今週のshin-p&CD店頭情報21

今週のshin-pと店頭情報は統合されました。
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今週のshin-p&店頭情報2024/02/13

[00/11以前の今週のshin-p&店頭情報]
▼一昨年(2022)春、長男の就職を機に夫婦で松山へ移住。長男は8ヶ月ほど流山市にある妻の実家から東京駅前にある本社に通っていたが、佐渡に転勤。私達夫婦は、年に4回ほど上京して、落語会に参加したり、東京に出張で戻った長男に会ったり、再就職した娘のために孫たちの面倒を見る生活になった。松山では編み物をしたり、リモート習字をしたり、妻はzoom落語の稽古をしたり、まだ知らぬ松山の街を散策したり、それなりに充実した老後を送っている。
その間のWF関連のリリースではキングインターナショナルから発売されたCDを集大成した80枚のBOXがあげられる。しかしすでに所有しているものであるため7万円以上するものに食指は動かなかった。今年は没後70年。未発見、あるいは大人の事情で発売が叶わない録音のリリースを期待したい。
昨年春、ザールブリュッケンでWF関係のテープが発見されたというドキュメント番組が独ザールラントで放送されたという情報をFB友からいただき、ネット上に公開されていた映像を見たところ54年のブラPcon1らしき音源の一部が流れていることが確認され「新音源か?」とFB上で話題となった。[54年4月4日のディスコグラフィー]
昨年9月、WFを音源としてのみ研究する方向性とは一線を画し、フルトヴェングラーの作品、思想を自己の演奏に活かす活動をされた野口剛夫さんが亡くなられた。生前のご友好に感謝し、HP更新に際し改めて御冥福をお祈りする。
今回の更新は、台湾で活躍する指揮者徳岡直樹さんからの情報で、戦時中の録音として日本コロンビアからLPが出ていたシューベルト交響曲第2番の真の演奏者がわかったことを記載するため。詳細は[42年VOX疑問録音のディスコグラフィー]を御覧いただきたい。徳岡さんには昨年末に情報をいただきながら情報を更新できなかったことをお詫びし、感謝の意を表したい。[徳岡直樹氏のフルトヴェングラーATM解説動画](24/02/13)
▼また約一年半ぶりのHP更新。この間にshin-pHPは今年9月13日25周年を迎えた。そして今日は母の4回目の命日。母の遺志だった自宅での編物教室を昨年春以来暫定的に開設し、来春の東京から松山への定年後Uターンを控えて落ち着かない日々を過ごしている。
今年はWARNERから1950年スタジオ録音でお蔵入りしていた「皇帝円舞曲(別テイク)」「ジークフリート葬送(別テイク)」「ロザムンデ間奏曲3番」「弦楽セレナーデ〜エレジー」、コペンハーゲンの未完成の初出音源を組み込んだ既出新マスタリング全集の発売、スウェーデンBISからスウェーデン放送所有のバイロイトの中継録音が発売されるなどWF界が久しぶりの活況を呈している。バイロイトの第九については[19510729のディスコグラフィ]を御覧いただきたい。12月にはBISの国内盤も発売され、リハーサルについての評論家解説も楽しみだ。53年VPOの第九とともに音楽とは関係ない大人の事情に悩まされたバイロイト盤だが、やっと気持ちスッキリと名演を味わうことができる。[センター盤バイロイト頒布]で述べたように、やはりバイロイトといえば編集され尽くしたEMI/Warner盤が最も好きだが。(21/11/29)
▼約一年半ぶりにHPを更新。その間、18年末に逝去した母を追悼する「第二回 楽語会」などのイベントや母の店の編物教室部門再開のため、松山⇔東京を往復する日々が続いた。今年3月には37年間働いた会社を定年退職し、有給消化を使って息子と四国を一周する「道の駅」めぐりをした。退職する一ヶ月ほど前から拡大の兆しを見せていたコロナ禍は、4月になりパンデミックとなり、退職後の予定は大きく狂ってしまった。
編物教室の方は、3月中旬に松山アーバンデザインセンターでイベントを行い、4月に三回開講、5月は休講し、6月からは毎週木曜日に開講しています。ソーシャルディスタンスを迫られる中なかなか難しいところもあるが、村上笑子講師の後進の指導をしたいという気持ちが続く限りサポートしていきたい。

今後YOUTUBEを使い、編物関連の「エフ99 編物チャンネル」そしてフルトヴェングラー関連の動画も上げていきたいと思っています。昨日[作り目〜エフ編物教室初心者講座]をアップしましたので、ご興味がありましたらご覧ください。また[ホンマルラジオ いっちゃんのA&Mステーション]に広報のために出演しています。これからもshin-pHPをよろしくお願いいたします。(20/06/16)
▼訳あって現在これ以上のCD/LPなどを家の中に増やすことができず、BPOがプロデュースしたRRG録音集を買うことはできません。そこで所有者にお願いして、初出の未完成第2楽章とダフニス第一組曲から2曲を聴かせていただいた。未完成は、冒頭から弱音部はマグネトフォン特有の「ブー」音が大きく入り常時の鑑賞に支障があるが、再生不能で聴けないというほどではない。相当の修復があったと思われる。軍需工場労働者のための慰安演奏会は1942年3月は名歌手だったが、末期的な戦況の中、今回は未完成。曲の選択にWFの気持ちは入っていたのだろうか。
ダフニス第一組曲は2曲しかないが音質は第二組曲と同等だった。
なお、shin-pはネット上での主な居場所をFACEBOOK、インスタに移しておりメールでのご連絡は現在できない状況です。お手数ですが、shin-pへのご連絡は、メッセンジャーやインスタのメッセージ機能をご利用ください。また非公開ですがFB上のフルトヴェングラー系のグループでも頻繁に投稿しておりますのでよろしくお願いいたします。(19/01/07)

▼約2年半のご無沙汰でした。その間、主な拠点はSNSに移してしまい、HPでの活動は休眠状態だった。その間もWFに対する情熱が冷めてしまったのではなく、新しく出会った方や旧知の方を交えていろいろと解決できた問題も多い、ただWeb上でそれを反映させるまでにはしばらくの猶予をいただきたい。shin-pへのメッセージはFBのメッセンジャーなどでいただければ幸いです。これからもshin-pHPをよろしくお願いします。
更新箇所↓
[19480818のディスコグラフィ]
[19421025のディスコグラフィ]
(17/04/12)
▼明日、WFが亡くなってから60年目の命日を迎える。30年の頃は、桧山氏のディスコグラフィーがレコ芸で連載中、東芝EMIの没後30年の催し、いままで聞くことのできなかった発掘録音も数多く紹介され、一大ブームとなっていた。10年前の没後50年でもEMI、DGから記念盤が発売され、まだまだ「レコード芸術」の世界では存在感を見せていた。
そして出るべきものは出たあとの60年、今の季節を思わせるような静かな命日がやってきた。今夜はやはり43年ベト7を聴いて思いを馳せたい。このマグネトフォンに収められた演奏は、生放送と録音放送が巨匠によって承認され、後年レコードとしても発売されることも想定されていたというものだ。
東京WF研究会の野口さんが「60年もたってみればやはり私たちが自ら出すということになっていくべきです。」とおっしゃるようにWFの録音芸術のみに固執し追いかける時期は終焉を迎えているのかもしれない。もちろん自分にWFの真価を評価できる能力があるのかという疑問もある。しかしそれでも約40年間こだわってきた音楽である。shin-pは約5年後、最後に少しでも可能性が残されている録音を追って旅に出たいと思っている。それが自分にとっての「自ら出す」ということだと信じて。(14/11/29)
▼まったく音楽と関連のない生活が続き、半年が経過した。
今年は年明けから世間を騒がせる事件が続いている。昨年末、帰省の際に寄った兵庫でも世界を騒がせた大きな事件が2つも起きている。そしてshin-pの身辺にも、未だ解決されない心配事が存在する。
WF関連では、SWFから49年ルツェルン音楽祭での「チャイコフスキー4番」が登場したが、桧山氏が、同じ日ののパレット盤ドッペルの解説で触れていたように、決して満足の行く音質ではない「プライベートな録音」であった。
7月末と先週土曜日と二週続けて久しぶりに音楽に浸ることができた。先月末の東京WF研究会管コンサートでは、R・シュトラウスと彼が愛したジュピターの演奏。ジュピターではすべての反復を繰り返したが、決して冗長になるものではなかった。シュトラウスよりもジュピターの演奏に感動した。野口氏は佐村河内氏関連でマスコミに登場するなど、多くの人にその存在を知られる人物となったが、そうして関心を持った方々がコンサートにももう少し足を運んでくれたらと思う。そういう音楽的な成果をマスコミが紹介していなかったのも事実だが。
先週末は、会社の後輩が第二バイオリンとして演奏するアンサンブル・フリー・イーストという管弦楽団のコンサート。シューマンの未完曲と第二交響曲の組み合わせに委嘱された「現代音楽」を組み合わせたものだ。アンサンブルがしっかりしており特に2番が聴き応えのあるものに仕上がっていた。2週続けての演奏会、しかも小松川さくらホールと江戸川区総合文化センターという荒川を挟んで程無い距離だ。新小岩の賑やかな商店街を散策しながらの帰途もなかなか楽しいものであった。(14/08/04)

kotohira
▽昨年末は、神戸で一泊してから帰松した。
神戸駅からほど近いハーバーランドには、最近出来た「umie」というショッピングセンターやアンパンマンミュージアム、観覧車は多くの人びとで賑わっていた。異人館などの観光地や三宮をはじめとする繁華街はとても綺麗で、19年前の震災の痕跡を観光客である自分は確認できなかった。ホテルオークラ付近から見る夜のポートタワーの美しさに感動した。
昨年のWF関連で唯一の収穫といえば、2月に発売されたORFEOR83411の45年フランクであろう。音質はいつもの漂白系のORFEO音質だが、鑑賞に支障をきたすワウが殆ど感じられない。ORFEOが入手した漂白していないオリジナルな状態のテープが聞ければ、それが最高音質になるのは間違いないだろう。このフランク、日本初出のユニコーン原盤LPは45年と記載されたメロディアLPからの板起こしだった。デッカLPをコピーしたこのメロディアLPは実は53年スタジオ録音で、しばらくは評論家も異議を唱える人が少なかった。70年代前半までの日本では米ディスココープやVOX盤を入手するのは容易ではなく、日本のメジャーから出たものを信じるほかなかったのだろう。
52年モツPcon22番や43年べト7WF終楽章冒頭などWFの世界では偽物とのつぎはぎや新発見という名の既出録音は当たり前、いろいろな証拠が提示されたあとでもいまだに新世界をWFの演奏だとクレジットされているものも存在する。しかし基本趣味の世界。0.1%でも可能性がある限り、そう信じて今までの発売の経緯を記載しつつ発売することにshin-pは異論を挟まない。
昨日から話題になっている「HIROSHIMA」をshin-pは昨日まで全く知らなかった。ゴースト氏が告白会見をしたきっかけが東京フルトヴェングラー研究会の野口さんの「新潮45」論文であり、shin-pも十分に知る機会はあったはずなのにである。すっかりクラシック音楽とは縁のない生活になってしまっていたという証拠でもある。
ということで曲そのものも聞いたことがないし、フィギュアスケートにもあまり興味が無い。それでも複数の有名評論家が絶賛していて、スタンディングオベーションするほどの感動を味わった人がいるのだったらそれはそれでいいのではないか。音楽というのは、必ずそのシチュエーションに左右される。shin-pの大好きな43年ベト7アレグレットだってデジタル技術で咳払いを取り除き、明瞭な音質にして58年ベーム〜BPO演奏とクレジットされて聞いたら、好きになる自信がない。ペテンとして問題なのは、音楽の質でも騙された感動でもない。ノーモア・ヒロシマや震災復興支援などの美辞麗句で社会的弱者を騙して金銭を得たのかどうかという一点であろう。(14/02/06)
追記:昨年夏以来SWFが予告していた1949/08/24のルツェルンでのチャイコ4番が数週間以内にリリースされるとのメールが届いた。TAHRA本や桧山氏が言及していた私的テープからの修復が成功しリリースに至ったとしている。
また上記、野口さんの「新潮45」の論文がKindle本で単体発売され、トップセラーなっていることもお伝えしておきたい。(14/02/09)

▽夏休み、高松空港に降りたあと直通バスで「こんぴらさん」に行った。

前日、コーラ缶を足の上に落としてしまった。普通の打撲だろうと思いながらも家族には気づかれないように平静を装いながら、痛い足を引きずり羽田へ。
琴平はめちゃくちゃ暑かった。石段の本堂途中にある「資生堂パーラー」でクリーム宇治金時を食べ、休憩を取りつつ「こんぴら詣」を完了した。
高松に向かう「コトデン」は、各地で活躍した電車車両の宝庫。琴電琴平駅には「撮り鉄」と呼ばれる少年たちが車両に熱い視線を向け、カメラを撮っていた。
終着の高松築港駅を降りると、今夜宿泊するJR系ホテルがそびえ立っていた。JR高松駅は、同じJRの松山駅に比べると都会の雰囲気が漂い、最近四国初進出を果たした 「セブンイレブン」で必要な物を買い快適なホテルライフを過ごした。やはり「都会」は便利だ。
しかし一向に足の痛みは引かない。まさかと思いつつ松山に帰省してから病院に行くと「お気の毒ですが骨折です」。
三週間は、痛みが引かないらしい。二週間経った現在もやはり痛みがある。

参院選が終わって約一ヶ月が経った。選挙前、福島原発のことは殆ど報道されなかったように思う。原発再稼働を掲げる自民党政権に遠慮してとしか思えない。 3.11以降、東京電力のCMはなくなったが、利権を持つ人々の強力な権力がいまだにこの国のマスメディアを支配しているのだろう。 定期的に行われる東電の会見でも、危機感を持って質問しているのは海外のメディアであり、日本国内のメディアは完全に飼いならされた存在となっている。 そして8月になって、東電の会見でまるでヒトゴトのように広報の口から出てくる「被曝」「漏洩」の言葉は、次に待ち構えている最悪情報の緩和剤なのだろうか。
最近、篠田節子の「静かな黄昏の国」を読んだ。かなり前の作品だが、アジアでも貧しい部類の国家になり、各廃棄物処理が国の根幹事業となった日本を描いた 短編だ。1943 Beethoven 7を聞きながら読めば、 原発事故以降の日本社会への危機的な予言が胸に迫ってくる。

しかし、自分はどうなのか?という自問自答、自己批判もしなくてはならない。学生時代、「反核運動」に参加し、核の平和利用「原発」を容認する某政党系学生団体とは距離を 置いてきたshin-pの今現在はどうなのかということだ。コンビニやwi-fiがどこでも使える都会的生活を謳歌し、タブレット端末をタッチするのでは何も変わらない。 それはshin-p自身が一番良くわかっているはずなのだ。(13/08/23)

▼昨年末は、京都・奈良を廻って実家の四国にJR(予讃線は伊予市まで電化されているにもかかわらず、宇和島直通だったため「アンパンマン気動車」だった!)で帰った。昨年後半shin-pは体調を崩してしまい、これからどうしていいのかわからないほど気持ちが追い詰められた。古都の寺社をめぐったのは、少しでも体調が改善されるようにお祈りするための「巡礼の旅」だったのだ。
一昨日、いつも利用している副都心線が池袋止まりになった。東武東上線と西武池袋線両方で人身事故があったという。都会では毎日のように電車に飛び込んで自殺する人がいる。そしてそれを迷惑だとばかりに駅員に詰め寄る光景も目にする。shin-pも少し「迷惑」という気持ちを持たなかったとはいえない。もし松山の鉄道で人身事故が起こったら、もう少し違った気持ちになっていたと思う。都会では鉄道の人身事故は日常茶飯事なので、人の生死に対して感覚が麻痺しているのかもしれない。
少し前、大阪の高校生が自殺した。市長は問題のあった体育科の今年の入試の中止を決めたが、物凄い反発にあった。この問題への解決として「入試中止」が本当に正しいのかどうかはわからない。しかし、自殺するほど追い込まれた環境があった学校を「何事もなかったか」のように今まで通りにしてしまおうとするのには大きな違和感を感じる。現役の高校生に会見させて、市長を批判させる「その勢力」とはいったい何者なのだろう。右とか左とか関係ない、3.11の時にも書いたが、少なくとも人の生死よりも自分たちの利権で物事を判断する「その勢力」にshin-pは加担したくない。(13/01/25)

北区中央図書館
▼54年バイロイトのORFEO盤も期待した「オリジナルテープ」や別収録のテープによるものでなく、いままでと同様のテープを使った現時点でのテクノロジーの成果を披露するCDに終わった現在、WFの次なる未発見音源の出現にも暗雲が立ち込めている。それでも、一昨年EMIがSACD発売のためにテープの探索をした結果に生まれた50年ベト7の音質改善、古くはTESTAMENTによるEMI別テイク50年ワグナー葬送、没後50年に登場した53年ミュンヘン英雄などEMIの倉庫には、WFの残した遺産の片鱗がまだまだたくさん残っていそうな気がする。
最近のshin-pは体調が悪く、常時クスリを服用しなければならない毎日となってしまった。まだまだ若いと思っていたが、気が付けば定年も視野に入る年代に。shin-pHPも開設からすでに16年が経過していた。定年後はこうしたWFの遺産を探索する作業をしたいと思っている。それまで、なるべく良好な体調を維持しなければならない。
最近、48年ベト2の良好音質テープ(録音盤)についての質問のメールをいただいた。shin-pはこの件については全く情報を持っていない。48年盤はいくら改善しても音楽として聞くには無理のある音質だ。可能性としてはEMIがレオノーレ2番を録音した54年4月の演奏だ。このレオノーレは、当時の他のEMI録音に比べ音質が悪く、実際には放送用音源を製品化したと思われる。リハーサルを兼ねたこの日の音源はSFBあるいはRIASが収録後、すぐにEMIが版権を買ったと考えられ、レオノーレだけでなくPconやベト2も同時に収録しているとshin-pは思う。51年バイロイトのリハーサルテープの完全(?)版や様々な市販音源の別テイクなど、なんとかしてそうした遺産に近づける術はないものだろうか。(12/12/15)

▼マスターテープの存在が不明のため、WFの第9の中ではマイナーな存在だった1954年バイロイト盤がorfeoから市販正規盤として11月末に発売される。54年盤は、日協会が斡旋販売したM&A盤やセンター盤、日協会盤など、形の上での「正規」盤はあるが、音質面で他のWF第9と比較できる良好音質のものは存在しなかった。今回のorfeo盤も現時点では発売元から出所についての報告はなく、過度の期待は厳禁なのだが...
1954年のバイロイトは、カイルベルトのタンホイザーで開幕した。開幕日の公演かどうかは定かではないが、この演奏はLP/CD化されてメロドラムから発売されている。デッカが録音したという翌55年の指環には比べるべくもないが、音質は安定しており、近年この指環のステレオ盤によって再評価されつつあるカイルベルトの熱演を堪能できる。その他、54年ではクナやヨッフムの演奏も残されており、これらも当時の水準の音質で聞ける。
何度も書くが、巨匠の死後、EMIが合唱の発売を計画した際に51年とともにこの54年公演のテープも対象となったとされる。本当はどこかに、上記ヨッフムやクナ、カイルベルトの公演テープと同質のものが存在し、故・吉田秀和氏激賞の演奏が、ファンの耳に少しでも良質な状態で出現することを期待したい。(10/7)
▼shin-pが中学生だった40年前、すでに友人の影響でクラシック音楽に心酔していたが、多感な時期だけに他にも色々なものに興味を持っていた。
部活(卓球部)で疲れて帰ってきて、夕飯をとったら一度寝る、12時ごろ起きて、夜食を食べて、深夜ラジオを聞きながら朝5時ころまで勉強するのが日課となった。今では絶対にできないことだが、若いからこそできたのだろう。
最初の中間試験が好成績で、やっと買ってもらえたSONY スカイセンサー ICF5500で、広島・中国放送の「オールナイトニッポン」を聞いていた。糸居五郎やあまいくにお、斉藤安弘(アンコー)などニッポン放送のアナウンサーたちが日替わりで出演したスタイルが、1972年7月で一旦終了し、1時から3時までの前半を亀渕昭信(カメ)、そして5時までの後半を今仁哲夫(てっちゃん)が毎日担当することになった。shin-pは、洋楽に長けたカメではなく、おっとりとした語り口のてっちゃんが大好きで、その年12月の最終回は録音して、その後何度も聞いていた。2時間の放送なのでC120というTDKのカセットに収録したのだが、このカセットテープのC120はテープが薄くてピンチローラーに巻き込みが多い。何度も聞いているうちに巻き込んでしまい「ボコボコ」になってしまい、ついには切れてしまった。オープンリールの補修テープを使い補修したが、その部分の音質は、明瞭になったりこもったりを繰り返すようになった。
一昨日、[1945年1月29日の「空気」〜フルトヴェングラーのフランク on 夜半のピアニシモ(音源へのリンクあり)]のthetaさんのページで聞かせていただいた、放送局由来と思われる45年フランクのテープ。以前、桧山さんにきかせていただいたテープと同じ音源と思われる。2楽章など同日(あるいは前日)のブラ2を思わせる良好な音質の部分もあれば、shin-pが中学の時に体験した「巻き込んだテープの音」を思わせる部分もある。これを商品化するためにDGは、別テープや板起こしなどあらゆる手段で修復したに違いない。製品化のために音質を均質化した結果、今ひとつ当日の「空気感」が伝わらないものになってしまったのだろう。
不用意に再生したためにオリジナルにこのような傷がついてしまったとしたら、残念でならない。VOXLP以外では「かたまり」にしか聞こえないフィナーレなど本当に悲しい限りだが、日独DG(特に独DG)でも聞ける2楽章の「空気感」があるだけでもshin-pは十分に満足してしまうのである。(12/09/05)

▼先週、ニホンモニターの方に「写真集はご覧いただけましたか?」と挨拶代わりに質問され、 「まだなんです」としか答えられなかったshin-p。
そういえば半年以上HPを更新してなかった・・・・

ちょうど4週前の日曜日、shin-pは北区中央図書館にいた。知人が4月からこの図書館で働いており、昨年なくなった 義父の墓も近いことから一度サイクリングで行ってみようと思ったのだ。一昨日最終回を迎えたTBS金曜ドラマが、ここをロケに使っていて、 自衛隊のレンガ造りの倉庫を部分的に保存しながら活用し、素晴らしい読書空間をつくっている。北側の公園もこの風景にマッチしており 、さすがにドラマの舞台に使われるだけのことはある。
このドラマでは、義父の墓がある「滝野川」に主人公のマンションがあったり、qma氏と 以前久しぶりに再開した会社近くのカフェが使われていたり、 shin-pの最寄り駅の駅前にある「花屋」が ロケに使われていたり、よく行くショッピングセンター近くの神社が主人公の実家付近だったりと何かと土地に縁のある ドラマだった。
4回目からとはいえ連続ドラマを続けて見たのは、久しぶりだった。忙しい毎日を送り、週末は疲れて寝てしまう日々だったが、 何かを変えてみようという気持ちが少し湧いてきた。毎日のようにHPを更新し、WFディスクの謎に迫った日々はもう帰らないかもしれないが、 気持ちは少し前向きになったような気がする。(12/06/24)

kindle
▼昨晩、松山の幼なじみから電話があった。HPの更新が滞っているため「何かあった」と感じたらしい。 実は、shin-pはこのところ仕事が忙しかったり、身内に病人が出たりしてHPを更新する時間的余裕がなかったのだ。 それでもROMながら、話題のないWF関連はともかく、IT界には新しい何かを求めて、絶えずネットは閲覧していた。
先々週、米AmazonからKindle keybordを購入した。たったの中3日で香港より到着。3Gとwi-fiの両方が使えるタイプを選択したため どこでもインターネットにアクセスできる。もちろん米Amazonさんは、最終的にkindle用のファイルを購入するために各国の携帯電話キャリアと ローミング契約を結び、いつでもどこでも通信料無料でネット接続ができるようにしたのだろう。基本的にはwikipediaと自社のHPのみにアクセスさせる目的だが、 現時点では、Kindleは内蔵ブラウザが表示できる限り3Gでのネット接続を制限なく開放している。ネットでいろいろな情報にアクセスし、 顧客が情報を得た上で、最終的に自社の利益に結びつけようとする考え方は日本にはない。こうした思想を持って開発された「黒船(Kindle)」が年内にも日本にやってくると 一昨日の日経一面が報じていた。ハード分野でサムソン、LGの後塵を拝し、ソフト分野でグーグル、アップルに完敗した規制ガチガチの日本が浮上する機会はあるのだろうか?(11/10/22)

▽あくまで趣味の世界である。非WFの演奏であったとしても、最低限「真偽が論じられている」という但し書きがあって、鑑賞者がそれを理解した上で「すばらしい」演奏と感じるならば、それを公の場で否定するのは無意味なことだ。
44年英雄で、収録時間の関係からピッチを上げてカッティングされたものの、逆にそれが熱気のある「ウラニアのエロイカ」として賞賛を浴びたのならばそれでよし。フリッツ・シュライバー指揮と表記されたLPをWF唯一の戦中実況「英雄」と信じて聞いているならばそれもよいではないか。平和な時代であれば・・・
3.11までは、多くの人が「チェルノブイリ」を起こしたソ連よりも、日本近海に向け核弾頭を搭載できる「ミサイル」打ち上げ実験をする北朝鮮よりも情報公開において日本はずっとマシで、信用できると思っていたはずだ。しかし、現実はどうだろう。
いわゆる体制側の内閣参与が学者生命をかけて「20ミリシーベルト」という子供の被曝に抗議しても、安全だといいはる政府。「がんばろう」とメディアを使っての連呼は、shin-pには「少々の被曝など問題にするな」というメッセージにしか聞こえない。想定外の津波によるものではなく、想定される範囲での震度で鉄塔が倒壊したための外部電源が失われていたことが明らかになったにもかかわらず、なんとか3.11以前の「利権」の保持のため電力会社を庇う旧政権など。今回の震災で日本という国が以前から多くの問題を抱えていて、それを解決しない限りまた同じ災害が繰り返されることが再び露呈した。
イタイイタイ病や水俣病の前例を見れば、政府や実害を起こした当事者は当初、否定や隠蔽に動くことは歴史が証明している。近代化と繁栄の中にそうした事例を私たちは忘れ去っていたのだろうか。shin-pは、何事もなかったかのように3.11以前に戻そうとする勢力には最低限加担したくない。(4/30)

▼中学1年の頃クラシック少年だったshin-pは、自分の名前を演奏家風にして遊んでいた。当時、週刊FM誌では「クラシック名曲ベスト50」?と銘打って、名曲のベスト盤を門馬直美氏、志鳥栄八郎氏、福原信夫氏、西村弘治氏などの評論家が推薦していて、shin-pはクーベリックの「ローエングリーン」が圧倒的多数でベスト盤とされているのを見て、西村氏の後に自分の欄を設けて「シーンベリック指揮」と書きこんで悦に入っていた。
しかし、中一の分際で全曲盤が買えるわけではなく、実際はサンプル盤としてグラモフォンから出た「rafael Kubelik」を750円?で買って、第三幕前奏曲のみを聴いて超名盤の雰囲気を味わっていた。また、カラヤン大スキ少年でもあったshin-pは、「フィンランディア」の項で「シンヤン指揮」と書き込んだ。こちらはサンプル盤の「hifi Karajan」で全曲が聞くことができ、まさに盤面が白くなるまで聞いたのだ。
すでに偽WFとして確定しているはずの41年新世界だが、日本協会が次回頒布でこれまでと同じ音源を「真正WF」として出すという。この音源は、Relief813でWF指揮として各国WF協会から初出されたが、実際にはカール・リスト指揮ベルリン交響楽団の演奏という偽名を使いRoyale1257で1951年ころすでに市場に出ていた。そして現時点ではカバスタ指揮というのが一般的に定説となっている。shin-pの中学の頃の遊びは、Bootlegをパロディる事にもつながる高尚(?)なものだったのだろうか?
M&Aが公式なドイツのアーカイブDRAに保存してあるRRGのテープを使い、カバスタの演奏として発売された経緯、そしてLumpe氏をはじめ多くの研究家が資料を提示してdoubtfulとしているものを覆すならば、やはりCDのブックレットなどにはそれ相応の資料が必要となるだろう。(4/1)[1941年11月30日の資料室]

▼3月11日午後、あの一瞬から変わってしまった。
その時、shin-pは故郷・松山にいた。午前中、ニンジニアスタジアムのすぐ近くにある父の墓を清め、母の確定申告の書類をほぼ仕上げた頃だった。近くにある「はなまるうどん」で遅い昼食を終えたあと、明屋書店に行こうとはなまるの出口を見たとたん「ぎんこい広場」の大画面TVの人だかりに気づいた。大きな地震があって、津波警報が出ているという。それでもまったく地震を感じなかったので、しばらく書類の仕上げをしてからラジオのスイッチをつけた。
大きな津波が押し寄せたという。押し流される車と家屋、そして港で大きな船がぶつかり合い破壊される。日常とは違った風景に、これは大変なことが起こったと思った。東京の自宅に電話しても妻の携帯にかけても繋がらない。TVでは関東の様子について全く伝えなかったので、東京で大きな揺れがあったとは思っていなかった。新宿の様子が映され、電車がすべてストップし、帰宅難民が押し寄せているという情報で不安になった。
IP電話を利用して、やっと家族と連絡をとれた頃にはすでに日が暮れていた。嫁いだ娘も帰宅難民となり、家に避難していると聞き一安心。
ちょうど3年前、shin-pは広島にいた。父と同じ頃に亡くなった父の親友の御仏前にあいさつするためだった。その方は原爆被害者団体で事務局長をされ、水爆実験などをした国に即座に抗議を伝えるなど、マスコミに登場する機会も多かった。思想的な部分に振り回されず、被爆者として東側西側の区別なく核実験に反対の声を上げていた。
shin-pが学生の頃は世界的にも「核の脅威」がクローズアップされた頃だった。反核運動が活発となり、私も代々木公園でデモをした記憶がある。
時は流れ、世界で初めて核の被害を受けた国民であるにもかかわらず、経済発展のために効率的な原子力の「平和」利用を推進し、大きな事故がなくここまできたために最悪の事態を考える人々は少なくなっていた。もちろんshin-pもその一人だ。
FUKUSHIMAが限りなくチェルノブイリのレベルに近づくなどと誰が考えただろう。原発の被害は、そうした日本全体の危機感のなさが生んだ悲劇とも言える。しかし、政治や企業はそれ以上の責任がある。マスコミは「がんばろう」とか「大丈夫」の連呼し、庶民の買いだめや風評被害を糾弾し、電力会社はまるで当然のように「計画停電」を庶民に強いているが、本来の責任の所在を追求できない限り日本の明日はない。(2011/03/26)

▽ザ・グレートEMIレコーディングスを聞いた。日本のSACD発売のため新たにリマスターした素材8枚を含む、実売で1枚あたり220円程度の廉価盤だ。
そのなかで最大の話題盤はベト7。オリジナルソース探索の過程で発見された未使用のアナログテープ使ったというのが最大の売りだが、これは「WFが実際に演奏して収録した際のテープ」などではなく、「いままで使っていたテープと同じくLP/CD用にマスタリングした際に作られたもうひとつのテープ」のようだ。
試聴してはっきりわかるのは、そのつなぎ目と音質だ。従来のものよりも突っ掛る部分が多くなっており、1-3楽章と終楽章との音質も異なっている。今までのテープを使ったCD/LPの3楽章は、中半部で音が不鮮明になる部分があるが、今回のCDではそれが他の部分と遜色ない程度に改善されている。1-3楽章に関しては、現時点で発売されているどのCDよりも明瞭にこの演奏を味わうことが可能になった。しかし終楽章は、マスタリングを施し音量レベルは下がったものの、女声とゴボゴボ音はしっかりと残っており、音質もTOCE7530-4より劣る。日本発売のSACDが同じものならば、試聴会で一瞬聞こえた「女声」は「脳内補正」などではなかったということだ。
同時に収録されている「未完成」は、金属原盤から復刻したテープと思われる日本発売モノラルCD/LPが使ったものではなく、ブライトクランクやCHS5 66770 2が使ったオリジナルテープ収録と思われるもの。こちらも女声が混入しているがCHS5 66770 2に比べ若干音量が下がっている。
ここからはshin-pの仮説だが・・・
SP用テープからLP用テープにマスタリングした際に多くの楽曲(未完成、オベロン、ベト7etc.)でその製作担当者の声(女声)が混入してしまった。特に未完成は、その混入が多かったためにSP金属原盤から復刻を試みてLP用の原盤とした。ブライトクランクの場合は、ステレオプレゼンスをかける過程で女声が聞き取りにくくなったため女声入りテープをそのまま使った。ベト7やオベロンは一部のみだったため女声入りのまま発売されたのではないだろうか。
今後「合唱」なども詳細に聞いていきたいが、51年録音ながら歪が多く、市販SPから復刻したかのような音質だったケルビーニは、TOCE6069やCHS5 66770 2と同じく、テープ収録の音質良好テープが使われていた。(2011/01/25)

▼今年の冬は、松山に帰省する前に広島に寄った。広島には3年前にサンフレッチェ戦を見るために一人で行ったが、家族連れで23年ぶりに行った「お好み村」の某店の味は懐かしく、美味しかった。広島の街は、やはり活気があって「都会」だった。船で松山に着いたとき雪が舞っていた。西日本の今年の寒さは「異常」だ。
最近、朝マックをしているときにBGMとしてかかっていた曲が、昔聞いたことのある懐かしく温かい、味のある曲だった。TBS午後11時台の「ドラマ23」で、林真理子原作のドラマのテーマ曲として使われていた曲だと覚えていたが、肝心の曲名は思い出せない。ネットを使って調べ「ギルバート・オサリバン(Gilbert O'Sullivan)のアローン・アゲイン」だとわかった。また3年ほど前、松屋で昼食しているときBGMでかかっていた曲もラップののりがよくて、曲名が知りたくてしかたなかった。ネットで歌詞を入れてやっとわかったのは「RSP 感謝。」で、このプロモーションビデオも気に入った。
ポップス系の世界では、フレーズを口ずさめば曲を検索してくれるサービスもある。楽曲のデジタル化は、いろいろな曲を知る機会を与えてくれた。
今回のSACD盤ベト7は、本当に「新発見」のテープなのだろうか?パンフレットなどには今回使われたテープ・ボックスの写真があるが、ならばこれまで使っていたテープはどういう処理を経たテープで、そのテープボックスは「これ」というのまで見せてくれなければ「検証」はできない。今の時代では、ソースをデジタル化して比較すれば「何%の確率」で同一というデータまで出てきそうだが、そういう「検証」をすればするほど「真実」から遠ざかっていくのがこの世界なのである。SACD試聴会に行かれた方から「第七の女性の声、実は私もほんの一瞬、聞こえた」というメールをいただいた。これも「(失礼ながら・・・)脳内補正」なのかどうかは定かでないが、これが趣味というものなのだろう。
松山の実家に帰って、昔のノートを見ていた。35年前、フォンタナのWF千円盤が発売された当時のものだ。週刊FMのWF特集で1943年ベト4のミステリーを知り、千円盤ベト7、ベト3の2楽章に大きな感動をした。当時中学生のshin-pにはユニコーン盤は買えなかったので、フォンタナの千円盤は本当に有難かった。あの時の「感動」をもう一度味わいたい。しかし「検証」すればするほどその感動からは遠ざかってしまうのだ。(2011/01/10)
▼昨日、SACD試聴会に出かけた。最初、2004年リマスタリングのバイロイト合唱CDと今回のSACDの第一楽章冒頭部の比較試聴が行われた。SACDでは、以前の暗めで音が塊になってしまう印象が若干改善されたが、鑑賞に大きな影響を与えるものではなく「好み」の問題のように思えた。shin-pの好みで言えば、いまだに最良のCDはTOCE7530-4(91/12)である。
1954年ジークフリート葬送は、1950年のTESTAMENT盤に比べると落ちるものの、同じ演奏である2000年東芝CDと比べれば、金管を中心にかなり音質が改善されている。ただ、当初その音質から50年録音と勘違いしてしまった。同じセッションの「運命」に比べるとこの録音の水準は低いと思う。
そして最後に今回のSACD最大の話題、1950年ベト7は4楽章の試聴。たしかに「女性の声」は聞こえない。ほんの一瞬、ノイズの中から聞こえた気がしたが、おそらくいつも聞いている慣れでshin-pの頭が補正してしまったのだろう。音質的にはこれまでのCDと大差ないと思えた。ただ、50年録音に共通する「ゴボゴボ音」はなく、新発見のテープである可能性は高まった。別テイクである可能性も否定できないが、4楽章に限っては演奏自体は同じものだと思う。これまでLP/CDに使用されていたテープは、SP1面ごとに分割したテープを繋ぎ直してマスターにしていて、その繋ぎ直した編集の際に「女性の声」が混入したと推測される。その他1952年1月ブラ1冒頭部の試聴もあった。(12/23)
東京フルトヴェングラー研究会管弦楽団第23回演奏会が9/18(土)タワーホール船堀 大ホールで開かれる。没後55年が経過し、未発掘録音の数が減り、巨匠の音楽を求める声が明らかに没後50年以前に比べ遠のいてきたこの時期、研究会は15周年を迎えた。
風化しつつあるWF研究は、これからさらなる困難があると思われるが、それでも日本にはWFを研究する公式な団体が3つも存在することは素晴らしいことだと思う。中でも東京WF研究会は、実際の演奏通じて巨匠の真実に迫ろうとする唯一の団体だ。今回演奏されるブルックナー6番は、巨匠が戦中に演奏し素晴らしい音質で残されたにもかかわらず、1楽章のみ欠落している。それを補完する意味でも演奏会に期待して聴きに行きたいと思っている。(10/09/15)
▽10年前のshin-pHP「OFF会」。劉邦氏をはじめ多くの方にご助言、ご尽力をいただき開催にこぎつけた。
その際WFの熱烈なファンということで、当時「ナイトスクープ」の脚本などを手がけていた方に出会った。4年前に「作家」デビューされ、昨年発刊された「BOX!」が第6回本屋大賞5位に選ばれた。 そして今、文庫化されたデビュー作「永遠の0」がロングセラーとなっている。終戦から60年、死んだ祖父の生涯と謎を調べる話だ。
shin-pHPを開設した頃、多くのコレクターの方と出会い、お宅におじゃまして貴重な音源を聞かせていただいた。残念ながら今、その情熱はshin-pにはない。多くの謎に包まれたWFの音源の秘密を明らかにするべくshin-pは 今より多くの時間と情熱を捧げていた・・・
最近ツイッターで百田さんと交流した。まだ板起こしのブームもなく、音源について手探りで論議されていた10年前が本当に懐かしく思える。 あっと言う間の10年だが、その間に色々なことが変わってしまった。 あの熱い論議の日々はもう帰ってこないのだろうか・・・(10/07/13)
▼最近、iPodを買った。本当はiPhoneが欲しかったのだが、現在のauとの契約が2年で簡単にソフトバンクに乗り換えることができなかった。Wi-Fiが使えるiPodは、都内都心であれば公衆無線LAN回線を使い、様々なデータを必要なときに利用することができる。
WiMAXなどの新しい規格の無線データ回線が整備され、ネット上に自分の必要とするデータを持つ「クラウド」が当たり前になってきた。YouTubeをはじめとするストリーミングを使えば、映像や音楽はまるで自分のPCやMP3プレーヤーの中にあるのと同じ感覚で視聴できる。
現代からすれば大きく劣る20世紀前半のテクノロジーによる音質でも、WFの音楽からは震えるほどの感動を得ることできる。CD時代に生きる私たちは、「符号」化された「偽物音楽」を聞いている。それでも大きな感動があるならば、それほど音質に拘る必要があるのだろうか。実際のところ遠く過去の遺産という「幻想」を聞いているのだから。(09/12/19)
▽会社の後輩が1stVnで出演するということでプロースト交響楽団をティアラこうとうに聴きにいった。曲目はモーツァルトのオーボエ協とマーラー5番。久しぶりにアマオケでマーラーを聞いたが、技術的にも聴き応えのあるものだった。息子のサッカー試合の合間を縫っての鑑賞だったが、最近の猛烈な忙しさから逃れ、心の落ち着くひとときだった。(12/03)
▼昨日ある方からメールで、HMVのサイトに今回のCDは「マスターテープからの第一世代コピーテープ」という日本コロムビアのコメントがあることを教えていただいた。このことは、CD現物の帯、解説そして裏面にも表記されていない。ここでいう「マスターテープ」とは、放送局のテープのことなのか、PL盤を作成した際の編集前のマスターなのかはわからない。しかし、音で聞く限りは「マスター」由来のものであったとしても「現在最良の音質」とはいえないものであった。
VOXでフランクより少し早くPL7210として発売されたベト4。そのマスターテープは、オーストリア放送が各地の放送局用に送付したコピーテープを保存していたドイツの放送局から入手したものではないかといわれている。現在shin-pは、PL7210をあるコレクターの方にメタルカセットでコピーしていただいたもの、板おこしCDのDCCA-0002、それに70年代初頭に発売されたFCM-51、DXMの再発盤OC-7136-VXを所有しており、昨晩聞き比べてみた。PL盤は51年発売とされるがそれから20年以上経ったVOX原盤の日本盤LPは、それほど音質差がなく収録されている。もし、フランクのテープが同様の条件で存在し保存されていたとするなら、VINTAGE盤を聞く限りマスターの劣化がこの30余年で大きく進んだと考えられる。70年代に日本コロムビアがVOXにフランク発売のオファーを出していれば、PL盤に近い音質で日本盤LPが発売されたのでは、と悔やまれる。結果的に発売されたのはユニコーン原盤の45年録音と書かれた53年盤だったわけである。
今回のVOX VINTAGE フランク発売は、音質はともかくWFにとっては非公認の、しかしファンにとっては重要な音源であるVOXフランクの数奇な運命を感じさせる意味では意義のあるものであったようだ。(10/24)
▼待望の真正VOXフランクCDは、VOXフランクLPおよびそのLPから板おこししたCDとは全く別の印象を与えるものだった−
本当に「オリジナル・マスター」を使用したかどうかは、発売元以外確認のしようがないが、1,2楽章のカットは「修復」されているため、LPカッティングの際のマスターではなく、編集前の原テープということなのだろう。もしPL盤に使用した当時の1,2楽章のLP用マスターも残っているのなら、1,2楽章で聴衆の「咳」をカットしたマスターを同時に収録すれば、さらに納得がいったし、WFファンの期待に応えられたと思う。この57年の間にテープが劣化したことが証明されるし、WFのレコードによる歴史を感じることが可能だったろう。
以前、米VOXからVOXBOXという2枚組の再発CDが発売されたころ、shin-pの友人がVOXに問い合わせのメールをしたことがある。その際、WFの録音も復刻したい旨の返信があったと聞いている。本当のところは、どうかわからないが「オリジナル」が残されているという期待はその当時から持っていた。
「VOX VINTAGE」は、当初ベト4&5やシューマンなども発売予定に上がっていた。shin-pは、「オリジナル・マスター」が残っているのなら、44年エロイカと42年合唱の復刻を望みたい。この2つはVOX系レーベルのターナバウト盤TV4352で聞く限り、他のLP/CDに比べて音質が良好だったからだ。フランクは52年だが英雄合唱は69年の発売であり、劣化は少ないのでは・・・と期待される。ウェストミンスターだってオリジナルマスターが存在した。第2次大戦直後アメリカに比べギャラが安かったヨーロッパに活路を得るという意味で同様の境遇にあったVOXにも「オリジナル」が存在しないわけがないと信じる。保存状態がどうであれ・・・(10/21)
▼現時点では、今年WF関連で最大の話題CDといえる「日本初出」「世界初CD」VOXフランク。全楽章通して一度聞いた感想では、思いのほか「良好な」音質と思えた。
しかし、再度注意深く聞いていくと、各所にテープの痛みがあると思われ、強奏部分でビリつき聞き苦しい。オリジナルに感じられる管の透明な響きが聞ける部分もあるが、全体的には「曇り空」を思わせる音質だった。ただ、LPに比べてワウは確実に増えているが、音の明瞭度はORFテープを使用したCDよりも高いと思う。冒頭部分はテープの劣化が進んでいるようだが、中半部では、思いもかけず美しい部分もある。帯や解説には、PL盤LPを作成した当時のオリジナルテープから起こしたものと思わせる表現が記載されているが、テープのビリつきかLPの針音か判別がつき難い部分があるほか、音ゆれがORF系のテープを使ったLP/CDに似ている部分もあり「音として」聞く限り疑問点が残る。本当にオリジナルなら、経年変化による劣化部分には目をつぶるべきだろうが。
平林氏の解説によるとVOXのオリジナルテープには28日録音と記載があり、ヴォックスが委託した編集プロが入手した「エアチェックテープ」で2楽章冒頭部を修復しているという。(10/20)
▼VOXフランク(コロムビアCOCQ84702)は、楽天ブックスで試聴できる。圧縮音源で、各楽章冒頭44秒のみというものだが、試聴した限りではArchipelやDante、Arlechinoの音源に似ている。1楽章のワウは盛大で、VOXの音源を使ったのではないかといわれれたDiscocorpRR403にも似ている印象だが、M&A(Discocrop)原盤で比較的良好な状態だったキングCD(KICC2118)とは印象が異なる。2楽章に関してはいわゆる「板おこし」ではないと思われるが、3楽章冒頭もVOXLP以外の音源に共通する持続的なワウが存在している。やはり期待しすぎなのだろうか・・・いずれにしても、日本初出のVOXフランクは4日後に登場する。(10/17)
▼しばらく更新をストップしていた。その間に松山に帰省、室戸岬など高知県を車で回り、思い出深い夏をすごしてきた。くろしお鉄道の終点は思ったよりも都会風(?)でびっくりした。こんなすばらしい景観を持つ、しかし利用者は少ないだろう土地にこんなにすばらしい線路が引かれていることに感動した。
息子のサッカーは、順調に日程をこなし日々成長が見られる・・・と思っていた矢先、不注意で足を骨折してしまった。前日、あれほどまでにすばらしいDFを見せていたのに。
それでも学校行事の旅行には参加できることがわかり、ホッとしている。
そうこうしているうちに、日本コロムビアからの「VOX VINTAGE」フランクが発売される季節になってしまった。以前問い合わせをしたときにも「オリジナルでの発売の可能性が高い」旨の回答をもらっていただけに期待は膨らむ。
フルトヴェングラーを語る場合、戦前最後の録音であるフランクとブラ2ははずせない。いわゆる無人島の1枚は、このカップリングということになる。
すでに没後55年を迎えたWFの録音は、新発見を見つけることが厳しい状況下にある。つまり今までの録音で重要な演奏を少しでも良好に聞けることしか望みは少ない。今回の日本初出Voxフランクが最良の状態で発売されることを切に願いたい。(10/10)

▼製作者のご好意でWING WCD202「二つのニ短調交響曲」を聞かせていただいた。フランクについては昨年、その製作途中のものを聞かせていただく機会があり、部分的だが視界が良好になっていたこともあって、大きな期待を持っていた。大小さまざまなノイズを取っていく作業は想像を絶するものがあり、あれから多くの時間がかかったのも無理もないことだったのだろう。3枚のVOX盤を使用して製作したCDは、大きなノイズがとれて音楽の視界が大きく拡がった。そのため管楽器の音が浮き上がり、音楽にやさしさが増したように思う。このCDでは、VOXが行った聴衆ノイズのカットを修復しており、さらに臨場感を増している。
それでもなお同日(あるいは前日)のブラ2に比べて音ゆれが多いのはなぜだろう。それは1楽章前半部と3楽章全体で顕著だ。一説では、各地の放送局が放送するためのコピーテープを作る際、不用意に再生してしまったためにマスターテープが損傷した可能性を指摘している。もし、ORFに現存するテープがマスターで、VOXがコピーなら、その際に損傷を受けたマスターがさらに劣化したために現在のSWFやDGのような音になり、コピーのVOX盤は再生時の「音ゆれ」のみにとどまっているという推測も成り立つ。
[米50年代マイナーレーベルについて](VOXは正規にテープを入手した−)
shin-pはDGで聞く限り、3楽章のORFテープはいかんともしがたいが、1楽章中半部以降と2楽章冒頭以降はブラ2と同等レベル以上の音質で残されていると思う。WCD202は多くの時間と労力をかけた逸品だが、上記部分のORFテープを使えばさらに良くなるのでは・・・というのは素人の浅知恵だろうか。
「板起こし」市販CDに関しては多くの違和感をおぼえているshin-pだが、この45年フランクのようにオリジナルテープでは絶対に修復不可能な領域の音源もいくつか存在する。帝国脱出直前という状況下において時間を越えて感動を呼ぶ最高の名演が、さらに良好な状態で聞けることには拍手を贈りたい。(07/08)

▼ネット上にあるパブリックドメイン音源についてのリンクをほぼ完了した。盤奇録氏のページ[レオ・スレザークの素敵な世界]のように所有のSP盤を丁寧に再生し、MP3化したものなどはかなりリアルな鑑賞ができるものだと思う。ただ、使用した音源について記載のないファイルについては「参考」まで、ということになる。それでも資料を確認する上で、実際の音がどういうものかを「参考」にするには十分だと思う。
shin-pはこの4年ほど、更新もままならない状態が続いたが、一昨年のバイエルン放送版合唱や、今年前半の未発見の53年合唱発売時の盛り上がりを思えば、没後50年過ぎてもWFの音楽が「過去」になることはないように感じた。そしてまだまだ、解明すべき問題も残されていた。(09/07/06)

auditeの47年運命も、独協会盤のスッキリと抜けた明瞭さに力強さが加わった。ノイズを抑えたせいで音質まで下げてしまったTAHRAのようなマスタリングにならず、CDではファーストチョイス盤と言える。田園の方は、運命に比べて以前から音質が悪く、audite盤でも大きな変化はなかった。53年シューベルトアーベントの2曲も以前からの音質を改善することは出来なかった。47年ベトVn協は、ノイズ処理が的確で聞きやすい音質に整えられている。
すでにテープが劣化していると思われ、いままでの音質を改善できなかったものもあるが、ほとんどが現時点でのCDにおけるRIAS録音のファーストチョイスといえるBOXが発売されたことは素直に喜びたい。(07/01)

auditeの54年5月の運命は、力強い音で今までのどのLP/CDよりも迫力がある。shin-pは、この演奏よりは直前のパリ盤の方を愛聴しているので久しぶりにこの演奏を聞いたが、この演奏の評価を変えるほどの緊迫感だった。これまで最も音質のよいCDとしてEMBLEM盤が挙げられることが多かったが、ヒスノイズが少なくなり迫力が増した分、audite盤が今後の標準盤となりそうだ。
ブラ3は、スタイル的にWFの演奏はしっくりこない。54年盤は推進力に欠けもどかしいばかり演奏。そして、49年盤は迫力のある積極的な表現でWFらしさがよく出ているが、ティンパニーのしつこさはやはりこの曲には合っていない。音質的には今までのLP/CDの印象を大きく変えるものではなく、これが限界なのだろう。
50年英雄は、没後30年記念盤として出たRVCのLPの評価が高いが、auditeも音の分離がよくCDではEMBLEMや独協会盤と同等以上の出来だと思う。RVCのLP発売当時、音質の良さから52年盤の間違いでないかという声もあったが、今52年盤と比較するとその間のテクノロジーの進歩は明らかだ。52年12月8日盤では、これまでTAHRAの没後40年記念BOXが好評だったが、shin-pは少し音に距離感があるがARKADIAの落ち着きのある音が好きだった。audite盤は、音が一歩前に近づいた印象で、透明感は犠牲になったが、この演奏がこれほどまで熱気ある演奏に聞けたのは収穫だったかもしれない。演奏的には日本協会LPで聞く限り7日の方が音に勢いがある。今後auditeで、7日を録音したSFBをBOXで出してもらえたらうれしいし、RotWeissRot(ORF)のBOXなども期待したい。(06/26)

▽WFの残された全RIAS音源をCD化したauditeの12枚組がリリースされた。近年、WFのディスコグラフィーは「板起こし」と呼ばれるCDに埋め尽くされた感がある。「板起こし」と言えば70年代は、入手困難なメロディア盤を聞くための次善の策として用いられたものだが、現在はそれが音質追求の「究極」の方法と宣伝されている。50年以上経たオリジナルテープは劣化していて、初期盤をはじめとするヴィンテージLPの板起こしこそがWFの芸術を伝える最高の手段−というのは本当なのか?それを知る意味でも今回のaudite盤発売は重要な意味を持つ。
12枚にもわたるCDだけに、1日1枚を目標に聞いていくことにした。まず、最もshin-pが注目している48年未完成とブラ4。
48年未完成は、納得のいくCDがなく現時点でもコロンビアLPをshin-pは聞いている。audite盤は暗めながら音が固まりにならず個々の音がきちんと聞け、この演奏が従来からの評価通り「最高」の演奏であることが再確認できた。この音源は従来から雑音が多いが、それも丁寧に取り除かれており、今後コロンビアLPに頼ることは少なくなりそうだ。
ブラ4は、EMI系LPで聞く限り未完成に比べて音質が鮮明だったが、audite盤ではその差が少ない。auditeの未完成の音質が向上しているともいえるが、透明感に欠け、4楽章中半部の神経の細やかな動きも臨場感を持って聞くことが困難になっている。未完成のテープのほうが早く劣化が始まり、ブラ4も遅れて同じような劣化が始まったのだろうか?auditeは2楽章のみ他の楽章と比べて音質がよく、そのあたりにヒントが隠されているようだ。
この演奏をshin-pはAB8033でよく聞いている。audite盤はEMI系CDよりは音に厚みがあり芯が太いが、まだまだ音質で勝るLPを聞く回数は減りそうにない。
[「ブラ4」AB8033 on matsumo's blog](matsumo氏のブログ)
[ブラームス:交響曲第4番 on Blue Sky Label]
[ブラームス 交響曲第4番 1948 on Public Domain Classic]
[Edition Wilhelm Furtwa"ngler -- The complete RIAS recordings ::Tracks on audite]
それでも上記2曲を聞く限りにおいて、オリジナルに戻ってリマスターした今回の企画は意味あるものだったと感じている。今後、残りの演奏をじっくりと聞いていきたい。(06/24)

▼まだ作成過程ですが、ネット上にあるパブリックドメイン音源(動画)を集めているサイトにリンクしました。すでに高速インターネット時代に突入し、ネットにおけるWFの研究では「テキスト」と「オブジェクト(音源、画像)」のリンクが必要だと考えるからです。
具体的には、
[Blue sky label]
[レオ・スレザークの素敵な世界]
Public Domain Archive
matsumo's Home Page
および、YouTube、Dailymotion、ニコニコ動画にリンクしています。
音源は、掲載されているサイトの管理下にあります。取り扱いには十分な注意をお願いします。

▽先日、以前この資料室でよくコメントをいただきHPの資料作成に尽力いただいたO氏にお会いする機会がありました。これもmixiで久しぶりに出会ったからですが、auditeの51年9月5日のRIAS録音表についてO氏は「第九の最後4分間(?)と終了のアナウンスの間、回線に起因する(?)エラーがあったため消去した」とされています。簡単な録音表でのコメントですから「本当の理由」は定かではありませんが、ご指摘について報告します。

音質論議を別にすれば、著作隣接権が切れて久しいWFの名演奏の大半は、ネット上で無料で聞くことが出来る。こうした音源サイトを各項目のところにリンクさせていく作業も今後開始したいと思っている。実際、WFの録音では、研究のために「持っていること自体」が必要なものも多い。不安定な音質ながら愛好家の間でテープで流通していたものなど、楽曲の鑑賞よりも研究のために必要な録音は、公な機関が率先し資料として「パブリックドメイン」にネットで聞ける環境を整えてもらえたらうれしいと思う。Wikipediaの音源版と言えるPublic Domain Archiveのようなものは、今後WF研究に重要なアイテムのひとつとなっていくだろう。(09/06/06)
▼最近やっと時間的な余裕が出来、再びWFの録音を聞くようになった。最も聞きたかったのは48年10月24日のブラ4。最近のCDは音のフワフワ感がどうしてもなじめず、やはりABシリーズのLPを取り出して聞いている。すでに何度も針を通しているせいかノイズが増えて、次回はWF全集のLPでなければもたないかもしれない・・・
このブラ4はRIAS録音だがauditeレーベルからaud 21.403としてWFのRIAS全録音集が発売される。今回注目されるのは、podcastを使ってマスタリングの要所を192kbpsMP3ファイルで解説し、各々の楽曲も楽章単位で160KbpsMP3で1分試聴できることだ。音質は若干犠牲にされたが、メニューインとのベトVn協のピッチとノイズが改善されたのは朗報といえる。同じノイズ改善でも49年ブル8は生気のない音になっている。また53年9月のグレイトは、音質がくすんでいるために評価も低かったが、このマスタリングは成功かもしれない。上記48年ブラ4もEMIや東芝の近年のCDよりは自然な印象があった。同じ日の未完成はブラ4に比べて歪が多く音質も古ぼけているが、auditeでもあまり改善はなく、依然この演奏ではVOX原盤のDXM盤を取り出さざるを得ない状況だが、shin-p所有のDXMは試聴限界に近く、今後はOP盤にする必要がありそうだ。今回のaudite盤、実際のCDではどの程度の音になるのだろう。
なお、このCD発売に関連してpdfファイルで51年9月5日のRIAS録音表が公開されており、そこに第9が生放送され、録音もされながら「Absage(キャンセル/消去)」されたことが明記されていた。まことに残念な「証拠」である。(09/05/09)

▽先日、このshin-pHPを立ち上げた約13年前に多くの書き込みをいただき「資料室」の充実に手助けいただいたQ氏からmixiへの招待状をいただいた。Q氏は現時点で発売されているCD/LPの客観的なwikipediaを作りたい−というのである。shin-pは、新譜がほとんど発表されなくなった現在、手持ちのWFの録音を再度じっくりと聞いてみる機会としたい−と思いコミュに参加した。しかし、なかなか時間がとれない・・・もうシバラクの猶予をいただきたい。[mixiのコミュ=フルトヴェングラー批評T](09/04/13)
▼ニホンモニター鰍フご好意で2月4日発売予定の1953年5月30日合唱とされるDreamlifeRIPD0003のサンプルCDを試聴した。
結論から言うと、翌31日の演奏とされるDiscocropおよびDG、独日協会盤とは、聴衆ノイズの比較などから別の演奏で、戦後録音されたすべてのWF「合唱」とも異なるものである。
演奏内容は直近の既発売31日盤と解釈がかなり異なり、戦後WFのどの演奏とも印象が異なる表現となっている。特に「他の指揮者が絶対にまねのできない」と定評がある3楽章が、平凡で淡々と進められているのに驚かされる。1楽章冒頭部もヒスノイズの多い録音のせいもあるが、すっきりしないものとなっている。終楽章の終結部は、さすがに猛スピードで感動的に表現されているが、全体の完成度は31日盤にかなり劣っている。全体の録音状態は、1年半前に頒布されたセンター盤バイロイト合唱に若干劣る程度と思われる。
この「合唱」は、データ的に問題が多い。詳細は
[1953年5月30日の資料室]を参照願いたいが、日付や収録場所、および独唱者の表記が異なる資料が多数存在する。つまり、このDreamlife盤も30日の演奏かどうかは確定されていない。53年といえばWFにとって健康状態に問題のあった時期で、好不調の波が大きく、その頃の演奏であることは推察され、ソプラノもゼーフリートであると思われる。
それでも、貴重なWFの未発見録音であることには変わりない。板起こしやリマスターばかりのWFのCD/LPに久しぶりの「純新譜」の登場で、やっとshin-pHPを更新することが出来た。(09/01/26)

▽本当に申し訳ないのですが、今年の後半はまったく更新が出来ませんでした。そしてやっと本日、仕事納めをしたしました。
不況の嵐の吹き荒れる折、フルトヴェングラーCDの「音質」をめぐる話題は豊富なようで、特定のレーベルを中心に「復刻」「おこし」CDがリリースされました。shin-pも出来るならば、それらを聞いてみたいという気持ちがあります。しかし現実は、あまりにも仕事や生活に追われて、「どうせ自分の所有しているCDかLPをいじっただけ・・・」という気持ちのほうが、好奇心を越えてしまいました。
年末年始は、会議室のメンテが出来ませんので年明けまで閉鎖します。
来年は、センター盤バイロイト第九のような新発見が出てくるといいですね。それでは「よいお年を!!」(12/27)

▼2008東京フルトヴェングラーフェストは3月に巨匠最晩年の名盤モーツアルトPcon20番、および合唱を研究会オーケストラの演奏でフィナーレを迎えた(shin-pは残念ながら未聴)とされるが、研究会オーケストラは、9月にもシューベルトを演奏する。55年前の9月、巨匠はBPOとシューベルト演奏会を開いたが、曲目もそれと同じである。今回は、shin-pも聴きに行きたいと思っている。詳細は 東京フルトヴェングラー研究会
▽日本時間7月25日23時より、バイロイト音楽祭が始まった。初日はパルジファル。Bayern4のWMA128Kステレオで聞く音質はかなり上質。最もクラシックを聞いていた学生の頃、NHK-FM年末の録音番組を楽しみにしていたが、時代は変わり、地元Bayern放送のネット「生放送」でライヴ感を味わいながら鑑賞できるようになった。
でもしばらく雰囲気だけを味わったら、巨匠のLPを聞いてみようと思う。36年7月19日のローエングリンを。少し酔っているのでネットの「生放送」だと錯覚するかもしれないから・・・(07/25)

▼約7ヶ月ぶりの更新。WF関連では、昨年の今頃マスコミを賑わせた「センター盤真正バイロイト実況」以来新発見録音は枯渇している。残念ながらshin-pも、ここのところWFの録音を聞くことさえままならぬ状況だ。今年の夏は、プロアマにかかわらず例年以上にライブを聞いてみたいと思っている。WFの録音では、実際の楽器の音色を再現できておらず、WFを再び録音で聞くためにも「生の音色」を頭に叩き込んでおきたいのだ。しばらく聞いていなかったWF録音を再び新鮮な気持ちで聞くことによって得るものがあることを七夕の星空に願って・・・。

松山銀天街裏通りのイルミネーションが愛媛新聞に取り上げられた(リンクは47Newsより)。shin-pの母が経営するエフ/99は、すでに現在の場所に移転後21年たち、その25店のブティックなどの中では最古参。お近くの皆さんは、ぜひいらしていただきたい。shin-pも今月29日の夜、父の7回忌のために松山へ帰省する折、このイルミを鑑賞したいと思っている。(11/25)

▼ようやく秋らしい気候になった。shin-pHPは1ヶ月半ぶりの更新。知らぬ間にHPを立ち上げて満11年の9月が過ぎ去っていた。
今日は会社の後輩の演奏会(TMU管弦楽団=都立大OBオケ)を聞くため、多摩センターに向かった。2曲目のメンコンでは、N響コンマスの山口氏が独奏し、美音とテクニックに圧倒された。3曲目シベリウス5番は、冒頭から後輩のホルンが活躍する聞き応えのある演奏。
京王線新特急での帰路、上北沢付近でスピードを落としたとき、30年前に友人が住んでいたアパートが一瞬見えた。早速、岡山に単身赴任中の友人にメール。それにしても、中年になると想うことは昔のことばかりで嫌になる。メンコンにしても中学のとき初めて聞いて感動したアイザック・スターン盤が全ての基準であり、その呪縛からは解き放たれない。そして、WFのFontanaウラニア盤もそうした呪縛の一つなのも事実だ。(10/08)

感動の仙台戦で、猛暑の松山でもうまいビールで楽しい帰省を味わえた。久しぶりに幼稚園から中学まで同窓の友人に会い、55年バイロイトの指環を貸してもらった。昨年、51年間のオクラ入りを解かれて発売されたカイルベルト指揮によるステレオ演奏は、すこぶる明快な音質で、当時のデッカ録音スタッフの優秀さを感じることができる。演奏について優劣をつけられるほど指環を聴いているshin-pではないが、ワルキューレのみ聞いた現時点でいえることは、WFの最後の遺産である54年EMIスタジオ盤よりも音質がよく楽しめた−ということだ。このカイルベルト盤にも、バイエルン放送の音源とされる版権切れCDが存在し、今回のWF51年バイロイト合唱の比較参考になると思う。なおこのTESTAMENTの解説書には、この演奏が発売できなかった経緯(EMIが独占的に指環の発売権を持ち、デッカにはオランダ人など小出しに許諾し、その間もデッカ収録陣は発売を信じて果敢に優秀録音を収録していった)について書かれている。デッカが収録したこの演奏は、リハーサルを含めて収録され、すぐに製品化できるようにあらかたの編集は即座に終えていたらしい。53年指環がアレグロLPで発売されて以来、メジャーレーベル正規盤とファンの欲求の隙間を埋める非公認盤との攻防が続く。54年バイロイト合唱も本当はEMIがキチンと収録しているのではないかとshin-pは期待している。(07/08/24)
▼日本協会は8月末、54年バイロイト合唱を「オリジナル音源」で頒布する(WFJ-56)。この演奏では、M&A盤が発売される前、良好音源が見つかったという情報があったが、最終的に発売された音源は、AT&DR盤とほぼ同等のものでしかなかった。今回の音源は、その良好なアーカイブが実際に存在することを裏付けることになるのだろうか。51年センター盤と共に、これまで解決できなかった「足音」「拍手」などの問題が解消される資料となることに期待したい。
なお、センター盤の終楽章のテープの継ぎ目だが、詳細に聞くと、音楽自体はキチンと入っているが、継ぎ目の部分のノイズが低弦にかかっているようにも聞こえる。これがオリジナルに忠実なのだろうが、楽曲全体として重要な部分だけに、再販される機会があれば、修復した方がさらに「真正実況」が身近なものになる気がする。(07/07/20)
▼日本WFセンターから51年バイロイト真正実況が頒布された。バイエルン放送から努力を重ねて貴重なテープを発掘し、全世界の愛好家に頒布するセンターには、大きな拍手を送りたい。
まず、音質だが、翌年2月の独協会ウィーン盤には劣るが、1ヵ月後のザルツブルクorfeo盤よりは良好。高域は明快だが、低域が弱く、終始管楽器が強いなどのバランスと持続的に聞こえるノイズに若干の問題がある。バイエルン放送はワンポイントマイクを使ったのだろうか、EMIが収録した「最終リハーサル」と思われる録音に比べて、強奏部で楽器の分離が悪く、個々の楽器の音色に劣る。それでも、これは他のCDと比較した場合の問題点で、鑑賞自体に大きな支障はない。さらに、EMIの「足音」部分とセンター盤の一楽章冒頭はどうしても同じセッションのものとは思えず、レッグがこのバイロイト盤発売に際して試聴したとされる、54年バイロイトの良好音源もどこかに存在するという思いを強くした。
演奏は、冒頭からEMI盤とは全く別物だとわかる。部分的にEMIが使った演奏が顔を出す個所もあるのだろうが、1,2回の試聴ではよくわからない。切り張りの検証は、じっくり比較試聴できる環境が整ってからの課題としたい。全体的に多少荒れた印象もあるが、これは録音のせいだと思われ、整然としたEMIとは違ってライブらしい熱気が感じられる。1楽章の前半部に大きな咳払いがあるが、その他は聴衆ノイズが少なく、良好にこの記念碑的真正実況が聞けるのはありがたい。
バイロイト盤の白眉は、歓喜の主題が低弦で静かに演奏されはじめる部分にあるとshin-pは信じているが、残念なことにセンター盤はその直前の「間」にテープの継ぎ目があり、低弦の出だしが切れている。演奏前後の拍手などはカットされているが、楽章間の聴衆ノイズが収録されており臨場感は満点だ。
やっと、「真正実況」が聴ける歓びが大きいのは間違いない。しかし、全曲を通して聴いた感動は、EMI盤の方が大きい−とshin-pは感じた。生演奏は、録音された瞬間に「アーカイブ」という別物に変わってしまうのだ。何度も繰り返し再生され、なおも愛好家を増やしつつあるEMIバイロイト盤の「レコード芸術」としての歴史に、残念ながらセンター盤「真正実況盤」は敵わないように思う。あれほどまでに聴きたいと思いつづけてきた「真正実況」だが、「今まで以上に優れたものではなかった」というレッグの実演に対する評価が、大きな実感としてshin-pの胸にのしかかった−(07/07/19)

▼TESTAMENTのシュトラウスは、そのジャケット解説にもあるように「今までのものよりは優れており、歴史的録音を聞くには充分」だと思う。ノイズと音楽の比率で、かなり音楽のほうが勝っており、この歴史的大演奏会を「資料」として聞くには充分だ。それでも楽しめるレヴェルのものとはいえない。初出のワーグナーのほうが若干音質が良いが、それでもWFによる他の同曲演奏をさしおいてまで聴く気になるとは思えない。久々の初出盤だが、実のところ我が家のお蔵入りCDがまた増えた−というところだ。
一部で「別テイクか」という期待感もあったOTAKEN盤バイロイト合唱が発売された。足音入りとして評判の良いTOCE6510やTOCE7530-4など日本盤CDに近い音質で、終演の拍手は日本盤の唐突さのない、欧州LP復刻CDなどでおなじみの次第に大きくなるものだ。まだ全てを詳細に聴いたわけではないが、EMI系のものと同じ演奏だと思う。それにしても、このOTAKEN盤が本当に「新発見マスター(テープ)」であるなら、いままでの「テープは劣化するが、LPは劣化しない(が少ない)から板おこしがベスト」というメーカーの主張はどうなるのだろう。このOTAKEN盤を、shin-pはテープの劣化が少なく、LP復刻系CDより聞きやすいと思うが、東芝の上記2種のCDと比べて特筆すべきものもないと感じた。音質はどうでもいい「おお友よ。このような同じ演奏のCDではなく、本当のライブを」とshin-pは歌いたい。(5/21)
▼先週の土曜日(3/24)、東京WF研究会の野口氏が指揮する同管弦楽団「モーツアルト/レクイエム」を聞いた。日本語で演奏するという新しい試みは、すでにエレクトーンによる演奏として実演されているが、管弦楽を使って教会の聖堂で行われる演奏はかつてないほどの感動をshin-pに与えてくれた。いままで、対訳によるイメージでしか掴んでいなかった歌詞の真意が心に伝わってくる気がした。また会場となった本郷教会は、信仰の歴史を感じさせる雰囲気のあるところだった。演奏後、野口氏は壇上で「決して技術的にはいいといえないが、WFを研究し生演奏を行うことがWFの遺志にもつながる」という内容のお話をされ、後日「当日の録音を2種類ほど聴いてみましたが、やはり演奏時の感慨とは全く違います」とメールをいただいた。実演と録音の関係を再び考えさせられた演奏会だった。
その翌日、長男を連れて湘南ライナーで約70分かけて平塚競技場へ。今期初めて関東で行われる愛媛FCの公式戦だ。菅沼選手など、昨年J昇格初年を上々の成績で乗りきった原動力がいなくなったチームは得点力を欠いて、試合は消化不良だと感じた。かつてのJ1チーム相手の引き分けは、大健闘とすべきなのだろうか。それでも、CSなどでみる中継とは雲泥の違い。やはり、生でなければ・・・を実感した週末だった。(3/31)
▼先日、またケータイを変えてしまった。auのW44Sで目的は「デジタルラジオ」。TBSラジオが4月から
[ottava]というコンテンポラリークラシックステーションを202chで開局し、楽章単位を中心にさまざまなクラシック音楽を放送する。昨日昼、仕事で目黒に行く山手線内でottavaのプレ放送を聞いたが、新宿〜目黒間の車内では障害なく「CD並」の音を聞くことができた。ただ、2月からは出力を以前の800Wから2.4KWにしたらしいが、shin-pの豊島区にある自宅では、外に出ない限りほとんど電波が届かない。グレゴリオ聖歌のあとにシャブリエ「スペイン」が流されたりと一見不釣合いと思いながらも奇妙にマッチする不思議な放送である。まだまだ認知度が低く、先行きを不安視する向きもあるが、shin-pは未来のメディアとして期待したい。WFの演奏を、年代別に曲を楽章単位にバラバラにして流してみたらどうだろう。たとえば、54年モツPcon20番2楽章の後にパリ運命の3,4楽章を持ってくるとか。微妙な板おこしの音の差異を気にして溜めたストレスを解放してくれることになるかもしれない。
昨年末から、静かな話題となっていた1950年5月のフラグスタートとの録音が4月30日に日本で発売されるとHMVのサイトに告知が出た。[TESTAMENT-UK]の公式サイトでは、PDFファイルによる解説書を読むことができ、そこには「これまでの‘pirate’なLP/CDは、誤って最終リハとしていたが、これは本番の演奏を収録したもの」としている。また音質面で以前の盤は「アセテート盤から復刻されたひどい音だったが、今回のCDは良好とはいえないが今までのものよりは優れており、歴史的録音を聞くには充分だ」としている。今後は、過去に発売されたCetra(KING)盤などとの比較鑑定作業が必要だろう。ワーグナーに関して解説書では、「同時に演奏された名歌手前奏曲とSiegfried Idyllは行方不明」としている。HMVのサイトにあるように「聴きやすい水準」ならば良いのだが。日本から通販の可否は不明だが、上記TESTAMENTのオンラインショップでは1-2日で出荷となっている。(3/15)
▼東京フルトヴェングラー研究会による「東京フルトヴェングラー・フェスト2007」が3年ぶりに開催されます。昨年は、生誕120年コンサートで交響曲3番日本初演を果たした研究会管弦楽団ですが、今年はWFが録音として残すことができなかったモーツァルト「ジュピター」と「レクイエム」を演奏するそうです。3月21日14:00〜歌曲とピアノ曲、23日19:00〜シンポジウム、そして24日14:00〜が研究会管弦楽団コンサート。いずれも本郷中央教会にて開催されます。詳細は[研究会HP]をご覧ください。shin-pも24日の研究会管コンサートを聞きたいと思っております。(3/11)
▼50年魔笛は以前から不完全な録音しか存在が確認されていなかったが、不完全のまま、第二幕のほぼ全曲がデルタから発売される。DeltaDCCA0030(06/12=Release is planned) こうした音源の多くは研究家の間で資料としてテープが流通するものだが、今回の音源は耳にしたという人のウワサすらshin-pは聞いたことがない。つまり全くの初出音源ということになる。56年ぶりに発表される私的保管音源だけに、データの確認作業も必要だろう。(12/17)
▼すでにネット上に公式予告がアップされているが、TESTAMENTからSBT 1410として年内にも「1950年5月ロンドンでのフラグスタートとの共演」が発売される。[1950,London]R.シュトラウスは70年代に私家盤LPとして初出、ノンオーソライズながら80年代にはCetra系でも発売された。しかし、ワーグナーの方は、shin-pHPを開設した96年頃[Music Preserved]にあるアーカイヴ検索でバービカンホールの図書館にその存在が記されていることが話題になったが、実際の音を聞くことはできなかった。今回発売される音源がどのようなルートなのかの情報はまだ得ていないが、良好なテープが発見されたとの報は今のところなく、R.シュトラウスの音源として流通しているアセテート盤である可能性が高い。音質的に期待薄とはいえ、久々の初出音源の演奏に期待したい。初出となる3曲中の1曲「Starke Scheite schichtet mir dort(Immolation Scene/ブリュンヒルデの自己犠牲)」については、[48年3月]と52年6月にEMIが同じメンバーでスタジオ録音しているが、一部録音日が混乱している。(12/09)
▼メロディアの再版CDが日本でも入荷され始めた。香港を中心とするアジア地区での販売を目的とするCDという。さて、音質だがshin-pが最も期待していたベト7に関しては全く同じものといってよいと思う。第9に関してはCDは未聴だが、russiandvd.comのサイトでWMA48Kで比較する限りは、全く同様の音源に聞こえる。日本では93年に初版のCDが発売されたあと、98年になってその代用品としてRussian Compact Discが輸入されたが、こちらはノイズリダクション過多でさめた音になっている。第9に関しては前記russiandvd.comのサイトでWMA48Kながら、メロディア初版CD、再販CDおよびRussian Compact Discの3種が比較可能だ。shin-pは、ベト7に関してはserenade、第9に関してはVeneziaを最もよく聞いている。マグネトフォン収録ではブル6やフルニエとのシューマンVc協、トリスタン前奏曲のように60年以上前のものとは信じがたい良好な曲目もある。しかし、この2曲に関しては演奏は素晴らしいものの音質的には不満も多い。現在、いわゆる初期メロディアLP以外では最良の音質を持っているメロディアCDが再び市場に出たのは歓迎したい。(11/05)
▼最近は、今年Jリーグ入りした故郷のチーム「愛媛FC」の試合が気になっている。現在最下位から3番目の11位に甘んじているが、初陣としては仕方ないところだろう。初めて国立で観戦した東京ヴェルディ戦は4対1の大勝で、その後もレイソル、そして水戸(9月23日)と生観戦を続けている。サッカーなどほとんど関心がなく、W杯も全くの他人事だった3ヶ月前と状況は大きく変化した。今度は11月ベルマーレ戦を楽しみにしている。
shin-pHPは9月13日で10周年を迎えました。最近は「純新譜」が全くリリースされないために特別なニュースも提供できないままという残念な状態です。先週木曜日(28日)に久しぶりにN響を聞きました。アシュケナージ指揮でベートーヴェンの2番とエロイカでした。演奏については、生の素晴らしさは当然あったものの、shin-pの心をゆるがせるような演奏ではありませんでした。とくにWFならば「ベト2の終楽章はこう表現した」と想像するたびに現在の貧しい音源しかない状態が残念でなりません。きっと版権の問題で出現しないであろう「54年ベト2」と「バイロイトの真の実況」そして54年バイロイト合唱の「良好音源」などまだまだ、聞きたい音源はたくさんあります。ウワサに過ぎないのかどうかの論議は尽きることはないと思います。今後ともshin-pHPをよろしくお願いいたします。(10/01)
▼時を同じくして、平林氏のグランドスラムと相原氏のオーパス蔵から54年ブル8が発売される。マスターとなったテープについて、この種のCDで出所が明記されるケースは稀で、今回のケースも詳細は不明だが「市販テープ」ということならばshin-pにも覚えがある。数年前、アメリカのコレクター氏から貸与していただいたテープを聞いたとき、EMBLEM以上の抜けのよさを感じた。しかし、実際にQ氏とともにこの音源を比較したところ、細部の明瞭度はEMBLEMの方が上だった。その後ANDANTEも試聴したが、こちらはノイズ除去に問題があると感じたものの臨場感に勝っていたように感じた。CetraやキングLPはエアチェックで、EMBLEMも同様の音源というのが一般的な見方だ。そしてANDANTEはORFオリジナルテープ音源だが、コレクター氏のテープはCetraなどと同様のエアチェック音源だとshin-pは思う。さて、今回の2盤はどうだろうか。(9/14)
▼アメリカの動画投稿サイトYouTubeが人気となっている。現時点では合法なのかはわからないが、WFの残された動画(映画)も多数アップされている。YouTubeのSearch Forに「Furtwangler」と入れてみれば10件ほどのWF関連の動画が鑑賞できる。この動画はFlashを用いたもので、画質的には満足できるレベルとは言いがたいのだが、気軽に鑑賞できる点で重宝している方も多いと思う。shin-pがよく耳にする日本の売れっ子ヒップホッパーのPVなども権利者からのアクションがあったらしくすでに削除されており、各方面から問題点も指摘されている。それでも、こうしたメディアはすでにYouTubeだけではなく、多くの類似サイトが生まれている。今月、shin-pサイトはついに10周年を迎える。インターネットが一般に開放されて10数年経ち、音楽メディアを気軽にネットで鑑賞できる時代が来たことに驚きを禁じえない。その影響で、米タワーレコードが身売りするというニュースも飛び込んできた。すでにパブリックドメインとなったWFの芸術は[ユング君のホームページ]などでも鑑賞できる。この先の十年、ネットはどんな驚きを私たちに提供してくれるだろうか。
▼WF交響曲第3番は、各所にプロコフィエフ、マーラーなど影響を受けたと思われる年代の作曲家の旋律に似たメロディが流れる1時間を越える大曲。東京WF研究会管は、熱気あふれる演奏でこの大曲を初演した。先日のVnソナタに比べ、WFには交響曲の方が自分を表現するのに適したものだったと思われた。特に「彼岸」と表題された3楽章はWFの当時の心境を推し量れる部分ではないかとshin-pは感じた。この初演を実現された野口氏とその管弦楽団の皆さんに大きな拍手を贈りたい。(8/27)
▼日本協会のVnソナタのコンサートは、心を奮い立たせられるような熱演でしたが、やはりこの長大な曲を聴くのは、心身ともにWFの意思を聞き取るだけの高みまで達していないと難しいと感じました。
大した感想も書けないうちに、次の生誕120年記念コンサートのお知らせを東京フルトヴェングラー研究会の野口氏からいただきました。

東京フルトヴェングラー研究会管弦楽団 第14回定期演奏会
2006年8月27日(日曜日)
フルトヴェングラー:交響曲第3番嬰ハ短調(日本初演)
ベートーヴェン:《レオノーレ》序曲第3番
杉並公会堂 大ホール 14:00開演(13:30開場)
ここのところ、HP更新もままならないshin-pですが、何とか聞きにいきたいと思っています。(8/1)
▼日本協会CD「大戦下のフルトヴェングラーとVPO」WFJ44-45を聞いた。2年ほど前に川上協会長にお会いしてお話させていただいた時、日本協会には帝国脱出直前演奏会フランクとブラ2の「良好なテープが存在する」ことを教えていただいた。このテープは以前JP1128-29で協会盤LPを頒布した際に使用したテープということだったが、shin-pはその日本協会所有のテープでのCD頒布を強くお願いしていた。日本協会では、このLPについて「未だに内外のレコードで、これを凌ぐ音質のものは無いと評価されているソース」としており、なかなかCD復刻盤が出ない状況にshin-pは、フランクのORF所蔵テープと同じように「すでにテープが劣化しているのでは」という心配もしていた。今回その要望が2年振りに叶ったのは正直うれしい。しかし、大小の差があるものの全編にディスクノイズが聞き取れ、ジャケットや解説等に「日本協会所有のテープからの復刻」と明示していないところにかすかな不安がある。
内容的には、フランクの両端楽章(1,3楽章)は、期待を上回る音質で、この極限状況下での「最高の演奏」を聞くことができるようになったことは喜ばしい。現時点で「最高音質」とされるVOXLPおこしのDelta盤や日本協会が斡旋頒布したVenezia盤との比較でも、簡単に優劣がつけられないところまで迫っているといえる。しかし、ブラ2およびフランク2楽章についてはディスク復刻と思われるノイズが多く、ノイズ以外の音質もくすみがちで演奏に没頭できる時間が少ないのが残念だ。それにしても演奏については、この極限の状況下のフランク終楽章でほんの一時、1楽章の主題が戻ってくる際のきらめきはなにものにも代えがたい巨匠最高の遺産だと再認識した。(7/1)
▼池袋HMVで廉価なGREAT CONDUCTORS 10枚組を買った。ERMITAGE盤を一昨年知り合いにプレゼントしたためモーツアルトイヤーの今年、Pcon20番を聞くときはAB8125のLPで聞いていた。久しぶりにCDで聞くPconは明快だが若干枯れた印象がまさり、やはり市販初出LPの雰囲気がよいと感じる。以前2枚組みで出たaura盤は未聴だが、ERMはauraと全く同じマスタリングのようだ。
しかし、今回shin-pにとってのこのCD集の目玉はクナのブラ2だったようだ。終楽章はWF45年盤と比べて2分以上も遅い。トスカニーニ、ワルター、メンゲルベルクなど当時の指揮者の演奏時間はWFに近い。ここまでテンポを落とすとバルビローリ=VPO盤のようによぼよぼした感じに陥ってしまうのだが、クナは骨太のままコーダに突き進み聴衆を興奮させる。WF45年盤以上の異様な演奏だが、これを真剣にやっているところを想像するとshin-pにはついていけない。やはり帝国脱出直前のブラ2にかなうものはないことを再認識したCDだった。
学生時代、いろいろな面で大変お世話になったハワイアンの大橋節夫さんが昨7日ご逝去された。shin-pにとっては、4年前の冬、渋谷でライブを聞いたのが最後だった。ご冥福を心からお祈りいたします。(6/8)
▼「軍隊がなければ戦争は起こらない」「日米以外の軍隊は自衛のための軍隊」こういう論理を空想的平和主義という。よくよく考えればあまりにお粗末な論理なのだが、「著名」な大学の学者連中がそれっぽい「9条を守るつどい」とか開催すれば、マスコミが取り上げて信用してしまう人も多いからおそろしい。「資源のない日本に侵略してくる国はない」というのが高校までにshin-pが教わった「平和」の論理なのだが、日本全国が荒地で何の産業もなく国民のほとんどが狩猟生活でもしていたら「侵略」されようもないだろうが、現実は世界でも有数の経済大国なのである。すべては国家間のパワーバランスのもとに成り立っているわけである。島の領有権をめぐっては相手国が抑止力として持つ「綺麗な軍隊」というパワーバランスで負けたわけだし、戦後の賠償にしても、自称「自衛のための軍隊」とのパワーバランスに敗れて、何回も引き出されてきたわけである。日本は、過去に侵略した国だからごくわずか(?)の日本人を拉致して何が悪いのか・・・というのが相手国の論理だ。そういう事実すべてに耳を塞いで「日本さえ丸腰だったら世界は平和」という論理を繰り返す人々は、何かに操られて言わされているとしか思えない。2人の子を持つ親として隣国に拉致され行方さえわからない家族の心情を思えば大きな怒りが込み上げてくる。(4/27)
▼スパムな書き込みのために、パーミッション(サーバー上のアクセスの許可する範囲を決める)値やperlで書かれたminibbs.cgi、.htaccess(アクセス制限ファイル)など内容の変更を繰り返しているうちに、Form-mailが、「送信完了」と表示されるにもかかわらず、shin-pのメールアドレスに送信されていませんでした。現在は復旧しています。最近フォームメールからのお問い合わせがなく、不思議に感じておりました。送信したにもかかわらず、返信がなかった方々には、大変失礼いたしました。心からおわびいたします。今後ともshin-pHPをよろしくお願いいたします。(4/16) ▼[WF会議室]を再開しました。全角句読点(。か、)のない文章、およびhttp://のリンクをつけているものをNGとして、予定よりもかなり早いですが再開します。通常の日本語での投稿には、リンクの際にhttp://を入れないように気をつけていただければ、ほとんど影響がないと思います。これから1週間様子を見て、有効な手段であればこのまま運営していきたいと思います。何かございましたらForm-mailまで、よろしくお願いいたします。(4/7)
【重要なお知らせ】申し訳ありません。海外からの不正な書き込みのため、来週末(予定では12日頃まで)会議室をリードオンリーといたします。その間に有効な対策を考えたいと思います。閲覧は可能ですが、書き込みはできません。その間のお問い合わせなどはForm-mailにお願いします。よろしくお願いいたします。(4/5)
▼「18日間ひた隠し、敵の新聞掲載で恥ずかしい事実がバレたらプライベートな問題として無視を決め込む」
これが、日本のクオリティペーパーと言われた新聞がやっていることだ。知識人と言われたいがために、その新聞が主張する論理に溜飲を下げていたら、知らぬ間に「裸の王様」になっていたというワケだ。この10年間、サリン事件そして拉致事件を機にして戦後のさまざまな常識が崩れ去っていった。shin-pも例外ではない。学校で習ったことや戦後の「常識」と伝えられてきたことのかなりの部分が、特定の勢力によって歪められた事実だということに気がつかなかったのだから。自分は、日本人であり、何のためにこの国で生きるのかを考えるという当たり前の教育がされなかったのを残念に思う。
「磁気テープは劣化する。だから音の振幅を溝に刻むというある意味デジタル的なLPは音の劣化が少ない」
これも現時点でのヒストリカルを聞く者の「常識」である。しかし、本当にそうなのだろうか。それを科学的に実証する方法はあるのだろうか。実際、メロディアピンクを板おこししたとされるユニコーン盤に対する評価は時代とともに変化している。一時、ユニコーン盤に対して「旧時代の遺物」的な最低の評価も出ていたが、現在はそのユニコーン盤自体の流通が希少となり持ち直している−。本当の「音質」なんて誰にもわからない。物の価値はさまざまな要素によって常に変動しているのだから。しかし、こうした「音質論議」にとらわれているうちに最も根本的で重要な問題を忘れてはいないのだろうか。私は、決してソ連製の「メロディア盤」が聞きたいわけではない。そしてなぜ、何のために、私はWFを聞いているのかということだ。(3/29)
▼忙しくしているうちに一ヶ月くらいはすぐにたってしまう。WFのCD/LPもほとんど聞いていない日々が続いている。
そんな中、ひとつだけ録画して空いた時間に少しづつ見ているドラマがある。フジ木曜10時の「小早川伸木の恋」だ。このドラマの中で、紺野まひる演じる「カナ」への気持ちを表現したブラームス曲が使われている。[ファリシティー日記in名古屋]によれば、原作の漫画でもこの曲がキーポイントとなっているという。この室内楽的曲想を示す名曲は、WFも何度か取り上げ、52年VPO盤そして不完全な録音ながらさらに演奏が素晴らしい49年ルツェルン盤で聞くことができる。ドラマに触発されて、昨夜センター盤で聞いてみた。やはり49年盤のほとばしる情熱がたまらない。例のテープのよれた部分も一つの「ドラマ」として聴くことができる。
フジのこのドラマ自体は、今ひとつ共感できない全体像に、まれに押し寄せるような共感が混在する展開だが、久しぶりに巨匠のドッペルを聞くきっかけとなった意味で最後まで見たいと思っている。(3/4)
◇先日[ユング君のホームページ]をご紹介しましたが、こちらでは版権切れの巨匠の音源を聞くことができます。トップページ左側のリスニングルームから「演奏家別」をクリックし、フルトヴェングラーを選べば、現在ユング君のHPで登録されているWFの代表的な演奏を48kMP3形式で約35曲聞くことができます。また、ロシアのオンラインCDショップrussiandvd.comでは、[WF-CDリスト]でWindowsMediaのロゴがある曲を選択し、表示されたページで再び同じロゴをクリックすれば48kWMA形式の音源で、戦時中のメロディア盤を中心に約CD35枚を聞くことができます。今、[WF会議室]で話題のメロディア第9が「ひっかかりあり」と確認することもできます。先日、ユング君のページをご紹介した際にいくつかお問い合わせがありましたのでここに詳細を記します。(3/4)
▼都心は大雪。昨年3月shin-pHPが50万アクセスをいただいて以来WF関連の話題が乏しいまま。実質的な新譜ゼロ。英協会CDR盤エジプトのブラ3が54年盤、AT/DR50年グレイトが53年9月盤だと判明したマイナス収穫しかなかった。そしてまもなくshin-pHPは60万アクセスを達成します。
昨年の50万アクセスの頃、クラシック音楽の版権切れMP3音源を集めた人気サイト[ユング君のホームページ]のブログで
>ユング君のサイトと比べてもあまりに少ないアクセス数です。
>(ちなみにユング君のサイトは一ヶ月で2〜3万の間です)
>やはりテキストベースのデータだけでは人を引きつけられないと言うことなのでしょうか。

>これはサイトの内容とアクセス数がいかに比例しないかの好例です。
というご意見をいただきました。 shin-pもユング君のページは、時々利用させていただいています。48kMP3といえどもこれだけの曲数をアップされているのですから、サーバーの負担などを考えると大変なご苦労だと想像されます。
そのときユング君のブログと共通の話題となっていたのは、いま窮地に立つホリエモンでした。昨年の選挙では小泉自民党と合体し、絶頂を迎え「バブルの再来」を演じていました。当事者たちは「確信的」に人気を利用してやっていることですが、問題なのはマスコミの対応です。たしか、あのお台場チャンネル以外は「株式分割によって、一株の価格が下がり買い易くなり、個人投資家が増え、市場が活況を呈してきた」とライブドアの手法を持ち上げていたところが多かったと記憶しています。そのグループも和解するや再びタレントとして彼をバラエティで使っていました。有名情報サイト[探偵ファイル]にアップされた忘年会風景を見て、あの事件の合コンサークルを思い出した人も多かったはず。ちょっと有名な若手経営者のブログでよくみかけるノリですね。
自分たちの利益のために見かけ上の数を増やすことに執心する人々に加担しないようにしたい・・・ただ、今年9月のHP開設10周年には何か心に残るようなことをやりたいと思っているshin-pです。そういえば、年始のご挨拶もまだでした。本年もshin-pHPをよろしくお願いします。(1/21)
▼街ではクリスマスの・・・なんて言っていたらすでに新年。1960年代末からずっと途絶えることなく出ていた「純新譜」。しかし昨2005年は一つもWF新発見録音が出ない年となった。
今日、昼休みのベローチェで、フリーマガジンとして配布されている「R25」を読んでいた。shin-pとはかなり外れた年齢層をターゲットにした雑誌だが、巻末の高橋秀実氏の連載「結論はまた来週」は欠かさず読んでいる。今回は「知恵の悲しみ」が題材。コアなWFファンにもこの現象が起きているはずだ。あの初めてバイロイトの第9を聞いたときの感動が忘れられず、ほとんどの録音を聞き尽くした後に起こる現象。「その録音は聞き尽くした。初版LPじゃなきゃ聞いたことにならない」と薀蓄を垂れるようなことだ。
ここで高橋氏は、本居宣長のように面白くなくても「いと面白き」といえばいいじゃないか、自分で「面白い」と思い込む姿勢が必要だという。
あれだけの感動を与えつづけたWFの録音を求める気持ちを癒すには、少しでも明瞭で聞こえる方向を求めるという気持ちも理解できるし、実際shin-pだって「かなりコア」とはいえないまでも同じようなことをやっている。でも最近、久しぶりに70年代半ばに出た全集LPを聞いていて、そこまで音にこだわることはないかな・・・と思うようになった。50年ベト7のボコボコノイズは、どうしたって消えようがないし、すでにWF音楽の一部として鳴っている。そして、Voxフランクの聴衆ノイズと薄暗い音色、ワウは必要不可欠である−WFを聞くということは、常に新しい面白さを求めることではなく「落ちるべきところに落ちる味わい」なのだとまたしても納得した新年である。(06/01/06)
▼リマスターと板おこし・・・昨年没後50年記念で発売された「祝賀前夜祭合唱」以来、新発見音源が枯渇しているため、メーカーそして研究団体にしてもファンのWFへの関心が薄れないようあの手この手をうつ気持ちはわかる。そして「企画モノ」。来月TAHRAから3種の「合唱」('42/03,'51/07,'54/08/22)を比較するCD(FURT1101)が発売される。既発売の3種の「運命」と同様の企画で、ルツェルン以外はリマスター。
51年バイロイトではカラヤンが名歌手と指環を演奏している。このうちワルキューレは3幕、名歌手は7日間の実演およびリハーサルの編集版のみが正規市販されている。カラヤン指揮で残されている録音の状況から推察するに、プロデューサーのウォルター・レッグと技師のロバート・ベケットは、おそらく版権を持つバイロイトでのすべての「音」を収録したと考えられる。また、巨匠の死後EMIは54年バイロイトも試聴したとされ、その54年には実演とともにリハーサル録音が存在する。終演後の拍手には、2種以上の異なるパターンがあり、足音入り部分と演奏部分の音質差と聴衆ノイズに疑問がある。没後25年ロンドン・ベト2、没後30年ロンドン合唱そして没後50年ミュンヘン英雄など、音源をEMIが確保していながら公にされず、その存在が発売予告によって初めて公表された録音もある。こうした状況証拠から、WF資料室では51年バイロイト第9をリハーサルと実演の「編集版」と推測している。すでに半世紀を越えたWFの遺産。WFへのファンの関心をなくさないためにも版権を持つ大手メーカーにはこうした「お蔵入り」未発表音源がまだ残されているのなら是非発売をお願いしたい。
過去に49年ブル8がリハを兼ねた(?)放送録音と実演のハイブリッドであったことがTESTAMENT盤の発売により明らかになったケースもある。こうした版権ビジネスでもかまわない。ファンに少しでも多くWF録音の真実を伝えてほしい。もう、リマスター盤板おこし盤のCD番号を資料室に追加するのはやめにしたい。(11/19)
▼先週末、ほんの少し時間的余裕ができて近くの図書館に行った。本来の目的は、園児の長男に「ドラえもん」を借りてやることだった。自分の本も少し借りていこうと思っていろいろ見ているうちに宮脇俊三編集『鉄道廃線跡を歩く』(JTB)が目に止まった。
その本は、すでに廃線になった線路の路盤を巡ったり、計画されながらも工事途中で「未成線」となった鉄橋をみる・・・という内容だ。shin-pが学生時代、乗りに行った国鉄線でも廃線になっているものはかなりある。首都圏近郊では、相模線の西寒川支線などがあるが、やはり故郷・愛媛の内子線には、かなりの思い入れがある。昨年夏、車で新しい(といってももう20年も経つが)内子駅に行った。旧線は、内子線が予讃本線に昇格すると同時に廃線になった部分がある。内子の町並みは、古さを残しながらも新しい若者向きのスポットができるなど観光地化が顕著だった。
当たり前の話だが、WFの音楽は今鳴っている音ではない。どんなにすばらしいマスタリングを施そうが、新発見の良好テープが発見されようと「今」ではないのだ。廃線跡をみて、実際に自分が乗った頃を想像し、ノスタルジーに浸る。WFでいえば、実際にWFを聞いた日本人は現在ほとんどいないわけだから、実際に乗ったことがない廃線跡や現役時代の写真を見て、乗っていることを想像するようなものかもしれない。ものすごく想像力を要求される作業だ。音楽は、「実演でなければ意味がない」という意見をshin-pは否定するが、確かに「音」それ自体は現実ではない。それでもなお、WFの残された遺産をむさぼるように探し、少しでも良好な音で聞きたいと思うのは、家元が[WF会議室]でおっしゃったように、WFが残した「音」とともに背後で鳴っているメッセージを聴くためなのだろう。(10/16)
▼ご無沙汰しています。久しぶりにネットを巡回中していたところ、FDの作者・出射厚さんが昨年秋に死去されていたというニュースに遭遇してしまった。FDとはNEC PC9800シリーズ全盛期の90年代前半に爆発的にヒットしたファイラーソフト。パソコン用基本ソフト(OS)MS-DOSは4.0までファイラーとよばれるソフトが標準でついておらず、PCユーザーはコマンドプロンプト(A>)上で苦戦を強いられていた。さらに、5.0についたMS製ファイラーはあまりにお粗末で使い物にならなかった記憶がある。そんな折、軽快かつフリー(無料)で多様に他のフリーソフトと連携しカスタマイズできるFDは、当時の多くのユーザーに支持され、多くの人々が、autoexec.batに書いて自動起動にしたり(shin-pはそうだった)、DOSが立ち上がってすぐA>FDとコマンドしたものだった。ユーザーをcopyやtypeなど日常のコマンド入力から解放した功績は、今で言えばケータイでメールができる開発に匹敵するとshin-pは思っている。マウスを標準で使うWin3.1時代になっても、中途半端なGUIのため逆にキーボードでの操作に支障が生じ、DOS窓でFDを立ち上げていたユーザーも多かった。電話代と通信料が怖くて、雑誌の5インチFD付録についていたFDの最新バージョンを友人に頼んで3.5インチに変換してもらって使った頃が懐かしい。MSそして当時MSの日本代理店だったアスキーも、ユーティリティ的なソフトで金儲けをしようとはしていなかったようだ。ホビーとしてのPC全盛の「優しく楽しい」時代だった。
自分が不便だと感じている部分を便利にするソフトを開発した作者が、無償でユーザーに提供する。PCそしてインターネットの普及はそうした人々の上に成り立っていることを忘れてはならない。それをビジネスとして使う人々がいるのは当然だが、そこに流れる「文化」を考えず、たんなる金儲けの手段としてしか見ていないと思わせる商売人たちには怒りすら感じる。自民圧勝で、さらに「勝ち」「負け」の論理で国民を追い立てる「マーケット至上主義」には反対していきたい。
WF関連については、今年になってから新発見の話題はない。無理して「リマスター」「板おこし」商品に話題をふる必要はないだろう。版権が切れているWFのアーカイブは、フリーなのだから・・・
フリーソフトの「巨星」出射さんのご冥福を心からお祈りいたします。 (10/09)
▼夏休み最後の日曜日、5歳の息子と妻と3人で千葉県松戸駅前にある「バンダイミュージアム」に行ってきた。お目当ては「ケロロ軍曹」。土曜日の朝、テレ東で放映が始まって(現在は金曜の夕方)まもなく、私たち家族はそのかわいさにはまってしまった。週末、近くで「ケロロ」のイベントがあれば家族で出かける日々だ。TV版電車男とケータイとストラップがお揃いなのは、本当に偶然で「オタク」的な血がこのW31SA&ケロロストラップを引き合わせたのだろうか?
shin-pにとっては、25年程前ジャンプに連載していた「すすめパイレーツ」を思わせるギャグ、そして今でいえば、オタクごころ(25年前はもちろん「オタク」という言葉はない)をくすぐる「萌え」な「ギャル」(いまはそーいう言葉は死語!)たちの登場に学生の頃を思い起こしながら楽しんでいる。回顧主義といってしまえばそれまでだが、オジさんになるとどうして過去を「美しく」「素敵」なものとして思い起こしてしまうのだろうか。
shin-pHPはこの9月13日でまる9年。つまり10年目を迎えるということです。9年前、何の情報ももっていなかったshin-pもHPの愛読者の皆さんのおかげで、微力ながら多くの方々に閲覧いただけるサイトにまで成長させていただきました。そして、ご自分がお持ちの貴重なCD/LPを貸与あるいは贈っていただいた方々に深く感謝いたします。本当にありがとうございます。
すでに没後50年を経過したWFの音楽を鑑賞する・・・これは巨匠をまったく知らない人々から見れば「異様」で「回顧主義」以前の問題かもしれません。shin-pは巨匠の残されたアーカイヴで聴く音楽に何を求めているのでしょう。オジさん的な回顧主義と言われようと、やはり永遠に変わることのない「癒し」と、未来に音楽で語りかける「言葉」に、まだ当分は飽きそうにありません。(8/31)
▼今週ではなく今月のshin-pになってしまいそうだ。その間、shin-pのまわりでは公私共にさまざまなことが起きた。そのさまざまの中に唯一ないのがWF関係というわけだ。
小泉解散後、総選挙の争点は郵政民営化だが、民営化して本当に何がよくなるのだろうか。また民営化しなければ何がいいのだろうか。それを明確に答えてくれる政党や立候補者は存在しない。shin-pがひとつだけわかるのは、現在の政治の流れが、国民一人一人に「勝ち負けの立場」をはっきりさせる方向に向かっているということだ。「勝ち組」でなければダメだ〜と叫ばれ、「負け組」を自殺に追い込む政策が公然と行われている気がしてならない。マスコミに「刺客」と呼ばれながらもネット上で「萌え系」とされる女性候補者を擁立するなど、優しい仮面の裏にある「弱肉強食」社会の影におびえるshin-pである。
本当にこんな社会でいいのだろうか。あのナチスドイツに追われる身でありながら、暗黒の社会に一筋の光明を見せた究極の癒し演奏=Voxフランク2楽章に浸りたい気分になってきた。43年べト7アレグレットが似合う世相になってきた。やはり学生の頃のように、社会に対して声をあげなければ・・・そんな暗黒社会が近づいているような気がする。(08/25)
▼没後50年を経過し、さすがに新発見音源は皆無となってきた。[Archipelの生誕祝賀前夜祭合唱]の発売以降、ファンの欲求を満たす録音の発売はない。[WF会議室]に今後期待したい「新発見音源」をアップしたが、音源が現存するのであればすでに出ていそうなものばかりであり、今後初出する確率は限りなくゼロに近いのかもしれない。
「板おこしCD」についてshin-pは、現時点で新発売については「興味を持たない」のは事実だが、ネットの普及によって、ファンの欲するアイテムが希少LP/SP所有者やCD製作者の目に止まり、今まで聞くことが不可能だったものが「その片鱗」だけでも聴けるようになった「これまでの功績」はあったと思う。実際、shin-pはその板おこしでデジタル化された音源を圧縮音源(MP3/AAC)にしてTV版「電車男」が持っているケータイで聴いているわけだから・・・
ネットの普及は賛否あるが、shin-pは限りなく「賛」の方につきたいと思っている。世間的に評価が高く「信用」されているマスコミや大企業、特殊法人が実際どんなにひどい「工作」をしているのかはネットの普及なくしては明らかにならなかったことが多い。マスコミ各社が「報道の自由」の名のもとに都合の悪い事実は報道せず、都合のよい事実ばかり報道していることもネットの普及があったからこそ明らかになった事実だ。そしてそれを「スタンス」だと勘違いしている。今回、あるベストセラーと思われる本がまったく報道されないことになりそうだ。「電車男」的な、純愛モノならネット発でもOKだが政治・歴史がらみには沈黙を通す。そういえば、すでにネット上で取り上げられている事実をあたかも独自の取材で書いたようにリライトしているとしか思えないマスコミ記事もある。巨大掲示板用語を流用すれば「がいしゅつ」ということになるのだろう。(7/30)
▼shin-pの世代にはまったく関係のない話だが、3年前に一回目だけ見逃した「天体観測」を再放送で見た。「天体観測」を一度しかしなかったお遊びサークルの話。shin-pたちの世代を描いた名作「ふぞろい〜」には、苦悩する若者の描き方の点で比べようもないが、エンディングの中島美嘉「WILL」までのシーンに「なつかしさ」がこみあげ、好きなドラマだった。
shin-pが学生時代所属していたサークルは「学生新聞」を発行していた。いわゆる大学側から資金の出る新聞ではなく、当時の学園に対して批判的な記事で埋め尽くされていた。若さは何事にも性急だ。記事を書くだけの自慰的な行為だけではなく「活動」を中心としていくべきだとするサークル員も増えてきた。shin-pは、その「学生新聞」を自己の行為を宣伝するためのものにはしたくなかった。結果、サークルは分裂したのだが。
板起こしCDによって、いままで一部の愛好家しか聴くことのできなかった「貴重盤」の片鱗を聴くことができるようになったことは、大きな収穫だったと思う。大手メーカーの「リマスタリング」商法が、愛好家の反発を招き、結果的に初期LPの新鮮な音質を求める「板起こし」がブームとなった。しかし、LPの「起こし方」「マスタリング」にこだわる「音質論議」にはもうついていけない。その板起こしCDの売り方にも疑問を感じることが多くなってきている。もちろん消費者の欲求を的確に判断して販売するのが、商売の鉄則だ。学生の頃のように、ありもしない「きれいごと」をいうつもりはない。shin-p自身の興味の対象が変わってきただけかもしれない。
高校時代、自分の背丈よりも少し上の学校に入ってしまった。それでも何とか「がんばっていきまっしょい」とはがんばれなかったshin-pだが、同じ状況でもボートでがんばってしまった高校の1年後輩、敷村良子さん原作の小説がフジテレビで7/5から放送される。「がんばっていきまっしょい」は松山東高で生徒会の集会の際に必ず全員で叫ぶ伝統になっていた気合だ。入学当初は、その全体主義にエリート気取りを感じ、反発も持っていたshin-pだが、今となってはなつかしい。敷村さんが以前ご自身で作られていたHPにはshin-pHPからリンクしていた。あの頃の、いまと比べれば十分希望に満ちていた日々を思い起こすのも悪くない。「なつかしさ」はおじさんの特権だと思っている。(7/3)
▼7月号の「レコード芸術」交響曲再発月評は、板起こしCDのオンパレード。残念ながらshin-pは洪水のごとく発売されるこうしたCDに対して、完全に興味を失ってしまった。「メロディアの音を手軽に聴けるといいな−っていってたじゃないか」と家元にツッコまれそうですが(笑)
先週末、中古PCを購入した。Windows系であればいくらでも改造は利くので1.1G CeleronCPU 256Mメモリという必要最低限のものをTFT LCDディスプレイとともに20K以下で。最新のPCなら2G後半〜3GHz前半のCPU、512Mメモリはあたりまえだが、shin-pは、家で使うPCとして初めてギガ超えしたのである。先日、アキハバラで3K以下で買った256MBのminiSDにWFの音楽を96kbpsAAC(VBR)にencodeし、au W31SAに入れて聴いている。板起こしに興味を失った分、「電車男」な興味が復活したのかも。
miniSDにはもちろんVoxフランクを入れているが、カラヤンのフランク交響曲も入れてみた。Vox盤では、細かな楽器の動きが聞こえてこないために当初はWFのデッカ盤を入れようと思った、しかし・・・。久しぶりに聞くパリ管&カラヤンの「綺麗」さは昼のひとときを過ごすには適していた。あの帝国脱出直前のフランクを持ち歩いて聞こうというshin-pは無謀だったようだ。(・・・最近忙しく、実演での「フランク交響曲」は、かなり以前に都立大オケ?で聴いて以来だが、生でもう一度聴いておかないと・・・)残念ながらカラヤン盤と45年WF盤のあいだには、1411KbpsのCDと16KbpsAAC位音質の開きがあると思う。おそらく、初出盤をどんなに最良のコンディションで復刻したところで16Kが20Kになる程度なのだろう。
shin-pはケータイに音楽を入れるにあたり、なるべく高音質で小さく-と考え、某巨大掲示板のエンコーダー板を活用していた。そこでは、エンコーダーとビットレートの違いによる音質論議が盛んに行われている。フリーでオープンなoggというコーディックに人気が集まり、ソニー限定仕様のATRACが貶される・・・どこの世界も「金もうけ主義」には手厳しい。その音質論議は、WFに対する音質論議と「質」が違うなどということはないとshin-pは考える。低ビットレートの方がちょっとしたレートの違いを認識しやすく、ある意味、音質が劣悪なWFの録音の微妙な差に通じるものがある・・・
しかし、それでもなお、WFの今となっては非常に劣悪な環境下にある遺産が、テクノロジーの進んだ多くの現代人を感動させているとすれば、それはいったい何なのだろうか。私たちは「それ」を探すためにWFを聞いているのかもしれない。(6/25)
★W31SAで音楽を聴く方々へ。このケータイでは、ヘッダーにHE-AACでエンコーダーしている情報が入ると異常な形式と認定され再生が不可能なようです。8balls(というソフト)でWAVorMP3から作る場合は、HEでエンコードしてもヘッダー情報はLCのままらしく再生が可能です。音質から言ってW31SAで再生する場合はHE(SBR)になっていると思われます。LCの場合は、dMC Audio CD Inputを使いNeroでエンコードしています。音質確認のプレーヤーはfoobar2000。クラシック音楽の場合は最低LC96k以上のビットレートでないと聞きづらいようです。
▼ここのところ忙しく、ゆっくりCD/LPを聴く時間がないのでケータイで音楽を聴く日々が続いている。音楽携帯W31SAで聴くWFもなかなかいいものだ。iPodでおなじみ、携帯端末の標準になりつつあるAACコーディックにも色々な種類がある。着うたフル(TM)で使われているHE-AACは低ビットレートで「それなりに」聴かせるためにサンプリング周波数の幅を広げて、単位あたりの密度を落としている。クラシックだとざらつきが目立つが、J-POPなど常に音が鳴りつづけている楽曲には相応の効果ある。実際、公式「着うたフル」の音質は20分の1以上圧縮された音質とは思えない。ただWFの録音の場合、公式にチューンされた「着うたフル」があるわけでなく、高周波数の音はほとんど出ていないので、AACの普及技術であるLC-AAC96Kbpsあたりが携帯での最適フォーマットと思っている。最近リマスターされているCDでも、こうした最新技術で周波数帯域を無理に広げ、聴感的な満足感を与え、「高カロリー」と評されるものが存在するのも事実だ。残されたWFの遺産をいかに保存し、最新技術で修復するかという課題は、私たちファンにとっては最大の関心事だ。(6/11)
▼SONYのネットワークウォークマンを先日購入したが、娘にあげてしまった。携帯電話は必需品だが、デジタルプレーヤーだけを持ち歩くのは何かと面倒だからだ。今度、買って1年以上経ったauの携帯電話A5404Sの外装も剥げてきたので買いかえることにした。新しい携帯は、W31SA。miniSDにAACコーディックの音楽を保存、再生できる。miniSDは、娘が以前持っていたN505iの16MBのものしかないので、とりあえず、Realplayerで96kエンコードしたJポップを入れて聞いてみた。なかなかの音質である。正規には、市販のSDオーディオ準拠のソフトでエンコードしなくてはならないのだが、少々のPCの知識さえあればフリーソフトで作成は簡単だ。今後、WFの戦時中の録音を入れて持ち歩きたい。
そのW31SAはFMも聞けるのだが、最近ほとんど聞かなくなったFMもこの携帯によって聞く機会が増えそうだ。今、黒田氏が解説するNHKFMの番組を聞いていたが、shin-pもリアルタイムで聞いたベームのブラ1は、特に3楽章などWFを聞いているかの錯覚にとらわれるほどだった。「もう少し、WFの録音がいい音で残されていたら・・・」WFファン共通の思いだろう。(5/22)
▼英協会盤の件については、まとめが必要な重要な情報だと感じています。皆さんからの[WF会議室]への書き込み情報は、近日中にコーナーを設けて掲載したいと思っています。
オリジナルのテープが損傷を受け、使えない状態であったり、オリジナルが戦時中の混乱などの理由で残っていないもの、またSP原盤がすでになく、正規に復刻したマスターの音質が悪いものなど、やむなく市販されたLP(SP)の「板おこし」が必要なWFの録音はかなりある。顕著な例として、VOXフランク、オリジナルの返還が叶わなかった戦時中のベートーヴェン、47年ブラ1などが挙げられる。しかし、戦後EMIのテープによるスタジオ録音などは、デジタルを意識しすぎたマスタリングのために音質が損なわれているものが多いのではないだろうか。CD化された音質に満足せず、板おこしを望むファンも多いが、本当にオリジナルテープの寿命がきていて、それをカヴァーするためにベタなデジタルリマスタリングが施されているのだろうか。テープの劣化が少ない内にLP化した「初出盤」に近いもののほうが、音質の劣化が少ないという理屈はわかる。しかし、LP初期のカッティング技術が、ステレオが実用化されて(つまり巨匠がなくなって)以降、大きく発展した技術よりも優れているとは思えない。実際、AB8000番台のLPにはそれ以前以後に比べて、素直な音が刻まれていると感じるものも多い。あくまで個人的な感想だが・・・
50年代初頭に録音されたウエストミンスター盤は、原盤保有会社がコロコロと変り、オリジナルテープが一時紛失していたとされたが、その発見によってすばらしい音質で復活した。WF関連でも43年ブル6のSFBへの返還テープを使ってNHKで放送された音は、50年を経ても音質が衰えていない「テープ」の存在をアピール、またDGは、オリジナルテープに立ち返った「オリジナルス」シリーズを発売し「一皮剥けた」音質を披露した。最近、版権切れのEMIテープ音源のLPおこしが数多く出ているが、巨匠の遺産の大半を所有するEMIには、初出盤を製版した当時に立ち返った音質でのオリジナルテープからのCD化を希望したい。(5/14)
仏協会から問題提起された英協会ブラ3だが、結論から言えばshin-pもTremine氏と同意見、つまり54年DG盤と全く同じものだと思う。この54年DG盤は、聴衆ノイズが少な目だが、大きな咳などのマーカーが5箇所以上で一致している。詳細に聴くと、演奏的には、最高のブラ3と評価する評論家もいるが、shin-pは、直後のトリノ盤や49年盤に比べて緊張感に不足を感じる。また予期せぬミスアインザッツが目立ち、緩急の切り替えが不自然な52年以降不調時のWFを思わせる部分を感じるが、そうした点においてもこの英協会CD-RとDG盤は一致する。英協会盤はプチ音が各所で聞こえるためLPからのダビングと思われ、DGのLPと比べるとヒスが多く、音質も極端に劣る。DGから発売されているカイロでの悲愴と比べても音質は悪い。どういう経路を辿ったテープを英協会はCD-R化したか不明だが、こうした「劣化再生」の問題が出た以上、出来る範囲での「情報公開」は必要だと思う。言い訳になってしまうが、当初shin-pは別演奏の印象をもった。いつもは「新発見」といわれるたびに、現在ある同曲と比較試聴していたshin-pだが、今回のブラ3については仏協会のベト4の時のようには調査せず、劣悪な音質の中、期待感によって54年録音よりも「良い印象」を表明したことを残念に思っている。新発見を銘打つ以上、ディストリビューター側には、発売前に同曲異演との比較試聴を希望したい。(4/13)
▼先ほどshin-pが仏協会のPhilippe Leduc氏から受信した協会員へのメールによれば、「TAHRAのRene Tremine氏が、英協会(WFS-UK)のFURT103「海外のWF」として没後50年の昨年頒布したアレキサンドリアでのブラ3は54年DG盤をcosmetization(整形した)ものだと発見した−と報告している。ただし、このセットに収録されている他の演奏は、レアで真正のもので、すべての購入する人々に適切なアドバイスをした上で頒布は続行したい」としている。shin-pはこのWFS-UK盤を所有しているが、音質が芳しくないため、じっくり聞いていない。今夜再度確認して報告したい。shin-pは、all potential buyers(すべての潜在的な購入者)にブラ3についての真実を伝えるいうSWFの方針に従いたいと思う。(4/12)
▼最近S社のデジタルオーディオプレーヤーを買った。昼休みなどにコーヒーでも飲みながらWFを聞こうと思ったのだ。ATRAC3というMP3を改良(悪-という人もいる)したフォーマットしか再生できないこととSonicstageという独自ソフトを利用しなければプレーヤーに転送できない不便さがある。商標権を持つ「着うた」をはじめとしたネット音楽の著作権に配慮した結果ということだ。自分でLPから起こしてオーディオCDレコーダーでCD-R化したものは使えない。もちろんRPやiTuneでMP3化してから使えば問題ないが、iPodやWMAが再生できるプレーヤーに比べてかなり不便というべきだろう。肝心の音の方だが、昼休みにコーヒー店(ドトールとか)で聞く分には、デフォルトのATRAC3-64Kで充分だと思う。(閉店する「滝沢」とかだともっと音質がよくなきゃだめかも・・・)AACフォーマットの「着うた」はほとんどのケータイで聴けるし、DocomoのPremini2やauのW31のようにATRAC3フォーマットも聞けるようになってきた。ケータイでネット上のMP3系音源をストリームで再生できる方向を時代が求めているとshin-pは思う。今は、PCから転送したWF戦時中録音を中心に、昼休みに音楽を楽しもうと思っている。(4/3)
▼領土問題とか戦争責任とか、必ず二つ以上の立場が存在し対立する意見がある場合は、間違いなく自分が「どちらの側に立つか」というスタンスを明確にすることが必要だろう。絶対的な「正義」が存在しない問題のまさにその渦中に自国がいるにもかかわらず、へんてこな「正論」をぶちまけてどっちつかずの論調しか出来ないマスコミは「存在」する意義さえないとshin-pは考える。
shin-pの故郷である愛媛に領土問題で「敵対」する可能性が高くなってきた隣国のTVクルーが強引とも言える取材を敢行したという。日本であろうが他国であろうが、情報を商売にする人間の行動は、他者に対する思いやりのかけらもない。管理教育で有名な愛媛であり、「作る会教科書」を採択したことが批判を浴びていることは事実である。しかしそれは自国の住民によって考えることである。「作る会教科書」の内容が他国の「為政者」の思惑から大きく乖離するものであろうが、こうした行動は最大級「やってはいけない」「やらせてはいけない」子供たちの心を踏みにじる「侵略」そのものだと思う。(3/31)
▼没後50年には、数少ないながらも「未発見」録音が発売された。しかし、今年に入ってまったくそういう情報は入ってこない。もう枯渇してしまったのだろうか。これからは、手軽にWFの藝術を聴きなおすことを中心にしたい。shin-pは、最新録音に比べて大きなハンデをもつWFの録音は、圧縮された音楽ファイルを元に自分の頭脳で補正して聴くのがベストだと思っている。いつでもどこでもWFの音楽が聞きたいと思ったときに聞ける状況があればいいのだ。携帯電話でWMAやRMなどメジャーな圧縮形式の音楽ファイルが聞けるようになれば、それはかなう。そして、公的な団体には、ネット上で実費程度の僅かな会費を払えば、いつでもどこでも128KRM形式程度の音質でWFの音楽を聞ける環境を整備していただけるようお願いしたい。すでにハード面は、来年あたりにはそうした環境が整うだろうから・・・(3/24)
LDそしてSB。やはり、既存マスコミという「旧態依然」な環境はここ数年で、ITの旗手たちによって大きく変化を遂げるのだろう。もちろん、IT関連の彼らが、公共的であるとは思えない。しかし、幻想に過ぎない「公共性」という名目を傘に自分たちだけが聖域にいると思っている旧体質の人間が運営する時代は終焉を迎えた。
WFのEMI悲愴には「終焉」を感じさせるオーラがある。先日グランドスラム「悲愴」を試聴した。日本協会盤で聴いた時も感じたことだが、ベートーヴェンやブラームスでは感じなかった巨匠の世俗的な感情がこちらでは聞こえてくるような気がする。テンポの変化による直接的な感情の変化が、他の作曲家のものよりもはっきりと聞き取れるような気がする。(3/24)
▼最近、急にハイドンの「軍隊」が聞きたくなった。WFは録音していないので、別の指揮者ということになる。中学の頃よく聞いていたのは、サヴァリッシュ〜ウィーン響の演奏。千円盤ということもあったが、颯爽として好きな演奏だった。その後、ワルターの演奏をFMで聞いたが、普通の値段(2800円)だったので買えなかった。一昨日、馬場の中古店で0.05k以下で買って聴いたが、感動してしまった。演奏に‥というよりも過去に買えなかった演奏に巡り会えたという感動。
最近、shin-pが中学の頃に出ていたLPを板おこししたCDも発売されている。shin-pにとってそんな最近のLPまで板おこしされるということは、すでにその時代すらも「歴史」になってしまったことを証明しているのかもしれない。
それでも、ワルターのコロンビア響とのステレオ盤は、リミックス&デジタルリマスターした84年LPの方が初期盤よりも明瞭に聞こえる。そのホンの10年以内のWF盤については初期盤信仰が根強いのはなぜだろう。確かに第9のFALP初期盤を聞いたとき大きく「感動」したのは事実だが、その感動の大きさが、後年の全集LPを聴いたときより大きかったとは思えない。音楽を聴くという行為自体、最も信頼のおけない生物としてのファジーな「耳」という器官を通し、さらに雑念でいっぱいの「頭脳」というフィルターを通さなければならないことを肝に銘じたい。
50万アクセスありがとうございます。shin-pがこのサイトを立ち上げた最初の気持ち「WFの残された録音遺産を“無理のない程度に”すべて聴く」に立ち返り、これからも運営したいと思います。(3/12)
まもなくshin-pHPは50万アクセスを達成します。96年9月サイト開設の頃のインターネットはまさに黎明期でした。ホームページメーカーなどの便利なソフトも少なく、他のHPのHTMLを参考にしてやっと立ち上げました。話題のライブドアも96年4月に有限会社オン・ザ・エッジとして生まれたのですから、ほぼ同じ頃産声を上げたといえます。当初、1分10円の最も安い接続料金だったアスキー・インターネット・エクスチェンジでHPを公開し、アスキーのプロバイダー事業撤退後の98年からはパナソニック・ハイホーに移りました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、大量のメール送信による妨害や会議室への書き込みをめぐる閉鎖などのトラブルも何回かありました。
今日(3/5)付けの毎日新聞朝刊にライブドア堀江氏のインタビュー記事が載っていました。彼の「メディアはあくまで媒介者で、ありのままの事実を伝えるのが一番。純粋な媒介者としての位置に」という主張にshin-pは疑問を感じています。既存メディアだって客観性は追及しています。むしろそれは商業ベースでの制約で客観的になれないのであり、株(金)で会社を乗っ取ろうとする企業が、今までのメディア以上に客観的になれるかは疑問です。それは、WFの同演異盤を「客観的に伝える」のと同じくらい難しいことです。ただ、彼が「既存メディアはなくなってもいい」と主張するように、ネットが何年後かにメディアの主役になっている可能性はあります。TVはまだしもAM放送は確実に以前の勢いはなくなっています。shin-p@blogで書いたように、AM放送を若者たちはもはや聞いていないように思います。そのAM放送をライブドアが買収して何に使えるのかということですが、メディアの伝達手段であるWAVEとしてのAMではなくコンテンツが欲しいということなのでしょう。伝達手段の性能は時代とともに確実に変わっています。いくらステレオ化してもAMの音質はすでに過去の物という感があります。
shin-pがパソコン通信をはじめた頃(88年)は、音響カプラ(受話器を装置に当ててデジタル変換する)がやっととれてモデムで送信できるようになった頃でした、といっても速度は300bps。いまは、8-100MのADSLや光が当たり前になっています。WFの音楽にしても、昨年末の没後50年、海外ネット放送を多くの方が聴かれたと思います。今後、ネットの回線速度が上がれば、オンデマンドでWFの音楽を聴くのが当たり前になると思います。もちろん、音楽のニュアンスや臨場感、個々の楽器の音色はアナログにかなわない部分があります。しかしLP鑑賞は別の次元の問題として、デジタルであるCDの音質はMP3等に落としても大きく変わることはないと思います。
そうした技術を利用して、特にWFのものかどうか確証がない録音を販売する場合や「音質を改善した」ことを大々的に宣伝するものは、あらかじめ数分でも試聴出来るようにして欲しいものです。すでに、WF板おこし盤を発売するデルタやメロディア、RCD盤を販売するRBCのサイトのように試聴してから購入出来るところもあります。さらにRBCでは40KのWMP形式で全曲試聴でき、42年第9のメロディアCDとRCDの比較ができます。この程度のビットレートでもRCDの方がリダクション過多なのがわかるのです。今後は、協会やセンターでも公認盤の試聴が出来るように願いたいところです。
以上、僭越ですがディストリビューター側に望むことを列挙させていただきました。そして、shin-pは今のスタンスを今後も続けて行きたいと思います。つまり、自己満足かもしれませんが、リリース情報を伝える場合は一定の距離をおいて聞いていきたいと思います。客観的というのは、先に述べたように難しいことですが、出来ないからといって「放棄」してしまったらサイトを運営する意味はないと思っています。ただ、思い入れのある数枚のLP/CDだけは主観的に表現させてください。
先日、NDRブラ1のEMI盤をshin-pが高く評価したところ、メールや他の掲示板でご批判をいただきました。インターネットは、発信する側と受け手の側との境界線が不明瞭です。既存メディアのように一方的に重要記事を押し付けるようなことはネットでは不可能です。異論が多ければ、いくら多くの方々の目に触れる意見でもマイナー扱いにされることは必至。堀江氏が述べていたように、マスメディアが一方的に記事の重要度を決めつけるのでなく、ユーザー(大衆)側が価値を決めていく時代が、すぐそこにきているのは確かだと思います。いまだに「テレビがネットに飲み込まれることはない」などと現在のメディアの状況を飲み込めていない反論を繰り返すような大将を持つマスコミに未来はないと思います。
shin-pもHP10年目を迎えるのを機会にさらに頑張っていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。(3/5)
▼話題になっている初期のステレオ録音について、ある方からメールで「クロスオーバー・ネットワーク(=周波数を帯域ごとに分割するフィルター)を使ったスピーカーシステムの場合は、シングルコーン(=一個のスピーカーで全帯域をカバーするシステム)に比べて、位相バランスの悪さが気にならない」というお便りをいただいた。理系でないshin-pに正確なコメントができるかどうかわからない。ただ「魔弾」の場合、左右で音質が大きく異なるのは、周波数の帯域が左右で大きく異なってるからと思われ、2つのスピーカで聴くよりも4個以上の方が分散されて聞きやすくなるのではと思っている。(3/5)
▼すでに仏協会で頒布対象となっているTAHRA新譜が国内で3月末発売される。ザルツブルク53年グレイト&54年魔弾(FURT1095=3枚組)51年ローマのブル7(FURT1098)。shin-pは、FURT1095の一部を試聴した。仏協会83年9月会報によれば、53年54年のザルツブルク音楽祭では巨匠の提案によって、ステージ左右の3本ずつのマイクがセットされ、録音担当した巨匠の女婿アルフレッド・クンツ氏により76cm/秒2chで収録されたという。TAHRAは、クンツ氏が私的に保管していたテープを使用しているという。
グレイトにはこれまで、ステレオと明記されたり、実際に2ch録音と思われるLP/CDは存在しなかったようだ。このTAHRA盤は[certainly in stereo]と表記されており、僅かな広がりを感じるCDとなっている。ただし、真正ステレオかどうかは微妙。高音質盤と評価が高かったRVC盤LPに比べるとテープの経年変化のせいか若干ドロップアウトが増えている。同日のヒンデミットには、チェトラによるステレオ表記のLPが存在するが、それに比べると左右のバランスがよく聞きよい。魔弾については、序曲に展開部付近の右チャンネルに5秒ほどゴーストと音切れが存在する。今後発売されるものでは修復されていて欲しいものだ。ステレオ表記のロドルフェCDやチェトラLPにこの音切れはない。以前からステレオとされたCD/LPと同様、左右のバランスが悪くステレオとして聴くには定位が定まらず難がある。この2曲には、すでにOrfeoとEMIによる正規盤が存在するが、日本では評判が芳しくない例のマスタリング者によるもので、音色の問題が指摘されている。独協会のモツPcon22のように極端に音質が悪い場合、彼らのマスタリングで蘇る例もあったが、元の録音が比較的状態の良いものの場合は「いじりすぎ」と感じられた。あまりに音色に違いが大きいため、もし使用したテープが別物であるなら、このTAHRA盤は、RVC盤やチェトラ盤、ロドルフェCDが使った方のテープに近いものと思われる。(2/23,26)
▼shin-p@blog開始しました。(1/15)
▼明けましておめでとうございます。今年もshin-pHPをよろしく。
やっと、溜まりにたまったCDを聴く宿題が終わりました。まず、デルタのベト&シューベルト/二つの第九(DCCA0004-5)を聴き、温かみを保持しながらも明瞭な音質を獲得しており、今後の板おこしの「標準」となるものと感じました。ただ、オーパス蔵の第9にも、ノイズと楽曲とのバランスのよさに大きな魅力があり、板おこしブームのきっかけとなったVenezia第9のストレートさにも後ろ髪ひかれる思いがあります。フランクについては、以前完全本の清水氏にカセットにコピーしていただいたものを家宝のように寝る前に聞く日々が続いています。デルタ盤(DCCA0002)も良好な音質で楽しめることは事実ですが、これもshin-pの思い入れが強すぎるので仕方ありません。聴衆なしVOXベト4は、これまで日Fontana盤できいていましたが、初出盤との差は歴然。英フ協会盤のアレキサンドリアでのブラ3は49年&54年ティタニアでの同曲よりも好感の持てる演奏ですが、録音が今ひとつでやはり常時の鑑賞には無理があります。独協会盤の44年英雄は、グレイトと同様、戦後風の音で賛否両論となりそうです。これもウラニア盤に思い入れが強ければ、この独協会盤は「失敗」ということになるのでしょう。同じマスタリング者によるものでも、音質が極端に悪いモツPcon22は最良のCDとなっています。20番に比べて低い評価に甘んじていたこの演奏の真価はやっとこの独協会CDによって再確認される思いがします。(05/1/6)
▽WF没後50年の今年も残り僅かとなった。今年は新年早々、LP起こし盤についてのコメントにより[WF会議室]閉鎖という事態もあった。これもWFの「音楽」を愛するがゆえのことと思いたいのだが、実際問題として「板おこし」で音質を競い合う1年でしかなかったという「厳しい評価」をする愛好家も多いだろう。その板おこしCDについて、この今週のshin-pで紹介するものとそうでないものがあるのはなぜか?というご質問をいただいた。詳細は[shin-pHPのポリシー]をご覧いただきたい。基本的にはリリース情報をメールでいただき、発売元は明らかなものは極力紹介している。どこまでを掲載するかについてはshin-pも「悩んでいる」ということをご了解いただきたい。(12/13)
▼レコ芸、MOSTLYの特集、学研のWF本などが没後50年に発売されたが、「活字」で語るWFをいくら読んでも1枚の新発見CDにはかなわない。その意味では、42年のもうひとつの第9と53年ミュンヘンのエロイカが没後50年の今年発売されたことは幸いだったというべきか。
EMI/NDRのブラ1にはメールでいろいろとご意見をいただいた。おそらくプレーンなテープの状態はハイ上がり気味の伊MEMORIESやSWFLPが最も近いのではないのかと思われるが、丁寧にノイズを除き、各楽器の音質が明瞭になった。ノイズリダクション多用でチリチリ感とまるで針先にごみがついたような印象のTAHRAに比べ見通しの良い音質となったと思う。(12/10)
▼<新譜情報>デルタからベト&シューベルト/二つの第九(DCCA0004-5)がリリースされる。浅岡氏所有メロディア最初期盤の青松明、VSG盤からPLEXMASTERでマスタリングされたものという。(12/9)
▽50年目の命日の今日、3枚のCDを買ってきた。DGの没後50年記念2CDとEMIのNDRブラ1。ブラ1は[WF会議室]でも話題の高音質盤という。WFのCDを聞き手が自分の気に入った良好な音質で楽しむ−という行為はWFの藝術を鑑賞するのに重要なことは間違いない。しかし、その選ばれるCD/LP/SPは、個々人の多種多様な音質であるべきだと思う。他の聞き手と比較して、良好な音質で聴いているかどうか、あるいは感動の度合いが大きいかどうかなど無意味なことだと思う。今晩はこの3枚のCDを聞き、多くのすばらしい遺産を残してくれたWFに感謝し、黙祷を捧げたい。(11/30)
▼28日センター主催の桧山セミナーに行った。センター関係でメールではすでに何度も交流させていただきながら面識のない方々とお会いできたことも大きな収穫だった。そして、桧山さんとも実はお電話とお手紙そしてメールでは何度も助けていただきながら一度もお会いしたことがなく、今回はその語り口の素晴らしさに圧倒された。shin-pにとって今回のセミナーは、レコードを聞くよりもWFを長年愛してこられた方の「語り」を聞くのが目的だった。(11/29)
▼30日の命日に合わせて、日本でもさまざまな行事が開催される。最も大きいものは東京フルトヴェングラー研究会の3夜連続演奏会。28日テ・デウム&ブル9、29日バイオリンソナタ、30日ピアノ五重奏曲&仙北谷晃一氏講演。またフルトヴェングラーセンターは28日に桧山セミナーの第4回<指揮者フルトヴェングラーを考える2>を開催する。shin-pはこの日の講演に参加する予定。ただ、この後のテ・デウム演奏会には残念ながら息子の行事の関係で参加できないのが残念だ。(11/20)
フルトヴェングラー・センター(WFCJ)
東京フルトヴェングラー研究会

▼30日の命日が近づいてきた。欧州の各放送局では、巨匠の特番が沢山組まれているようだ。ただし、shin-pが現在まで探索したところでは、未発表録音やレアな音源の放送は見つかっていない。今後も主要な番組は[WF会議室]で報告したい。もし、没後25年の頃にネットが普及していたら、多くの未発表録音が放送され大変なことになっていただろうが・・・と空想にふけっていても仕方がない。皆さんも http://classicradio.hp.infoseek.co.jp/ (2chのスレッドから発した番組表ブログ)やそのまとめサイト http://kintubo.kakiko.com/classical/ 、[IPラジオ(ねも艦長)の部屋]などで探索していただければ幸いだ。(11/08)
▽久しぶりに劇団民藝の芝居を見た。第二次大戦後のアメリカが舞台、主人公は労働運動の主導者という設定。離婚した親と子、元夫との感情の動きは見事に描かれていたと思うが、時代設定に私たちが共感できる部分が少なかったため、今ひとつ感情移入が出来得なかったのが残念だった。
「愛媛東高校」卒という設定で、shin-pが「松山東」卒のために感情移入してしまった「東京ラブストーリー」の続編(?)が始まった。すでに超オジサンになってしまったshin-pには何の縁もないドラマだが、プロデューサーだけが必死になって若者に媚びているドラマのように感じる。
朝、芝居を見に行く前にハンガリーのバルトークラジオで巨匠のアムステルダム50年レオノーレ3番をやっていた。ディスクから起こしたテープを使った従来の音源だが、リアルタイムで欧州の放送を聴くのは、TAHRA盤を家で聞くのとは違う気がする。このバルトークラジオはRMファイルで蓄積されており、いつでも聞くことが出来る。(10/11)
▼以前、海外ネットラジオのクラシック音楽サイトでWFの番組がないか探していることをこの今週のshin-pに書いたが、未だ大きな収穫は得られていない。検索を繰り返すうちに発見できたのは、昨年BBCのネットラジオで1950アムステルダムの実況録音が放送されたこと、そしてやはり多くのPC系クラシックファンがネット上の「生」を求めてネットラジオに耳を傾けていることだ。巨大掲示板2chでは「海外ラジオの音楽番組をオンライン放送で聴こう」というページがあり連日その日のLIVEを中心としたお勧め番組を掲載している。また[IPラジオ(ねも艦長)の部屋]には、私が作ろうと思っていたが挫折した海外ネットラジオの素晴らしいリンク集がある。今日はORFのネットラジオでユカ=ペッカ・サラステ〜ウィーン響のブラPconNo1やロミジュリ序曲を聞き「生の迫力」に感動、スウェーデンラジオでロストロのくるみ割を聞き下手な芝居にガッカリ・・・と音楽を堪能してしまった。。まだ、ほとんどのネットラジオでは11月下旬のプログラムが公開されておらず、WF関連の番組については今後機会を見て検索をつづけたい。(10/10)
<リリース情報>
@浅岡氏プロデュースのデルタクラシックスからWFのVOX復刻CD(DCCA-0002)。
Venezia盤ですでに評価の高いフランクにベト4を加えた完全VOX復刻盤。聴衆なしベト4はメロディア初期盤に比べるとノイズの多いのが難点だったVOX盤だが、復刻盤ではどうだろう。「フルトヴェングラー・ザ・コンプリートヴォックス」は10月中旬発売予定。
AArchipelからARPCD0270として42年4月19日ヒトラー生誕前夜祭の合唱が初出。こちらも10月中旬発売予定。shin-p試聴記は[資料室42/04/19のページ] また2001年に50年ミラノ・リングを発売したGebhardtから、さらに音質を改良した改訂版(CD番号は同じ)が発売された。ジークフリートの一部のみサンプルで聞いたshin-pの印象では高域がさらに明快になっている。ただしテープの欠落を補ったディスク録音の針音部分は存在し、マスタリングの違いによる音質改善と思われる。新しく発見されたテープという説は微妙なところ。(04/10/02)
▼祝賀前夜祭のエアチェック盤が発売される。ディスク録音とはいえ、実況アナウンスも含まれた欠落のない完全版で、発表された収録時間からの推測ではメロディア盤に比べ若干テンポが速いと思われる。加藤氏の問い合わせでは、いち早くCD-R化した独Truesound Transfersは、この音源をGEBHARDTレーベルに売ってしまっており、仙台S氏によればArchipel盤として10月中旬に発売が予定されている。このArchipelの試聴盤を聞かれたURHS氏によれば、現在映像として残されている祝賀前夜祭の音声と今回の「真正」祝賀前夜祭盤は異なる録音だという。ということは、祝賀前夜祭の録音は音楽録音を始めたばかりのマグネトフォンを用いず、すでに技術的に成熟していたディスク録音で収録されたと思われる。42年当時、アマチュアが2台の録音器を駆使しこの演奏を完全収録したとは考えづらく、プロによる仕事だと思われる。翌日NHKが放送した「祝賀前夜祭」の録音中継には、このディスク録音が使われた可能性が高い。多くの謎を含んだ録音の真相が解き明かされる全WFファンの期待が高まる秋となった。(9/28)
▼ご存知(?)のように今年に入ってあまり更新が頻繁でありません。理由は事情で土日に更新のための時間が取れないため。残念ながら桧山氏の講演会も出かける時間がありません。この日月(祭日)はやっとまとまった時間が取れたのでいろいろなところを訂正・更新しました。フルトヴェングラー・センターやorooro氏のページをリンク集に加えた他、長野S氏&[WF会議室]メンバーの[戦中盤研究]に44英雄42合唱追加などを加えました。会議室については逐次ログをとっていますが、今年前半の部分についてはとりきれていません。何かご質問がございましたらgooメールは障害があって使えませんので、shin-pへのご連絡はForm-mailへ書き込みをお願いします。(9/19)
▼shin-pHPはフロントページ400000アクセスを達成しました。ありがとうございます。今年11月は没後50周年ですが、特別な発見もなく終わるのは悲しいです。できれば51年バイロイトのバイエルン放送バージョンなどが発売されればうれしいのですが。(8/11)
▼もうすぐ夏休みですが、いろいろな事情で「今月のshin-p」になって申し訳ありません。いろいろ宿題があるのですが・・・Venezia完結盤はまだ未聴です。話題のArchipel、グリーンドア、グランドスラム盤とセレナーデ盤の詳細な比較も後日。仏協会盤ブル9は、ヒスノイズが盛大で、DGよりも明瞭になっているものの「聴きやすい」とはいえなかった。(8/4)
▼平林氏プロデュースのウラニア起こし盤(GS2005)を聴いた。全編ピッチが修正してあるが、SIDE5には、通常の33回転で再生した「高い」ピッチも収録されるなど、「ピッチ」にトコトンこだわったつくりになっている。音質的には、ピッチが修正されているにもかかわらず、ウラニア盤独特の「熱くハイあがり」な音をそのまま聴くことができる。3,4楽章に盤面の傷みから生じていると思われる引っかいたようなノイズがあり、若干気になる。旧セレナーデ盤に比べ入手性、保存性とブックレットの解説が改善された。T店ではオーパス第9と同じ値段で売られていた。同時にArchipelからも日本の板起こしブーム(?)を見込んだようなARPCD0238が発売されたがshin-pは未聴。VeneziaWF完結盤は未だ未入荷のようだ。確かに、多くの板起こし盤によって、私たちは普通には聴くことのできない貴重盤の片鱗を楽しむことができるようになったが、没後50年記念の年として、このまま終わってしまったとしたら寂しいかぎりだ。
更新が滞り申し訳ありません。最近、センター盤を聴く機会に恵まれたが、その報告は後日したい。仏協会盤ブル9も最近聞く機会があったがこれも後日。今月から桧山氏による没後50年記念のセミナーも始まる。詳細はセンターHP。(7/26)
▼オーパス蔵から青聖火42年第9が発売された。shin-pはオーパス蔵・相原さんのご厚意によりそのテスト盤を聞かせていただいた。もちろん製品盤は、さらに音質のチューンナップがされている可能性が高い。音質的には、VSGを使った既出のVenezia盤に比べ表面ノイズが少なく聞きやすい音質に整えられている。ラフな印象を持つVeneziaは時々ハッとするほど生々しい音質の部分があり、その部分は何度も聞きたくなるが、これに比べると蔵盤は音質が平準化され、聴きやすいが、こうした「おまけ」がないのは少し残念だ。入手性ではピカイチのメロディア板起こしCDといえる。またVeneziaからはWFメロディア板起こし完結盤としてVSGブラ4が今月下旬に発売予定という。
バイエルン放送の「53年英雄」が話題だが、バイエルン放送のクラシック系ラジオ放送(Bayern4 Klassik)はストリーム放送されており、いつでもライブで聞くことが可能だ。リンクについては、なるべく近いページにリンクしたいので、現在問い合わせ中だ。他にも英独仏墺の放送局のストリーム放送のリンク集を近日中に完成させ、WF没後50年の記念番組に備えたい。バイエルン放送トップページのアドレスは、http://www.br-online.de/。(7/6)
▼平林氏が[WF会議室]の投稿で問題にされている「ピッチ」。shin-pもさっそく愛用のリコーダーを使って52年スタジオ盤と「ピッチ」を比べてみた。素人の私の感覚では、ピッチ可変速CDプレイヤーで-1程度で「若干」低いという感じだった。もちろん初めてこの演奏を聞いた時に大きく「ピッチ」がずれているとは感じなかった。このEMI新盤はテープをつないだような編集の跡があり、フレーズが切れている部分も散見される。全曲を調べたわけではないので、異常に低いピッチの部分があるのかもしれない。全WFファンの久しぶりの熱狂に沸いたCDだけに、ぜひ、この盤の問題点をさらに御教授願いたい。(6/18)
オーパス蔵からOPK7003として、WFのメロディア青聖火復刻盤が登場する。運命などで聞かせたノイズ除去と楽曲のバランス感覚の良さからも期待できる復刻盤だ。VeneziaからもV1023として36年&54年のバイロイトの演奏が出る。以前から54年の合唱リハは本番に比べて明瞭な音という噂もあり期待できる。(5/25)
▼小VSG復刻のV1022によってブラPconのテープは最初から(つまりソ連に持ち出された当時から)劣化していたのではなかったことが明らかになった。メロディア黒盤/CDや返還テープを元にしたDG盤などに比べれば、ピンクレーベルを元にしたと思われるユニコーンの方が楽曲にゴーストのように付いているノイズが少ないことからも初期のLPには期待感があった。V1022は透明度が今までのどのディスクよりも高く、生々しい。残念なのはパチパチノイズが盛大なことだが、だからこそこれだけの透明度が獲得できたともいえる。気分によって聞く機会のあるブラPconのディスクが増えた。(5/7)
▼更新サボってスミマセン(笑)。連休中の仕事がたまっているので、今後もしばらく音沙汰ない時があります。でもROMとはいえちゃんと見てますし、何かあったら対応しますのでご安心を。(5/6)
▼やっと50年らしい情報が入ってきた。53年ミュンヘン英雄と44年運命がEMIから発売予定という。すでにT店やH店のサイトで紹介されている。ただ、これを読むと「初出」ではないようにも受け取れる。今までの録音が「新たにこの日のものとわかった」ともとれる表現なのだ。いづれにしても6月が待ち遠しい。もし、これが未発売盤であれば、いままでどの研究家も言及してこなかった(44年運命についてはオルセン本で未確認ながらも言及している)ものが出てくるとなれば、EMIの倉庫にはもっともっとお宝が眠っている可能性もあるのだ。WFファンにとっては期待に胸躍らせる春となった。(4/30)
▼センバツ高校野球で愛媛県代表の「済美高校」が優勝した。創部3年目の快挙だ。故郷松山に帰省する際、空港から実家までの帰り道、必ず「済美」の横を通り抜ける。shin-pは中学高校時代に卓球をやっていたが、卓球が全国レベルにあるこの「済美高校」の体育館で記念大会に出場したり、練習したこともある。「やればできる」の校歌はフォーク調の楽曲とともにこうした場には不釣り合いだったが、逆に新鮮さも感じた。shin-pをはじめ多くの松山人は、県立高校と併願の女子校−というイメージを持っているが、今後はスポーツ優良校→進学校と変貌を遂げるのだろうか。(4/7)
◆WFの方は再発ばかりで50年の盛り上がりに欠けています。某サイトでは、エープリルフールということで巨匠の未発見録音の投稿がありました。正夢ならいいのですが・・・
▼すみません。WF没後50年というのに、一ヶ月以上更新をしておりませんでした。本日、49-53年の資料室などを更新しました。今後ともよろしくお願いします。(2/28)
▽昨日久しぶりに秋葉原に出かけた。4歳になった長男を「交通博物館」に連れていくのが名目だったのだが、実際はスピードとピッチコントロールが可能なCDプレイヤーを購入するのが目的だった。
交通博物館は予想通りすごい人で、パノラマ実演など子供を肩車してもよく見られない状況だった。車両の細かい部分を熱心に観察して歓声を上げている長男を見て、男の子には「収集家」と「研究家」のDNAがあることを実感した。もちろん男女の性差を論じるワケではないが、17歳になり、当日はディズニーランドで別の種類の「歓声」を上げていた長女にこういう「歓声」はなかったな・・・と感心し、何十年か後に長男もきっとパパのような人になるのでは−とほほえましく感じた。
万世橋を渡って電気街に向かう途中、7年前HPを立ち上げた頃は、1ヶ月に一度は「アキバ」巡りをしていたことを思いだした。当時、たった8Mのメモリや800Mハードディスクを1円でも安く購入するために、路地裏のちょっと妖しい店を駆け回ったことが懐かしい。今はPCへの興味が急速に薄れ、WF鑑賞が趣味の中心となった。
80年代後半、あのM事件をきっかけにマイナスイメージがマスコミで作られ、「評論家」も現れた「オタク」という表現だが、shin-pは自分もかなりの「オタク」だと思っている。同様に、以前shin-pの最も興味の対象であったインターネットも黎明期はマイナスイメージで評価されることが多く、自分のHPを持っている−なんていえば、「それって怖いんでしょ」と変人扱いされることも多かった。マスコミというのは「商売」になると分かれば、評価も変えてくるものだ。shin-pは、HPの参考資料欄に「◎WFおたくを自称する読者の方々」と表現し、それはA新聞HP上の「長靴をはいた猫」書評欄に引用されている。(当時はフ○ヴェンおたくと表記していた=「リンクはフロントページに!」という向きもあるので、上記ページをお読みになりたい場合は検索エンジンで「長靴」「フルトヴェングラー」と打ってみてください。)shin-pは、高くて手が出ない初期盤についてはコレクターのお住まいにおじゃましてでも聞こうと思っているが、板おこしCD/CD-Rがあればそれも聞いてみたいと思っている。いろいろな方々がそうしたCD/CD-Rの音質について評価するのはWFを研究するのに必要なことだと思っている。
いずれにしても、「オタク」的な追及はこうした分野には不可欠なものであり、shin-pを含め「オタク」と自称する人々の「オタク」という表現が、他人の批判を聞こうとしない人々の総称ではない・・・と信じている。(1/13)
[WF会議室]を再開しました。(1/10)
▽フルーティスト パユのサイトを運営されているとしえさんからお手紙をいただいた。以前サントリーホールでの演奏会の後、オフ会におじゃまし、その活発な意見交換に驚いた。最近、独自ドメインをとられたそうで、1日当たり5投稿以上と、ますます「パユ様」のサイトは活発な情報交換がなされている。WFは今年没後50年。もちろん「パユ様」と比較することはできないが、WF会議室を閉鎖している場合ではない。
版元からの匿名での「宣伝的」書き込みとそれによって生じる数々の問題を恐れたshin-pは、版元からの書き込みを「事実上」禁止している。しかし、Venezia=巨匠亭家元および川上氏、Serenade=平林氏と名乗りを上げていらっしゃる場合、直接ユーザーに制作の現場を伝えてもらった方が良いかな?とも思っている。例えば「どういう装置で再生されることを考えて制作しているか」とか。ただ、書き込みを自由化すれば、「編集」はできにくくなり「削除」か「静観」かの二者択一となる。会議室再開にあたって、数日間考えてみたい問題である。

◎拝啓 H.Patric様

shin-pHPをご覧いただきありがとうございます。
昨晩、複数の方からメールで、H.Patricさんが2chの「フルトヴェングラー」スレッドに書き込みをされているのを知り拝見いたしました。 このご投稿が、H.Patricさんご本人であるならば、初めてそのご投稿の真意を知りました。
私が、会議室を一時的に閉鎖したのは、「V盤よりM盤の方が音がよい」「WFを本当に知るなら、巨匠が生前に発売された初出盤を最良のシステムで聞く方がよい」といった内容によるものではありません。私は、一回目(1/4 12:51頃)のH.Patricさんのご投稿が「攻撃的」で、他者との対話ができるような表現ではないと感じ、なるべく話を別のことに移そうとしました。
V盤制作者の方からH.Patricさんのご投稿に対する反論もメールでいただきました。この取り扱いについて考えている間に二回目(1/5 1:30頃)のご投稿があり、その中の「蟻」という表現に問題があると判断し、話の流れを断ち切るため閉鎖を決意しました。
2chに投稿されたような解説的かつ冷静な表現で、上記の表現と他の投稿者に対する「敵意」がなければ、私は閉鎖を考えることはなかったでしょう。しかし、やはり他の投稿者に対して不快な投稿を掲載し続けることはできません。
少し時間を遡らせましょう。今年になって投稿された全ての書き込みを削除し、新たに今週末から会議室を再開したいと思います。今週末としたのは、私事で恐縮ですが、現時点では、正月休み中の仕事がたまっており、管理者としてその投稿の一部始終を携帯端末等で見ることが不可能なためです。再開の暁には、以上私の「真意」をご理解の上、ご投稿頂ければ幸いです。

敬具

平成16年1月6日                shin-p

▼新年明けましておめでとうございます。WF没後50年の本年もshin-pHPをよろしく。
▼同日あるいは前日のブラ2が明快な音で感動的だっただけにArchipelフランクは期待されたが、ノイズなどを精査したところ45年録音についてはほぼArlechino盤と同じ音源からのものとshin-pは感じた。1楽章冒頭に限っては、3つの周期的な「ポチ」ノイズが確認できるSWF系の音源ではない思われる。板おこしとテープをつなぎ合わせノイズリダクションとエコーを多用した亡霊のような音で、評価は5段階でDランクといえる。現時点ではVOX板おこしを除き、独DGセット盤が最も聞き易く明瞭なCDだ。どこかにVOXが使用したテープが状態のいいまま残っている・・・ってことはないのだろうか。(12/27)
ヴェネティアから戦中の運命&ベト4(V1021)が登場。使用されたメロディア盤は灯台と青色大聖火レーベル。プロデュースした浅岡氏によれば「ジャケットはともかく音の方は申し分ない」という。shin-pも12/22入手しこのV盤を聴いた。蔵盤よりも音質明瞭でプチパチノイズは盛大だが、私はV盤の方の音質を好む。今年はメロディア盤高音質復刻花盛りの1年だったが、来春には同じくヴェネティアレーヴェルからベト4実況1-2楽章とブラPcon(V1022)が発売される。また、浅岡氏はバイロイト合唱のALP/FALP復刻盤も企画中という。(12/18&27)
M&A54年バイロイト合唱には音質的に「失望した」という声が多い。多くのディスコグラフィーでもこの演奏のオリジナルの記載はなく、プライヴェートな音源しか確認されていない。ある情報では、最近バイエルン放送のアーカイヴにアクセスした方も「この録音のオリジナルはなかった」という。
45年フランクについてshin-pは「発売された全てのLP/CD」を聞く姿勢でいるが、最近発売されたという情報があるArchipel盤は、よく行く池袋タワレコの店頭になかった。近日中になんとしても聞いてみたい。あのエコーだらけのArlechino盤と同じ53年スタジオ盤とのカップリングだが・・・(12/17)
▼このコーナーが、今週のshin-pどころか今月のshin-pになってしまいそうで申し訳ありません。仕事が忙しいのもありましたが、父の三回忌で家族全員を連れて松山に帰省したりと11月は瞬く間に過ぎました。その間M&Aの54年バイロイト合唱が日フ協会から一般発売に先駆けて頒布されました。
事前に51年バイロイトと同じ演奏という評価が流れたM&ACD1127だが、実際に製品になると思われるM&ACDはW盤LPやDR盤と同じく真正54年盤と思われる録音だ。音質の方は今までに出たものよりもワウ&フラッターが低減されているものの、M&AのHPにおけるユーザーに期待感させる記述「良好な音質」とはほど遠いものだ。以前から発売されているものを最新技術でわずかに聞き易くしたというのがshin-pの見解で、すでにこの音源をお持ちの方は「過度の期待」をしない方がよいだろう。70年代に日本で流通していた私的テープで聞く同演奏の方が明瞭感に勝っている。なお、この私的テープには終演後の拍手が2,3秒収録されていたが、今回のM&A盤は別の明瞭すぎる整然とした拍手が付加されている。現時点では、私的なテープしか確認されていない54バイロイト盤だが、センター盤はどのような音質となるのだろうか。日本協会ではこの他、かつてVeneziaレーベルで販売されていたCDの協会公認盤規格を頒布している。
また、最近Serenade盤51年NWDRブラ1&EMI英雄(SEDR2025,2026)を聴く機会を得た。以前からNWDRブラ1は市販初出のRVC盤が音質面で高い評価を得ていたが、SEDR盤はそのLPによく似た音質でTAHRA盤以上にこの名演を堪能できる。EMI英雄板おこしの方は、盤質は良好と思われるが、私は東芝の全集LPで十分満足しており、今回もその評価は変わらなかった。(11/29)
▼いよいよshin-pHPが30万アクセスを達成します。米国軍事用のネットが民間に開放されインターネットとなった翌々年の1996年9月shin-pHPは産声をあげました。そして8年目の2003年11月、途中、書き込みの内容をめぐって2回の会議室閉鎖、2回の会議室アドレス移動、また、メール爆弾攻撃&不正アクセスにより2回のホームページアドレス移動を繰り返しながら30万アクセスを達成しようとしています。HPの記述をめぐって、お叱りを受けたこともありましたが、皆さんのご理解とご協力でここまでやってくることができました。ありがとうございます。WF情報をめぐっては、WFCJが設立され、日本協会、東京WF研究会とともに公式の団体から発信される情報も増大、多様化していくことでしょう。そうした環境の中、実際の音源提供等はオーソライズされた公式団体におまかせし、聞き手の側のWFに関連する情報、意見や感想を活字(テキスト)によって書き記し、残したい・・・というのがshin-pHPです。今後ともよろしくお願いします。(11/01)
オーパス蔵・相原氏のご厚意で11月初旬発売予定の新譜を聞くことができました。
特に印象に残ったのが第7で、全体の音質は今までshin-pが聞いたどの盤よりも臨場感がある。そのためshin-pの大好きな1楽章後半部から2楽章前半部にかけて非常に感動的に鑑賞することができた。盤質も全体的に良好だが、ヘッドフォンで聞くとジーという持続音が全楽章の大半で聞こえるため、その点でSerenade盤を愛聴する場合もあるだろう。No.4,5&6については今までの日本製復刻盤を大きく凌駕するかどうかは微妙。言い換えれば、日本製復刻盤の音質は海外盤を大きく引き離している。入手の容易さではオーパス蔵となるだろう。放送録音盤にヒスノイズが多く感じられるのは、ノイズリダクションの加減だろうか。
43年コリオランは[WF会議室]で音質論議が交わされているが、日本協会盤は、書き込みにもあるように高音質でもの凄い迫力に圧倒された。グレイトの方は、あまり評判となっていないピンク盤起こしと思われるM&A盤をshin-pは愛聴しているが、音質の暗さとイコライジングの加減が好きで今後も日本協会盤ではなくM&Aを聞き続けると感じた。それでも独協会盤の不自然な編集と明るすぎる音質よりは日本協会盤が好ましい。浅岡氏によれば、日仏協会が斡旋頒布しているVeneziaレーベルで運命の灯台レーベルと第4の青色大聖火盤を年末に発売、さらにその後、第4桃色聖火盤の第1,2楽章とブラPconが予定されているという。9月頒布の遅延について日本協会では、幹部の交代などによるものとしている。(10/29)
▼オーパス蔵の相原さんよりリリースメールをいただきました。
SP復刻CDがメインの同レーベルだが、NAXOSを意識したLP起こしを計画していたところ、「蔵」&WFファンからの要望があり、LP復刻第一弾としてWFメロディアLP復刻を行うことになったという。10月末頃の店頭発売予定、曲目はいずれもベートーヴェンで、5&6(OPK7001)、4(放送録音)&7(OPK7002)の2枚が初回(?)発売予定という。4&5は青トーチ(たいまつ)、6&7は青ラベルという。すでにブックレットのライナーノートは宇野氏が書かれており、後は発売を待つのみという。
相原さんは音質について、4&7が既出CDよりも「厚みがあってよい」と自信の程をメールで紹介されていました。田園については1楽章と他の部分が音質、ノイズともに大きく異なり別の日の演奏ではないかと疑問を呈されています。また、板起こし系CDでは気になる版権については「音源事情もあり著作権に問題ない」と判断されています。
田園についてはshin-pもメロディア黒盤で聞きなおした。確かに2楽章のみはノイズと音質が他と異なる上、1楽章はレベルが高く歪が多く、音がつぶれる傾向にある。3日の連続した演奏の他の日ということは十分考えられる。
今年はSerenadeやMythosのCD-R、VeneziaやArchipel、VirtuosoのCDによる板起こし復刻と思われるノンオーソライズ盤が市場を賑わせています。[WF会議室]では販売側の「広告」的書き込みと思われるものがあり、他の事情も絡んで一時閉鎖を余儀なくされました。何度も言うようですが、50年を過ぎた音源は「共有財産」であり、版元が責任を持って発売するものについて難癖をつけようなどと思ってはいません。ただ、やはりきちんとしたリリースをいただきたいものはきちんとご紹介する−という姿勢は保持したいと思っています。(9/22)
▼川上氏の日本協会、野口氏の東京WF研に続き、日本で3番目の研究団体が10月開設される。名称は『フルトヴェングラー・センター』英文名称はThe Wilhelm Furtwaegler Centre of Japan。詳細を記したHPも昨日からアップされ、試験運用の9月末までID:2222,Pass:3333で会員限定ページも観られるという。独自のCD製作も行われ、M&A発売予定で話題の54年バイロイト合唱、5年前Tahraで初出された48年SFBブラ4、エアチェックミスが指摘されていた49年ドッペルが予定され、オリジナルに近く、世代の若いテープを元に復刻していく方針という。発起人は現代日本のWF研究を支えていらっしゃる鈴木肇、中村政行、清水宏、呼川秀邦(劉邦)の各氏。メールはinfo@furt-centre.com(9/21)
▽Serenade、MythosなどCD-Rや大国ではない国のレーベルによる版権切れノンオーソライズCDによって、「もう少し聞きやすい音ならば・・・」というファンの欲求の隙間をついたリリースが続いている。同時期にこれらのレーベルから発売された50年エロイカについては[WF会議室]で論議を呼んでいる。初出盤RVC RCL-3334(84/12)発売当時、52年12月8日Cetra LO-530(7日録音と表記)に比べて音質が良く「日付が逆ではないか」と騒がれたとQ氏が述べているが、この演奏にまつわるミステリーは20年越しだ。比較的最近発売された超重量GreenHill盤か上記RVC盤おこしも疑われるCD-Rなど調査を進めたいアイテムが増えてきた。Serenadeは50年英雄と同時既発売の49/3/15ブル8、さらに10月下旬にNDRブラ1、53年グレイト、52年スタジオ英雄などが予定されているという。平林氏のメールはcnh@wta.att.ne.jp Mythosについては各版元/販売店にお問い合わせいただきたい。
さらに今年12月にM&AからCD-1127として54年バイロイト合唱が発売されるというニュースが飛び込んできた。いままで私家盤(AT/W/DR)や私家テープでコピーにコピーを重ねた回転系のおかしな音でしか聴けなかったが、M&Aでは発売予告の解説で「良好な音」としている。いかに玉石混交でファンの評判が決して芳しいとは言いきれない同社といえども、いままでと同等の音を「良好」と言えばさらに評判を落とすことになるだけに、逆に信用しても良いような気もする。このレーベルでは日常茶飯事だが、今回も発売予告の収録日が公演日の8月9日ではなく、リハーサルの行われた8日と書かれるなど早くもミステリー仕立てだ。発売された暁には、ファンの間で編集バージョンという声もあるEMI51年バイロイト実況盤との関連など調査したいことは数多くある。(9/20)
▼日本協会盤の次回頒布は9月末の予定で「大戦下のフルトヴェングラーとベルリン・フィル(WFJ-23)」。曲はコリオラン、グレート、フルニエとのシューマン。このうちグレートは浅岡氏所蔵の青色大聖火盤からの盤おこしという。ユニコーン系で知られているピンクレーベルをはじめグレートのメロディア盤は各楽章の終結部の処理に問題が多く、特に終楽章の「鮮明過ぎる」拍手に余韻が消されてしまっているなど問題が多い。あのゴルゴ13第375話で「ソ連製ならいらない」という意味のフレーズがあったように、ソ連製のものは大半が西側の水準に大きく劣っていたというのが一般的な認識だろう。ただ、メロディアLPに関していえば、盤質は西側盤の後塵を拝していたと思われるものの、楽器のリアル感と演奏の臨場感は、87年返還のコピーテープに比べるとメロディア盤の方が勝っていると感じるケースが多い。事実、VSG合唱などは針音が大きいが、はっとする美しい響きに魅了される部分もあった。浅岡氏によれば「ほぼオリジナル通りの音質」で「この演奏の決定盤」にしたいとのこと。(8/24)
▽長野S氏をはじめ[WF会議室]のメンバーによるWF戦中録音のベストCD/LPを探る研究成果を別ページに[WF戦中盤研究]としてアップしました。(8/23)
▼先日、息子が高熱を出したり、台風に遭いながらも故郷四国松山に帰省してきました。東京に帰ってくるなり今度は私が「流行性結膜炎」になり片目での生活となってしまいました。
そんな折、四国観音寺にお住まいの桧山さんからお手紙をいただきました。香川県高松市の東側「さぬき市」にある、あのピエール・ランパルが愛したという志度音楽ホールで「クラシック音楽ゼミナール」が開かれ、その講師として桧山さんが登場されるそうです。テーマは「フルトヴェングラーをめぐって」。10月から来年(2004年)3月まで毎月第2木曜日PM1-2:40に計6回行われるそうです。桧山さんは「これだけまとまった時間でというのは(WF論においては)今後ないのではないかと考え、私自身のまとめという意味で全力あげたい」と考えていらっしゃるそうです。桧山さんのWF研究の集大成ともいえる講演ですが、東京在住のshin-pは受講することができず残念です。四国や岡山など近県に在住の方で受講を希望される方は、志度音楽ホールHPをご覧になりお問い合わせくださいとのことです。(8/20)
▼WFの音楽の凄さを知った中学生から結婚後、育児などで音楽を聴かなくなったまでをshin-pの「WF愛好家」としての第1期とすれば、その頃はその当時に出ている新譜(新発見)を買って聞くだけで満足だった。初出盤がどんなに「すごい」音がするかなど想像したこともなかったし、今ある音源で十分満足し、WFの音楽に感動していたのだ。
第2期90年代前半から再びWFを聞き始め、ネットで情報を得るに従ってもっともっと「すごい」音がすでに発売されていて、それを聞かなければ、あるいは所有しなければ立派な「WFおたく」とは言われない−ということがわかってきた。そして、その「もっともっと」は無限大の欲求となることも。
HPを立ち上げたキホンは、少しでも安価に(?)巨匠の音楽を聴きたいということであった。とりあえずディスコグラフィーを作れば、それについての反響を期待できるし、会議室を設ければ、より安く音のいいCDを買え、また劣悪な音質のCDをつかまされず無駄な出費を極力抑えられるであろうということであった。
「もっともっと」ということでいえば、私にとって昔FCM50で聞いたウラニアのエロイカは、今聞く真正ウラニア盤よりもVoxTVよりも復刻CD-Rよりもやはり感動は大きかったと思う。そして今後どんなに素晴らしいWF録音が出ようともその「感動」を超えることは絶対にあり得ない気がする。今回、会議室を再開し「shin-pHP」の第2期を迎えるにあたって、もう少し原点に立ち返り、WFの演奏以外の側面も研究したいと思っている。また逆の意味でGC盤など、音質よりもその音楽の「間」に価値のあるプライヴェート盤なども皆さんのご協力で、できる限り聞いていきたい。(7/19)
▼子供をめぐる状況はただごとではないところまで来ているのかも知れない。今度は都立の女子高生が殺された。我が家にも難しい年頃の高校生の長女がいる。さらにあの長崎の事件では、某大臣が「親を打ち首に」という発言もあった。それにつけてもこういう発言が出たときの「教育評論家」や「子供を守る会」主宰者などの「子供を地域で育てろ」「親だけに負担をかけるな国が面倒見ろ」というコメントには憤りを超え、あきれてしまう。そんな発言が一体何の解決になるのだろうか。紙面を埋めるためのコメントを求めるメディアにも一層腹が立つ。こうなったら、どんなイジメにも耐え抜く強靱な神経を持つ子供に育てる以外方法はないのだろうか。あのヨットスクールのように。
[WF会議室]をめぐっては色々なご意見をいただきました。再開した現在、いわゆる事前検閲などは行っていませんが、投稿時に私のメールボックスに投稿内容が知らされる仕組みになっています。「あまりオープンではないのなら投稿しないのでは」というメールもいただきました。このshin-p資料室に「会議室」を作ったのは比較的早くHP開設の年(1996)の暮れだったと記憶しています。それから現在まで様々な方々の書き込みによって資料室が整備され、資料的に皆さんのLP/CD購入時の参考資料にご活用頂けていれば幸いなことです。昨晩、某氏に「林さんは他人の意見を気にしすぎる」とメールでしかられてしまいました。中年である私のキャラはもうすでに確立され、変えることは不能ですし、変える気はありません。それでもWFの資料を充実させるという点においては、さまざまなものを乗り越えてネット上でWF関連資料を提供していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。(7/11)
▼長崎4歳児の事件は、他人事ではない。我が家にも今年9月に4歳になる長男がいる。12歳が4歳児を殺してしまう事件はあまりに悲しい。某巨大掲示板群ではすでに実名が公開され法務省からクレームが付いたとのこと。新聞&ネット情報を扱う仕事柄、オフレコには慣れきってしまっているが、親としては今回のようなことがあると防衛の手段として近隣の危険を周知させるような情報が欲しくなる。それが現行法で無理なら法改正もやむを得ないのではと考えてしまう。
会議室閉鎖中以前は、こちら今週のshin-pも休んでしまったが、仕事も一段落したので本当に「今週」にしたいと思っている。先日「オーパス蔵」の相原さんからお手紙をいただいた。噂されるWF第2弾はまだのようだが、先日レコード芸術に山崎氏の文で掲載されたように「本当に蔵」なのだ。その音は、発売当時shin-p自身が多忙で、あまり触れなかった。今回、再びじっくり聞くこととなり「すばらしい」の一言だった。特にいままで音質が悪いとされていた戦後の「コリオラン」の一音一音が明快になりすばらしい音質となった。(7/10)
▼平林氏がSerenade次回発売を予定しており、その中の1950エロイカのピッチについて

過去に出た1950年の「英雄」のLP、CDは2種の1952年と比較すると、あまりにも
ピッチが低いように思います。
これまで通りのピッチにするか、1952年に近づけてCDRするか迷っています。
ご教示をお願いします。なお、今回入手したテープはヨーロッパのコレクターからのものです。(7/8)
BPOの録音で、年代が離れた複数の録音−たとえばチャイコフスキーの「悲愴」
(1938、1951)、ブラームス第1(戦前の終楽章のみと1952、1953)、
ブラームス第3(1949、1954)、ベートーヴェンの第5(1943、1947、1954)
などをざっと聴き比べましたが、それぞれに大きなピッチの違いは聴き取れ
ませんでした。やはり、1950年の「英雄」は低すぎる、正常ではないと
思われます。独自に修正して(つまり1952年のピッチに近づけて)CDR化を
してみようかなと検討していますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?(7/9)
という書き込みがありました。発売前ですが「販売」と関連ある書き込みのためこちらへ移動しました。shin-pは桧山氏がNHKFM返還テープの番組でおっしゃっていらしたように1938年に国際的にa=440と決められて以降もBPOはしばらくの間a=435で演奏したと伝え聞いています。いつの頃にピッチを上げたかは不明ですが、現在のマグネトフォンテープなどを使ったライヴのCDはa=440にほぼ合わせているようです。この問題については平林氏cnh@wta.att.ne.jpまでメールで。(7/10)
▼評論家平林氏が初の著書「クラシック中毒」を発刊。音盤探求についてファンの支持を受けている氏のハッキリとした物言いが期待されます。「MJ無線と実験」の連載を単行本化したもの。CP誌休刊後は「物書きに専念する」とshin-pへのメールでおっしゃっていました。すでに書店発売されています。(212P 1600円+税)
会議室を休止してから、しばらく寝る前にLPを聞く生活をしていました。最近貸していただいた日本協会LPで聞く52年英雄、50年ザルツブルク、49年ヴィースバーデンの音質には久しぶりに感動しました。やはりLPはノイズを含めて、今鳴っている音という感触がたまりません。LPを音楽CD-Rなどで何も手を加えずデジタル化してみると、表面ノイズのプチパチ音を含めてくすんだ過去の音になってしまうのがわかります。やはり、アナログなのか・・・。CDの音はやはり80年代初頭の16bitという制限の中で、一般の人間の可聴範囲のみに焦点を当てた過渡期の製品というべきかもしれません。デジタルはさらにアナログに近づき、ノイズは圧倒的にアナログの比ではないのだけれど。(6/27)
[WF会議室]を試験運用しています。現時点では管理の都合上、shin-pが閲覧後に公開します。いわゆる「検閲」はやりたくないので、投稿と同時のメールチェックができるようにフリーソフト会議室のcgiを直しています。メールチェックにはsendmailが必要なのですが、hi-hoのsendmailコマンドが特殊なのでちょっと勉強したいと思います。詳しい使い方なども後にアップします。(今のままでは皆さん使い方が分からないでしょうね。実はshin-pもです。)1カ月ほどは試験運用で行いたいと思います。その間、「投稿してもなかなか掲載されない」ということも起こり得ますが、よろしくお願いいたします。また、試験運用中に他のフリーソフトや無料掲示板に仕様変更する場合もありますがご了承ください。(6/24)
▼最近、大量に協会盤LPを貸していただけることになり、会議室休止を機会に少しずつ聞いていこうと思っています。まず、日本協会盤の51年8月演奏会LPのブル5の録音状態には大変驚きました。このLP、制作は東芝EMIで行っているのですが、同じEMIのCDとはかなり状態が異なり、明瞭さが増して迫力満点です。以前Virtoso盤で聞き、地獄のそこから這い上がらんばかりの劣悪な音質には閉口したのですが、EMIも似たり寄ったりでした。この日本協会盤で聞けば、いままでの「42年盤には圧倒的にかなわない演奏」という評価が若干変わるような気がします。
Elaboretion盤の元になったと言われている日本協会盤49年ヴィースバーデンのブラ4は、反対に期待したほどの音質ではありませんでした。音質的にはPriserに似た感じがあり、もし日本協会盤が元であるならばELA盤はかなりの細工が施してあるように感じました。つまりある意味「LP世代が好きそうな音仕上げ」に加工したと言うことです。
「会議室休止」についてですが、主たる理由は「会議室が皆さんに不快感を与えるものになってはならない」と言うことです。そして、出所が明らかでない一つのアイテムにあまりに会議室が占有されることに対する危惧があります。結果的として会議室が広告スペースになってしまう事態をshin-pは静観することはできません。有名評論家のCD/CD-Rが発売された際にも発売元に「直接販売の書き込みをしないよう」お願いしました。パソコン通信の時代と違いIDが表記されず、メルアドとIPアドレスだけでは誰が投稿したかを確実に知ることはできません。そうした環境下、しばらくネットというものに対して考えてみたいと思っています。これまで会議室を支えてくださった皆さん、本当にありがとうございます。メールもいただいておりますが全ての方々に返信をお送りする余裕がないことをお詫びします。再開の日まで今しばらく猶予をください。(6/11)
▼しばらく会議室を休止することにしました。週末のみ運営するかどうかも現在考慮中です。shin-pはパソコン通信の時代からNifty、PC-VANでフォーラム、SIGに参加してきました。その中でシスオペの皆さんが苦労して運営されている姿を感じてきました。今までもわずかの休止はありましたが、今回は環境が整ったとshin-pが判断しない限り再開しないと考えています。CD-Rの評価にはいろいろな意見があるでしょう。しかしshin-pは結果的にこの会議室が皆さんに不快感を与えるものになってはならないと思います。すこし時間をくださいshin-pに・・・。今日は寝不足です。(6/10)
▼バイロイトのMythos第9発売が各方面で反響を呼んでいる。Serenade/Venezia/オーパス蔵など良質な板おこしが注目を集めているのは、新発見が期待薄になってきたことと最近のマスタリングにおける異常なまでの「加工臭」にあると思われる。
SP盤復刻や海外の非承認盤ならノンオーソライズでもOKで、LP盤復刻や国内非承認盤はNGなどという考えをshin-pは持ち合わせていない。しかし、Mythos以外の板おこしの元の音源は既にSP初出盤発売から50年以上を経たものであったり、初出盤が承認盤ではなく数奇な運命を経た「里帰り音源」であるなど権利関係がはっきりせず、多くのノンオーソライズ盤が市場を賑わせているものである。EMIが版権を持つバイロイト盤における今回の板おこしにしても発売元が責任を持って発売したものであるならばshin-pは批判するつもりはなく、新発見のない閉塞感を解消するアイテムであると理解している。それでも著作隣接権にある「我が国で最初に発売された音源を保護する」という付則事項を考えるとshin-pHPでは、販売に関わるようなコメントなどには慎重に対処したいと思っている。
Webサイトは、どこからでも閲覧でき、その書き込みの「一言」が人々に影響を与える可能性を含んでいることを肝に銘じたい。[shin-pHPのポリシー](5/16)
▼日本協会盤37年第九は素晴らしい出来だった。SP盤板おこしといえば、47年EMIブラ1など決していい状態など望めないと思っていた。しかし最近では「オーパス蔵」や著名評論家によるメロディア盤板おこし(serenade/Venezia)などSP/LPの板おこしが「良好な状態」で発売され注目を集めている。オーソライズされない板おこしについては様々な意見があるが、すでに50年を経たものについては高音質で「制作者の表示があれば」shin-pとしてはむしろ歓迎したい。
さらに、いままで49年EMI盤は全てSP原盤から復刻したと思われてが、英ART盤CHS566770-2(98/03)の発売によりテープ録音が現存すると推定されるものが出てきた。また50年録音の未完成についても今まで聞きなじんできた金属原盤ではないと思われるSP盤からの復刻LP/CDとは違う音源が確認された。これはブライトクランク用に使われていたテープと思われる。他にも謎の多いピッチカートポルカのチン入りにおいてテープと思われる音源が発掘されるなど没後50年が迫ってもWFの話題はつきない。今後、これらEMIスタジオ録音の謎に迫っていきたい。(4/18)
▼フランス協会報2003-1が届いた。各国協会等の新譜情報が内容の中心だが、4ページ建ての最終面には前回のSWF011-3の不手際に対するコメントを大きく掲載し、最後に以前問題視していたM&A盤(特に53年ルツェルン盤)の「その後」についてのコメントが掲載されている。SWF011は日本からのクレームで分かったとされている。当初は新発見!のフレコミだっただけに最近の「Andante大地」を思わせる事件だった。SWF031-2の新譜情報については[新会議室]躊躇島氏のコメントを参照のこと。
明日から3日間、指揮者・野口氏が主催する東京フルトヴェングラー研究会の2003年度フェスティバルが開催されます。詳細は東京WF研HPをご覧ください。(3/20)
▼レコ芸の海外盤情報では物足りない読者を中心に人気のあったクラシックプレスが3月中旬の第14号をもって休刊する。付録の貴重な音源のCDなど素晴らしい情報も満載だっただけに残念だ。
しかし、レコ芸の国内新譜評を見てもおわかりだと思うが、クラシック音楽をめぐる状況は決して明るいものではない。さらにヒストリカルの世界では必要以上の「加工」が、ファンの不信感を生んでいる。数少ない商業メディアからの貴重な情報源がなくなるのは淋しい。
編集部によれば、ベルリンフィルディスコグラフィーやWF関連特集などのバックナンバーは取り扱いのなくならない内にお早めに!とのことだ。(2/10)
▽浅岡氏が入手したブラPconのVSG盤は、デザインが若干変わっているという。詳細は1942年11月の資料室まで!(2/09)
▼VoxLP復刻は、公認LP初出時からだった・・・。WF氏の調査によって謎に包まれていたVoxフランク以降の45年フランクの全容が明らかになりつつある。SWF/WFSJ/DiscocropのLPには全て同じノイズがあり、ほぼ板おこしは確実、さらにVoxお得意の咳払いカットが1楽章の同じ場所にある。73年の時点でORFのテープは既に現在のワウの多い状態だった。比較的ワウの少ない2楽章のみORFのテープを使った−
つまりSWFCDを除く、板おこしが含まれる全CD/LPが何らかの形でVoxLPと関わりを持っているということだ。さらに調査して最終報告を出したい。
ビストロベルランが「蓄音機の会」でWFのSP盤を聞く会を4月12日(土)から5回に渡って開催する。「今は亡きマエストロの華麗な技を、オリヂナルSPレコードで、英國製大型蓄音機HMV194型(1929年頃製作)により、聽く」という。詳細はこちらを!(1/21)
▼すでにアメリカでは発売されているらしいM&ACD1117。日本の一部販売店発表と日付が若干異なっている。エロイカはM&A側はCD711と再発で50/06/20録音としているが、現在では同じRIAS録音ながら52/12/08録音が共通認識となっている。furtnak氏によれば「Remasteringは例によって、Eichingerでなく、Maggy Paineだと思われます」という。録音日の詳細はYahoo!(USA) furt-I Groupを!(01/15)
▼Q氏から新DG45年フランクについてメールをいただいた。清水氏のご厚意で3年前初めてVoxフランクを聞き、あまりの素晴らしさに感涙。以降SWFCD/LPや最近のDG本国CDなどを聞くことにより、現在のテープも1,3楽章冒頭&終結部以外はかなり明瞭な録音であることがわかった。ワウの多い部分を保存状態のよいVoxで聞き、その他は現在のORFテープを使えば、当日のブラ2以上の音質で全楽章聞けることもわかった。問題はやはりMelodia盤の存在だ。浅岡氏はじめ多くの評論家が存在に否定的だ。しかし思わぬ音質良好盤KICC2118(M&A原盤)の元になったLPはVoxにしてはあまりに盤質が悪く、SWFLPほどのワウもないのだ。ソ連がドイツ帝国に侵入してベルリンでは47年DG盤運命の舞台となったラジオ局を占拠し、多くのマグネトフォンテープがモスクワに運ばれた。それではウィーンはどうだったのか。西側はRot-weiss-Rotを作ったが、ソ連はRRGウィーンを占拠し放送をしたという。この辺の資料なども集めれば所在不明のVoxテープなどの実態も解明できるかも知れない。ただ、日本にいる限り無理かも知れないが。[再びVoxフランクについて](12/28)
▼大学時代、学生新聞を発行するサークルに入っていた。元々は新聞を研究するためのゼミが母胎で、担当教授が退職されて以降「自主ゼミ」というカタチで、実際にメディアを持つサークルとして存在していた。学生新聞というメディアを発行していると一般学生には見えないものも見えてくる。当時我が大学は「学生管理」のため、ガードマンが常駐し、入口と出口が分けられ、入り口では検問が行われていた。サークル員の中には、現状の「学生不在」の体制を打破するためにも学生新聞を使ってキャンペーンをしていこうとする人間も出てきた。学生新聞を自分たちの行動の裏付けにするメディア(ありていにいえば政党紙や宗教紙)化しようとするサークル員たちは、サークルを離れ、大学の入り口で「反検問通信」というビラを配る毎日となった。
当時私は、サークルに残った側の人間だったが、最近あの頃の離れていった人とOB会で会うことが出来た。「もう何も覚えてないですよ」という後輩に対してshin-pは複雑な思いだった。ゼミ長として生きていたあの頃のことが私もあまり「思い出せない」のだ。そういう経験とは何だったのか。あの頃悩み抜いたことが、必ず、自分の血肉になって残っていると信じたい。

以前から[新会議室]については[shin-pHPのポリシー]を設けて対応しています。有名評論家制作のCD-R盤やVenezia盤について意見が出された際に一定の基準を設けました。この新会議室はあくまで「ユーザー側の意見を掲示するコーナー」ですので、よろしくお願いいたします。販売店を含めて発売側の「宣伝」などはお断りしていますが、WF関連で著名な方々の「ユーザーとしてのご意見」は歓迎しております。また、年末年始は管理の都合上会議室の書き込みを一時的に停止させていただく場合もあります。今後ともよろしくお願いいたします。(12/20)
▼andanteのワルター「大地の歌」17日Live表記に疑問が出ている。事の発端はレコ芸の評で[新会議室]にもこれについてのコメントがある。さらに調査を進めていくとDeccaのスタジオ演奏に聴衆ノイズを加えたLiveと称する愛好家の間でかなり以前から流通していたものと同じものであるという意見が出てきた。TAHRAの同日付という演奏は明らかにLive的なミスや不自然でない聴衆ノイズもありandanteとは別の演奏で録音も格段優秀だという。「演奏者や著作権者に正当な利益を!」という思想から生まれたというandanteレーベルだが、WF「ロココ合唱疑惑拍手」を含め実際の演奏録音にこうも疑問符が付くようでは愛好家が離れていってしまうのではないか。もちろん素晴らしい芸術を生み出した芸術家に敬意を表す姿勢は大事だ。しかし、それを媒介する人間に重きをおき、芸術を享受する聴衆の存在を軽んじている気がする。ネット上のクラシック系ビッグサイトとして注目しているだけにこうした点は改善してもらいたい。これについての詳細な試聴記はDanno氏のBrunoWalterHomePageのBBSをご覧ください。(12/10)
[新会議室]WF氏の投稿にもあるように独WF協会盤TMK017204には今までにない開演前と楽章間、さらには終演後の聴衆ノイズが収録されている。中でも終演後の咳払いは「本物」とは思えず、いくら「どっしり」構えて整然な拍手が信条のドイツの聴衆といえどもこんなに長い時間拍手が始まらないのは不自然だ。今までの盤では終演後いきなり別の拍手がつながれており、残響を残すために別の聴衆ノイズをかぶせたと思われる。また、今までの録音で冒頭が若干フェイドイン気味に始まるところも聴衆ノイズのみを収録した別のテープとミキシングして「修復」していると思われる。Orfeo盤のように明らかに同じ聴衆ノイズが2度使われているところは発見出来なかったが、あの暗めの色調で破壊的な迫力を持って運ばれる「グレイト」が、戦後の穏やかな色調のものになってしまっている。絵画と違い、芸術家の死後、再現芸術においては「実演」と「録音」の間に想像以上の大きな隔たりがあると再認識した。もしタイムトリップできて巨匠の実演に接したら、ファンではなかったかも−という不安がよぎる。それでもNHK「タイムトラベラー」最終回のように1945年に行きたい。出来れば1月29日ムジークフェラインへ。(11/22)
清水完全ディスコグラフィーHPが開設された。shin-pは98年に初めて「清水本」入手以来、URHSこと清水さんにはいろいろな面で大変にお世話になった。現在でも資料収集の豊富さにおいて、shin-pは清水さんの足元にも及ばない状態である。今月末にも日本で有力なWF関連HPがもう一つ開設されるという情報もある。WF研究においてさまざまな個人の情報がweb上で展開され、より高度な情報共有が行われることを期待したい。
webにおける情報共有は、「著作権」の問題と背中合わせだ。WFの貴重な演奏テープやSP/LP/CDが個人の「蔵」の中で門外不出のものとなっていては情報共有はままならない。もちろんレコードの作り方の基本は、その演奏に関わったすべての人々にオーソライズをとることである。しかし、すでに法律上の期限が来て、共有財産化したものまで「正規でない」という烙印を押し排除しようとする傾向がある。発売元を明記しない「盤」やデータに不備があるものは別として、しっかりと発売元を明示し責任の所在を示したものに対して「そういう烙印」はふさわしくないと思う。ノンオーソライズを否定すれば、人知れず存在し、その所有者の死と同時に葬られてしまうことになってしまう貴重な「財産」があるかも知れない。(11/15)
▼26日神奈川県立青少年センターで行われた神奈川県立図書館主催のレコードコンサート。以前、県立図書館が県民に呼びかけて収集した7万枚のレコードの中にメロディア盤LP3枚(ベト5、ブラ4、グレイト)発見された。清水氏の録音表やこのshin-pHPで話題になったロザムンデSPを日WF協会員の土肥氏・清水氏が探索中に発見されたという。そして今回、発見されたグレイトを含むレコードコンサートが開催された。この発見については、25日(金)の神奈川新聞よこはま版でも紹介されている。コンサートの解説を担当された土肥氏は、まだすべてを探索したわけでなく他にもWF関連の貴重盤がある可能性を示唆されていた。聴衆と大スピーカーで音楽を共有すれば、自宅でヘッドホンで聞くのとはまったく違った感動があることがわかる。このようなコンサートをWFファンならず、多くの人のために続けていただきたいと願っている。土肥氏のshin-pHP会議室に関するコメント(10/27)
▼オーパス蔵のCDは正業が超多忙(?)なため、まだすべてをじっくり聞いていないが、録音の状態だけから考えれば、ぜひ以前新星堂が出したEMIベト7CDの再復刻を望みたい出来だ。(10/25)
▽音楽出版会社ヤンズを運営する山水治夫さんが「I Like Beethoven」を発表。ミデアムテンポのクラシック調ピアノポップスだそうです。詳細はyanzuHPまで。(10/03)
オーパス蔵からSP復刻のWFが発売される。shin-pは以前このページでも紹介したように発売元にWF復刻を要望していた。このページの読者の方々からもオーパス蔵によるWF復刻の要望メールがあったが、今回やっと実現された。shin-pは発売元のご厚意で10月発売予定の3CDを聴くことが出来た。詳細はもう少し聞き込んでからにするが、舞踏への招待(1929年)が盤質が良く楽しめた。1937年運命も今までより音が輝いており、ノイズもしばらくすると気にならなくなる。発売元では魔弾(1935年)が自信作としている。(9/25)
▽すでに会議室では報告されているが、ネット上のクラシック系音楽サイトを運営するandanteレーベルからRococo&WFSG盤でおなじみの52年2月合唱がWFSGと同じマスタリングで発売された。52年VPOの正規市販盤他とのカップリング。(9/20)
▼地元紙に第三舞台の鴻上尚史氏(新居浜西高出身)が「扶桑社版教科書採択」についてのコラムを書いていた。もちろん私は鴻上氏のような反対論者ではない。しかし、あのころの愛媛県人でなければ、さらにいわゆる子供として「悪い子」でなければ体験できない愛媛県の閉鎖性についての記述には共感できる部分があった。子規や虚子のような俳人を出し、「坊ちゃんの街」として文学的香りの高い街は「高校演劇禁止」をはじめとする文化否定という憂き目にあっていた。
先日、新盆で帰省しているとき、商店街では「第五回俳句甲子園」が開かれていた。3年前までは地元校のみで「細々と」(失礼!)やっていた大会が、子規没後百年を記念して全国的大会に変貌した。昨年まで優勝を独占していた我が母校も今年は、グローバル化(?)が進んで準優勝だった。松山から最も遠い参加となった弘前学院聖愛高校の福士教諭が陸奥新報にコラムを載せていた。街が一体となった「ことばの文化発信」を褒め称えていた。あのころ、文化を発信することを禁止されていた、この愛媛県で、現在の高校生たちと企業家(松山青年会議所)が全国に発信できる大会を作り上げたことに時代の変遷を感じた。
大人たちに教えられたことが本当なのか。それを確かめ、多くの人々と考え合う環境が、いつの間にかこの街にできつつあることに感動した。そして、いかに発見の感動を持って、つねに新しい物を感じるかという基本的な若者のスタンスが、どんな教科書を使うか?という問題よりも大切だと感じた。(8/28)
▼新盆で松山に家族4人で帰省した。東京は先週、若干涼しくなったと聞いたが、松山は湿度は低いものの太陽も近くに感じられ、納骨の日は炎天下で倒れそうだった。納骨を済ませ一段落したあと、長男直樹を先日からリニュアルした「坊ちゃん列車」に乗せ、市駅前から道後温泉駅へ。途中、県庁前では、終戦記念日に愛媛の中高一貫校で採択された「つくる会」歴史教科書に対するハンガーストライキが行われていた。
歴史教育とは何を伝え、何を伝えないかの選択のような気がしている。戦後の教育は「日本の戦争責任」を積極的に伝えた。しかし一方で戦前からの「日本の美」とするものを伝えなかった。
扶桑社版歴史教科書を初めて一般校で採択したのが愛媛であったのは、当然といえば当然かも知れない。しかし、この教科書はその愛媛において戦後教育を受けたshin-pにとっても、愛情のこもらないものに思えた。この教科書が、伝えるべきものを否定したという「戦後歴史教育」に警鐘を鳴らしたという存在意義を認めた上で、この教科書一冊だけで子供たちを教育して欲しくないと感じた。やはり、もう一方の側からのメッセージも必要なのだ。それは、今までの教科書に対しても同様である。日本人に「日本の美」を教えるために「事実」を伝えない教科書であってはならない。「真実」は、それに関連する全ての事実から、学ぶ側の人間が取捨選択し感じていくものでなければならないと思う。
WFの録音についても、事実とメッセージをすべて収集し、そこからいろいろな人々が多様に推察できる「真実」とファンのWFに対する思いを積み重ていくHPでありたいと願っている。(8/19)
▽仏フ協会のメーリングリストによると、SWF011はやはり53年VPOで、マスタリングの途中でテープが混乱した−という。CD化を担当したSami Habra氏は真正43年Liveの「別テープ」をリマスタリング中で、SWF011頒布者には改めてSWF011Rとして新CDを提供する、としている。仏文でl'authentique、英文でauthenticと書かれたこのメールはちょっと解釈に困る部分があるが、O氏の見解では、SWF011Rとして頒布されるベト4は「別演奏」ではなく「別の出所のテープ」で音質がSWF012よりも優れている−としているらしい。(7/17)
▼先週末、松山に一泊で帰ってきた。四国で初めて開かれるプロ野球オールスターゲームで街中が賑わっていた。松山空港ではスター選手を待ち受ける人々の波をかき分けながら実家へ向かった。親戚の人や友人に会って楽しいひとときを過ごした。昨年のこの頃帰省したときはまだ父が生きていて、いろいろな話ができた。そしてもう少しそういう時間が長く続けばと思っていた時からすでに一年が経過してしまった。人とのつながりと時間の大切さを痛切に感じた一年だった。(7/15)
▽ご自身のHPでオルセン氏が1942-1954までのWF実況放送を網羅したPDFファイルを公開。直接LINKは現在問い合わせ中だが、the Furtwangler pages of Henning SmidthのNEWS SECTIONにあるRadio and TV Programmesをクリックすれば見られる。但しPDFリーダーが必要。(7/6)
▼日曜日(6/30)劇団民藝シュぺーアを見に行った。3時間半近くに及ぶ劇で、ヒトラーに可愛がられた戦時中を描いた前半、そして戦後、収容所を出て自伝で有名になる後半と二部構成で行われた。こういう芝居を「サザンシアター」でやってしまうのが民藝が民藝である所以だが、やはり、この設定に関心がない聴衆にも訴える「何か」をshin-pは理解することができなかった。人間ドラマとして描くのであれば、もう少し明確なテーマが必要だったと感じた。(7/2)
▽shin-pHPも9月で開設6周年を迎えます。そこで、古くなったレイアウトを多少変更したいといろいろな団体・企業に巨匠の写真などを提供していただいています。もう少し最終的な改装までには時間がかかると思いますが、内容の充実も併せてご期待ください。
▼伊EMIベト全集については、長野S氏が「一線を画す音質」と[新会議室]に投稿。すぐ通販店なども販売を始め、びなお氏情報ではタワレコでも販売されているようだ。
shin-pも長野S氏のご厚意でこの全集を聞いた。ただし世評のように万人が認める「音質良好盤」とはいえないようだ。
まず、もっとも成功しているのはベト7であろう。この演奏は現時点まで音質良好なものがなく、演奏はLIVEに近い燃え方をしているにもかかわらず、総合的な評判が今ひとつだった。伊盤は、TAHRAのFURT1001のように多少チリチリ感はある。本来は盛大に聞こえるヒスノイズも強引にリダクトしているせいもあって、その痕跡が「金属的な音」となって左側に残っているが、全体的には明瞭で高音質であり、現時点では最も聞き易いEMIベト7といえる。52年録音のベト1,3,4,6や54年録音ベト5も元の音質が良いので多少強引とも言えるマスタリングにも耐え、聞き易く「色の付いた」音質になっている。この色の付け具合を良しとするかどうかは個人の好みだろう。shin-pはTAHRAのFURT1003ほどの成功とは言えないまでも、今までのモノよりも「現代の音」に近づいたと感じる。
最悪なのは第9だ。音はつぶれ気味、強引な音色加味はRCDを思わせ「本来の渋い音」が完全に変化している。
ベト2&8は、元の音質が悪すぎるので今までと同じ印象だ。このように音質は大きく変化している曲もあるが、元のテープの状態は各国のモノとそれほど違いがあるとは思えない。派手な印象が好きな方にのみお薦めできるCDといえる。(6/14)
▼先週火曜日友人が出演する芝居を下北沢に見に行った。初日の当日はあいにく日本対ベルギー戦が行われる日で観客が少な目だったのは残念だった。若手劇団員の中で友人は40代の貫禄というよりも交わることのない平行線的な演技をしていたが、それを現代の観客は「オモシロイ」と思うのだろうか。
なおSWF011のベト4放送録音3楽章は無修正のもの。(6/10)
▽ある方のご厚意により、仏フ協会最新CD=SWF011-013を聞くことができました。注目の43年ベト4もう一つのLiveですが、残念ながら現在SWF892で聴ける53年VPO盤とされているものと全楽章同じものでした。どういう経路で混乱が起きたのかは定かでありません。53年の同じ日の録音とされる「エグモント」と雰囲気などが非常に近く、M&A盤などとも同じ演奏であることから53年盤であることはほぼ間違いないでしょう。比較試聴にご協力いただいた方にお礼申し上げます。(6/6)
▼<演劇/新譜情報>平林氏のレーベルserenadeから前回復刻されなかったメロディア盤各曲を収録したCDが発売。ピンク/イエロー/ホワイトのレーベルを使用とのこと。平林氏のメールはcnh@wta.att.ne.jp。(5/12) ▽劇団民藝が、次回公演で「シュペーア」を取り上げる。建築家からナチスの軍需大臣となった彼は、WF芸術の理解者であった。あの45年1月末のWF亡命の直前、WFの命が危ないと示唆し、WF亡命の決意に影響を与えたのも彼であったという。劇団民藝制作部の上本氏によれば「芝居ではWFのことは出てこない」というが、あの何度聞いても胸が締め付けられる45年フランクに象徴される「時代」を考えるヒントにはなるだろう。3年前のWF劇「どちらの側に立つか」はshin-pHPでも反響を呼んだ。詳細はこちらを。お問い合わせ、及び鑑賞ご希望の方はTEL044-987-7711制作部・上本(かみもと)まで。(5/8)
▼Orfeoの51年ミュンヘン演奏会CD。確かに驚異的な音質改善なのだが、逆に物凄い加工臭を感じる。コリオランのSWFCDはorfeoと同じマスタリングと思われるが、ロマンティックにはArchipelという比較対照にもってこいのCDがある。Archipelは聴衆ノイズと音楽の割合を従来のデッカ盤と同じ「収録通り」にCD化していると思われる。さらにテープは相当劣化しているようでところどころ音楽がとぎれて聞こえる感じがする。orfeoはうまく処理しているのかそういうことはない。DGとデッカのブルックナーでは大きく音質が違うのに、orfeoのハイドンと他の3曲の音質差はほとんどない。また、聴衆は違うはずなのに同じような整然とした拍手も気になる。同じ会場とメンバーで行われた53年ベト4などの音質を考えるとこれは「一体なんなんだ」というのが正直な気持ちだ。(4/22)
▼[新刊情報]「フルトヴェングラー 幻の東京公演」が本日(4/10)発売。日フ協会頒布品にもなっており、[新会議室]の書き込みでも話題になっているのでご存じの方も多いと思います。朔北社刊で朝日新聞記者の横田庄一郎さんが執筆されています。昨年朝日新聞夕刊に掲載された記事の「完全版」ともいうべきものです。(4/10)
▼年度替わり、何かとバタバタして更新が滞っている。このまま連休明け以降も引きずりそうな雰囲気だ。
[新会議室]は4月1日を以て新サイトに移行しました。体裁は以前と大きな変化はありませんが、管理画面が若干変わりとまどっています。書き込みをされる皆様はぜひ趣旨をご理解の上、メールアドレスを記入してご利用ください。匿名ホスト(IPアドレスを公開してないコンピュータ)からのアクセスはブロックされますのでご注意ください。(4/2)
▼なぜか最近中古でさまざまなアイテムが安価に出回ってる。ヤフオクには何か引っかかるものを感じているshin-pにはうれしい出来事だ。53年グレイトRVC盤が1k以下だったり、Vox英雄運命合唱3枚組が0.5k以下だったりといままで欲しかったものがたて続けに入手できた。昨日1k以下で入手したDiscocrop47年ベトPconは仏協会盤CDよりも音が鮮明だった。同程度の価格だった同じくDiscocrop45年ブラ2はユニコーンよりマシの仏協会以下の音質だった。(3/28)
▼先日、知人の名前が某全国紙に掲載された。不祥事についての会社側のコメントとしてだ。「世に問う」仕事をしていれば、予想外の批判にさらされることもある。shin-pが彼だったら「調査中なのでコメントできない」くらいしか言えないと思う。心中を察すると辛いが、彼の人柄がにじみ出るような、ひと味違ったコメントに温かいモノを感じた。
「等身大」という言葉が心の中で響いたのは久しぶりだ。ネットワーカーたちは「匿名性」というネットの性格上、必要以上に自分の背丈を高く見せようとする。[新会議室]という世に発表し、論じる場を主宰していれば、批判を受けるのはやむを得ない。会議室閉鎖を含めていろいろと今後のことを考えていた。そんなとき、ある方から「等身大」「自然体」という言葉をいただいた。「非営利」でネットを通じてWF情報を集める。批判を恐れず、shin-pHPをネット上で永く運営していく「勇気」が沸いてきた。(2/27)
▼すでに各掲示板等で公表されているが、東京フルトヴェングラー研究会「東京フルトヴェングラーフェスト2002」が開催される。何といっても注目は、3月2日「どちらの側に立つか」をテーマのシンポジウムだ。3年前、このページでも劇団民藝の芝居をリポートした。過去最大の戦乱となった嵐の時代に「政治」とは無縁の芸術家などというものはあり得ない。WFやワルターを「良心の個人」などという位置づけをする限り、本当のWF芸術に近づくことは不可能だろう。
今回shin-pもHP管理者(Webメディア関係者)として聴衆側で参加する予定。(2/14)
▼いろいろとこのHPの今後を考えながら過ごした週末だった−
金曜日夜は母と久しぶりに「大橋節夫ワンメロウナイト」を聞くため渋谷に出かけた。オッパチというとハワイアンを連想する方も多いが、実はいわゆる「歌謡」系シンガーソングライターとして、いろいろなところで流れている。shin-pは大学時代、このアーチストの前に住んでいた。母が18歳、初めて東京にきたときからのファンで久しぶりに歌ったという「サヨナラと云わないで」に親子で感動の夜を過ごした。
日曜日、友人が制作に加わった劇団民芸の「海の夫人」を観た。樫山文枝演じる30過ぎの夫人は多少無理があったが、イプセン作のこの古典翻訳劇をなんとか現代人にも理解できるものにしていた。悩み抜いた後の最後の笑顔はすばらしい。
火曜日、S紙を除く全国紙が宅配を決めたのはぎりぎりだったという「休刊日特別朝刊」。S紙の夕刊廃止から、新聞界は大きく変わっていくのかも知れない。おかげで新聞関連の我が社ではブーイングも聞こえた。ソルトレークにかこつけた横並び体質はネットの普及でどう変わっていくのだろうか。
★WFメロディア盤(黒盤)やロシアンCDでおなじみの新世界レコード社と相互リンクいたしました。(2/13)
★このページが重くなってきましたので昨年の書き込みを[01/11以前の今週のshin-p&店頭情報]に移しました。このサイトと[新会議室]の掲載基準については[shin-pHPのポリシー]をご覧ください。(2/12)
▼96年開設以来、テキスト情報重視でレイアウトの基本は一度も変更していませんでしたが、「見づらい」「かっこわるい(?)」という声に応えて新しい壁紙にいたしました。テキスト情報が少しは読みやすくなったでしょうか。またHP開設当時のブラウザでは全く気にならなかったISOコードの文字化けが最近の多言語対応のブラウザでは目立つためShift_JISのコード指定タグも埋め込みました。すべてのファイルに埋め込むには時間を要しますので、文字化けの際は右クリックで出てくる「文字コード」をShift_JISにしてください。(2/8)
▼桧山浩介氏から「91年SFB返還テープ」に関するリポート(冊子)をお借りした。これにはロシアから返還されたテープの状態などが詳細に書かれている。87年デジタルコピー返還テープについての記載もあり、現在91年テープとの照合をしている。後日まとめて紹介する予定だ。学生時代、第2外国語選択とはいえドイツ語が決して得意ではなかったshin-pが読んでいるのでしばらく時間的猶予を! 速報的に言うとやはり91年テープは、それが原テープからコピーされたかどうかはともかくとして戦中当時の「マグネットフォン」テープであることは間違いないようだ。しかし、原テープはメロディア社が管理していた建物にあった!−というある日本人の証言を桧山氏ご自身がお聞きになったことがあるそうで「真贋」騒動が解決する日は遠いようだ。桧山さんいつもありがとうございます。(2/6)
▼<新譜リリース情報>平林氏がSerenadeレーベルからWF/BPO第9ピンクCDR(SEDR2004)を発売。試作品作成の結果が良好という。メールで受け付けるという。 発売については直接、発売元、販売店等にお問い合わせください。(2/1)
▽andanteのアーカイヴは、現在入手できるCDと同じものという。詳細は19521229の資料参照のこと。
▼これはすごいことになった。すでに[新会議室]で大きな話題になっているが、andanteというサイトでRot-weiss-Rotのアーカイヴの一部が公開されている。曲は45年ブラ2&フランク、52年11月29日演奏会のベト1&3。このうち29/11/52ベト3(realaudioが必要)は世界初のものだ。VPOアーカイヴからのものらしく、マスタリングやスーパーヴァイザーにおなじみの顔ぶれもある。これは未発売とはいえすでに知られているアーカイヴだが、他のアイテム(ドビュッシーやショスタコ)にも期待がかかる。(1/21)
▼[ショップ情報]大手CDショップ関係では「ギリシャclassics da capo」など「著作権切れ(大手CD販売店のコメント)」のCDを大量に販売している。音質や曲目については[新会議室]の書き込み参照のこと。アーチペル(Archipel)のCDは中古店でも見かけるようになった。
[新譜リリース情報(送られてきたリリースを元に作成しています)]平林直哉氏のレーベルSerenadeから、たいまつブラ4(SEDR2003)が発売された。カップリングはコリオラン&ハイドン変奏曲。平林氏のメールはcnh@wta.att.ne.jp。コレクター系CDショップなどで販売という。すでにレコ芸のショップ広告にも販売予定が出ている。
また浅岡弘和氏が灯台&たいまつCDRを発売。曲はベト5,4,7など。池袋ミッテンヴァルトが発売予定という。メールはaab54540@pop12.odn.ne.jp
▼近々、父の49日で帰松するのと娘の高校受験などで、久しぶりに東京のお正月を迎えました。一人になった母が心配ですが、祖母のいる実家で新年を迎えて多少安心しました。
なかなか出てこないRot-weiss-Rotのアーカイヴですが、どういう状況にあるのでしょうか。このHPをはじめて感じることは、やはり愛好家が声を大にして発言するか、研究家が探索しない限り、人知れずアーカイヴは眠ったままにあると言うことです。日本でできることは、好事家が集めたprivateなアーカイヴとSP盤を探求することくらいです。最近、著名な研究家を渡り歩いたという数種類のRot-weiss-Rotの中継放送を78rpmアセテート盤で収録したprivate archiveを聞きました。もし残っているとすればオリジナルはどういう音質なのか。英語が堪能なら欧米の研究家とYahoo!(USA) furt-I Groupでメッセージを交換できるのですが。(1/08)
▽父が12月5日午前2時45分死去しました。葬儀には、生涯こよなく愛した「卓球」の関係者の方々に弔問を受け、父も喜んでいたと思います。このHPを見て父の闘病を知り会葬に駆け付けてくれた幼稚園からの友人もいました。また、メールでいろいろといたわりの言葉をかけていただき本当にありがとうございました。喪主として大役も果たせ、今は病気で苦しむ父の姿を見ることが無く、ホッとすると同時になんとも言えない寂しさがいっそうこみ上げてきています。今日、東京へ向かうJALの機内で高校のとき父に買ってもらったグルダ〜アバドのモーツアルトPcon21番が流れていました。このLPにも思い出はあるのですが、今自宅に戻り、やはり巨匠晩年のPcon20番を聞きながら、あの重々しく苦しくも父との最後の交流が出来た10月初旬からの出来事に思いをめぐらせています。
▼桧山氏から1991年11月21日にSFBで放送された91年返還テープの特別番組テープが送られてきた。「モスクワからの音楽の贈り物」と題された番組では、コリオランとブラPcon、カラヤンの英雄が放送された。コリオランは確かにエコーたっぷりのDGよりは音質が優れている。現在M&Aなどで発売されているものと同等の音質で、どういう経路かは不明だが、すでに91年返還テープによるCD化が行われているようだ。問題のブラームスだが、個々の楽器音は同じ日の収録と思われる「トリスタン」に近いと感じられ、トリルなど生々しくてハッとする瞬間も存在する。ただ最も問題とされる終楽章をピークとする「ガサガサ」「ブジュブジュ」というテープの傷んだノイズが89年にNHKで放送された87年テープよりも明瞭に聞こえる。[新会議室]のゆう氏リポートでTESTAMENTがいう「SFBテープのノイズ」とはこのことなのだろう。87年テープの音はDGのマスタリングの関係で、ノイズを押さえるため個々の楽器音が不明瞭になっているが、良好にマスタリングすれば、87年テープの方が市販CD向きだとTESTAMENTは判断したのだろう。「91年原テープの方がいい音」というのが一般的な認識だが、本当はそんなに単純に優劣がつけられるほどの違いはないようだ。つまり、オリジナルの劣化は相当進んでおり、87年コピーテープの方が「テープ傷ノイズ」という点においては状態がよいものが多いのかも知れない。87年テープはNHK-FMで89年に再放送も含め、ほとんど全て放送されたが、91年テープは新返還の曲しか放送されなかったことも気になる。91年ロシアから返還されなかったベートーヴェンの交響曲などはすでにオリジナルが廃棄処分にされるほど傷んでいた可能性が高い。
桧山さんご協力ありがとうございました。(11/20)
▼日曜日の深夜「NHKアーカイブス」で、タイム・トラベラーが放送された。すでにDVDで販売されているが、これをNHKが放送することに意味があるといえよう。地方に住みながらも、たまたま実家が電気店を営んでいたところから録画することができたという視聴者が提供した家庭用のビデオが元になっているという。shin-pはこれをカセットに入れて音だけを保存していた。29年ぶりに見る「少年ドラマ」は、あのなつかしくも苦しかった私立中学受験の日を思い起こさせてくれた半面、中年になった自分にはセットの稚拙さと演技の未熟さの方も感じられ、何とも複雑な気持ちになった。ただ、あの時は理解できなかった「昭和20年の病院から肺炎で死んでしまった娘を昭和47年に連れて帰ろうとする清掃員」の気持ちが今は切実に理解できた。現在の自分の年齢と立場を再確認するようで悲しかった。(11/19)


[01/11以前の今週のshin-p&店頭情報]
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