TT-2403N('04)
CD/PR: Archipel ARPCD0270(04/10)

▼没後50年、ナチスへの協力疑惑の証拠にもされたヒトラー生誕前夜祭の録音が発売された。当初ドイツの通販サイトTruesound TransfersからCD-R盤TT-2403Nとして出ていたが、版権をGebhardtに売却、Archipelレーベルで04/10に発売された。Archipel盤のジャケットにはTruesound Transfersのマスタリング者の名前が明記されており、上記2種のCD/CD-Rはほぼ同じものと思われる。shin-pは、発売元のご厚意で04/10/02にArchipelARPCD0270試聴盤を聞かせていただいた。3月の演奏と同じものかどうかというのが焦点だが、shin-pの試聴後の感想は別の演奏。マグネトフォン開発前から実績のあったDecelith discという収録時間5分強の78回転盤で収録されている。furt-lによればエルンスト・ルンペ氏がクリスチァン・ツヴァルク氏から聞いた情報では「この14枚のDecelith disk (片面盤)をツヴァルク氏は昨年ウィーンのアンチークショップで見つけて購入。ウィーン在住の人が放送を1台のDecelith レコーダーで録音したものらしく、原盤にはディスクを取り替える際のギャップがあり、ツヴァルク氏はこれらを1942.3の録音の当該部分を用いて補修した。以上のようなことを全てライナーノートに書くようにARCHIPELに求めたが容れられなかった。」(仙台S氏の報告による)という。ただ、ギャップを補修したと思われる部分をshin-pは確認できず、おそらく同日の演奏で完全録音のように思える。放送局がテープ収録し、ダビングして関係者に配った「ディスク」と考える方が自然だ。仙台S氏によれば、塩化ビニール系の録音ディスクというが、アセテート盤という表現をしているサイトもある。開演前後の拍手とアナウンスも収録されているが、終演後の拍手には10秒ほどの間がある。Archipel盤の録音状態は、ディスク録音としては雑音が少ないが、周波数帯域が狭く、ノイズリダクションのせいか弱音がぼやけて聞こえなくなる部分も多い。演奏的には、3月録音より迫力の点で勝っており、コーダ部分はさらにものものしい。
[Beethoven - Symphony No 9 'Choral' - Furtwangler, BPO (19 April 1942)]
この日の終楽章の映像は、多くのLD/DVDなどで発売されている。URHS氏のコメントにもあるように、この映像に収録されている演奏の音声は3月録音である可能性が高い。
[Furtwangler Beethoven 1942 4 by YouTubeSEARCH]

●4月21-24日 21-24 April 1942 VPO Musikverein(Private Archives=LIVE)
Beethoven:Sym.No.9 2ndMov.Excerpt
ベートーヴェン/合唱〜第3楽章断片(約15分58秒) (o-なし)
VPO ムジークフェライン  実況録音 Private Archives
CD/PR: SYMPOSIUM(GB)1253(00/04)

▼突然発表された英SYMPOSIUM盤は、Ionisationという題でトスカニーニなど他の巨匠の演奏も入ったオムニバス盤。ムジークフェラインでの実況で放送用ではなく、コンサートの関係者によってアセテート盤4面に収録されているが、面を換える際の欠落がある。
清水氏によると33-36、65-74、115-116、149-157(end)の各小節が欠落しており、3楽章開始前のインターバル13秒を含んで15分58秒が収録されている。マグネトフォンによるテープ録音は42年当時はまだ帝国放送ベルリン放送局でしかできない状態だったと思われる。ムジークフェラインでの実況テープ録音は、44年12月の「英雄」が聴衆あり実況で残されているという意見もあるが、現時点で確認されたところではドイツ帝国脱出直前の45年1月29(28)日しか残されていない。
[SYMPOSIUM1253 ClassicArchives 試聴ページ]

◎メロディア盤などでおなじみのブラームス/交響曲4番は42年6月21日録音ではないかという意見がある。メロディアCDでは42/06/21とクレジットされている。shin-pは1,2楽章が43年で3,4楽章が42年録音ではと推察している。録音状態が前半と後半であまりに違うからだ。もし、42年録音であるとすれば巨匠初の「悲劇的序曲」が発掘される可能性も残される。

●10月25-28日 25-28 Oct. 1942 BPO Philharmony(RRG=Melodiya=SFB)
Schumann:CelloCon.(Machula) シューマン/チェロ協奏曲 (o-なし)
LP/PR: MelodiyaM10 42555-8(80?)
CD: DG427779-2('89) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Bruckner:Sym.No.5(There exist two versions) ブルックナー/交響曲第5番 (o-71)
(全曲演奏が存在するRRGテープ録音と個人がディスクレコーダーで収録し第2,3,4楽章が抜粋で約37分収録されているプライベート録音の二種が存在 )
LP/PR: MelodiyaM10 42555-8(80?)
CD: DG427774-2('89)ARPCD0003('00)TESTAMENT SBT1466(11/05)
CD/PR:Delta(JP)DCCA0076(16/04=1st mov. lost) BPO マヒュラ(Vc) フィルハーモニー RRG録音 SFB所蔵(1987/91)

▼ブルックナーはRRG録音の存在が確認される以前から
プライヴェートなエアチェック録音で知られていたが、80年頃出た正規の録音は42年にもかかわらず優秀で演奏の素晴らしさとともに話題となった。51年盤よりも録音・演奏ともに優れているという意見が多い。テンポはこの演奏の方が速め。44年の第8、9番などよりもメロディア盤LP及びDGのCDの音質は優れている。廉価盤Archipelも同様の高音質。Vc協も音質は同様に良い状態で演奏も期待通り。92年の原テープ返還から初のオリジナルAEGマグネトフォンテープ復刻とされるTESTAMENT盤は現時点でこの演奏の状況を最もリアルに伝えるものと思える。
デルタDCCA0076(16/04)は上記のプライヴェートなエアチェック録音がテープに転写されて70年代からマニアの間で出回っていたもの。最近の調査でこれまでのソ連が接収してメロディアがレコード化したのち返還されたテープとは別の日の演奏とわかり発売されることとなった。ただし第一楽章が欠落し、ディスクを入れ替えの際の欠落がある。
[Handel - Concerto Grosso / Schumann - Concerto for Cello and Orchestra / Wagner - Tristan and Isolde on RussianDVD.com]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)
[【高音質復刻】Bruckner - Symphony No.5 1942 Melodiya by pianissimo at midnight ]
[Bruckner - Symphony No.5 1942 Melodiya on RussianDVD.com]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)

●10月29日 29 Oct. 1942 BPO Berlin Philharmony(Telefunken=Teldec Studio Recording)
Gluck:Alceste Ove. グルック/アルチュステ序曲 (o-72)
BPO フィルハーモニー テレフンケン・スタジオ録音
Matrix:026753/54
SP/PR: TelefunkenSK3266('43?=SP)
CD: Waner(JP)WPCC5361('93)

▼直前の演奏会でもとり上げられた曲をテレフンケンがSP用に収録。実況録音の方は現在まで発見されていないが、契約関係から実況は録音されなかったのかもしれない。テルデックでは10月28日録音としている。テレフンケンへのスタジオ盤は上記同年4月1(7)日のブルックナーと40年のベートーヴェンのみ。

●11月4日 4 Nov. 1942 VSOO Vienna State Opera (DRA Archive 1860472204)
Beethoven:Fidelio(excerpt) ベートーヴェン/フィデリオ断片 (o-なし)
ウィーン国立o 国立歌劇場 DRA所蔵 未発売 not issued

▼TAHRAは第一幕のハンス・ホッターが歌う「は! なんだって」(Ha, welch ein Augenblick!)部分のみが3分16秒収録されているとしている。75年頃プライヴェートLPのUORから出た1月7日の演奏とするものと同じかどうかは不明。

●11月8日 8-9 Nov. 1942 BPO Philharmony(RRG=Melodiya=SFB)
Brahms:Pcon No.2(E.Fischer) ブラームス/ピアノ協奏曲2番 (o-73)
LP/PR: MelodiyaD09883-4('65?) UNI102(69/03)
CD: DG427778-2('89)
CD/SB: TESTAMENT SBT1170(99/11)VeneziaV1022(04/04) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Wagner:Tristan Pre.& Liebestod ワーグナー/トリスタン第1幕前奏曲 (o-なし)&愛の死 (o-なし)
LP/PR: M10-45949008('83?)
CD: King(JP)KICC2118('90=M&A) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
BPO フイッシャー(p) フィルハーモニー RRG録音 SFB所蔵(1987)
▼Pcon2番は43年12月のエッシュバッハ盤とはまったく違ったロマン性をたたえた名演。この曲にはエッシュバッハの劇性よりもミスタッチたっぷりなこの演奏の方がしっくりいく。ワーグナーは80年代になってメロディアから出たものだが、初期のテープ録音とは思えぬ音質で、戦中の数少ない巨匠のワーグナーが味わえる。この日はほかに、フロンメル/交響曲ホ長調が世界初演された。
PconはDG、メロディアともノイズが多く聴きづらいが、91年返還の原テープから作成したSFBのアーカイヴは87年のコピーテープとは比較にならないくらい良質の音と桧山氏。桧山氏が聞いたのは91年11月にSFBで放送された特別番組のテープ。このテープを使った音源は未確認。TESTAMENTから発売されたSBT1170(99/11)はDGとSFBの認証があるが、DGよりも大幅に音質が改善されており、91年原テープを使用していると思われたが、ゆう氏のTESTAMENTへの照会では「SFBから送られてきた(91年?の)テープが使用できる音質ではなかった」とし、87年コピーテープ(つまりDGと同じテープ)を使ったとしている。DGと同じマスターを使ったとすればTESTAMENTの修復処理は優秀。確かにノイズと共に「音楽」も消去されている部分もあるが、そのバランス感覚を評価したい。
shin-pは桧山氏のご協力でSFBが91年11月に放送したPconのテープを聴いた。確かに個々の音は87年テープよりも明瞭なものの、ノイズ面では91年テープの方が聞きづらい部分もある。メロディア盤には楽章間のノイズや終演後の拍手などが収録されている。浅岡氏が確認したところによればPconにもVSG盤が存在し、「ト音記号とLPを合わせたマークはあるが、地が水色一色の軽装盤で通常デザインの存在は不明」という。この小VSGと称される盤を浅岡氏はV1022(04/04)として復刻。パチパチ音は盛大だが元のテープノイズが少なく透明感のある音質。
[Brahms - Piano Concerto No. 2 / Gluck - Alceste Overture / D'albert - Tiefland Overture on RussianDVD.com]
[ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 on matsumo's blog]
トリスタンはメロディア系、返還テープ系を問わず録音状態がよく、ぞくぞくするような生々しさ臨場感がある。
[Handel - Concerto Grosso / Schumann - Concerto for Cello and Orchestra / Wagner - Tristan and Isolde on RussianDVD.com]
[【高音質復刻】Fischer, Furtwangler & BPO - Brahms: Piano Concerto No.2 in B flat major by pianissimo at midnight]
[RRGアーカイブから〜RBBオンライン(グレイト/運命/ベトVn協/賛歌協/トリスタン)]
[Oさんのメール・フィッシャーのブラ2]

●11月25日 25 Nov. 1942 SKO Stockholm Concerthall(Swedish Radio)
R.Strauss:Don Juan R・シュトラウス/ドン・ファン (o-74)
LP/PR: SWF8403(84/05)
CD: M&ACD814('94)
Wagner:Tristan Pre.& Liebestod ワーグナー/トリスタン第1幕前奏曲 (o-75)&愛の死 (o-76)
LP/PR: DiscocropRR505(75?)
CD: M&ACD794('93)Daiso(JP)CD-C-23('02)
ストックホルム・フィル コンサートホール スウェーデン放送収録

▼ストックホルムでの録音は戦後(48年/50年)のものを含めても、なぜか43年5月VPOとの録音のみが特別優秀で、他は音像がぼやけていて通常の鑑賞に値しない。独HISTORY20.3090-H1と収録曲が重複している100円ダイソーCDもある。
[Furtwangler Tristan und Isolde Stockholm Philharmonic on YouTube Search]

●12月6-8日 6-8 Dec. 1942 BPO Philharmony(RRG=Melodiya=SFB)
Schubert:Sym.No.9 シューベルト/第9 (o-70)
LP/PR: MelodiyaD10033('61?) TurnaboutTV4364('70) Columbia(JP)DXM109(71/02) SWF7201('72) ToshibaWF70008(75/05)
CD: PricelessD13272('87?) CrownPAL1027(87/04) MEL10 00723('93) DG427 773 2('89) WFG TMK017204('02) MythosNR5006('02) WFJ23('03) OpusKuraOPK7010('04)DeltaDCCA0004-5(04/12) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
H.Schubert:Hymnisches Konzert H・シューベルト/賛歌協奏曲 (o-なし)
LP/PR: M10 49723('92?)
CD: MEL10 00725('93) HuntCDWFE365('94) GramorhonoAB78510('94) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
BPO フィルハーモニー RRG録音 SFB所蔵(1987)
▼第9は戦時中でなければ出来得ない劇的な表現。ただし、そこまでシューベルトに求める必要があるのかという疑問も残る。オルセンはこの演奏を6月のベルリン芸術週間の際収録としている。同時に演奏されたコルトーとのシューマン協奏曲の出現も期待されたが、'92年にH・シューベルトの未発表録音がメロディアから出て、この上記2曲の演奏日がほぼ確定するとともに、コルトーとの夢の録音は幻に終わりそうだ。メロディアピンクを復刻したと思われるM&Aや東芝盤などでは終演時に「明瞭すぎる拍手」が収録されている。メロディア聖火を復刻した日本協会盤はLPをストレートにデジタル化した好印象CD。ソ連共産党員限定盤VSG復刻MythosCDもある。独協会盤CDは戦後風の音質に改寵し各楽章間と冒頭に聴衆ノイズを加えた疑問盤。現時点では、メロディアCDが雑音もすくなく最も良好にこの演奏を聞ける。メロディア盤については浅岡弘和氏HPに詳しい。
賛歌協奏曲では現在唯一、旧フィルハーモニーのパイプオルガンが聴ける貴重盤。
[Schubert Symphony No.9 on RussianDVD.com]
[【メロディア聖火盤復刻】Furtwangler & BPO - Schubert: Sym. No.9(8) in C major D 944 'The Great' by pianissimo at midnight]
[RRGアーカイブから〜RBBオンライン(グレイト/運命/ベトVn協/賛歌協)]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.1 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.2 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]

●録音日不祥(42-43年録音/44年10月7日?) 1942-3 BPO Philharmony(DDR=Magnetofonkonzert)
Mozart:Sym.No.39 モーツアルト/交響曲第39番 (o-77)
BPO RRG収録放送用録音 旧DDR所蔵
LP/PR: DG LPM18725(61/11) Eterna720158('65?) MG6018('77)
CD: POCG2348('92) SWF991('99) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)

▼この演奏が44年2月の実況盤ともいわれたが、その録音は別に存在することが1983年のメロディア盤発売で明らかになった。SWF盤はDGとは別の日付だが演奏は同じもの。以前からDDRのテープを使ってDG系で発売されているこの演奏は、
44年10月7日の可能性が高くなっている。
RRGの録音は同じ曲で実況と聴衆なしの放送録音が残されているケースが多く、後の編集用として収録したものだろう。不思議なことにRRGのテープ録音で同じ曲が2つ以上の聴衆あり実況盤で残されているのは独奏者の違うブラPコンのみである。2日から4日間の連続したベルリンでのコンサートは複数が録音されたものの、現存するものは編集済みの一本だけであるようだ。そうだとするとRRGの録音は放送録音など一部を除いて収録日を完璧に特定するのは不可能と言うことになる。[参考資料A]ではこうした「実況録音+放送用録音=放送用編集マスター」を半録音と称している。44年LIVE盤と演奏スタイルの違いから「疑問録音」という意見もある。録音はエテルナ盤が最高と清水氏。エテルナ盤にはソ連向け輸出用レーベルも存在するという。Gray氏はこの録音のアーベントロート指揮の可能性を示唆している。
[MOZART, Symphony No 39 1942,43 Berlin ,Furtwangler ,Heliodor2551027]

◎戦時中録音とされる日本コロムビアVOX原盤不明録音について
また上記と同じく42-43年あるいは戦時中の放送録音といわれたもので
ブラームス/交響曲1番(コロムビアDXM163VX=オケ表記はVPO)もあるが本当は47年11月のEMIへのスタジオ盤といわれている。(以前はベーム指揮という説もあった)スタジオ録音では巨匠はこの曲を47年のSPしか残さなかったため、EMIはLP復刻盤を作る際にマスターテープを作りメタル原盤の方は廃棄してしまった。その際さまざまなバージョンのテープが作られ、EMIが使ったものとは別のものがこの戦前盤と称するものに流用されたのではないかと推測されている。LPによる70年代に発売された日本コロムビアのフルトヴェングラーシリーズは録音が比較的よいものが多く(同じ録音ソースでもToshiba盤よりもよいものが多い)、ノンオーソライズながら日本における巨匠の実況盤に対する認識を深めたシリーズとして評価したい
しかし中には前述のブラームスや巨匠が録音した記録がないシューベルトの交響曲2、3番(コロムビアDXM165VX=オケ表記はVPO)のようにVox原盤で疑わしいものもある。新世界と同じくシューベルトは「カバスタ指揮」という意見もあったが、徳岡氏による2023年12月の調査で、2番に関してはミュンヒンガー〜VPO(録音1959年3月/初出1959年/英デッカSXL2156)と判明した。YoutubeAIによる指摘が調査のきっかけになったという。3番はいまだ演奏者は不明である。[米50年代マイナーレーベルについて]


1943年


●1月2日 2 Jan. 1943 VSOO Vinna State Opera (Private Archive)
Wagner:Tristan(Excerpt)
ワーグナー/トリスタン抜粋 (o-78)
ウィーン国立o 国立歌劇場 PrivateArchive
LP/PR: UORC267('75?)
CD: Koch Schwann3-1461-2 ('94)

▼プライヴェートな録音からのCD化。戦時中のウィーンでの実況盤はごく僅かだけに貴重。

●1月10-12日 10-12 Jan. 1943 BPO Philharmony (Private Archive)
Franck:Symphonic Var.(G.Anda=Pf) フランク/交響的変奏曲 (o-なし)
BPO アンダ(P) private archive 未発売 not issued

>>>This performance is recorded from RRG radio on a Portable Disc Recorder by a collecter.
▼トレマン本ではじめて紹介されたJeanFonda氏が明らかにした録音。桧山氏は[参考資料@]の中で「一種のプライヴェート録音に属するが、ナチスの放送をポータブルのディスク型録音機を用いてエアチェックした録音が現在ウィーン、ベルリンの個人コレクションに残っており−」としているが、このフランクとAT盤でお馴染み
41年ブルックナー7&4番、41/11/02-04のケンプとのベートーウェンPcon&レオノーレ、下記2/7-8未発売のブラ2がこうした方法で録音されたものか−。桧山氏は42年ブルックナー第5も挙げていたが、現在ではロシアでオリジナルテープが確認されSFBに返還。これらは録音状態が41年ブルックナー並みだとすれば、一般への市販は絶望的だと思われたが、日本のデルタエンタテインメントが、その最初のCDとして2004年に41年ブル7&4を制作したのに続き、2016年に42年ブル5がメロディアとは別演奏とわかり市販盤を出した。あとの私的録音の市販はどうなるだろう。

●2月7-8日 7-8 Feb. 1943 BPO Philharmony
(RRG=Melodiya=SFB/VnCon=DDR/Sym=PrivateArchive)
Siberius:Vn Con.(G.Kulenkanpff) シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 (o-79)
LP/PR: UnicornUNI107(69/08) Columbia(JP)DXM112UC(71/05) Eterna825764('70?) SWF8601/4('86) MelodiyaM10-45909 004('85)
CD: MEL10 00718('93) M&ACD799('93) RCD25009('96)TOCE3804(00/12)ArchipelARPCD0014('00) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Siberius:En Saga 交響詩「伝説」(o-なし)
LP/PR: M10 459004(83?) SWF8601/4('86) DG(Kr)427 773-1('89)
CD: MEL10 00718('93) DG 427783-2('89) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Brahms:Sym.No.2 ブラームス/交響曲第2 (o-なし)
Brahms(private archive)未発売 not issued
クーレンカンプ(Vn) フィルハーモニー RRG録音 Vn協=旧DDR所蔵 SFB(Vn=!stMov.Missing=1991,EnSaga=1987/91)

45年のVPOとのウィーン脱出直前のブラームス2番が、恐ろしいくらいの破壊的な迫力の演奏だったので、このBPOとのものも是非聴いてみたいが、現時点(2017年)では桧山氏によるプライヴェート録音の存在情報のみでだが、上記1/10-12フランクと同じ私的なディスク録音と思われる。RRGによるマグネトフォン録音は未発見。
シベリウスVnConは91年SFB返還テープでは1楽章が欠落、HS氏のよればメロディアCDは1楽章のみスクラッチノイズが聞こえるという。ロシアにはこのVn協の完全版は存在せず、東独DDRのテープを元にしたUnicornが初出。メロディアは84年にやっと発売されたが、1楽章はDDR系音源を使っている模様。またWF氏、びなお氏によれば終楽章第1主題の反復時VnのミスをMELCDとRCDは修復している。この音源に限らずRCDはノイズリダクションのかけすぎで音がさめており、原音が美しく響かない。[ユニコーン盤]
[Sibelius - En Saga, Concerto for Violin and Orchestra / Beethoven - Coriolan on RussianDVD.com]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)
Kulenkampff & Furtwa"ngler Sibelius on YouTube Search

●5月12日 12 May 1943 VPO Stockholm Concert Hall(Swedish Radio)
Schubert:Sym.No.8(1mov.only) シューベルト/未完成(1楽章のみ冒頭から8小節欠落) (o-80)
LP/PR: SWF8403-4(84/05) AT05-06('89?)
CD: SWF973('97=All) TAHRA FURT1040(99/02)
Schubert:Sym.No.9 ザ・グレイト (o-81)
LP/PR: DiscocropRR405(75?) Columbia(JP)OZ7518BS(76/11) WFSJ JP1190('76?) SWF8403-4(84/05)
CD: King(JP)KICC2353('94) M&ACD802('97) SWF973('97) DanteLYS109('97)TAHRA FURT1040(99/02)
J.Strauss:Emperor Walz(excerpt=Bars1-38) J・シュトラウス/皇帝円舞曲(断片) (o-82)
LP/PR: SWF8403-4(84/05=LP) AT13-14('90?)
CD: M&ACD802('97) SWF973('97)
VPO ストックホルムコンサートホール スウェーデン放送収録
▼SWF盤の解説で詳説され、[参考資料@]でも桧山氏が述べているように、録音は英製スチールバンドを用いた後33回転盤にダビングされており、針音はあるものの鮮明で良好な音質。50年録音のドンファンの方が状態が悪い。SWF盤は第9のあとのアンコールを求める拍手が収録されており、録音の良さもあってか当時の雰囲気が伝わってくる。後半に行くに従って音質が良くなるせいもあって、メインのシューベルト・プロよりむしろ皇帝円舞曲の方に魅力があり、38小節しかない断片録音が悔やまれる。グレイトには3楽章に演奏上のカットがある。
1楽章しか収録されていない未完成では、冒頭部から8小節の欠落がある。FJHS氏によればSWFLPとSWFCDは328-335小節の同一音型を使い修復しているという。M&A、ATなど他のCD/LPでは現在のところ修復は確認されていない。

●6月27-30日(1944年1月録音?) 27-30 June 1943 BPO Philharmony (without audience)DRA 5500557
Beethoven:Sym.No.4 ベートーベン/交響曲第4 (o-83/97)
LP/PR: VOX PL7210(51/12) D09083-4('61?) DG LPM18817(62/09) DG(JP)MG1444('70) Columbia(JP)DXM132VX('72)
CD: POCG 2349('91) OpusKuraOPK7002(03/11) VeneziaV1021(03/12) DeltaDCCA0002(04/10) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Beethoven:Sym.No.5 ベートーベン/交響曲第5 (o-86/98)5
LP/PR: D05800-1('59) UNI106(69/10) SWF7002/R(70/02) Columbia(JP)DXM102UC(70/10) DXM157VX('72) Turnabout(Vox)TV4353('70) TV4361('70)
CD/SB: TAH272(97/08) MEL10 00720('93) TOCE3732(00/08) OpusKuraOPK7001(03/11) VeneziaV1021(03/12)EMI CZS5628752(04/06=miss data) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
>>>TAHRA CD(TAH272) is the best sound.
BPO フィルハーモニー RRG放送録音 No4=旧DDR No5=ヘッセン放送 SFB所蔵(No5=1987,No4=1991=only 2nd Mov.)DRA B003286954

●6月27-30日 27-30 June 1943 BPO Philharmony (with audience)DRA B003321740
Beethoven:Sym.No.4 ベートーベン/交響曲第4 (o-84)
LP/PR: MEL33D09083-4('73) DG(Kr)427 773-1('89)
CD: DG427777-2('89) DG(JP)F20G29090('89) MEL10 00719('93) TOCE3731(00/08) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
LP/PR(1-2Mov.Live): Melodia D09083-4(65?) Columbia(JP)DXM103UC(70/10) SWF7103(72/03)
CD(1-2Mov.Live): ToshibaCE28-5747('89)TOCE8519('94)VeneziaV1022(04/04=only 1-2Mov.)
Beethoven:Colioran Ove. コリオラン序曲 (o-85)
LP/PR: D09868(68?) SWF7002(70/02) Columbia(JP)DXM103UC(70/10) TV4344(71/10)
CD: MEL10 00718('93) TahraFURT1034-9(98/11) TOCE3732(00/08) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
BPO フィルハーモニー RRG実況録音 SFB所蔵(1987=all/91=1st Mov. Missing)DRA 5500556

>>>> SWF said No.4 had two sorts of different live performances.
第4の演奏には実況盤、放送録音盤および両者を組み合わせたハイブリッド盤が存在する。米Vox系、DG旧盤及びメロディア最初期盤=青色大聖火ガスト56は完全放送録音。浅岡氏所有LPによると、白または桃色大聖火ガスト61では完全放送録音盤と1,2楽章のみ実況盤が混在している。ピンクレーベル(ガスト61)メロディア盤とそれをコピーした旧西側のレコードは1,2楽章のみ実況盤。1989年に出たDG427777-2は全楽章実況録音で
メロディアの日本直輸入黒盤LP/CDも同じ完全実況盤。但し70年頃までDG旧盤とその音源提供元の旧東独エテルナ盤は44年の放送録音(放送されたのが44年3月)で上記2盤とは別録音とされていた。Vox盤はバイエルン放送から正式に入手したものという説もあるが、音質はDGに劣る。実況盤は1分45秒付近に大きな物音があるが、他はミスもなく、終楽章の迫力は凄い! なお、完全実況盤は韓国ポリグラムLPやDG盤CDが初出盤とされていたが、現在では73年頃発売された黄レーベルのメロディア盤が初出とされている。つまり、メロディア盤は発売時期によって放送録音(59年頃)、ハイブリッド(66年頃)、実況録音(73年頃)の3種が存在する。
完全放送録音のDG系LP/CDは3楽章20小節までの反復で後の方が2度使われている。Vox、メロディアは正常。ドイツに残されたコピーテープ(DG=東独放送局/Vox=西独のいずれかの放送局所蔵)と思われる聴衆なし放送録音はガザガサボコボコノイズが多く鑑賞に支障がある。初期のメロディア盤はオリジナルテープからと思われ、明快な音質。SWFLPやオーパス蔵盤が最初期全楽章放送録音のメロディア板おこしとされる。特に蔵盤は、最も明瞭度を高めた今後の標準盤という声も高い。Venezia盤はさらに明瞭だが針音も盛大。
仏フ協会報2002-1では、SWF8801に収録された第4の第1,2楽章は、現在流布しているロシアから返還されたものとは別の実況盤という。SWF011-3では3種の異なる演奏という名目で頒布されたが、全楽章通し演奏と思われるSWF011の演奏は全て53年VPO盤(SWF892)と同じ演奏。SWF012の1,2楽章は現在メロディア盤などで流通しているLiveと同じもの。清水氏によれば、SWF8801も今までと同じ演奏という。再登場したSWF011Rも従来と同じ演奏で、結局43年No4Liveは現時点で1種類しか確認されていない。DRAではDRA 1590084として24分11秒の2,3,4楽章の別テープが存在するが、別演奏かどうかは不明。
第5の43年録音は全楽章聴衆なしの放送録音盤。初出のメロディア盤はブルー灯台56年規格が確認されており、メロディアのWF戦中録音シリーズでは最も早い('59?)発売という。演奏は強烈な迫力を伴って運ばれているが、DG盤はエコー(ソ連で入れていた)が強くかけられ、歪みが多い。ユニコーンUNI106('69)はメロディア盤をダビングしたものとされる西側初出盤だが、エコーは少なく音質は比較的良好。桧山氏はレコ芸紙上で当時の西側諸国に残されたこの「第5」のテープを用いて、メロディア盤よりクオリティの高いレコードを作る計画を示唆していたが→TAHRAがフランクフルト、ウィーンなどに残された録音テープを使用したCD(TAH272)を97/08発売した。オルセンはこれらのテープは誤った録音年(1944年)が記載されていたとしている。またVOX原盤のコロムビアDXM157(72/10)はメロディア盤を起源とするユニコーン系とは別の西側に残されたコピーテープを使っているとオルセンは指摘し、当初「録音日不祥」でメロディア盤とは別録音の扱いになっていた。蔵盤もストレートにメロディア盤を音化した評判の良いCD。Venezia盤は盤質が良く音質良好の板おこし。
会議室におけるWF氏清水氏などの書き込みによれば、メロディア盤には「ガスト73」規格以降のLP/CDは1楽章7'07"付近に音の間延び現象があり、コーダに向かっての盛り上がりに「ズッコケて」感興を殺がれる−という。NHKFMで放送された87年返還テープでも「ズッコケ」は確認できる。01年末に日本に輸入されたギリシャdacapo盤と89年DG盤CDはこのテープを使っていることからこの「ズッコケ」が確認できるが、87年返還テープを使ったCD/LPと73年規格以降のメロディア板おこしCD/LP以外は正常。「1楽章欠落44年2月の運命」というフレコミのEMI CZS5628752(04/06)は従前の演奏と同じ録音で欠落もなかった。
コリオランは日本直輸入メロディアLP登場('89)までの西側盤は歪みが多く、音質的に大きなハンディがあった。最後のピッチカートには欠落があり西側のレーベルでは修復されていた。桧山氏は最後のピッチカートが弦だけに聞こえることから、「どこから持ってきたのだろう」とこの演奏とは別演奏のものの可能性を臭わせていたが、マグネトフォン特有(?)のブーというハム音が最後の音も聞こえることから、即断できない状況。初期のメロディア盤は、この時のモノではないと思われる明瞭な音質の拍手と共に最後のピッチカートが聞こえる。最新のメロディアLPなどではこの欠落が修復され、現在は形の上では正常になっている。しかし近年正常な形で発売されたメロディア盤やM&A盤にしても最後のピッチカート部分にはテープの継ぎ目が感じられ、収録ミス説もある。仙台S氏によれば、(1)メロディア初期盤(青聖火・ピンク)およびSFB返還テープと(2)メロディア黒盤およびCDの2種のテープが存在するという。前者がピチカート欠落版でメロディア盤は明瞭すぎる拍手をかぶせている。
メロディア盤の詳細は浅岡弘和氏HPを参照のこと。
The Smidth Pages(オルセンのWebsite)
(WF's famous discography publisher(a.k.a. Olsen)'s Web Site)
[ベートーベン:交響曲第4番 on Blue Sky Label]
[【高音質復刻】Furtwangler & BPO - Beethoven: Sym No.4 (1943.6.27-30 without audience) by pianissimo at midnight]
[【高音質復刻】Furtwangler & BPO - Beethoven: Sym No.4 (1943.6.27-30 Live) by pianissimo at midnight]
[Beethoven - Symphony No. 5 / Bruckner - Symphony No. 6 on RussianDVD.com]
[RRGアーカイブから〜RBBオンライン(グレイト/運命/ベトVn協/賛歌協)]

●7月15、18、21、24日 15(18,21,24) July 1943 Bayreuth Fes. Orc.(RRG)
Wagner:Meistersinger ワーグナー/名歌手全曲 (o-87)
バイロイト祝祭o バイロイト音楽祭実況録音 RRG収録 DRA(Frankfurt) & Private Archive, Munchen
LP/PR: UORC266('70?) ToshibaWF68-72('75)
CD: Laudis(Italy)LCD4.4008('87) TOCE3756-9('01) WF-GFJ081-4(08/04)

>>>2 recordings extant.(According to TAHRA) The perfect performance will be released.(According to the RG=Japanese Magazine)
▼一部映像も存在するバイロイトでのWF。97年5月号レコ芸「相談室」で現在欠落のある部分の録音(第一幕第一場の終結部および第三幕四重唱)が最近発見され、某メーカーが完全版の発売を計画としていたが、独協会とセンターとの協力で作られたCD(WF-GFJ081-4)が出た現在もこの部分は未発売。トレマン本ではDRAに3種の録音が存在し2種は以前からの欠落が存在するが、最近発見されたもう1種は完全盤だとしていた。
翌年44年の録音はステレオだとされるが、録音データミスで43年盤と同じ録音の私家盤しかない。オルセンは44年録音はロシアに存在するとしていたが−

●11月3日 3 Nov. 1943 BPO Philharmony (RRG=Melodiya=SFB/Pcon=DDR)
Beethoven:Piano Con.No.4(C.Hansen)ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4 (o-88)
LP/PR: UncornUNI106(69/10) SWF7005(70/02) Columbia(JP)DXM104UC(70/11) TV4361('73) DG(JP)MG6011(77/04) ToshibaWF70007(75/05)WF60048(81/01)
CD: MEL10 00711('93) TOCE3739(00/08) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Beethoven:Sym.No.7 交響曲第7 (o-89)
LP/PR: MelodiyaD27779-80('71) SWF7105(72/02) UNI WFS8(72/03) Columbia(JP)DXM151UC('72)
CD: PAL1024(87/03) MEL10 00713('93) SWF941('94) TOCE3733(00/08) OpusKuraOPK5002(03/11) SWF941R('04) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Peping:Sym.No.2 ペピング/交響曲第2 (o-なし)
LP/PR: M10 49721('92) AT13-14('93?)
CD: MEL10 00725('94) HuntCDWFE365('95?) GramophonoAB78510('95?) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
ハンゼン(P) BPO フィルハーモニー RRG録音 旧DDR所蔵(Pconのみ) Sym=SFB所蔵(1987)
>>>It is said AT13-14 copy of NHK-FM aircheck tape.(Broadcasting on 3 Nov.1992)
▼ペピングの交響曲は93年にMelodiyaから発売されたもの。桧山氏は日本製AT13-14('90?)について「恐らくエアチェックテープを音源としたプライヴェート盤」としている。その放送は92/11/03にNHK-FMで行われたが、shin-pはAT盤の他の出所の様子から、もっとオリジナルに近いテープをマスターにしたと思う。これでこの日の公演の全録音がそろった。
特にベートーベン第7の2楽章を聞いてほしい。寄せて打つ波のように「悲しみ」がこみ上げてくる。戦後の
'50年VPOスタジオ53年BPOの演奏では決して味わうことのできない胸にしみる弦の音色である。演奏会で聴衆に戦時下の「ほっと」できるひとときを与えているときもWFは、アウシュビッツのようなところで支配者たちが何をしているかを考えていたかも知れない。第7演奏評(WFこの1枚) 終楽章の冒頭に欠落があり、初期のメロディアはそのまま、MelodiyaCD,RCDは他の演奏で差し替え、DGなどは繰り返しを流用している。録音状態はメロディアが明快だが、2楽章は、なぜか音質が落ちてドングリの背比べとなる。MelodiyaCD,RCDの差し替え部分についてshin-pは、当初疑われたWFの50年VPO盤ではなく、ベームBPO盤(1958年録音)ではないかと思う。蔵盤やSerenade盤はストレートに初期メロディア盤を音化した評判のよいCD。蔵盤は若干電気的ノイズが気になる。shin-pは未聴だが、会議室の長野S氏FJHS氏加藤氏の書き込みによるとSWF941Rは「ノイズカットが大胆」で「残念な出来」という。SWF941は、メロディアCD同様比較的良好な音質だったが。楽章ごと音質に違いがあり第2楽章は42年3月の可能性もある。BPOプロデュースのRRG録音集では、この2つの収録日を併記している。
また、ハンゼンがソロのPコンのカデンツァはこの当時のベルリンの雰囲気を映し出した同氏の自作であると桧山氏がレコ芸のメロディア盤紹介の際に述べられている。このPコンは旧DDRのテープを使ったユニコーン盤が初出。この演奏についてはモスクワにオリジナルテープは存在せず、メロディアは84年に西側のディスクかDDRのテープを使って発売したと見られる。ユニコーン盤は音質良好。ただ演奏はフィッシャーとのブラPconなどに比べると平凡な印象で、戦前のこの演奏でなければというものではないと思う。
[Beethoven - Piano Concerto No. 4 on RussianDVD.com]
[ベートーヴェン 第7 on Blue Sky Label]
[【メロディア盤復刻】Furtwangler & BPO - Beethoven: Sym No.7 in A major, op.92 by pianissimo at midnight ]

●11月13-16日 13-16 Nov. 1943 BPO Philharmony (RRG=Melodiya=SFB/Till=DDR)
R.Strauss:Till R・シュトラウス/ティル (o-90)
LP/PR: Royale(US)1259/1370('52) DG EPL30589(61/11) Eterna520439(EP='62?)
CD: DG('89) M&ACD829('96) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Bruckner:Sym.No.6(1stMov.missing) ブルックナー/交響曲第6(第2-4楽章) (o-なし)
LP/PR: MelodiyaM10 47465(85?) W28-9('89?) SWF8801-3('89)
CD: TAHRA FURT1004-7('94) EMI566210-2('96) MEL10 00720('94) SWF963('96) M&A805('96) DanteLYS106-7('97)ArchipelARPCD0106(02/11) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Schumann:CelloCon.(3rdMov.only=P.Fournier) シューマン/チェロ協奏曲(第3楽章のみ) (o-なし)
CD/PR:TAHRA FURT1008-11('94) VeneziaDisk V1002('95) ARL151-2('95?) DanteLYS196('98)
フルニエ(vc)BPO フィルハーモニー RRG録音 Til=旧DDR所蔵 Others=SFB所蔵(1991)
▼ティルは61年初出の東独DDRテープを元にしたDG盤で有名。ただし最近のE.Lumpe氏の研究では「Gerd Rubahn指揮ベルリン交響楽団」の演奏で出たRoyale(US)1259('52)が初出となっている。Royale1370('52)はカップリング違い、同じRecord corporation of AmericaのレーベルといわれるGramophoneからは2097として「指揮者名なしの国立歌劇場管弦楽団」の演奏として発売された。VOX、Uraniaに代表されるノンオーソライズ米マイナー盤については[米50年代マイナーレーベルについて]を参照のこと。
Vc協は以前から存在が噂されていたフルニエとの録音がターラから出た(FURT-1011='94)。全世界で限定千枚の巨匠没後40周年記念盤。このCDには初登場の'30年録音で巨匠初のドヴォルザークとウェーバーの小品なども収録されている。録音状態は3曲とも良好。ただしVc協は2楽章コーダまで、ブルックナーは1楽章が欠落している。
ブルックナーのEMI盤は91年にSFBに返還されたオリジナルテープを使用している。メロディア盤CD/LPも良好な音質だがNHK-FM(92/11/03)で放送した時の音質はさらに素晴らしかったという意見も多い。ArchipelARPCD0106(02/11)はカップリングのブラ2が素晴らしい音質だったがこのブル6はTAHRA風ノイズ処理で期待はずれ。
[Beethoven - Symphony No. 5 / Bruckner - Symphony No. 6 on RussianDVD.com]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)

●12月8日 8 Dec. 1943 Stockholm Phil. Stockholm Concert Hall(Swedish Radio)
Beethoven:Sym.No.9 ベートーヴェン/合唱 (o-91)
ストックホルムフィル コンサートホール スウェーデン放送収録 LP/PR: BJR118(only 4Mov.='70?) Everest28631('75?) OlympicOL8120('75?) WFSJ JP1119-20('75?) DiscocropRR205('75) Fontana(JP)PL20('77)
CD: WFSA2002('90) M&ACD2002('90) KingJapanKICC2348('94) DanteLYS066('96) BIS CD421-4(only 4th Mov.)

▼平面盤での収録。LP時代は、スクラッチノイズが多く、音像がぼやけ気味で同じ条件のはずの同年5月のVPOとの録音に比べて音質が大きく劣っていた。CD初出の米フ協会盤やM&A盤以降のものはかなり改善され、特に終楽章は安定して聞けるものとなった。演奏は、42年盤のあのヒステリックさがなく、「息苦しさ」は感じられない。

●12月12-15日 12-15 Dec. 1943 BPO Philharmony (RRG=Melodiya=SFB=except Pcon)
Brahms:Haydn Var.ブラームス/ハイドン変奏曲 (o-92)
LP/PR: MelodiyaD010854(65?) UNI100-1(68/06) Everest(US)SDBR3242('69) TV4346-7(69/12) Columbia(JP)OL5001-EV(70/02)DXM104UC(70/11) ToshibaWF70010(75/06)WF60052(81/01) SWF8203-4('82)
CD: PAL1072(88/07) MEL10 00722('93) ToshibaTOCE3794(00/12) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
P Con.No.2(Aeschbacher) ピアノ協奏曲第2 (o-93)
LP/PR: M10 45921009(80?) RF(JP)1087('85?) SWF8502('85)
CD: TAHRA FURT1006('94) Dante LYS049('96) King(JP)KICC2117('91) SWF951-2('95) M&ACD951('96) GramophonoAB78803-4('96?) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Sym.No.4 交響曲第4 (o-94)
LP/PR: D09867-8(60?) Columbia(JP)DXM107UC(71/01)OB7289-92BS(77/06)OW7823('78) SWF7102(71/06) Rococo2013(72/05) TV4476('72?) DiscocropRR418('75?) Fontana(JP)FCM54('73)PC5('75) Toshiba WF70010(75/06)WF60052(81/01)
CD: MEL10 00722('93) TahraFURT1034-9(98/11) ToshibaTOCE3794(00/12)Venezia V1020(02/10) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
A・エッシュバッハー(P) BPO フィルハーモニーホール RRG録音 Pcon=PrivateArchive&Melodiya所蔵 Others=SFB所蔵(1991)
>>>Merodiya said Brahms Sym. recorded on June 1942.
協奏曲は私家製のテープの存在が明らかなため、以前から知られていたものの
メロディアには既にフィッシャー盤があるため発売が危ぶまれていた。メロディアからはLPのみでCD化は見送られTAHRAなどがCD化しているが、オリジナルテープはコピーを含め返還されておらず、メロディア盤から「板おこし」の可能性大。TAHRA本でもオリジナルテープの存在は不明としていた。唯一オリジナルテープからのLP化と思われるメロディア盤(黒盤)の音質も他のRRG収録曲より若干落ちるが、現時点ではこの音源の最高音質。ST氏はTahraFURT1006は「ピッチが1音高くはじまり、楽章を追うごとに正常に近づく」という。音質はTahra特有のレンジを人工的に広げた、好悪の別れるもの。演奏はすさまじいが、もう少し陶酔に浸りたい旋律の部分もある。I氏によればFURT1034-9のピッチは正常。
第4の録音日をメロディア盤(CD/黒盤)では42年6月21日としており、伊アルカディア盤は同じ日付で世界初出を謳っている。Gray氏はメロディア盤を42年録音と明記している。メロディアCDでは4楽章7'07"付近にテープのつなぎ目が感じられ、その前後で若干の音質変化があるが、現時点では同曲戦中異演奏は確認されていない。確認できたすべてのCD/LPで3楽章から終楽章後半部にかけブーという機械音が大きく混入し鑑賞に支障がある。2楽章まではかなりよい音で録音されているので、2つの演奏を編集している可能性はある。平林Serenade盤は素材を生かした明瞭な音質。
変奏曲では浅岡氏プロデュースVENEZIA V-1020(02/10)ソ連VSG復刻盤が貴重な音源。
[Brahms - Symphony No. 4 in E minor, Variation on a theme by Haydn on RussianDVD.com]
[【メロディア聖火盤復刻】Brahms Symphony No. 4 in E minor by pianissimo at midnight ]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.1 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.2 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]

[EMI48年盤][49年ヴィースバーデン盤]

●12月18日 18 Dec. 1943 VPO Musikverein (Electrola=EMI studio Version)
Brahms:Haydn Var. ブラームス/ハイドン変奏曲 (o-95)
VPO ムジークフェライン 独エレクトローラ(HMV系)スタジオ録音
Matrix:2RA6028-2/29-2/30-2/31-5/32-1/33-2
LP/PR: SWF7602('76) WFSJ JP1196('76) DiscocropRR456('76) ToshibaWF60078(86/06) EMI565 5132('95)
CD: ToshibaTOCE6056('91)TOCE3792(00/12)

>>>>SWF contain 2 take version.
●12月22-23日 22-23 Dec. 1943 VPO Musikverein (Electrola=EMI studio Version)
Beethoven:Sym.No.6 ベートーヴェン/田園 (o-96)
VPO ムジークフェライン 独エレクトローラ(HMV系)スタジオ録音
Matrix:2RA6038-2/39-3/40-2/41-2/42-2/43-2/45-2/46-2/47-2/48-2/49-2
LP/PR: VoxTV4408(71/02) Columbia(JP)DXM131('71) Pioneer(JP)H5060(81/11) ToshibaWF60078(86/06)
CD: ToshibaTOCE6056('89)TOCE3728(00/08) Prieser90199('95) M&ACD954('96)King(JP)KKC4166(19/02)

>>>Japan Columbia DXM131 contain the other take.(3rd of 11sp)
▼田園の日本初出のコロムビア盤(DXM131='71)やパイオニア盤(H5060=81/11)の頃はアセテート盤による放送録音とも言われたが、実は独エレクトローラへのスタジオ録音盤。SP盤での発売は現時点(2019年)では確認されていない。EMI系はVox系とはSP11面中4面が別テイクとされる。東芝初出盤(WF60078=86/06)の際、初めて1楽章提示部の反復が収められたと発表された。しかし巨匠は他の演奏では反復を行なっておらず、このLP以降EMI系(Prieserを含む)のすべての録音は同じ録音を2度使っていると思われる。つまり巨匠の演奏スタイルどおりなのはVox盤のほうということになる。(藤沢HS氏/YN氏などによる)これと同じことが47年のセレナード10番にも見られる。Vox原盤による初CDがKKC4166(19/02)として発売されたが、SP市販盤は未発売であり、VOX(Turnabout)がどういう経緯でこの音源を入手したかはいまも謎のままだ。
またハイドン変奏曲もSP盤は未発売に終わったが、EMI盤とは別テイクを収めた仏フ協会のSP復刻盤(Matrix:28-1/29-1/31-1&2&3&4/32-2/33-1)がある。
[ベートーベン:交響曲第6番 Turnabaut on matsumo's blog]
[Beethoven: Cavatina(1940) & Symphonies Nos. 3 "Eroica"(1947) & 6 "Pastoral"(1943) on YouTubeMusic Warner公式提供]


1944年

[1944-5 in English]


●1月9-12日 9-12 Jan. 1944 BPO Philharmony (RRG=Melodiya=SFB)DRA B003125981
Beethoven:Vn Con. (E.Rohn) ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 (o-なし)
LP/PR: MelodiyaM10 40929-30('78?) SWF7901('79) WFSJ JPL1055('79?) DiscocropIGI364('80?) ToshibaWF60049(81/01) DG(Kr)427773-1('89)
CD: MEL10 00716('93) DG427780-2('89) DG(JP)F20G29093('89) TOCE3740(00/08) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
R.Strauss:Domestic Sym. R・シュトラウス/家庭交響曲 (o-なし)
LP/PR: M10 40961-2('78?) SWF7902/06('79) WFSJ JPL1055('79) DiscocropIGI364('79) WF60056('82?) DG(Kr)427773-1('89)
CD: MEL10 00717('93) DG427782-2('89) DG(JP)F20G29095('89) TOCE3802(00/12) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
E・レーン(Vn) BPO フィルハーモニーホール RRG録音 SFB所蔵(1987/91)
>>>>Vn Con. is the best sound of RRG recordings.(Melodiya CD)
Vn協は当時のBPOコンサートマスター、レーンとの共演盤。レーンは戦後北西ドイツ放送oのコンマスをつとめるが、巨匠とは
51年ブラームスの交響曲1番のバイオリンソロでも共演盤がある。録音は数あるRRGのマグネトフォン録音の中でも最高の音質。MelodiyaCDやArchipelなどはステレオ感を感じるが、疑似ステが濃厚。ただ演奏は、独奏者として個性に乏しく、明るめの音色ばかりが耳に残る。やはり演奏では47年9月BPO&メニューインとの白熱のLIVEを推す。
[Beethoven - Concerto for violin and orchestra / Mozart - Symphony No. 39 on RussianDVD.com]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)
[【メロディア盤復刻】Erich Rohn, Furtwangler & BPO - Beethoven: Violin Concerto in D Op.61 by pianissimo at midnight]
[RRGアーカイブから〜RBBオンライン(グレイト/運命/ベトVn協/賛歌協)]

●2月7-8日 7-8 Feb. 1944 BPO Berlin State Opera (RRG=Melodiya)
Mozart:Sym.No.39 モーツアルト/交響曲第39 (o-なし)
LP/PR: MelodiyaM10 46005(83?) SWF8601/04('86) W22-23('85?)
CD: MEL10 00716('93) DG427776-2('89) DG(JP)F20G29089('89) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Hendel:Con.Grosso Op.6-10 ヘンデル/合奏協奏曲Op.6-10 (o-なし)
LP/PR: MelodiyaM10 46005(83?) SWF8601/04('86) W22-23('85?) DG(Kr)427773-1('89)
CD: MEL10 00716('93) DG427777-2('89) DG(JP)F20G29090('89) Berliner Philharmoniker KKC5952(18/12)
Beethoven:Sym.No.5 ベートーヴェン/運命 (o-98)
CD/PR: EMI CZS5628752(04/06)=43年6月と同じ演奏
BPO 国立歌劇場 RRG録音 SFB所蔵(1987/91)

>>>Tahra said W22-23 are Tape Version, but their original are not tapes. They are LPs.
▼この年1月30日にフィルハーモニーが焼失し、シュターツオーパーに移った初の演奏会。ホールの関係からか録音のキメが粗い印象を受けるが、モツ39番に関してはオーケストラの音色がBPOではないという意見もある。以前は42-43年録音と称する39番がこの日の演奏ではないかといわれていた。ただし、ライヴと放送録音の演奏スタイルの違いから「疑問録音」という意見もある。当日は「運命」も演奏されたが、現在までロシア(ソ連)から発売されていない。没後50年EMIからこの日の「運命」とされるものが発売されたが43年6月の演奏と同じ演奏だった。SFBへの原テープ返還にも含まれておらず戦時中の「運命」実況の存在は絶望的。(39年9月の運命43年6月の放送録音はあり)
43年聴衆なしのベト4もオルセン出版当時はこの頃の放送録音とされていた。 (o-97)
[Handel - Concerto Grosso / Schumann - Concerto for Cello and Orchestra / Wagner - Tristan and Isolde on RussianDVD.com]
(↑RussianDVD.comはロシアの通販サイト。)

●3月20-22日 20-22 Mar. 1944 BPO Berlin State Opera (RRG=Melodiya=SFB=excepts Sym)DRA B003125984
Beethoven:Sym.No.6 ベートーベン/田園 (o-99)
LP/PR: MelodiyaD027777-8('71)
CD: PAL1026('88) SWF901('90) WFSA2001('90?) MEL10 00712('93) TahraFURT1034-9(98/11) OpusKuraOPK5001(03/11) BPO KKC5952(18/12)
Weber:der Freischutz ウェーバー/魔弾 (o-なし)
LP/PR: M10 41233-4('80?)
CD: DG427781-2('89) DG(JP)F20G29094('89) MEL10 00712('93) BPO KKC5952(18/12)
Ravel:Daphnis Suite No.2(No.1 excerpts) ラヴェル/ダフニス第2組曲全曲+第1組曲より2曲 (o-なし)
CD/PR(No1): BPO KKC5952(18/12)
LP/PR(No2): SWF8803('88)
CD(No2): DG427773-1('89) MELCD10 00712('93)
BPO 国立歌劇場 RRG録音 Ravel=SFB所蔵(No1=1987,No2=1991) Sym.=SFB所蔵(1987) Weber=SFB所蔵(1987/91)

>>>>Melodiya D027777-8(LP) used Muravinsky's LP Jacket.
▼この田園のメロディア盤は中古LP店などでよく見かける。ジャケットにはムラヴィンスキー&レニングラードpoと記載され上に紙片が貼り付けてあるという「いわくつき」のもの。当時、メロディア盤はソ連のアーチストのものしか輸出できなかったための措置とされている。80年代になりメロディアが初出盤を出し存在が知られるようになった「魔弾」は良好な音源が確認されているが、この田園はエコーがかかりすぎて聞きづらい。蔵盤は比較的聞き易い板おこし。米フ協会盤も評判がよい。
返還テープによって初めて存在が明らかになったダフニスは第2組曲のみが市販されているが、第1組曲は「間奏曲」「戦いの踊り」がBPOプロデュースのRRG録音集で2018年末に初出された。音質は第二組曲と同等。
[RRGアーカイブから〜RBBオンライン(グレイト/運命/ベトVn協/賛歌協/ダフニス)]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.1 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.2 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]

●6月2-3日 2-3 June 1944 VPO Musikverein (RRG=ORF&DRA)
Beethoven:Leonore, Ove.No.3(recorded on 2 June) ベートーヴェン/レオノーレ3番 (o-100)
LP/PR: SWF7101(71/03) WFSJ JP1191-2('75?) DiscocropRR469('75?) Columbia(JP)OZ7512BS('76) DG(Kr)435977-1('89)
CD: SWF901('90) DG435324('91)
Mozart:Sym.No.40(recorded on 2-3 June) モーツアルト/交響曲40番 (o-148)
CD/PR: TAHRA FURT1014-5(97/04)
Schubert:Rosamunde ent.2(recorded on 3 June) シューベルト/ロザムンデ3番 (o-1なし)
CD/PR: TAHRA FURT1014-5(97/04)

>>>>They are Magnetofonkonzert. Mozart:Sym.No.40 (TAHRA FURT1014-5 recorded on 2/3 June 1944) is the same Recording that M&A released CD258 in 1987. M&A said TAHRA is right about date of this performance.(According to Mr.Imamura)
▼レオノーレはLP発売時は5月2日となっていた。VPOとのはじめてのマグネトフォン(テープ)録音で聴衆のいない放送録音。SWF盤は45/01/28録音としているが今までのものと同じ演奏。
6月2、3日録音とされる2曲はTahraから出た未発表録音。(ハンガリー協会のNEWSでは、このTAHRA FURT1014-5に含まれる演奏は96年にシュトゥットガルトで発見されたとしている)他に
39年9月運命53年4月ラヴェルなどが収録されている。TAHRAの40番は至る所で音質が変化し、同じ演奏とされるM&ACD258と比べても音質が悪い。いつものTAHRAならエッシュバッハーとのブラームスのように極端にハイを持ち上げて音質を「戦後の音」のように加工するはずだが−
40番は49年2月のHUNTらによって非WFとされたCDと同一という意見をSKさんからいただきました。F資料室でも数人の方からM&Aと同一というご意見をいただいています。I氏のM&Aの問い合わせでは、TAHRAの日付(つまりこの日)が正しいとしています。但し、音質が異なる点については未回答とのこと。また、この40番は49年EMIスタジオ盤とのスタイルの違いから非WFという説が根強いが、44年という新たな録音年がほぼ確定した現在では、スタイルの変化が戦中から戦後にかけてあった−とする考え方のほうが妥当だと思う。
[モーツァルト:交響曲第40番 on Blue Sky Label]
[高音質復刻】Furtwangler & VPO - Schubert: Rosamunde, D 797 Entr'acte No 3 by pianissimo at midnight]
[高音質復刻】Furtwangler & VPO - Beethoven: Leonore Overture No.3 by pianissimo at midnight]

◎6月15日VPOとの録音とされる「ティル」を載せているディスコグラフィーも存在するが未確認。
◎また、7月30日ミュンヘンまたはバイロイト収録とするメロディア盤ダンベール/「低地地方」序曲、ギーゼキングとのグリーグ、ハイドン/ロンドン(いずれもVPO)がLPなどで出ているが、VPOはザルツブルクに音楽祭のため滞在中(20日に有名なヒトラー暗殺未遂事件が起こり29日に音楽祭は中止)のため非WF説が有力。ロンドンのみはMr.Mike Gray氏のディスコグラフィーではオケはBPOでミュンヘンでの録音としている。また7月22、24日にはバイロイトのマイスタージンガーを同音楽祭oを指揮して演奏し、この44年の録音はMagnetophon K7(?)によってステレオで収録した(W・ワーグナーの証言)とされるが、テープはソ連軍が接収したとされ、現在までテープの存在は確認されていない。米盤LPのEA008で43年収録のものを44年として発売している。またハイドンについては「米マーキュリーMG10050の44年録音アルフォンス・ドレッセル指揮バイエルン放送響と同じ」といわれ、52年に米Royale1401(LP='52)として出ていたものと同じであることが確認されている。このロンドンをDR盤50年ブエノスアイレスでの同曲の1楽章冒頭部の修復に使っている可能性もある。
グリーグについては44年7月バーデンバーデンにおける放送録音でヘーガー&BPOが正確なようで、TAHRAから98/08にTAH195で発売された。但し、このTAHRA盤の製作も40年代いわく付きのワーグナーACANTA盤で有名なFonoTeamが行っており、まだまだすっきりしない部分もある。
[syuzo氏のクナッパーツブッシュ・ページ]
[グリーグPコンO氏の見解]
[Magnetophon K7 by de.Wikipedia]

また[Tokubi氏のスイス音楽紀行の戦前のWF編]には、44年夏、巨匠がはじめてルツェルン音楽祭に登場したときの録音についてふれている。44年以降のスイスでの演奏会は放送されているケースが多く、録音が残されている期待もある。

●10月7日 7 Oct. 1944 BPO Beethoven Saal(RRG=DDR)
Bruckner:Sym.No.9 ブルックナー/交響曲第9 (o-102)
LP/PR: DG KL31('64) LGM1122('64) MG1045('70)
CD: POCG 2347('92) BPO KKC5952(18/12)
Mozart:Sym.No.39 モーツアルト/交響曲39番 (o-77)
CD/PR: SWF991('99=miss date) BPO KKC5952(18/12)
BPO RRG放送録音 旧DDR所蔵 ベートーヴェンザール

>>>>This is Magnetofonkonzert.
▼ベートーベン・ザールでの録音についてはこの録音の前にブラ3が計画されていたが「ホールが小さすぎる」と巨匠は拒否したとされる。しかしさらに難しいブルックナーを録音したことから、その拒否の真意は巨匠が「不得意」とした楽曲によるものか、ナチスの宣伝放送に対する拒否かのどちらかであろう。
このあと10/11リンツ・ブルックナー管と同曲を演奏している。巨匠がこのヒットラーが作った国策オケと演奏したのは、これが最初で最後だった。このオケは43年6月から45年5月までしか活動しなかった。
モーツアルトの録音はSWF盤が初出とされるが、1942-43年録音とされるDGと同じものと思われる。このCDは仏フ協会報では43年録音となっている。ブル9とともに放送録音として収録された記録が残っているらしいが、疑問点も残る。BPOプロデュースRRG録音集では再び録音日不詳の42-43録音としている。戦火で散逸したRRGのマグネトフォン録音記録が残っていれば−と悔やまれる。詳細は
1942-43年モツ39も参照のこと。
[モーツァルト:交響曲第39番 on Blue Sky Label]
[ブルックナー:交響曲第9番 on Blue Sky Label]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.1 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]
[Wilhelm Furtwangler: Recordings 1942-1944 Vol.2 on YoutubeMusic Provided by Universal Music Group]

●10月17日 17 Oct. 1944 VPO Musikverein(RRG=DDR)
Bruckner:Sym.No.8 ブルックナー/交響曲第8 (o-103)
VPO ムジークフェライン RRG放送録音 旧DDR所蔵
LP/PR: UnicornUNI109-10(69/12) Columbia(JP)DXM110-1-UC(71/04)
CD: M&ACD764('93) DG4454 152('94)Palladio PD-4135('95?)

>>>>This is Magnetofonkonzert.
▼14/15/16日と実演があり、次の日にマグネトフォンコンサートとして放送録音された。この上記2つのブルックナーは巨匠の大戦中の放送録音としては比較的早期に発売され、戦中の録音では定評のあるもの。このマグネットフォンコンサートは午前8:30 - 11:00に行われたという。Palladio PD-4135は1949 First ReleaseとTESTAMENTよりも早い14日盤を思わせる記載があったが、実際は1944年盤。
[ブルックナー:交響曲第8番 on Blue Sky Label]
[「Liber Liber」 Audioteca Beethoven (伊のオープンアクセスライブラリ、BrucknerのAudioPAGE)]
(↑Gnutemberg/Wikimediaとコラボプロジェクトを展開 ブル8有)

●12月12日 12 Dec. 1944 BPO Admirals (RRG=SFB)
Schubert:Sym.No.8 シューベルト/未完成 (o-なし)
CD/PR: TAHRA FURT1011('95=1stMov Only) BPO KKC5952(18/12)
BPO アドミラルパラスト RRG録音 1stMov.=Funkhaus&DRA所蔵 2ndMov.=SFB所蔵(1991)

▼1楽章は旧東ドイツ放送局から発見され'95年TAHRAから初出。2楽章は'91年SFBに返還されたテープに含まれていたもの。SFBの発表で2楽章は再生不能とされ、2018年末まで未発売だったが、BPOプロデュースのRRG録音集が発売され初出された。弱音部は大きなノイズがあるが、再生不能で聴けないというものではなかった。 旧独帝国放送ベルリン放送局はソ連軍により接収され、のちDDR(東独放送局)になったが、その際、モスクワに移送されたテープと残されたテープの存在が考えられる。
軍需工場労働者のための慰安演奏会ライヴ。慰安演奏会はヨッフム、ベーム、イッセルシュテット、アーベントロートなどこの国に残る名演奏家たちが任命されたが、巨匠が任命されたのはこの日と同年10月22日。国立歌劇場が戦災で消失のため、BPOは本拠地をアドミラルパラストに移し、国立歌劇場管と兼用していた。
[Admiralspalast by de.Wikipedia]
またDRAもこの曲の2楽章のテープを保存しているが、この演奏の残り部分かどうかは不明とTAHRA本は述べている。

●12月18日 18 Dec. 1944 VPO Musikverein(RRG=Melodiya=SFB)
Beethoven:Sym.No.3(2nd Mov. missing) ベートーヴェン/交響曲3番(2楽章欠落) (o-104)
VPO ムジークフェライン RRG実況録音(?) SFB所蔵(1991=2ndMov.Missing=the same recording of Urania LP.)
CD/PR: Preiser90251('95)

>>>>It is said this performance is Live Version. But I think this performance is same as Urania LP's performance. PreiserCD used SFB tape from Russia on Mov.1,3&4, Urania LP on 2nd Mov. and 1952 performance(7 Dec.) on a part of 1st Mov.
●12月(19)20日 20(19) Dec. 1944 VPO Musikverein(RRG=DDR)
Beethoven:Sym.No.3 ベートーヴェン/交響曲3番 (o-104)
VPO ムジークフェライン RRG放送録音 Funkhausベルリン(旧DDR)所蔵 DRA B003313465
LP/PR/SB: UraniaURLP7095('53) VoxTV4343(69/11) Fontana(JP)FCM50('73) UnicornUNI104(70/05) Columbia(JP)DXM101(70/08) SWF7001(70/02)
CD: TahraFURT1031(98/05) ToshibaTOCE3730(00/08)

>>>>This is Magnetofonkonzert. TAHRA CD has the Best sound.
[清水完全本 Urania盤の話題](URLP7095のプレスによる違い)
▼16日と18日の実況2種と19/20日の放送録音1種の最大計3種の録音がある可能性も指摘されていたが、実際はテープの経由により音質が若干違うものの放送録音1種類しかないと思われる。
20日収録とされる聴衆なしの放送録音は有名なウラニア盤。この米盤は、Voxと同じ系列で発売されていた。発売直後に巨匠から発売さし止めの訴訟が提訴された。訴状でこの録音の収録日を12月20日としている。ウラニア盤は、歪が少なく力強い印象だが、プレスによって差異が大きいとも言われている。SK氏によると90年頃CDに復刻したもの(URCD7095)の音質は劣悪だったという。69年になってVOXとユニコーンから再び市販され、UNI104は繊細な音質といわれたが現在のTOCE3730(00/08)でそれを確認するのは困難。TAHRA FURT1014-5の解説書では19、20日の録音とされ、ベト1とともにフリードリッヒ・シュナップ博士の手で録音されたとしているがベト1の存在は不明。
ユニコーンの認証がありながらもUraniaのテープを用いたのでは?とされるTurnabout(VOX)TV4343(69/11)の評判が良いが、私はその日本盤フォンタナFCM50('73)ではじめてこの演奏に接した。当時高校生の私には巨匠初の1000円盤に加えて、十分すぎるほどの演奏にインパクトがあった。これを聞いた日以来、WFのLPを買いあさる日が始まろうとは・・・。録音も現在のAMラジオ並みの音質で、雑音も少なく聞きやすい。熱のこもった宇野功芳氏の解説にも驚いた。最近shin-pが入手したTV4343の3枚組TV4352とFCM50の音質には明瞭度の点で大きな差が感じられた。
91年ロシアからRRGのカートンに入ったマグネトフォンテープの現物が返還され、それを用いたと思われるCD=Preiser90251が聞きよい音質となっているが、同じソースを用いたと思われるメロディア盤でも確認できる1楽章13分17秒付近の音質低下を52/12/07BPO盤で修復している。さらに欠落した2楽章は旧DDRのテープを用いていると思われ音質が違う。メロディア盤は56年頃に初出されたが、現在のところ初出盤ではEMIと同じ演奏のものしか確認されていない。メロディア盤では2楽章のみ板おこしと思われるM10番号以降で初めて44年盤が確認できる。上記Turnabout盤のLP用テープを使用したとするBAYER BR20002やPRICELESS D16395も評判のよいCD。
メロディアCD直輸入盤で日フ協川上氏は「このCDの演奏は放送録音で、SFB返還のテープはそれとは別の実況盤で2楽章が欠落」としており仏フ協でも「別演奏」としているが、おそらく同じ演奏。現在(2021年)においてもメロディアの早い時期の発売盤の一部にもう一つのウラニア盤があるという伝説に呼応する意見があるが、現時点では明らかにEMI52年と同じ音源しか確認されておらず、情緒的な判断でない慎重な比較検討が必要だ。
TAHRAは43年運命(TAH272)と同じように旧西側に残されたテープを使って「最良の」44年放送録音「英雄」(FURT1031)を発売。平林2盤、GREEN DOOR、Mythos、Archipelはウラニアおこし盤。
上記ウラニアのエロイカ、45年1月のブラ2&フランクは、帝国放送ウィーン放送局が収録したもののその(コピー?)テープがアメリカに渡ったらしく「英雄」は53年にUraniaから、「フランク」は52年にVOXから発売された。演奏者には無断で発売したものだが、当時のアメリカの法律では「放送局から正規に入手している」ため合法だったという。他にもアメリカのマイナーレーベルから戦時中の様々なマグネトフォン録音がLP化され、50年代に発売された。一時WFではないかといわれたアレグロのエロイカ(ALL3113=現在まで本当の演奏者不明)や41年新世界(Royale1257=1944年カバスタ指揮ミュンヘンフィル?)、44年ロンドン(Royale1401=アルフォンス・ドレッセル指揮バイエルン放送o?)も同様の経緯といわれる。
[Beethoven: Symphony No.3 Turnabaut TV4343 on matsumo's Sound Library]
Furtwangler Beethoven "Eroica" Vienna 1944 Urania on YouTube Search
[【高音質復刻】Furtwangler & VPO - Beethoven: Sym.No.3 `Eroica`by pianissimo at midnight]
[【ウラニアのエロイカ】Furtwangler & VPO - Beethoven: Sym.No.3 `Eroica`from URLP7095 by pianissimo at midnight]
[ベートーベン:交響曲第3番「エロイカ」 on Blue Sky Label]
[orooropapa氏のHP](「ウラニア英雄」の研究のこだわりが光ります)
[米50年代マイナーレーベルについて]
米Fi Magazineの編集者Michael Gray氏によると「英雄」は19日 (9:00 - 11:00 and 18:00 - 21:00)に、ベト1が20日 (9:00 - 11:00 and 18:00 - 21:00)にそれぞれ録音されたという。[Preiser90251英雄(44年録音)の編集について][店頭情報][私とclassic]


1945年

[1944-5 in English]


●1月23日 23 Jan. 1945 BPO Admirals (RRG=SFB)
Brahms:Sym.No.1 4th Move. ブラームス/交響曲第1から第4楽章 (o-105)
BPO アドミラルパラスト RRG録音 SFB所蔵(1945)
LP/PR: SWF8803('88) AT13-14('90?)
CD: DR910004-2('91) SWF9501-2('95) TAHRA FURT1006('95) BPO KKC5952(18/12)

▼戦前のBPOとの最後の演奏会録音。演奏されたのは他にモーツアルト40番、「魔笛」序曲。K550第2楽章演奏中空襲のため停電がおこり演奏会は中断、ブラームスは全曲演奏されたものの終楽章のみの収録とされている。この録音には大戦中としては珍しく終演時の拍手が収録されている。壮絶なコーダのあと、間を置いて染み出るような拍手に心が打たれる。この日の演奏曲目を39番とする意見があり、多くの資料ではmissとされるが、巨匠39番録音では疑問点が多く、ミステリーの一つとなっている。
フジ04/11/07PM4:00から放送された『ベルリンフィル音楽紀行』はこの日の演奏を基軸にインタビュー形式でWFの物語が展開された。SFBのラング氏のインタビューの合間にナレーターはこの日の演奏のテープがロシアから91年に返還されたとしていたが、88年にはSWF盤が出ており、SFBの返還テープ資料にもないことから以前から旧西側に存在したテープと思われる。
[Admiralspalast by de.Wikipedia]
[ブラームス交響曲第一番第四楽章 フルトヴェングラー指揮 1945年1月 on ニコニコ動画]
(↑試聴にはログインが必要です)

◎1月24日夜,巨匠専属トーンマイスターのF・シュナップとウィーンへ向かう。列車はプラハ経由ウィーン行き。
25日ウィーンに着き59歳の誕生会を開く。
26日VPOとリハーサル。
27日公開総練習を行う。

●1月28日(19:00 - 21:00) 28 Jan. 1945 VPO Musikverein(RRG=ORF&SDR)
Beethoven:Leonore, No.3 ベートーヴェン/レオノーレ3番 (o-なし)
Leonore 未発売 not issued
Brahms:Sym.No.2 ブラームス/交響曲第2 (o-107)
LP/PR: SWF7301(73/03) DiscocropRR418('75) WFSJ JP1128-9('75?) ToshibaWF70009(75/06)
CD: SWF902('90) POCG2341(91/09) TOCE3793(00/12)ArchipelARPCD0106(02/11) DG474030-2('02)ORFEOR834118(13/02)
Net:
andante104('02)
VPO ムジークフェライン RRG収録 VPO/ORF/SDR所蔵
●1月29日(19:00 - 21:00) 29 Jan. 1945 VPO Musikverein(RRG=ORF)
Franck:Sym. フランク/交響曲二短調 (o-106)
VPO ムジークフェライン RRG収録 VPO/ORF所蔵
LP/PR/SB: VoxPL7230('52) SWF7302('73) WFSJ JP1128-9('75?) DiscocropRR403('75?)
CD/SB: King(JP)KICC2118('92) POCG2340(91/09) SWF902('90) DanteLYS124('97) ArlechinoARL140('96) VeneziaV1018(02/03) DG474030-2('02) ArchipelARPCD0174(03/12)DeltaDCCA0002(04/10)WFJ44-45(06/06)WING WCD202(09/07)ORFEOR834118(13/02)
Net: andante103('02)

>>>Mr.Hiyama said this Date. HUNT said all performances recorded on 28 Jan. TAHRA said Brahms recorded on 29 and Beethoven & Franck on 28. I think Mr.Hiyama is right.
▼戦中最後の録音。ウィーン脱出直前の演奏会実況でVPOとの初めての実況マグネトフォン(テープ)録音。
フランクは、53年のデッカ盤をメロディアが45年録音として発売したことから西側で混乱が生じ、この日の録音としながらもUnicorn盤(日コロムビアと東芝)は53年盤である。
演奏は異様な恐ろしさが表現され、興奮度と巨匠らしさで53年盤はこの日の演奏にはかなわない。
初出VoxLPとORFEOR834118(13/02)以外は正規盤も含めて録音にワウが多く、ブラ2よりもかなり聴きづらい。DGの音源となったORFにあるアーカイヴは、コピーテープである可能性が高いと桧山氏は言う。ARLECHINO、DANTEの2種のCDは若干テープのつなぎ目が異なるものの板おこしを含めた2種以上のテープを巧妙につなぎ合わせ、エコーをかけて「聞きやすくした」と思われる。Vox盤の1、2楽章はほとんどワウがなく、弦にも透明感が感じられる腰の強い音質だが、2楽章には聴衆ノイズをカットするための欠落があり、3楽章に入ると他の盤ほどではないにしろワウが感じられる。RR盤は音質劣悪。RRと同系列と思われたM&A原盤のキングCDは比較的聞き良い音質。やはり板おこしとテープを巧妙に組み合わせているが、終楽章はRR盤並に音質が落ちる。VeneziaV1018(02/03)は2楽章冒頭欠落のあるVox盤おこしで、LP表面ノイズを除けば良好音質CD。「ザ・コンプリートVOX」という題で没後50年に発売されたDelta盤は同様の音源としてはさらに聴きやすいが、その差は微妙。板おこしについては、Vox盤に対する思い入れの強さでその好悪は変わる。日DG盤はノイズリダクションを多用気味の音質だが2楽章の音質は優れており、両端楽章で感じられるワウの多い聞き苦しさはテープの経年変化である可能性が大。2002年初めて本国から出た独DG盤は日DGよりも音質明瞭。現時点では独DG盤がバランス的にファーストチョイス盤と言える。但しマスターテープ自体は日本盤と同じと思われ、マスタリングの違いによる音質が明瞭になったことで、一部板おこしである部分が判明している。Archipel盤はブラ2が良好音質だっただけに期待されたが、カップリングが同じARLECHINO盤と同じ原盤からのものと思われ、エコー多用で「もどかしさ」の残る音質。WINGからは、2009年春「二つのニ短調交響曲」としてWCD202が出た。LP表面ノイズを3つのLPを使って最小限にしている。日本コロムビアから2009年10月ついに日本初出VOXフランクがCDで発売されたが、音質は期待はずれ。shin-pが現時点(2010年)までに試聴したどのLP/CDとも音質は異なり、本当にVOX社のオリジナル音源からのマスタリングだとすれば、すでに劣化は相当深刻に進んでいることになる。「ウィーンでの演奏会1944-54」として13年2月に発売されたORFEOR834118は、音揺れが最小限に抑えられている。音質は曇り気味で臨場感ではVOXLP起こしに一日の長があるものの、全楽章を障害なく聞き終えることができる唯一のCDとなった。再度、放送局オリジナルに戻り音撮りをし、54年バイロイト第9でも使った最新技術を駆使した成果か?
各盤の音質については[再びVoxフランクについて]も参照のこと。
オルセンやLP初発売時のデータでは両録音とも28日となっていたが、ORF所有のテープから発売したCD(POCG2340)ではフランクの録音日を29日としている。桧山氏はVPO資料室の資料番号からこの録音を29日ではないかとし、27日の公開総練習も含めて3日とも録音されたとしている。つまり、この二つの録音は3日連続で演奏された違う日の録音ということになる。この演奏は初出の際スイス亡命の前夜(28日)録音という「キャッチコピー」で売り出されたが−(トレマン本ではブラームスが29日、フランクが28日、HUNTは両録音とも28日、SWFのCD解説では両曲共28日となっている) 録音時刻については米Fi Magazineの編集者Michael Gray氏のウィーンでのリサーチによる。[スイスへの亡命][問題盤研究〜戦中のRRG録音]
レオノーレは仏フ協会盤SWF901('90)で頒布されたが、実際は44年6月の放送録音と同じものであり現在まで未発売。
ブラ2は、録音のせいか1楽章ではすっきりしない冒頭部ながらだんだんと熱気を帯びていき、終楽章ではものすごい迫力で締めくくる。聴いた後に、なにかあっけにとられる瞬間があるほど壮絶なもの。1959年独日EMI系はブラームス交響曲全集を企画し、この45年盤が第2の録音として選ばれたが、桧山氏によれば「デッカとの契約上の問題が解決せず」発売は見送られた。結局74年になり全集としてEMI系から発売されたのは52年盤だった。EMI系はユニコーン原盤として75年になって初めて45年盤を発売するが、この東芝(Unicorn)盤は大量のテープヒスノイズに加え、混信ノイズもあり劣悪な音質。出所については表記がないが、桧山氏はORF以外にSDR(南ドイツ放送=シュツットガルト)にもコピーテープがあるといい、そのテープの可能性もある。DG初出CDはORFのテープからのものだが、ノイズリダクションを多用したと思われ音像がぼやけ気味だ。Discocrop盤やこれが原盤の日コロムビア盤はノイズ処理を押さえ気味で雑音は多いが現時点で最も明瞭で迫力のあるLP。CDではArchipelARPCD0106(02/11)が最も明瞭な音質で聞かせる。
この日の3曲のテープはモスクワにない可能性が高く、45年フランク真正メロディア盤はなかったと思われる。一時はノイズの多さからUnicorn原盤ブラ2もメロディア盤のコピーという意見があった。VOX、Uraniaに代表されるノンオーソライズ米マイナー盤については[米50年代マイナーレーベルについて]を参照のこと。andanteのサイト上でこの日の2曲をrealaudioで聞くことができる。VPOのアーカイヴからのマスタリングという。realaudioなので本当のマスターは推測でしかないが、日DGが使ったというORFアーカイヴと大差ない音質と思われる。ただし、Olsen氏によればRot-weiss-RotのテープはVPOに一括返還されたといい、ORFのはそのコピーという可能性もある。
[ブラームス:交響曲第2番 on Blue Sky Label]
[【高音質復刻】Furtwangler & VPO - Brahms: Sym.No.2 by pianissimo at midnight]
[【テープ復刻】Furtwangler & VPO - Franck: Symphony in D minor - tape transfer by pianissimo at midnight]
[【VOX PL7230復刻】Furtwangler & VPO - Franck: Symphony in D minor - LP transfer by pianissimo at midnight]
[再びVoxフランクについて]
[米50年代マイナーレーベルについて]
[放送用編集マスターについて]
[Tokubi氏のスイス音楽紀行の"モントルーのWF"]
(クラランへの亡命生活=45/01/29当時の様子が詳しく紹介されています)

◎この年2月2日収録としてメロディアが発売中の「グラズノフ/交響詩」は夫人の「この日はウィーンからスイスに移動中」という指摘に対して、メロディアCDでは、ケースにつけられているベルリン放送のデータに11時という記載があり、2月2日という日付は放送日かテープをダビングした日ではないか−と述べている。夫人はこの曲の録音は残っているはずとコメントしておりWFかどうかは微妙。

***<注意>***リンクされた先の音源はshin-pの管理下にはありません。取り扱いには十分お気をつけください。

戦後[1947年][shin-p'sコラム]戦前EMI録音期[1937-41][フレーム版]
postwar[1947in English][長野S氏他戦中盤研究]